週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』1巻12号 2010年7月26日
Japan Printer weekly vol.1, no.12

本メディアは,紙メディアである月刊『印刷雑誌』と連携し,月刊誌では遅くなってしまう情報を中心に掲載します。グラフィックアーツに携わる方々のお役に立てば幸いです。

primedex展閉幕
 印刷の情報を発信する展示会primedexが7月22日〜24日,パシフィコ横浜で開催された。主催は,東京都印刷工業組合,東京グラフィックコミュニケーションズ工業組合,東京グラフィックサービス工業会,東京都製本工業組合,印刷機材団体協議会で構成する,同展協議会。出展100社(団体),来場者33,513人だった。
 リョービイマジクスは,LED-UVによる厚紙印刷を実演し,来場者の注目を浴びた。画像処理機器から製本加工機器まで扱うハイデルベルグ・ジャパンは,本展示会を機に独自ブランドのインキやCTPプレートの販売も始めた。これまでもブランケットや洗浄液なども扱っていたが従来品は機能を向上させ,扱い製品も増やした。OEM製品ではあるが,単に製品名を変えただけでなくハイデルベルグ機のローラ配列やインキ・湿し水供給機構に適した資材に改良したものを供給する。桜井グラフィックシステムズは,菊半裁判2色機のデリバリにインクジェットによるナンバリング機構(日立産機システム製)を付け実演した。また,2色目のブランケット胴にミシン刃を付け,ミシン加工もできる提案も行った。

メディア・ユニバーサルデザインの優秀作を表彰
 全日本印刷工業組合連合会は7月24日,primedex展会場で「メディア・ユニバーサルデザインコンペティション」の表彰式を行った。215作品のうち20点が入選した。最優秀賞は,一般の部はケーエスアイの「MUDアラっ? カルタ」が,学生の部では広告デザイン専門学校の飛田誠氏の「UD封筒」が受賞した。
 また審査委員長である東京大学の伊藤啓准教授が応募作品を総評したとともに,NPO法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会の伊藤裕道理事長がメディア・ユニバーサルデザインの社会的必要性などを講義した。

ラベルフォーラム閉幕
 ラベル新聞社は7月22日・23日,東京のベルサール汐留でシールやラベルに関する展示会「ラベルフォーラムジャパン」を開いた。印刷会社がワンパスで作成できる両面POPや剥離紙不要のシールとラベルを展示した。資機材では各メーカーがLED-UV搭載インクジェット機や専用紙を使用しないインクジェット機,加工機などを出品した。
 また講演会では世界や日本のシール,ラベル市場の動向やお酒のラベル,電子部品などで躍進を続ける取り組みなどが紹介された。インクジェット機を中心としたデジタル印刷機の活用,導入後の課題,デジタル印刷機による市場の変化とその対策などについてシールやラベル印刷企業の経営者が討論した。

印刷教育研究会,テレビ制作の現状と展望を聞く
 印刷教育研究会は7月23日,水道橋の東京都立工芸高校で勉強会を開いた。フジサンケイ人材センターの石丸省一郎社長が,自身のフジテレビでの体験をもとにテレビの取材,番組編集との連携,番組の時間構成や各番組ジャンルのターゲット層や裏話などを紹介した。テレビは,インターネットの登場で広告費は減少したがメディアのトップであることはこれからも変わらないだろうと話し,今後も公共性,倫理性を高めて質の良い情報を送るのが使命だと述べた。

凸版印刷,110周年の記念公演と記念誌
 凸版印刷は7月20日〜22日,東京・小石川にある同社で,今年創業110周年を記念した講演会(1日あたり4件)と技術展示会を行った。20日は電子書籍関係の講演が3件あり,100人超の席がすべて満席となるほどの盛況だった。
 また記念誌『TOPPAN INNOVATION2010 明るい未来のために』(B5判112ページ,非売品)も発行した。市場環境への適応,自然と社会の調和,豊かさの創出の3部で構成し,同社の取り組みや社外識者による提言などを掲載している。

ジーエーシー,見当制御で廃棄紙30%減量
 埼玉県に本社を置く雑誌・広告チラシ印刷会社であるジーエーシーは,QuadTech社の色見当合わせシステムおよびカットオフ見当合わせシステムを3台の三菱重工製オフ輪に取り付けた結果,印刷稼動当たり起動時廃棄率を平均30%削減し,生産性が向上した。両システムは,見当合わせカメラを利用。
 日本製紙グループのジーエーシーは,インキと紙の価格急上昇による利益侵食を食い止めるため,2008年にこの技術の導入を決めた。印刷稼動起動から700枚で4色刷りの正確な色見当合わせとカットオフ見当合わせができ,ジョブ当たり300枚の節約が可能になった。

リョービユーザー会,企業理念と経営の工夫を学ぶ
 リョービ製印刷関連機器ユーザーで組織する「リョービ68/75会」は7月24日,東京の品川プリンスホテルで総会と講演会を開いた。リョービイマジクスの浦上彰社長,リョービの吉川進社長,リョービの石井浩司取締役グラフィックシステム本部長が,それぞれ国内印刷市場,堅牢な自社の労務体質,IPEXをはじめとした展示会での近況を話した。
 講演会では「元気が出る中小企業経営の勘所」と題し,(有)がんばれ社長の武沢信行社長が,経営力チェックの事例や,理念の在り方から方針,計画の立て方までを解説した。また,売り方を変える,売り先を変えるなどの工夫で売れなかったものでも売れるようになる事例を紹介した。

ハイデル・フォーラム,顧客満足No.1の人づくり
 ハイデル・フォーラム21は7月22日,神奈川のパンパシフィック横浜ベイホテル東急で全国大会として講演会を開いた。「顧客満足度No.1企業の人づくり:現場力強化と社員教育」と題し,ホンダカーズ中央神奈川の相澤賢二会長から,会社は家族,社員は親兄弟,仕事と作業は異なる,笑顔での姿勢,マニュアルは紙でなく先輩,などの考えで社員満足と顧客満足が得られ,好業績となった例を聞いた。

アポジーユーザー会開催
 AGFA製品のユーザーで組織するアポジーユーザー会は7月22日,パシフィコ横浜で総会を開き,会長にダイコロの駕田毅会長が再任した。また日本アグフア・ゲバルトの松石浩行社長が,ビジネスにかかわるシステム構築や運用についてアドバイスする「システムコンサルタントグループ」を結成したことや,無処理CTPプレートのおもな生産拠点を中国Wuxi工場とすることを発表した。さらに5月に英国バーミンガムで開かれたIPEX展の様子も報告した。
 セミナーも開き,「印刷業界動向とWeb to Printにおける儲け方」をテーマに経営コンサルタントの岩邊久幸氏が講演した。

ロハスプリント,UVランプが販売堅調
 ロハスプリントは2006年から英国アルファ・キュアー社のUVランプを日本で販売している。現在取り扱いは100種類,導入印刷会社は50社を超えた。同ランプは,それぞれの印刷会社が使用している他社製のUVランプと同スペックの製品を受注製造し,より安価で提供することができるとしている。同社ではUVランプのコスト削減として提案を続けている。

凸版印刷,会長・社長披露宴盛況
 凸版印刷は,6月の株主総会で足立直樹社長が代表取締役会長に,金子眞吾副社長が代表取締役社長に正式決定した。同社は7月23日,東京・日比谷の帝国ホテルで創立110周年と両者の就任披露のパーティを催し,1300人以上がお祝いに訪れた。

日本印刷学会,3Dディスプレイの動向発表
 日本印刷学会P&I研究会は8月3日,東京・小石川の印刷博物館で「イメージングの最前線:3Dディスプレイの現状と今後」と題しシンポジウムを催す。7件の講演などで構成。参加費は会員1万円ほか。

 

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週刊『印刷雑誌』1巻12号
2010年7月26日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部


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