週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』1巻21号 2010年9月27日
Japan Printer weekly vol.1, no.21

本メディアは,紙メディアである月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。グラフィックアーツに関するポイント的情報収集にお役立てください。
週刊『印刷雑誌』:毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

アサヒ飲料,デジタルサイネージで広告展開
 アサヒ飲料は9月22日〜26日,東京メトロ銀座駅の構内で缶コーヒー「ワンダ」のキャンペーンとしてデジタルサイネージによる販促活動を実施した。表示媒体には篠田プラズマと富士通フロンテックが共同開発したPTA(プラズマチューブアレイ)技術による「円柱曲面ビジョン」を採用した。5cm厚の薄さで可変性があり,円柱に直接取り付けられる設置簡易性,プラズマや液晶に比べ半分の消費電力で済む省エネ性などが特長。円柱の曲面におけるデジタルサイネージ実施は世界で初めてという。

大日本印刷の光るポスター
 大日本印刷は,電圧をかけるだけで自ら発光するELに関して印刷分野での応用を目指し,曲げることが可能で,光る紙のような薄型ELパネルの開発に取り組んでいる。9月21日より高輝度で白色発光する無機ELパネルと印刷物を組み合わせ,図柄がアニメーションのように変化する「光るポスター」の販売を本格的に始める。今回販売するポスターは,比較的低コストで広い面積に利用できる高輝度無機ELを採用。カラー印刷したポスターの後ろから,無機ELの高輝度な照明光をセグメント方式で発光させることで,図柄をアニメーションのように浮き上がらせる。曲面への設置も可能であり,省電力という特長を活かして,生活者の注目を集める販促効果の高いポスターとしての展開を提案する。
 また大日本印刷は,秘匿性の高い,会話を周囲の人に聞こえないようにする,スピーチプライバシー用の音楽データ生成ソフトを開発した。10月に,当ソフトをポスターと組み合わせたシステム「ポスラサウンドパネルforスピーチプライバシー」の販売を始める。他者に聞かれたくない会話をする場所に同システムを設置し,新たに開発したソフトで生成したBGMなどの音楽を流すことで,会話を周囲の人に聞こえにくくすることができる。

セリック,ソーラシミュレータを本格展開
 セリックは,太陽電池評価用のソーラシミュレータの本格製造および販売を始めると発表した。従来製品のOEM契約終了にともない,今後は自社ブランドとして新規製造していく。セル用,モジュール用それぞれ対応製品をそろえるほか,顧客の予算や用途など要望に合わせたカスタマイズ装置にも対応することを特徴とする。10月21日・22日には埼玉・越谷の同社テクニカルセンターで内覧会を行う。電話03-3555-2261。

シノハラ,製販会社合併
 株式会社篠原鐵工所と篠原商事株式会社は製販統合の上合併し,10月1日から「株式会社シノハラ」となる。

大学と印刷機メーカーの協業
 ダルムシュタット工科大学とハイデルベルグ社は,印刷機や周辺機器の合同調査を2012年までの予定で行っている。両者は2007年から,印刷メディア産業のための新しい応用例の開発を目的に協力している。具体的内容は,おもにパッケージ印刷企業向けの目を引く新しい表面加工技術で,ディスプレイの装飾や電気的特性があるものも含んでいる。これまで,エレクトロルミネッセンスや感熱インキを使ったディスプレイの実績がある。これらは購買意欲を高めるためのパッケージやディスプレイスタンドで使われた。最近は,3D効果や階層構造のあるコーティングの効果などを調査している。

世界最大クラスのオフ輪
 ドイツWeiss-Druck社は,マンローランド製LITHOMAN S印刷機を導入した。マンローランドによると同機は1号機で,輪転幅2860mm・96ページの生産が可能。毎時432万ページの印刷能力となる。Weiss-Druck社は,第4世代に入った家族経営の会社であり,ドイツの東西両側に所在する企画,印刷,出版など30の企業に1400人の従業員がいる。新聞印刷所は,ザクセン州ニュービーズ=ベルゲンにあり,また新聞印刷,商業および枚葉印刷所は,アイフェル地域のモンシャウおよびリンブルフにある。

オランダで高品質な印刷目指す
 オランダ・ロッテルダムにあるネット通販も行う印刷会社iDrukkerは,コーティングユニット付き枚葉機ROLAND 700 HiPrintを導入した。ROLAND 500機の入れ替えだが,6台目のmanroland機の購入となった。同機により,従来の2倍の生産性を目指す。

大判機と無駄の削減
 米国サウスダコタ州スーホールズにあるBell社は昨年末,ハイデルベルグ社の64インチ(162cm)オフセット6色枚葉印刷機Speedmaster XL 162-6+LXと,同社のCTPシステムSuprasetter 162VLFを設備した。数千から数十万部,4〜6色のおもにパッケージを印刷している。同機の米国での導入は初という。
 また,米国イリノイ州ウォーキーガンにある薬品パッケージの印刷会社Nosco社は,2008年にハイデルベルグ社の菊全判機Speedmaster XL 105を設備し,その後にワークフローシステムPrinect Inspectionコントロールを導入した。両製品により,ヤレ紙や無駄な材料を減らしているという。

コニカミノルタBT,インドに販売会社
 コニカミノルタビジネステクノロジーズは7月,インドに独資の情報機器販売会社Konica Minolta Business Solutions India Private Limitedを設立した。プリンタやスキャナーなどの複合機や情報機器製品および消耗品や部品などの輸入販売とサービスを行う。初年度20人体制。

ムック付録で自主回収
 凸版印刷が宝島社の委託を受け製作したムック『Kaerenmamaのササッとかわいいキャラ弁当』(9月7日発売)付録キットの一部,食材用「抜き型5個セット」で,使用方法によっては着色料が食品に付着する恐れがあることがわかった。凸版印刷は9月23日,自主回収を発表した。同日までに食品への色移りや健康への影響は報告されていない。

10月8日まで,亀倉雄策氏の収集した蔵書を公開
 東京・銀座のクリエイションギャラリーG8は9月21日〜10月8日,企画展「Library:亀倉雄策の本棚から」を開いている。東京オリンピックやグッドデザインマーク,NTTのシンボルマークなどを手がけた同氏の収集した国内外のデザイン,写真,建築など1万冊の蔵書から数百点を公開する。会場では書籍を手に取って閲覧できるほか,同氏のポスター,ロゴマークなども展示する。

9月29日に国際ペン,文学フォーラム「本の未来」
 日本ペンクラブは「第76回国際ペン東京大会2010」の1つとして,9月29日に早稲田大学小野梓記念講堂で「本の未来」をテーマにシンポジウムを開催する。パネリストは武田徹(ジャーナリスト),野口不二夫(米国ソニー・エレクトロニクス副社長),野間省伸(日本電子書籍出版社協会代表理事,講談社副社長),松本侑子(作家・翻訳家),渡部一文(アマゾンジャパン副社長)の各氏で,助言者は斎藤康弘,植村八潮両氏,コーディネーターは山田健太氏。入場無料。
http://www.japanpen.or.jp/convention2010/cat87/post_244.html

東京JC,10月4日に総会
 東京JC印刷部会は10月4日,シルクセンター国際貿易観光会館で総会とセミナーを開く。講演は「横浜スタンダードってなに?〜人や企業の望ましいあり方」を主題に,横浜スタンダード推進協議会の江森克治理事長(協進印刷社長)と大川哲郎副理事長(大川印刷社長)が話す。

10月15日・16日に印刷文化典
 10月15日・16日に全日本印刷工業組合連合会と岐阜県印刷工業組合は岐阜で「2010全日本印刷文化典in岐阜」を開催する。各種講演などがあるが,次の各氏を印刷産業発達功労者として表彰する。山岡景仁(三美印刷社長),林初彦(太洋社社長),國光俊彦(至誠堂印刷会長),牟禮昌忠(牟禮印刷社長)。

10月に広島で印刷産業セミナー
 10月22日・23日にKKRホテル広島で「2010印刷産業夢メッセ」が開催される。主催は広島県印刷工業組合と中国印刷機材協議会。印刷産業に関する基調講演,ソリューションセミナー,座学で構成される。
http://www.hiroshima-pia.jp/mtp01.php

10月にオフィス文書のセミナー
 インフォトレンズは10月21日,東京コンファレンスセンター品川でオフィス用途のプリンター,複合機,関連ソフトウェア,サービスに関する「オフィスドキュメントテクノロジーコンファレンス」を開く。欧州や北米を中心としたオフィス機器の現状,展望,新興国での広がり,顧客からの要望などを分析し,解説する。
http://infotrends.co.jp/cf/odt/

来週末に米国でCEOフォーラム
 米国では,ネットを駆使した印刷・出版産業向けメディア組織にWhatTheyThinkがある。manroland社が協賛しており,同組織は10月2日・3日にシカゴで,印刷ビジネスに関するCEOフォーラムを開催する。

EFI,来春に年次大会
 カラーマネージメントソリューションやハイエンドインクジェットプリンタで定評あるメーカーのEFIは,2011年4月26日〜29日,米国ラスベガスのWynnホテルで12回目の年次ユーザー会議を開く。初日はAdobe社CEOのShantanu Narayen社長とEFI社CEOのGuy Gecht氏の討論も予定している。

◇社告◇
株式会社印刷学会出版部は10月1日から,直送にてご注文をいただく書籍・商品の送料(梱包料,代引手数料含む)を下記のとおり改定いたします。
 購入合計金額(税込) 5,250円以下=600円
            5,251円以上=500円

※本誌(週刊『印刷雑誌』)の会員(無料)になられた方には,毎週発行と同時に,メールでご案内させていただきます。ご希望の方は,下記メールアドレスへ「週刊『印刷雑誌』会員希望」とメールしてください。
shukan@japanprinter.co.jp

週刊『印刷雑誌』1巻21号
2010年9月27日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部


go home

(C)2010 Insatsu Gakkai Shuppanbu Ltd.
All rights reserved.