週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』1巻22号 2010年10月4日
Japan Printer weekly vol.1, no.22

本メディアは,紙メディアである月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。グラフィックアーツに関するポイント的情報収集にお役立てください。
週刊『印刷雑誌』:毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

日本印刷学会,各賞候補募集
 日本印刷学会は,「日本印刷学会技術賞」,「日本印刷学会技術奨励賞」の候補および「印刷技術研究奨励金交付希望者」(印刷機材団体協議会からの寄付基金より)を募集している。いずれも募集期間は10月1日〜11月30日。
http://www.jspst.org/prize/enter.html

韓国学生団が水上印刷と小森コーポレーションの工場を見学
 韓国のソウル工業高校,ソウル北工業高校,釜慶大学,新旧大学,中部大学の印刷科や印刷を学んでいる生徒・学生16人が来日し,10月1日に小森コーポレーション・つくばプラントと水上印刷・多摩工場を訪問した。水上印刷では,同社のポルフ活動(PPORF:企業の体質を革新する改善活動)や,CTPから調色,印刷,加工,検品までを見学した。意見交換では同行した教師やソウル印刷情報産業協同組合理事,小森コーポレーション代理店ILJIN PMS社も交え,インキを自動供給していない理由(特色が多い)やどのような湿し水を使っているか(代替H液),水上印刷で働くにはどうすべきか(明るく元気であれば良い),などの質問が飛び交った。また,日本からは国際印刷大学校,日本大学,都立工芸高校,都立六郷工科高校の先生方も同席し,今後,日韓で印刷教育について交流していきたいとの話題が出た。

共同印刷,パルプモールドの食品向けカップ販売
 共同印刷は豊田通商と共同で,パルプモールド(水で溶かしたパルプを金型で一体成形した紙成型品)の食品向けカップの生産技術を確立し,10月より共同事業を始めた。同製品はバージンパルプ素材を一体成形したもので,内面に多層構成したフィルムをラミネート加工し,酸素や水蒸気,移り香などの遮断性を高めた。また発泡スチロール並みの断熱効果もあるほか,耐熱フィルムを組み合わせることで電子レンジにも対応する。形状は自由にデザインでき,凹凸加工も可能。再生利用もできる。なお同社は,10月5日〜8日に東京ビッグサイトで開催の「東京パック」展に同製品を「パルモールカップ」の名称で初出展し,販売を始める。

図書印刷,読売新聞大阪本社から新聞印刷業務を受託
 図書印刷の子会社の関西図書印刷は,読売新聞大阪本社から同社茨城工場の新聞印刷業務を受託し,2011年4月1日より業務を始める。同工場は,敷地面積4395m2,建築面積2888m2,延床面積9469m2で,新聞輪転機を5台設備している。すでに関西図書印刷は読売新聞大阪本社から神戸工場と京都工場の業務を受託しており,今回の茨城工場を含めた3工場体制で効率的な工場運営を目指す。

大平印刷,色弱者用メガネフィルタを発売
 大平印刷(京都)はユニバーサルデザインを意識した「ユニバーサルプリンティング」を推進している。このたび,色弱者が自分の見分けにくい配色を発見できる色弱者用メガネ型フィルタ「イーガ」の販売を始めた。カラーユニバーサルデザイン機構の発案で,伊藤光学工業が製作した。色弱模擬フィルタ「バリアントール」との組み合わせで,色覚コミュニケーションの円滑化を図る。

グラパックジャパン,立体印刷技術のセミナーを開催
 グラパックジャパンは,パターン模様の立体印刷技術HALSでの印刷物の生産や,技術供与を行っている。同社は9月30日,東京・飯田橋の帆風で同技術のパターン制作の基本と応用としてセミナーを開いた。実際にAdobe Illustratorも使って実習も行った。

土山印刷,予防保全で成功
 京都で来年100周年を迎える総合印刷会社の土山印刷は,2006年に新本社と工場が完成し,徐々に生産体制を倍増させていった。新工場の稼働と同時に予防保全と品質強化の活動を始めた。それにより印刷事故率が減少し,また標準印刷の徹底が図られ,現場オペレータを中心にそれぞれが責任を持つという意識が向上したという。

グラフィック,同人作家向けに1部からのグッズ製作
 グラフィックは9月27日,同社の印刷通販事業において,同人作家向けに独自のグッズを1部から製作するサービスを始めた。利用者が描いたオリジナルのキャラクターやデザインを印刷し,カードやポスター,冊子,下敷き,しおりなどを作る。

不二印刷,デジタル印刷の国際的賞受賞
 不二印刷(大阪)は,HP Digital Print Award 2010の「オフセットVsデジタル部門」で受賞した。このPrint Awardは,デジタル印刷業界関係者の国際会議Dscoop Asia 2010と同時開催され,アジア太平洋地域における印刷・パッケージ業界の優れた作品に対し成果と革新性で贈られる。14ヵ国から18の分野に対し350以上の応募があった。

古紙業界の動向を解説
 古紙再生促進センターは9月30日,丸ノ内の東京商工会議所でセミナーを開いた。環境省の増田直人氏が「グリーン購入法」の制定経緯や概要を,富沢の瀧本義継社長が全国製紙原料商工組合連合会が取り組んでいる古紙業界の質を向上させるための「優良性評価事業」について,グローバルプランニングの小笠原秀信氏が日本のオフィスで発生する古紙の実態を調査した結果を話した。

大日本スクリーン,トランスプロモ分野に高生産機
 大日本スクリーン製造メディアアンドプレシジョンテクノロジーカンパニーは,高生産性を図ったフルカラーインクジェット輪転印刷機「Truepress Jet520ZZ」を発表した。従来の品質のまま出力速度を毎分220mに向上し,国内の新聞印刷市場に要求される用紙幅570mmにも対応した。コントローラーには新たに開発した専用ワークフロー「EQUIOS for Truepress Jet520ZZ」を搭載し,バリアブル印刷の高速処理や,バリアブルデータ規格であるPDF/VTへの対応を図った。またPANTONEカラー出力が可能な変換テーブルも搭載した。
 さらにTruepress Jet520シリーズのオプションソリューションとして,新たにインクジェット用外部乾燥装置,バリアブル印刷機用検査装置を開発した。また,インクセービング機能との連携を可能にした。毎分64m出力の普及機モデル「Truepress Jet520EX」もフルカラー機に改良して販売展開を図る。
 なお,同社は10月3日〜6日に米国シカゴで開かれているGRAPH EXPO展にこれらの製品を出展している。

キヤノン,CAD向け大判IJプリンタを発売
 キヤノンは9月28日,B0ノビ判に対応した大判インクジェットプリンタ「imagePROGRAF iPF825/815」を発売した。CAD/GIS図面やポスター出力に向き,最高でA1判1枚を約24秒で出力する。印刷中に交換可能なインクタンクやダブルロールでの給紙機構を搭載したほか,HDDも160GBに拡張して大容量データの出力に対応する。それぞれ145万と89万8000円。

グラフテック,工程一貫のラベルプリンタ発売
 グラフテックは,ラベル作成の出力,ラミネート加工,型抜き,カス取りといった全工程機能を搭載するラベルプリンタ「LABELROBO LCX603」の受注を10月5日から始める。3色,600×1200dpiで出力し,サーマルヘッドの自動温度制御により長時間の稼動でも安定した印字品質となるよう図った。バーコードやQRコードを作成するソフトも同梱し,可変情報が入るラベル作成にも対応する。オープン価格,発売は11月29日。

GMG,パッケージ・ラベルのカラマネで協業
 ドイツGMG社は9月29日,ミマキエンジニアリングのUVインクジェットプリンタUJF-706用のプリンタドライバを開発したと発表した。パッケージ用途の色校正,モックアップ(模型)製作における色精度が向上したほか,制作コストを低減できる。また小ロットのパーソナライズ印刷も可能となる。同ソリューションは10月5日〜8日の「東京パック」展で初公開される。
 また,エスコ・アートワーク社(ベルギー)の試作品製作ツールおよびサンケミカル社(米国)のSmartColourデータベースとも連携し,パッケージ・ラベル分野での特色ワークフローの色安定性向上を図る。

ローランドDG,大容量インク搭載の昇華型プリンタ発売
 ローランドディー.ジー.は10月1日,1リットルのインクを搭載できる大判昇華転写プリンタ「VersaArt RS-640S/540S」を発売した。対応用紙幅はそれぞれ1625mm(64インチ)と1371mm(54インチ)で,最高毎時31.8m2(640S)で出力する。アパレル,テキスタイルやPOP類の高生産性とランニングコストの低減を図った。価格はそれぞれ246万円と216万円。

沖,プリンタの新製品
 沖データは,A4判カラーLED複合機の新商品「MC561dn」,「MC361dn」の2機種の発売を発表した。初の自社開発スキャナーを搭載し,自動両面読取・印刷で世界最薄(自動両面印刷に対応するカラーLED/レーザー複合機の高さにおいて,沖データ調べ)という。「COREFIDO」シリーズのラインアップとして10月上旬より出荷し,A4カラー複合機市場で年間3000台の販売を目指す。
 さらに同社は,LEDプリンタエンジンと環境技術を搭載したA3判モノクロLEDプリンタ2機種を発売すると発表した。解像度1200dpiで印刷速度毎分40ページの「B840dn」と,解像度600dpiで印刷速度毎分35ページの「B820n」。ともに,新開発の低温定着トナーの採用で,ファーストプリント5秒の印刷ができ,LED プリントエンジンによるシンプルな構造のため,高耐久性と消耗品交換などのメンテナンスの簡便さの両立を図った。「COREFIDO」シリーズのラインアップとして10月上旬より出荷し,A3モノクロプリンタ市場で「5年間無償保証」を武器に年間3万台の販売を目指す。
 また同社は,5月に発売した小型カラーLEDプリンタ「C530dn」と「C510dn」が2010年グッドデザイン賞を受賞したと発表した。

富士ゼロックスとオラクルがマーケティング手法で協力
 富士ゼロックスと日本オラクルは,消費者や顧客個人の特性,興味などを分析して行うワントゥワンマーケティングソリューションを共同で構築した。複雑化する顧客要求への対応やROI(投資対効果)の可視化につなげるもので,富士ゼロックスが提供するクロスメディア活用のプロモーションサービスと日本オラクルが提供するSaaS型CRMアプリケーションを連携して効率的な情報配信を図る。

モリサワ,新本社ビルが受賞
 モリサワは9月29日,昨年秋に竣工した新本社ビルがオフィスのデザインや環境などの面で次の4つの賞を受けたことを発表した。受賞したのは,日本産業デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」のオフィス・店舗・生産関連施設部門のグッドデザイン賞,日本経済新聞社やニューオフィス推進協議会などが主催する「日経ニューオフィス賞」の近畿ニューオフィス特別賞(ブランディング賞),照明学会普及部が主催する「照明普及賞優秀施設賞」,日本サインデザイン協会が制定する「SDA賞」の商業サイン部門のシステムサイン分野におけるサインデザイン優秀賞。

富士ゼロックス,グッドデザイン賞と顧客満足1位
 富士ゼロックスが開発したフルカラーデジタル複合機「DocuCentre-IV」シリーズと「ApeosPort-IV」シリーズ,およびカラーオンデマンド印刷機「Color 1000/800 Press」が2010年度のグッドデザイン賞を受賞した。操作部や配色などの使いやすさが評価された。
 また富士ゼロックスは,顧客満足度に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関J.D.パワーアジア・パシフィックが9月16日に発表した「2010年日本カラープリンタ顧客満足度調査」で1位になった。この調査では,カラープリンタの総合的な顧客満足度に影響を与える要素と影響度を「商品」(27%)「コスト」(12%)「販売対応」(24%)「保守サービス」(37%)として算出したもの。J.D.パワーアジア・パシフィックは,1997年からオフィスで使用するカラープリンタの顧客満足度調査を実施しており,今年の調査は全国の企業(従業員規模30〜299人)を対象に5月から6月にかけて実施し,1474の企業から回答を得ている。

沖電気工業,プリンタ子会社2社を合併
 沖電気工業は10月1日,子会社の沖データと沖データシステムズを合併した。存続会社は沖データで,財源や環境の統合により効率的な製品の設計・開発体制を構築して新商品開発を加速させ,多様化するプリンタ市場の需要に迅速に対応していくとしている。

小森,サービス料金体系を予防保全推進型に改定
 小森コーポレーションのサービス本部は,10月1日から料金体系を改定した。突発故障対応の一般修理料金の上昇を抑えながら,計画工事料金は値下げした。

10月7日に近畿小森会
 小森会は10月7日,大阪・中之島のリーガロイヤルホテルで「近畿小森会」を催す。また,10月20日にホテルオークラ福岡で「九州小森会」を,11月16日に東陽町のホテルイースト21東京で「関東甲信越静小森会」と「東京小森会」を合同で,それぞれ開く。

10月8日に印刷学会秋期セミナー
 日本印刷学会は10月8日,東京ミッドタウンの富士フイルム会議室で「プリメディアへの飛躍」をテーマに秋期セミナーを催す。
http://www.jspst.org/event/101008.html

日本WPA,10月8日に一般社団法人化設立総会と記念セミナー
 日本WPA(水なし印刷協会)は10月8日,東京・横網の第一ホテル両国で一般社団法人化の設立総会と,「米国における印刷会社の成功を目指した変様」をテーマにセミナーを開く。
http://www.waterless.jp/about/activity/archives/002083.php

技術協会,10月21日に広島で会員の集い
 日本印刷技術協会は10月21日,同協会会員および中国・四国地区の印刷工業組合加盟企業を対象に,地域会員の集い「JAGAT 中国・四国2010」をKKRホテル広島で開く。「IT時代の消費行動と地域情報」,「マルチユース型観光情報サービス」などの講演と懇親会で構成。参加費6000円。
http://www.jagat.jp/content/view/2380/

印刷博物館P&Pギャラリー,10月23日から世界のブックデザイン展
 印刷博物館P&Pギャラリーは10月23日から2011年1月23日まで,「世界のブックデザイン2009−10」展を開く。毎年3月にドイツ・ライプツィヒで開催されている「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書とともに,同コンクール上位入賞の常連である,日本,ドイツ,オランダ,スイス,フランス,中国と,今年新たにオーストラリアを加え,優れたデザインの書籍240冊を紹介する。入場無料。
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/index.html

日本画像学会,10月29日に電子写真の勉強会
 日本画像学会は10月29日,東京工業大学すずかけ台キャンパスで「電子写真現像技術」をテーマに勉強会を催す。トリクル現像を富士ゼロックス,ジャンピング現像をキヤノン,タッチダウン現像を京セラミタ,液体現像技術の展望と超高速連続帳票用モノクロレーザープリンターの現像プロセス技術をリコーが発表予定。会員3000円,非会員5000円,学生1500円。
http://www.isj-imaging.org/event/imaging_today/2010_IT_18.html

11月4日に地球温暖化防止実行委員会セミナー
 地球温暖化防止実行委員会は,11月4日に東京・錦糸町のすみだ産業会館で第3回セミナーを開催する。「バリアフリー・ボーダレス化への提言!!」をテーマに,CFPの基調講演,埼玉県目標設定型排出量取引制度,CO2排出削減などの環境対応システムの動向について講演を予定している。参加費5000円,申込み締切は10月25日。問い合わせは,関東グラビア協同組合事務局(電話03-3622-1895)。

11月6日,長野・上田で色彩情報シンポジウム
 「第4回色彩情報シンポジウムin長野2010」が11月6日,長野大学リブロホール(長野県上田市)で開催される。主催は長野大学,共催は日本色彩学会。参加費2000円。
http://www2.nagano.ac.jp/color/

フュージョンUV,11月9日・11日,東京・大阪でUV技術セミナー
 フュージョンUVシステムズ・ジャパンは「需要創出とUV硬化技術」をテーマに,講演会を開く。11月9日に有楽町の東京国際フォーラム,11月1日に天満橋の帝国ホテル大阪。ともに入場無料。
http://www.fusionuv.co.jp/whatsimg/FKK_seminar_201010.pdf

画像4学会,12月15日に講演会
 日本画像学会(幹事学会),画像電子学会,日本写真学会,日本印刷学会は12月15日,東京・新富の日本印刷会館で,LEDの照明や演色性について講演会を催す。共催学会会員5000円,学生3000円,会員外7000円。
http://www.jspst.org/event/101215.html

◇社告◇
株式会社印刷学会出版部は10月1日から,直送にてご注文をいただく書籍・商品の送料(梱包料,代引手数料含む)を下記のとおり改定いたします。
 購入合計金額(税込) 5,250円以下=600円
            5,251円以上=500円

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週刊『印刷雑誌』1巻22号
2010年10月4日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部


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