週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』1巻35号 2010年12月27日
Japan Printer weekly vol.1, no.35
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

廣済堂とモリサワ,電子書籍事業で提携
 廣済堂とモリサワは12月22日,電子書籍事業において協業すると発表した。これにより,モリサワの電子書籍ソリューション「MCBook」で制作したコンテンツを廣済堂のiPhoneやiPad用の電子書籍書店アプリ「BookGate」上で2011年1月より販売する。出版社の販路拡大を見込むほか,廣済堂では電子書籍コンテンツの制作も請負う。今後はアンドロイド向けにもサービスを拡大する予定。

廣済堂,iPhone,iPad用の電子書籍書店アプリに推薦文サービスを提供
 廣済堂はmaqsと慶応義塾大学SFC研究所と連携し,iPhoneやiPad用の電子書籍書店のアプリ「BookGate」上で利用者向けの商品推薦サービスを2011年春より提供する。アプリの利用履歴や購入履歴などのデータを蓄積した上で利用者の嗜好に合わせた書籍の推薦を行う。

ラジオカフェ,電子書籍サイトで音声付き電子書籍を販売
 ラジオカフェが運営する電子書籍サイト「ラジオデイズ」では12月24日より,音声付き電子書籍3シリーズを販売している。既存の音声コンテンツをEPUB形式の電子書籍と組み合わせたもので,2011年よりアップストアでの販売も始める。

アスカネット,プロ向け写真編集ソフト開発
 アスカネットは2011年1月より,プロ写真家向けの写真集制作サービスとして,写真集制作専用ソフトASUKABOOK Maker2を無償配布する。専門の技術なしにDTPでの編集が行え,同社の専用サイトで表紙仕様や表面加工の異なる800種以上の写真集の発注ができる。OSはWindows,Macintoshともに対応。

美謄堂,フォトブック市場に参入
 一般商業印刷を中心にオンデマンド印刷,製本も行っている印刷会社の美謄堂は,7月より,一般消費者向けフォトブック市場に参入した。これにともない,同社ではビジュアル・プロセッシング・ジャパンのフォトブック作成ツール「DigiLabs」を導入し,フォトブック制作サービス「Let's」を始めた。同サービスでは,顧客側が自由に編集・制作したフォトブックをオンラインで受注し,高級さを感じさせる光沢表示のハードカバーで提供する。

プライムワークスとセルシス,電子書籍ビューアをドコモに提供
 プライムワークスとセルシスは12月21日より,ドコモマーケットのアプリストアに対応した総合電子書籍ビューア「BSReader」(ビーエスリーダー)をコンテンツ提供者向けに提供している。同ビューアは電子書籍コンテンツとビューアを一体にしたiアプリで,タイトル単位でのコンテンツ提供も可能になった。同ビューアは現在,国内の携帯向けサイト1100以上で採用され,シェアは9割を占める。

モリサワ,フォント契約更新を容易に
 モリサワは,同社フォントライセンス「MORISAWA PASSPORT」の契約更新の簡易化を図った「MORISAWA PASSPORT 更新専用パック」を1月21日から販売する。PC1台/1年間のパッケージ製品で,契約更新時に必要な書類手続きを省くことで更新を手軽に行える。4万8000円。

リンテック,ICタグラベルを特別価格で提供
 リンテックは,1月5日〜3月31日の期間限定で,粘着ラベルタイプICタグの「ICタグ“はじめて”パック」を提供する。幅や長さの異なる4種類の製品から2種類(各100枚)を自由に選択でき,1社1セットのみの販売で2万9800円。通信周波数はすべて13.56MHz。

リンテック,日めくりスクリーンセーバーをバージョンアップ
 リンテックは,Webサイトで配信中の日めくりカレンダーのスクリーンセーバー「めくるめくカレンダー」をバージョンアップし,「めくるめくカレンダー2011年版」として配信を始めた。

インフォトレンズ,国内デジタル印刷機市場規模と予測を発表
 インフォトレンズは12月20日,国内市場における業務用デジタル印刷機市場の予測レポートを発表した。2009年の国内業務用デジタル印刷機の販売台数は2209台で,2014年には2611台に成長すると予測した。カラー機は低価格帯の出荷が伸びており,付加価値の高い機能を持つ製品の増加とフォトラボなどユーザー層拡大が要因と分析している。また,インクジェット方式の画質向上,コート紙対応による用途拡大も挙げている。同レポートの詳細は9月に発行した「2010年国内POD市場動向の分析と予測」(120万円)に掲載している。

主婦の食品購買行動調査結果,6割が買い物前に夕食メニューを決定
 大日本印刷の子会社でスーパーマーケットにおける販売促進活動の支援を行うアットテーブルは,国内1万2000人の主婦を対象に食品購買行動に関する調査をインターネットで行い,調査結果を12月20日より販売した。本調査では,夕食メニュー決定のプロセスやチラシの活用,食品スーパーの利用に関する項目を中心とした。内食率が向上し,節約志向が高まっているほか,買い物前にもっとも参照する媒体は新聞の折り込みチラシで,新聞購読者の約9割がチラシを閲覧しているなどの結果が出た。

携帯電話活用調査,メールでのありがとう上手は好印象と回答
 凸版印刷は12月22日,携帯電話で撮影した写真を動画にできる同社の無料サイト「フォトロコ」で,20〜39歳の未婚女性を対象にメールに関する意識調査を行った。もらって嬉しいメールの第1位は「ありがとう」(41%)との結果が出た。同サイトでは現在,KDDIコンシューマ東北支社と共同で「ありがとうを伝えよう! auサンキューコンテスト」を2011年1月13日まで行っている。

凸版印刷,朝日新聞社,日刊スポーツ新聞西日本が出資し,印刷工場運営
 凸版印刷は12月22日,朝日新聞社,日刊スポーツ新聞西日本の3社が出資する新会社を設立し,凸版印刷の所有する大阪・海老江の敷地に新聞印刷工場を建設すると発表した。同工場は敷地面積約2万7000平方メートル,5階建て。延べ床面積約2万4720メートルで,新聞工場専用部分が約1万6000平方メートル,凸版印刷の製版部門が約7430平方メートルを使用する。輪転機は5セットで三菱重工印刷紙工機械製4×1機を設置する予定。2011年6月に着工し,2012年9月より1セット目を稼動させる予定。

モリサワ,MCBookがデジタル・インフラ賞を受賞
 モリサワは12月24日,日本電子出版協会主催の「JEPA電子出版アワード」で「デジタル・インフラ賞」を受賞したと発表した。同アワードは,日本の電子出版物の育成と普及啓蒙を目的として創設され,今年で4回目。コンテンツ主体のソフトから,オンライン・サービスまで,広義の電子出版物を対象とし,サービス提供者に対して授与される。今年は,6ジャンル合計68点の候補作品の中から各ジャンル賞が投票で選ばれた。
 そのほかの賞は,ネットワーク・コンテンツ賞:「Yahoo!百科辞典」Yahoo・小学館,オンライン・サービス賞:「理想書店」ボイジャー,ベンチャー・マインド賞:「パブー」paperboy&co,アドバンスト・デバイス賞「iPad」Apple,ロングセラー賞:「電子書店パピレス」パピレス。

小森,東洋インキ,キャラクターを活かすグッズ・ギフトの展示会に協力
 キャラクターをあしらったグッズ・ギフトの展示会「TOKYO CHARACTERS COLLECTION 2010」が12月18日〜26日,東京・表参道のスパイラルガーデンで開催された。フィリックス・ザ・キャット,ガチャピン・ムック,ピーターラビットなどのキャラクターが印刷物や家具,人形などの商品とコラボレーションした展示会。小森コーポレーションと東洋インキ製造は,省電力UV印刷とシルクスクリーン印刷によるトレーディングカードの製作や,家具への粘着フィルムの利用などで協力した。

千葉大学,情報画像産学技術交流会開催
 千葉大学「第4回 情報画像産学技術交流会」が12月20日,西千葉キャンパスのけやき会館で開催された。学生,卒業生に限らず学外から200人近い参加者があった。主催は国立大学法人千葉大学工学部画像科学科,同情報画像学科。
 「未来を創るイメージング材料技術:プリンティングから電子ペーパーまで」と題し,同大学工学部画像科学科の北村孝司教授が10年後のイメージング技術についてプリンテッド・エレクトロニクスやリアリティ・プリンティングなどを解説し,紙が独占的なメディアであった時代から他のメディアと共存していく時代になり,改めて紙とプリント技術の存在が問われていると話し,今後の技術を考えていく上で印刷技術の基礎研究が絶対に必要だと述べた。「産学連携と事業変貌を実現するイノベーション,MOT・MOS」と題し,JSRの鴨志田洋一氏が自社を例に,イノベーションで技術変革し,事業を拡大していった例を紹介した。メインの情報画像全27研究室のポスター展示では,自社の技術に関係する研究室の研究内容を熱心に見学し,質問もあちこちで飛び交っていた。

日本印刷技術協会,年間技術の総括セミナー開催
 日本印刷技術協会は12月21日,東京・杉並の同協会でセミナーを催した。2010年に話題となったインクジェット技術とUV印刷システムを焦点に,富士フイルムグラフィックシステムズ,コダック,メディアテクノロジージャパン,ローランドディー.ジー.,小森コーポレーション,リョービイマジクスの各社が製品の特徴や搭載技術,展望などを述べた。また特別講演として,技能五輪国際大会オフセット印刷職種の日本代表選手候補である伊東真規子氏が所属する亜細亜印刷の藤森英夫社長が,同社の経歴や社風,現場オペレータの教育方針などを話した。

経済産業省,工業統計調査協力を呼びかけ
 経済産業省は平成22年工業統計調査を行う。12月中旬から1月にかけ,調査員が各企業に訪問し12月31日現在の数字を聞く。これに伴い,調査対象事業所に調査協力を呼びかけている。同調査は,製造業の国勢調査ともいわれ,調査結果は政府や自治体の各種行政施策の基礎資料として使用されるほか,学術や産業の研究資料などにも広く使われる。

1月13日から「ヒプノシス」が手掛けた名盤のジャケット展示
 金羊社は東京・鵜の木の同社で音楽のLP・CDジャケットやパッケージの展示を行っている。2011年1月〜3月は,英国のデザイン集団「ヒプノシス」が手掛けた1970年代のブリティッシュ・ロックを象徴する名盤のジャケットを中心に特集する。また特殊な仕掛けを施したパッケージも紹介する。
 開催日程は1月13日,20日,27日,2月3日,10日,17日,24日,3月3日,10日,17日,24日。要予約。
http://www.kinyosha.co.jp/mjg/index.html

1月14日から,LPレコードジャケットデザインの展覧会
 LPレコードジャケットデザインの展覧会「洋楽ROCK&POPS1000枚のLPジャケット展」が2011年1月14日〜2月3日,東京・蒲田のギャラリー鴻で開かれる。主催は日本工学院専門学校と東京工科大学で,金羊社とCoppe'が協力している。総延長約200mの壁面にさまざまなジャンルとテーマで合計1000枚のレコードジャケットを展示し,レコードジャケットの迫力と魅力を紹介する。14日には音楽評論家の萩原健太氏と湯浅学氏のトークイベントも行う。トークイベント参加は入場無料,Eメール申込で先着100名。
http://www.neec.ac.jp/gallery/index.html

2月26日に,日本印刷学会中部支部が印刷機からの品質管理セミナー
 日本印刷学会中部支部は2011年2月26日,名古屋・東区の東桜会館で「冬季印刷情報セミナー:原点の印刷機上から品質向上」を行う。湿し水の基礎知識と品質管理についてDICグラフィックスが,ブランケットとゴムローラーの基礎知識と品質管理について金陽社が話す。また,自社印刷現場での問題点と解決策の質疑応答時間として,高木茂男氏を司会に両者が答える。会員7000円,非会員9000円。
http://www.jspst.org/event/110226.html

アジア印刷包装機材展,8月31日〜9月3日にタイで開催
 「PACK PRINT INTERNATIONAL 2011:第3回アジア印刷包装機材展」が2011年8月31日〜9月3日,タイ・バンコクの国際展示場で開かれる。主催はメッセ・デュッセルドルフ・アジアとタイ包装工業会,タイ印刷工業会。
http://www.messe-dus.co.jp/fileadmin/download/PPI2011_outline.pdf
http://www.pack-print.de/event.html

インターオプト展,2011年9月28日〜30日に横浜で開催
 レーザ,フォトニクス,光デバイス製品を一堂に集めた光産業の国際技術展示会「インターオプト」が2011年9月28日〜30日,神奈川のパシフィコ横浜で開かれる。主催は光産業技術振興協会。出展料は1小間約9m2で36万円,申込締切は2011年6月30日。4月8日までに申込むと1小間目から10%割引になる。そのほか,光テクノロジーの総合展として「BioOpto Japan」「LEDジャパン」「LaserTech」も併催する。
http://www.optojapan.jp/interopto/index.html

ビジョン チャイナ2011,北京で10月に
 「ビジョン チャイナ2011」が「中国国際光電産業博覧会」と「中国国際レーザー・光電子・フォトニクス展」とともに10月26日〜28日,北京の中国国際展覧センターで開催される。主催は中国画像図形学学会,中国国際貿易促進委員会,中国光学光電子産業協会など。出展申込は9月22日まで。
http://www.chinainfo-jp.com/expo/vision.html

中国国際食品加工及び包装機械産業展,北京で11月に
 「第12回中国国際食品加工及び包装機械産業展」が11月2日〜4日,北京の中国国際展覧センターで開催される。主催は中国食品及び包装機械工業協会など。出展申込は9月30日まで。
http://www.chinainfo-jp.com/expo/foodtech.html

中国国際印刷機材展が上海で11月に
 「All in Print China:第4回中国国際印刷機材展」が2011年11月14日〜17日に中国の上海新国際博覧中心で開かれる。主催はメッセ・デュッセルドルフ・チャイナと中国印刷技術協会,中国印刷科学技術研究所。
http://messe-dus.co.jp/fileadmin/download/AIP2011_outline.pdf

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2010年は週刊『印刷雑誌』を応援してくださり,ありがとうございました。
 次回は,2011年1月3日(月)はお休みし,1月11日(火)に発行予定です。
来年も何とぞよろしくお願い申し上げます。

週刊『印刷雑誌』1巻35号
2010年12月27日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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