週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻2号 2011年1月17日
Japan Printer weekly vol.2, no.2
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

大日本印刷,ドコモなど,7機種で電子書籍事業開始
 大日本印刷とエヌ・ティ・ティ・ドコモ,CHIグループの3社による共同事業会社トゥ・ディファクトは,ドコモの携帯端末向け電子書籍書店「2Dfacto」を1月12日から開設した。同サービスは大日本印刷が行ってきた電子書籍サービス「honto」の文芸書やコミックを中心に約2万点を販売し,今年春には10万点に拡充する予定。オンライン書店,電子書籍書店,リアル書店を連携するサービスとして相互に付加価値を与える機能やコンテンツ提供を進める。対応機種はドコモのスマートフォンのほか,1月21日に発売するドコモ電子書籍専用端末「ブックリーダー」(シャープ製)など7機種。今後はドコモ以外の携帯端末にも対応するオープンなシステムとして展開を検討している。

文理,iPhoneやiPod touch,iPad向けに教材を提供
 文理は1月11日,iPhoneおよびiPod touch,iPad向けの学習教材アプリケーションの提供をAppStoreで始めた。文理が発行している書籍『かんたん新書シリーズ』をグラムが電子書籍化したもので,小中学生向けに歴史や国語,理科などを学べる。350円。

古本買取通販ドットコム,漫画全巻を一括購入できるWebサイト開設
 古本買取通販ドットコムは1月3日,新品の漫画を全巻一括販売する専用サイト「全巻ドットコム」を新設した。新品の漫画本全巻の注文のみを取り扱い,受注から24時間以内に発送するとしており,16時までに受注した物については当日発送を行う。

岡村,3年間の予防保全活動で印刷仕損率24%減
 食品パッケージやラベルの企画,製造を行っている(株)岡村は埼玉の行田工場で2007年より小森コーポレーションの協力で予防保全活動を始め,2010年9月時点で仕損率を24%減少させた。同社では経営者,社員,パートの全員が参加し,印刷機の日常的な点検,メンテナンスを含む工場全体の環境改善,製品の品質改善に取り組んだ。その結果,仕損数を工程内検査数で割った仕損率は改善前の0.66%から0.5%に減少し,一般修理回数も年2回程度から,3年で2回と減少した。

大日本印刷,運転免許証の真贋判定システムを販売
 大日本印刷と100%子会社のDNPIDシステムは1月5日,IC運転免許証のICデータを読み取り,真贋判定を行う「本人確認用運転免許証読取システム」の販売を本格的に始めた。同システムはすでに東京の杉並区役所や府中市役所など複数の自治体で,住民基本台帳カードの交付時に偽変造運転免許証の不正使用防止対策として採用されている。

富士フイルムグラフィックシステムズ,PAGE展で新製品発表
 富士フイルムグラフィックシステムズと富士フイルムシンプルプロダクツは,2月2〜4日に東京・池袋のサンシャインシティで開かれるPAGE2011展に,次の新製品を出展する。
 サーマル無処理CTPプレート「XZ-R」(仮称),デジタルプレス新ラインアップのカラープリンタ「富士ゼロックスDocuColor 1450 GA」,検版装置「XPC-940」(仮称),現像廃液削減装置「XR-2000/5000」,UVフレキソ版「DF114YS III」(参考出品),ワークフローシステム「FUJIFILM WORKFLOW XMF V3.1 / XMF Remote」, データ管理サーバ「Print Bucket」(仮称),DB連動チラシ・カタログ制作支援システム「Orbit Magic 2」,同企画支援システム(参考出品),バリアブル印刷ソフト「Form Magic 4.1」,テンプレートパブリッシング「Webオートレイアウトソリューション」(仮称,参考出品)。

日本アグフア・ゲバルト,PAGE展に出展
 日本アグフア・ゲバルトはPAGE2011で,おもに次のソリューションを紹介する。デジタルワークフロー「APOGEE Prepress 7」,新面付け機能「アポジー・インポーズ」,Web入稿・校正・承認システム「APOGEE Portal」,白インク出力対応大判UVインクジェットプリンタ「Anapurna Mw」。

日本印刷技術協会,クロスメディアエキスパート受験サポートガイド発行
 日本印刷技術協会は1月14日,『クロスメディアエキスパート受験サポートガイド』を刊行した。『DTPエキスパート受験サポートガイド』の姉妹編で,クロスメディアエキスパート認証試験で出題される「学科試験」と「論述試験」の両方をサポートしている。A5判,190ページ,税込1650円。

東洋インキ製造,高濃度新聞インキを開発
 東洋インキ製造は,高濃度新聞プロセスインキ「ヴァンテアンエコー リオ」を開発した。薄膜印刷を想定して設計し,黄・紅・藍を従来に比べ高濃度化することで約20%のインキ使用量が抑制できるほか,墨は黒色感を向上させドライダウンを抑えたことで基準濃度の低設定が図れる。同製品は1月20日の同社個展で発表し,4月から販売を始める。

VPJがWeb-CMSとDAMの統合コンサル事業を開始
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは1月13日,日立情報システムズとフレームワークスソフトウェアと協業し,Webサイトの企画立案から協議,設計,Web-CMSとDAM(デジタル資産管理)システムの構築,運用を支援するコンサルタント事業を始めた。企業のマーケティング活動における複数サイト構築,多メディア展開に必要な情報や効率的な運用方法を提供する。

全国カレンダー展で各賞発表
 日本印刷産業連合会と日本印刷新聞社は1月12日,東京の銀座ラフィナートで「全国カレンダー展」の表彰式を行った。応募718作品から93作品が入賞した。各部門で経済産業大臣賞を,松尾建設(印刷:凸版印刷),王子製紙(印刷:サンエムカラー),日本野鳥の会(印刷:光村印刷)が受賞した。審査委員長の勝井三雄氏は,豪華さや丁寧な製作態度を感じられる質の高い作品が多かったと講評した。また同日〜14日に,東京銀座画廊美術館と大阪マーチャンダイズ・マートで入賞作品を展示した。

印刷技術懇談会,地域活性化事業の動向を知る
 印刷技術懇談会は1月14日,東京・中野坂上の東京工芸大学で勉強会を開き,利根川印刷の利根川英二社長から,同氏が中心となって立ち上げた湯島本郷マーチング委員会の活動について学んだ。この活動は地元である湯島本郷の地域活性を目指し,心に残る地元風景を水彩画として仕上げたことから始まり,それをコンテンツとして展覧会や絵はがき,切手,パンフレット,観光案内板などへ展開している。またこの活動が国内のほかの地域でも広がりつつあることを聞いた。

竹橋プリンティングセンター,国宝の「デジタル復元」の講演会
 竹橋プリンティングセンターは1月11日,東京・竹橋の如水会館で「コミュニティスクエア交流会」を開いた。「デジタル復元の世界:日本の国宝,最初はこんな色だった」をテーマに,CGで作品が完成した当時の姿に復元する「デジタル復元師」の小林泰三氏から美術品や文化財の色について聞いた。

ブライター・レイター,新規ビジネスの提案でセミナー
 コンサルティング会社のブライター・レイターは「10%のリソースを投じて30%の利益を得る新規ビジネス戦略」を提案する「10→30戦略室」を立ち上げた。キックオフセミナーとして同社は1月13日,東京・銀座の中小企業会館でこの戦略の提案に関するセミナーを行った。日本印刷技術協会の新井昭博氏が立ち上げと印刷産業の背景を説明し,ブライター・レイターの山下潤一郎代表が新規ビジネス立ち上げの意識について,またバリューマシーンインターナショナルの宮本泰夫氏,面影屋の湯浅夏奈氏がビジネスへのアプローチやオープン化へのビジネスについて話した。

アド・ミュージアム,雑誌広告の優秀作を紹介
 アド・ミュージアム東京は2010年11月23日〜2011年1月16日,「日本雑誌広告賞」展を開いた。日本雑誌広告協会が主催した同賞で,応募作4437点の中から入賞した32作品を展示した。特殊加工広告部門では,トレーシングペーパーに印刷した絵柄の下に次ページの絵柄が透けて見えるものや,型抜きの手法を効果的に用いた作品があった。また,企業と雑誌が協同した商品紹介や,iPadを使った電子雑誌と広告の展示などもあったほか,台湾の広告賞「4A Yahoo! 創意賞」の受賞作62点を紹介した「台湾広告展」も併催した。

青森県印刷工業組合,電子書籍を聞く
 青森県印刷工業組合は1月14日,青森国際ホテルで講演会と新年交歓会を開いた。参加者70人。講演会では,「電子書籍が印刷業に与える影響」について東京電機大学出版局の植村八潮局長から歴史から現状,ビジネスとしての考え方を聞いた。

桜井グラフィックシステムズ,恒例の賀詞交歓会
 桜井グラフィックシステムズは1月11日,東京・水天宮のロイヤルパークホテルで購買会会員を中心に260人の参加で謝恩新年パーティを催した。桜井美国会長は「プリンテッドエレクトロニクスの分野に参入していく」,桜井隆太社長は「日本は技術開発と応用力,技術に対する高い意志に強さがある。これらを活かしてお客様のために踏み込んでいく」と挨拶した。

韓国印刷業界も悪い状況
 韓国の新丘大學で印刷の研究・教育に携わり,韓国印刷学会副会長でもあるSung-Sang OH教授が1月8日,本誌に韓国の印刷業界の現状を紹介した。韓国は次のような状況であるといい,日本の動向や考えを学びに来日した。
 (1)価格競争は止まらない。資機材の切り替えによる経費削減は進まず,採算性度外視での受注もある。(2)各団体がバラバラで業界全体でのリーダーシップがない。(3)印刷教育を行う大学,学校が減っており,現在大学は2つだけ。人材育成カリキュラムも貧弱であり,優秀な人材が業界に来ない。転職率も高い。(4)国土が狭いにも関わらず設備過剰状態にある。(5)デジタル市場がオフセット市場を食っている。

沖データ,ブラジル不動産業でプリント管理業務を受託
 沖データは,このたびブラジル国内に80箇所の拠点を持つ大手不動産会社ロッシ社より,プリント管理(MPS)業務を受託した。ロッシ社の全拠点のプリンタと複合機の最適配置とプリント管理システムの導入で,プリント管理業務の生産性向上を目指す。セキュリティ強化とプリント量20%削減を見込む。
 ブラジルでは,経済の急成長にともない不動産市場が大きく成長。ロッシ社は事業の拡大にともない,CAD図面や契約書,企画書などのプリントが毎月60万枚を超えるほど増加しており,コスト削減,セキュリティ強化,消耗品切れと故障対応による業務停止時間削減のため,保守を含めたプリント業務のマネージメント強化が課題となっていたという。

凸版印刷,第4回チャリティコンサート開催
 凸版印刷は,東京・小石川の同社内トッパンホールで「第4回トッパン チャリティーコンサート」を開催する。3月10日(19時開演,4000円)は松田理奈によるヴァイオリンリサイタル,3月15日(19時開演,5500円)は森麻季によるソプラノリサイタル。
http://www.toppanhall.com

シノハラ,民事再生法
 帝国データバンクによると,(株)シノハラ(篠原幹夫社長,従業員260名)は1月11日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し,同日保全命令を受けた。

1月31日まで,ギンザ・グラフィック・ギャラリー企画展「秀英体100」
 ギンザ・グラフィック・ギャラリーは「秀英体100」展を1月31日まで開いている。大日本印刷の前身である秀英舎が作った書体,秀英体の100周年を記念し,永井一正氏監修のもと,グラフィックデザイナー24名とデザインチーム1組が秀英体を使ったタイポグラフィ作品を展示している。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

1月19日〜21日,先端電子材料展・プリント配線板展など開催
 「第40回インターネプコン・ジャパン」(エレクトロニクス製造・実装技術展),「第28回エレクトロテスト・ジャパン」(エレクトロニクス検査・試験・測定・分析技術展),
「第12回国際電子部品商談展」,「第12回半導体パッケージング技術展」,「第12回プリント配線板EXPO」,「第2回(先端電子材料EXPO」(マテリアルジャパン),「第1回精密微細加工技術EXPO」(マイクロテックジャパン)などからなる複合展が1月19日〜21日,東京ビッグサイトで開催される。主催はリードエグジビションジャパン。
http://www.nepcon.jp/

1月21日・22日,光文堂新春機材展
 光文堂は1月21日・22日,第47回「新春機材展」を名古屋の吹上ホール(名古屋市中小企業振興会館)で開催する。併設セミナー「ビジネスの方向転換を支えるデジタル印刷」「拡大するデジタルサイネージを掴め」も行う。展示会入場無料,セミナーは無料だが要予約。
http://www.kobundo.co.jp/

1月21日,日本印刷技術協会が名古屋で会員の集い
 日本印刷技術協会は1月21日に,ホテル名古屋ガーデンパレスで会員の集い「JUMP中部2011」を開く。参加費8000円,2人以上2人目から6000円。
http://www.jagat.jp/content/view/2486/380/

1月23日,日本ペンクラブが「電子書籍と図書館」セミナー
 日本ペンクラブと追手門学院は1月23日,追手門学院大阪城スクエアで「電子書籍と図書館」をテーマに講演会と討論会を催す。参加費500円。
http://www.otemon-osakajo.jp/usr/index.php?c=course_view&pk=1290678905

1月27日,日本出版学会で電子図書館について勉強会
 日本出版学会は1月27日,関西学院大学大阪梅田キャンパスで電子書籍に関する講演会を行う。「公共図書館における電子書籍サービス:大日本印刷・CHIグループによる電子図書館の構築支援サービスの取り組み」をテーマに図書館流通センターの永田薫取締役が今後の公共図書館における電子書籍サービスの展望について報告する。参加費は会員300円,非会員500円。
http://www.shuppan.jp/yotei/366-2011127.html

2月1日から,印刷博物館P&Pギャラリーで「店頭デザイン大解剖展」
 印刷博物館P&Pギャラリーは2月1日〜5月8日,「店頭デザイン大解剖展」を開催する。つい買いたくなってしまう店の“しかけ”を展示する。入場無料。月曜日休館(3月21日は開館し翌日休館)。2月26日は,「商品の魅力を伝える“POP”のクリエイティブを語る」としてトークショーを催す。
http://www.printing-museum.org/

2月7日,日本印刷産業連合会が電子出版セミナー
 日本印刷産業連合会は2月7日,東京・新富の日本印刷会館で電子出版セミナー「電子出版とデジタル時代の可能性」を開く。電子出版とデジタル技術の可能性について,東京電機大学出版局の植村八潮局長が電子出版時代における印刷産業の役割を再考し,知の未来を考えるとして東京大学大学院情報学環の吉見俊哉教授が講演する。参加費3000円。
http://www.jfpi.or.jp/information/97.html

2月18日,日本印刷技術協会が大阪で講演会
 日本印刷技術協会は,大阪を中心に関西地区を対象とした「明日のビジネスを創造するJAGATナイトセミナー」を2月18日,大阪印刷会館で開催する。ピーディーシーの沼里学氏が「大阪の街が変わる! デジタルサイネージ本格稼働:そのとき印刷会社のビジネスは」をテーマに講演する。受講料は大阪府印刷工業組合・日本印刷技術協会会員2500円,一般5000円(軽食代含む)。
http://www.jagat.jp

3月16日,日本出版学会が雑誌研究部会開催
 日本出版学会は3月16日,東京・神田錦町の東京電機大学出版局で雑誌研究部会(歴史部会と共催)を開く。「長谷川時雨と慰問雑誌」をテーマに横浜市立大学博士課程の押田信子氏が,時の権力と対峙していた時雨が銃後支援へと変容していく過程を探り,文集が付録または別冊としてついた戦地満州の陸軍兵士向け慰問雑誌『陣中倶楽部』(陸軍恤兵部発行・大日本雄辯會講談社編集),海軍兵士向け慰問雑誌『戦線文庫』(海軍恤兵係発行・興亜日本社編集)に関して,出版の背景,制作の経緯,内容の解明を試みる。参加費は,会員無料,非会員500円。
http://www.shuppan.jp/yotei/367-2011316.html

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月刊『印刷雑誌』2月号が1月20日に発売。今月号の特集は「紙器印刷の基礎と応用」で,内容は「意匠性を高める資材,利益確保につながる環境経営,加工技術・UVで差別化を図る,厚紙にも対応する省電力UVシステム,言葉にならない価値を伝える」。そのほか,「国内外新聞ビジネスの今と将来像」,「食材表示で食のUDを目指す」など。B5判カラー,80ページ。定価1470円。書店でも購入できます。

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週刊『印刷雑誌』2巻2号
2011年1月17日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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