週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻6号 2011年2月14日
Japan Printer weekly vol.2, no.6
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

文藝春秋,電子版の海外配信開始
 文藝春秋は,海外在住者に向けた月刊『文藝春秋』電子版の配信を3月号(2月10日発売)から始めた。113万人と言われる海外在留邦人を対象にしたもので,内容は紙版とほぼ変わらない。パソコン,iPhone,iPadで読むことができ,日本円で1000円相当。

キヤノン,大判IJプリンタの速度を2倍に
 キヤノンは,大判インクジェットプリンタ「imagePROGRAF」シリーズの新製品として「iPF8300S」(59万8000円)と「iPF6300S」(29万8000円)を2月下旬から発売する。それぞれB0判ノビとA1判ノビに対応し,出力速度は各1.3分/枚,35秒/枚と従来に比べ約2倍となった。新たな8色顔料インクを搭載して色再現領域を20%拡大したほか,インク消費量を半分に抑えて試験印刷する機能を備える。

ダイヤミック,大判IJ用メディアを発売
 ダイヤミックは2月10日,UVやラテックスインクなどを搭載する大判インクジェットプリンタ向けに「ポスターペーパーSG」と「耐水フォトペーパーMG」(2月21日発売)を発売した。ポスターペーパーSGは印刷用紙A2判グロスコート紙に相当し,小ロットポスターに向く。耐水フォトペーパーMGは写真印画紙ベース紙で屋内外POP用途に向く。

ミマキ,UVインクにクリアインクを追加
 ミマキエンジニアリングは,硬質UVインク「LH-100」に新たにクリアインクを追加し2月10日から販売を始めた。従来の5色(CMYK,白)の印刷物に光沢感のあるグロス仕上げや,つや消しのマット仕上げ,厚盛りなどが行える。220mlで1万1000円。対応プリンタはLED方式UVプリンタのUJF-3042,JFX-plusシリーズ,JFXシリーズで,使用には製品のバージョンアップが必要。

ハイパーギア,紙スキャン作業を効率化
 ハイパーギアは,PFU社製スキャナ「ScanSnap・fi」シリーズと連動して,オフィスの紙文書電子化と有効活用を支援するソリューション「HGQRオートプリンタ・QR仕分け for ScanSnap/fi」を開発し,2月4日から販売を始めた。QRコードを紙文書に付与することで,QRコードの情報からスキャンデータを自動でファイル名付与,フォルダ仕分けを行う。QRコードの生成もWordやExcelのデータ情報を利用できる。

オムロン,製造現場の省エネ推進ソフトを発売
 オムロンは2月3日,収集・蓄積した電力使用量データと,温度・流通・生産情報などを比較して分析する「省エネ分析支援ソフトDr.ECO」を発売した。変化するエネルギーや固定したエネルギーなどのグラフ化データからムダな消費電力の分析,発見を支援する。

富士ゼロックスと富士通が消費電力見える化ソリューション
 富士ゼロックスと富士通は,両社のソフトウェアを連携し,ネットワーク上のパソコンと複合機およびプリンタの稼動状況や消費電力(CO2排出量)を一元的に可視化するソリューションを開発し,2月7日から提供を始めた。機器の適正管理によるオフィス内のエコ化を推進する。

富士ゼロックス,文書管理ソフトを更新
 富士ゼロックスは,パソコン上で電子文書やスキャンデータを一元管理するソフト「DocuWorks7.2」を2月9日から発売した。パソコン上に仮想の「文書トレイ」を追加し,グループ内での文書データの共有や受け渡しを効率化する。また教育市場向けにWordやExcelなどのデータをDocuWorks文書としてまとめることで文書作成や資料整理の簡易化を図った。iPhoneやiPad向けに閲覧ソフトの無償提供もしている。

大日本スクリーン,オンライン校正システムを発表
 大日本スクリーン製造は,同社のワークフローシステム「Trueflow SE」と連携するオンライン校正・承認システム「Riteapprove SE」を改良し,新たに「EQUIOS Online」として発表した。校正・承認済みデータを紙媒体と同じ体裁で電子書籍として出力する機能を追加し,電子書籍の形式でタブレット端末上からオンライン校正が行えるほか,製品としても生成できる。生成されるデータはPDF形式で,テキスト検索などの機能はない。

エイブリィ・デニソン,フィルム施工専用工具を発売
 エイブリィ・デニソン・ジャパンは2月9日,車輌ラッピングや屋内外広告・装飾に使用するフィルム貼付施工の作業性や品質向上を図る「エイブリィ ツール」の販売を始めた。9種類10品目の専用工具で,3D曲面や溝の貼付を容易にするものや,気泡を除去する道具などがある。

大日本印刷,凸版印刷ら,モバイルNFCサービス日韓共同実証実験開始
 KDDI,ソフトバンクモバイル,クレディセゾン,オリエントコーポレーション,大日本印刷,凸版印刷およびT-Engineフォーラムの7社は,日本・韓国で利用可能な電子マネーサービス,スマートポスター・サービスなどモバイルNFC(Near Field Communication)対応サービスの共同実証実験を2011年2月から順次開始する。

リョービ,LED-UV印刷の可能性を提案
 リョービイマジクスは2月9日・10日,東京・豊島の同社で機材展を催した。LED-UV印刷システムを搭載した枚葉オフセット印刷機を,インライン品質検査装置,薄紙厚紙対応の渡し胴などのオプション機能とともに提案したほか,特色を使った広演色UV印刷も実演した。また,石灰石とポリエチレンで構成する「ストーンペーパー」に印刷した製品事例や,パソコン上で成型・後加工のシミュレーションが行える3Dソフトと連携してパッケージ印刷への展開も紹介した。

富士ゼロックス,プロモーション施設を横浜に集約
 富士ゼロックスは2月7日,顧客の課題解決に向けた総合的なソリューションや支援を提供する施設として「お客様価値創造センター」と「お客様統合サポートセンター」を神奈川・みなとみらいに開設した。品川と川崎にあったデモルームを移設したもので,業種別のプロモーション事例や企画・制作から配信まで一貫したワークフローの提案,製品機器による実証実験などが行える設備を集約した。

三菱地所が中国語ヒラギノフォントを採用
 大日本スクリーン製造が開発,販売する中国語フォント「ヒラギノ角ゴ 簡体字版」がこのほど,三菱地所が作成する「サインデザインブック」の中国語書体として採用された。今後,丸の内仲通りの案内サインや三菱地所が運営するビル内サインの中国語表記に使用される。

エイブリィ・デニソン,高輝度反射シートが国土交通省の審査を通過
 エイブリィ・デニソン・ジャパンの道路工事表示板向け「マイクロプリズム型高輝度反射シート」が,国土交通省が運営する新技術情報提供システムの審査基準を通過し,登録された。同シートは,独自のマイクロプリズムを採用し高い反射効率となったほか,視認性も向上した。

コダックのドキュメントスキャナが高評価
 米国コダック社はこのほど,同社のドキュメントスキャナソリューションがBusiness Solutions,Better Buys For Business,ECM Connectionの3つの業界誌および業界団体から複数の賞を受け,高評価を得たと発表した。

LED製品の評価団体が発足
 LEDチップを用いた製品を評価する団体「LED PRODUCT AWARD」がこのほど,ドイツ・フランクフルトで設立した。LEDの品質の良い製品やイノベーションに優れた製品を有識者が評価し,年に1度表彰を行う。初期段階での製品評価センターは3ヵ所で,東アジアでは香港のシティパーフェクト社が請け負う。

日印産連,電子出版と印刷業でセミナー
 日本印刷産業連合会は2月7日,東京・新富の日本印刷会館で電子出版セミナーを催した。東京電機大学出版局の植村八潮局長は,現在のデジタル技術は古い時代の技術を簡単に追い抜くとし,電子書籍を古い時代の観点からではなく新しいメディアとして考えなければ事業は失敗すると話した。東京大学の吉見俊哉教授は,人類史における大学の成立と印刷技術誕生による歴史的改革と知の変遷について解説し,デジタルメディアによって新たな知が誕生することは歓迎するが,知識というものを再認識しなければ,責任の所在のない知識が氾濫してしまう危険があると述べた。また,日本印刷産業連合会が調査した印刷業における電子出版に関するアンケート結果も報告された。

キヤノン,文化財未来継承プロジェクトで「風神雷神図屏風」を寄贈
 キヤノンと京都文化協会は2007年から,文化財未来継承プロジェクト(綴プロジェクト)を推進し,上海国際博覧会の日本館に建仁寺所蔵の国宝「風神雷神図屏風」(俵屋宗達筆)の高精細複製品を出展した。両者はこの複製品を建仁寺に寄贈し,2月8日贈呈式を行った。

日本出版学会,電子出版の動向と権利・契約の講演
 日本出版学会は2月9日,東京・水道橋の日本大学法学部で「電子出版の動向と出版者の権利・新しい出版契約」をテーマに流通研究部会と著作権研究部会の合同部会を開いた。日本書籍出版協会の樋口清一事務局長が,三省デジタル懇談会の動きから,出版者の権利と出版契約について日本とは異なり出版者の立場が強い欧米の事例,権利処理のあり方までを紹介した。

ペーパークラフト協会,講演会と賀詞交歓会開催
 日本ペーパークラフト協会は2月10日,東京・東新橋のトッパン・フォームズで講演会と賀詞交歓会を開いた。「東京スカイツリー デザインの秘密」のテーマでスカイツリーをデザインした彫刻家の澄川喜一氏(東京芸術大学名誉教授)から,法隆寺五重の塔など奈良時代の高層建築物が今でも倒れないで残っているデザインや技術の工夫を聞いた。

2月25日まで,日本橋で文化財デジタルアーカイブ展
 2月25日まで,東京・日本橋の東海東京証券1階ギャラリーで「京都・美の継承:文化財デジタルアーカイブ展」が開かれている。上海万博出典の建仁寺所蔵・国宝「風神雷神図屏風」の複製品などが展示されている。入場無料。
http://www.tokaitokyo.co.jp/main/information/event/kyoto201102/kyoto201102.html

3月21日まで申し込み,3月27日に校正技能検定(三級)試験
 日本エディタースクールは,3月27日に東京・水道橋の同校で「校正技能検定(三級)」の試験を行う。資格は同四級の合格者。申込期間は3月21日まで,受験料は9450円。
 3月20日,21日にはそれぞれ「直前・校正検定訓練教室」も行う。各9450円,両日16800円。
http://www.editor.co.jp/nintei_shikaku/kousei_3.html

2月17日,出版ビジネススクールで出版界に関するセミナー
 出版研究センターは2月17日,東京・神保町の岩波アネックスでセミナーを催す。「2011年出版界における課題と今後の対策」と題し,新文化通信社の丸島基和社長が展望を話す。参加費7000円。
http://skc.index.ne.jp/seminar/20110217.html

2月23日,Tooが札幌でデザインセミナー
 Tooは2月23日,キヤノンマーケティングジャパン札幌支店で「Adobe Digital Publishing Suite:InDesign CS5で実現するデジタルマガジンとデジタルカタログ」のテーマでセミナーを催す。参加無料,要予約。
http://www.too.com/event/2011/sapporo0223/

3月19日から,京都・建仁寺で「綴プロジェクト作品展」
 3月19日〜4月10日,京都・建仁寺で日本の文化財をデジタル技術と伝統の技で再現・複製した「綴プロジェクト作品展」が催される。「風神雷神図屏風」「洛中洛外図屏風」「樹花鳥獣図屏風」などが展示される。入場料は,一般500円,中高生300円,など。
http://www.kenninji.jp/news/?p=145

4月15日,プリントミックスが印刷実務とコミュニケーションのセミナー
 プリントミックスは4月15日,東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで「印刷技術と実務の基本知識」と「仕事力を上げるコミュニケーションスキルの基本」の2つの講座を催す。1講座3000円。
http://www.printmix.org/modules/pico/index.php?content_id=36

6月3日・4日,福岡で九州印刷機材展
 「九州印刷機材展」が6月3日・4日,福岡国際センターで開催される。

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「出版ビジネススクール」は次のセミナーを岩波アネックス・セミナールーム(東京都千代田区神田神保町2-3)で催します。
 2月17日18:00〜,2011年出版界における課題と今後の対策(丸島基和:新文化通信社社長),7000円。
 3月2日18:00〜,これからの出版マーケティングの進め方(中町英樹:日経BPマーケティング取締役),10000円。
 3月9日18:00〜,中小出版社の営業のための身近なIT活用基礎(高島利行:語研取締役),7000円。
 3月18日17:30〜,出版会計の基礎(大坪嘉春:税務経理協会社長),10000円。
http://skc.index.ne.jp/seminar/seminar.html

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週刊『印刷雑誌』2巻6号
2011年2月14日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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