週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻10号 2011年3月14日
Japan Printer weekly vol.2, no.10
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行

東日本巨大地震に対して,謹んで災害のお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧,復興をお祈り申し上げます。
株式会社印刷学会出版部

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

ニューノーマル,書籍特化のWeb宣伝サービス開始
 ニューノーマルは,個人から出版社まで少ない予算から活用できる書籍に特化したWebプロモーションツール「pub+」の提供を3月3日から始めた。試し読み機能やレビューを紹介する特設サイトやブログやFacebookページへの展開ができるインタラクティブプロモーション,読者同士のオフライン交流を支援するサイトから機能を組み合わせて利用できる。

プラザクリエイト,携帯電話からのフォトブック受注開始
 プラザクリエイトは3月4日,同社が運営する携帯電話向けオンラインプリントサービス「Digipriモバイル」でフォトブックの販売を始めた。利用者は携帯電話で撮影した写真データをテンプレートと組み合わせ,PCを立ち上げることなくフォトブックの発注ができる。携帯に便利な55mm四角のサイズも新たに加えた。

COWsとエイムズ,写真EPUB電子書籍ソフトを発売
 COWsとエイムズは,一般消費者向けに画像ePub制作ソフト「楽楽EPUB」シリーズを3月7日から発売した。Excelを制作画面とし,写真や画像データからePub形式の電子アルバムを作成できる。iPadやiPhoneで閲覧できるApple社のアプリiBooksに対応する。用途に応じた22種類があり,それぞれ500円。

マイスタンダード,ネット誹謗中傷対策を電子書籍配信
 マイスタンダードは3月10日,「ネット上での誹謗中傷被害対策マニュアル」をAndroid向け電子書籍として無料配信を始めた。企業や個人向けで,年々増加するネット上での誹謗中傷や風評被害への対策や,インターネット情報が及ぼすリスクについてまとめたもの。

光和コンピューター,書店での近刊予約サービスを開始
 光和コンピューターは3月11日,書店店頭で専用端末「PiT SPOT」とWebサイトを用いて近刊書籍やCD,DVDなどの受注予約を受け付けるサービスを4月より始めると発表した。利用者は同端末で専用のWebサイトに接続し,出版社があらかじめ登録した商品の予約とデジタル試聴ができる。出版社へはマーケティング情報が提供される。このサービスには現在,書店1000店と出版社96社が協力している。

キンコーズ,似顔絵付きイラストボード提供サービスを一新
 フェデリックス キンコーズ・ジャパンは3月9日,似顔絵をシーンに応じたテンプレートと組み合わせてイラストボードとして提供するサービス「ハッピー似顔絵アート」において,内容の拡充および料金改定などを行ったと発表した。テンプレートに表彰状や寄せ書きを追加したほか,営業や販促にも利用できるように似顔絵の背景やポーズ,服装を選べるプランも新設。似顔絵を使ったポストカードやシール,ポスターなどの商品もオプションで制作できるようにした。

字游工房,游ゴシック体初号かなを発売
 字游工房は,OpenTypeフォント「游ゴシック体初号かな」を3月28日に発売する。金属活字の雰囲気を保ち,かなの独特なスタイルと,ゴシック体ながら句読点や記号類を明朝体風にアレンジすることで,よりクラシックな印象が出るよう設計した。L/R/M/D/B/E/Hの7ウエイトで,それぞれ1ライセンス1万5000円。

ダイナコムウェア,拡張人名外字18書体を発売
 ダイナコムウェアは,人名用漢字2878文字を搭載したフォントパック「DynaFont拡張人名外字18書体TrueType for Windows」を4月28日に発売する。各自治体で採用されている使用頻度の高い人名漢字や外字を収録し,法務省指定の人名用漢字を網羅している。2万6000円。

ヒューレット・パッカード,大判UVIJプリンタの新製品
 日本ヒューレット・パッカードは,フラットベッドとロールtoロールともに対応する大判UVインクジェットプリンタ「HP Scitex FB500」(1400万円)と「同FB700」(1800万円)を3月7日に発売した。白インクに対応し透明原反へ出力できるほか,省スペース設計ながら最大長さ305cm(オプション使用時),厚み64mmの硬質素材に対応する。インク滴の大きさを可変する印刷機能で至近距離からでも粒状感のない品質が再現でき,写真出力ではつや消し,光沢仕上げ,フチなし印刷などを選択できる。

ミマキ,昇華インクの新製品を発表
 ミマキエンジニアリングは,アパレル分野に用いられるポリエステル素材への昇華プリント向けインク「Sb60」を3月18日に発売する。従来に比べ広くなった色再現域と高いインク濃度でメリハリのあるプリントができるほか,容量当たりのインク単価を10%低減しランニングコストを抑える。CMYK,ライトシアン,ライトマゼンタの6色があり440ミリリットルで7500円。同社プリンタのJV33やJV5シリーズなどに対応するがソルベントインクでの使用機には利用できない。

スプライン・ネットワーク,トナー削減ソフトを更新
 スプライン・ネットワークは,プリンタのトナーやインクの消費量を1%刻みで最大50%まで削減できるソフト「TonerSaver」の新バージョン「3」を3月下旬に発売する。インクジェットプリンタやWindows Vistaおよび7,英語のほか他言語に対応する機能を追加した。印刷履歴の管理サーバーもある。

サイバーステーション,デジタルサイネージに機能追加
 サイバーステーションは3月8日,同社のデジタルサイネージシステム「ハルヱとケイジdeデジサイン」に人が音と絵を使ってコンテンツを紹介する機能を標準搭載する。同機能はプレゼンテーションの中に人がいるFlashコンテンツで,テレビショッピングのような商品の説明,サービス解説が行える。

京都府印刷工業組合,広報誌特別版『京都の印刷』発行
 京都府印刷工業組合はこのほど,広報誌『京都の印刷:人とものづくりのきのう・きょう・あす』を発行した。歴史から見た印刷技術や人材の変遷や,これから求められる人材像を考察したほか,同組合が2008年から2010年に実施した人材確保推進事業の紹介,組合員名簿なども掲載。A4判,55ページ,非売品。

ISO/TC130国内委員会,ISOの意義について講演会
 ISO/TC130(印刷技術)国内委員会は3月11日,東京・新富の日本印刷会館で標準化に関する講演会を開いた。福田隆文委員長は「ISOの意義」として,ISOの規格化に日本が参画しなくて産業的に大きな損失があった事例を紹介し「ISO規格が決まってからもの申しても遅い。規格化に参画し,戦略的にISOを使っていくべきだ」と訴えた。

印刷工業会,失敗の予防学を聞く
 印刷工業会は3月9日,東京・新富の日本印刷会館で管理者研修会を開いた。「失敗の予防学」として,産業および工学実験的な見地から同じ事故を未然に防ぐ方法として精神論でなくシステムとして予防を構築すべきだと言う科学を東京大学の中尾政之教授から聞いた。

竹橋プリンティングセンター,印刷業界の最新トレンドを聞く
 竹橋プリンティングセンターは3月8日,東京・竹橋の学士会館で「コミュニティスクエア交流会」を開いた。野村総合研究所の手塚洋平氏が,国内印刷市場は減少傾向であり,デジタル印刷やWeb,タブレット端末などを効率的に活用してデジタル化に対応する企業が台頭している。印刷物およびデジタルコンテンツの企画制作から後加工や発送まで,印刷の前後工程を一貫させてサービスの幅を広げ,付加価値を高めることが必要,と話した。

ダイヤモンド倶楽部,UV技術と岡田前監督のサッカーを聞く
 三菱重工印刷紙工機械のユーザーで組織するダイヤモンド倶楽部は3月10日,東京・目白の椿山荘で関東甲信越・東北ダイヤモンド倶楽部を開いた。「市場動向と三菱の“次世代”UV技術」として三菱重工印刷紙工機械の藤本信一技術部長から,とくにLED-UV技術の特長を中心に聞いた。また「ゆるぎないチームづくり・人づくり」と題しサッカー日本代表前監督の岡田武史氏から,Jリーグやワールドカップなどのエピソードを聞いた。

ハイデルベルグ・ジャパン,印刷会社と発注者のスムーズな関係構築でセミナー
 ハイデルベルグ・ジャパンは3月10日,東京・東品川の同社で印刷会社と発注者のスムーズな関係構築を目指すセミナーを催した。ヒルアンドノウルトンの吉川祥一社長がブランドマーケティングの考え方について,良い製品が必ず消費者に伝わる訳ではなく,消費者へのコミュニケーション戦略や顧客ターゲットをセグメント化して考えた差別化商品戦略が重要と話した。またフィリップスエレクトロニクスジャパンの高橋淑恵氏,金羊社の浅野健社長,サンヨー印刷の小粥将直社長が登壇し,印刷受発注における現状の課題について,色校正の多さや営業マンとのやりとりによる時間のロスなど双方の立場で抱える問題点を説明した。

「街づくり・流通ルネサンス」展で最新の商環境や流通の仕組みを提案
 流通や小売業向けの複合展示会「街づくり・流通ルネサンス」が3月8日〜11日に,有明の東京ビッグサイトで開かれた。主催は日本経済新聞社。店舗装飾見本市の「JAPAN SHOP」では,スクリーン印刷技術やレンズシートを用いた3D印刷のPOPや壁面装飾材,デジタルサイネージを使った看板や美術鑑賞装置などの出展があった。インクジェットプリンタメーカー各社から大判プリンタの提案も多くあった。また「IC CARD WORLD」展や「リテールテックJAPAN」展では,大日本印刷や凸版印刷,石田大成社がICカードやデジタルサイネージを活用した地域活性化やマーケティングの方法を紹介した。

☆以下の各予定は,東日本巨大地震のため,変更になる可能性があります。各催事のURLでご確認ください。

3月28日まで,ギンザ・グラフィック・ギャラリー「デザイン 立花文穂」展
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは3月28日まで,デザイナーの立花文穂氏の個展「デザイン 立花文穂」を開いている。活版やオフセット,シルクスクリーン印刷で製作したポスターやチラシ,カタログ,DM,書籍を紹介しているほか,作品の校正刷りや,手作業で文字や図柄を切り貼りしたデザイン案なども展示している。入場は無料,日曜・祝日休館。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

印刷産業環境優良工場表彰,1次審査3月31日まで
 日本印刷産業連合会は,第10回「印刷産業環境優良工場表彰」の工場を募集している。応募期間は1次審査3月31日まで,2次審査4月20日〜5月31日。表彰式は9月20日の印刷文化典・記念式典で行う。
http://www.jfpi.or.jp/environment/commendation/index.html

3月22日,Tooが名古屋でInDesignのセミナー
 Tooは3月22日,名古屋市錦のキヤノンマーケティングジャパン名古屋支店で「“Adobe Digital Publishing Suite”〜InDesign CS5で実現するデジタルマガジンとデジタルカタログ〜」をテーマにデザイナー向けのセミナーを開く。無料(事前予約制)。
http://www.too.com/event/2011/nagoya0322/

5月13日,日本印刷学会西部支部が見学会
 日本印刷学会西部支部は5月13日,「印刷業界の省エネを考察」のテーマで見学会を催す。各種印刷用紙の分析ならびに5種類の印刷機で用紙適正検査を行っている王子製紙の尼崎工場と,省エネルギーを進める関西電力堺港発電所・PR館を見学する。参加費は会員4500円,非会員6500円(バス・昼食代含む)。
http://www.jspst.org/event/110513.html

株式会社印刷学会出版部のWebサイトでは,
書籍『印刷現場の予防保全』の「印刷業の地震・水害対策」をテキストデータのみですが公開しています。
地震編
http://www.japanprinter.co.jp/pages/hozen-1.html
水害編
http://www.japanprinter.co.jp/pages/hozen-2.html

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株式会社印刷学会出版部は,書籍『プリンテッドエレクトロニクス』(3360円)を3月16日に発売します。スクリーン印刷による有機半導体形成は新素材の登場などにより,市場の拡大が期待されます。この技術の安定生産・品質向上に向けたテクニックを余すことなく紹介いたします。また,身近な疑問にお応えするQ&A集『知っておきたいスクリーン印刷とエレクトロニクス』(2520円)も好評につき増刷いたしました。こちらも合わせてご覧下さい。全国の書店,各種ネット書店でもご購入できます。

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「出版ビジネススクール」は次のセミナーを岩波アネックス・セミナールーム(東京都千代田区神田神保町2-3)で催します。
 3月18日17:30〜,出版会計の基礎(大坪嘉春:税務経理協会社長),10000円。
http://skc.index.ne.jp/seminar/seminar.html

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shukan@japanprinter.co.jp

週刊『印刷雑誌』2巻10号
2011年3月14日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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