週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻18号 2011年4月25日
Japan Printer weekly vol.2, no.18
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

ユーメディア,震災復興プロジェクト開始
 仙台市のユーメディアは4月,東日本大震災の被災地仙台の企業として,プレスアート,仙台シティエフエムを加えたグループ独自の事業展開を始めた。地域経済復興支援,被災者支援,支援活動協力などの活動に関し,協力企業を募っている。

ハーレクイン,電子書籍サイトを開設
 ハーレクインは4月15日,電子書籍のレンタルサイト「電子貸本Renta!」と提携し,同社の公式直販サイト「ハーレクインネットショップ」で電子書籍の販売を始めた。ビューアソフトのダウンロードといった初期設定が不要で,電子版は紙書籍発売日の2日前に発売する。また発売から一定期間経過した作品は48時間レンタル版として300円で読むことができる。

シーティーイー,顔写真加工サービスを開始
 シーティーイーは,同社のDTP,Web制作通販サイト「ネットでおまかせ!DTP通販マイオペレーター」で顔写真加工サービス「faceUP」を4月14日から始めた。ソーシャルメディアなどのプロフィール写真用途で,背景変更やひげ剃り跡の処理,眉毛や顔のライン,肌色の調整など7項目から選んで補正を行える。補正3点コースで写真1点につき1000円。

DNPフォトルシオ,セルフ型プリントの拡充
 大日本印刷の子会社で,写真関連製品を販売するDNPフォトルシオは,生活者が店頭で写真をプリントできるセルフ型プリントシステムPrintRushで,iPhoneやiPadから直接転送した画像データをプリントできるサービスを4月19日より始めた。大手家電量販店,スーパー,GMS,写真専門店を中心に本サービスに対応したPrintRushの導入を促進し,今後3年間で2000台の新規導入を見込む。

凸版印刷,電子チラシをバージョンアップ
 凸版印刷は,iPad,iPhone,iPod touch向けの電子チラシ閲覧アプリ「シュフーチラシアプリ」をバージョンアップして4月21日より公開した。検索機能の強化,店舗詳細画面の追加,お気に入り機能の利便性向上,デザインの改訂を行った。

Quark,WebベースのServer 9発表
 米国Quark社は4月20日,出版向けサーバー「QuarkXPress Server 9」を発表した。システムインテグレーターやアプリケーション開発者による使用を想定している。サードパーティ開発者はWeb to printサービスのようなソリューションとして,ホスト型のSaaS(software as a service)を提供できる。金融サービス業に対し企業向けカスタマーコミュニケーションソリューションを提供する米国DeskNet社は,QuarkXPress Serverを用いて,顧客レポーティング,マーケティング,自動コンプライアンスワークフローを実行するシステムを構築している。将来的にServer 9を採用し,クラウドベースソリューションにさらなる付加価値を付けたいと考えているという。

CNETメディアサービス,マルチ表示対応のデジタルサイネージ
 デジタルサイネージ事業を行うCNETメディアサービスはこのたび,マルチディスプレイに特化したデジタルサイネージシステム「オムニバス・ビジョン」を開発し,4月19日・20日に行われた展示会「イベントJAPAN2011」で発表した。1台のPCで複数のディスプレイをそれぞれ独立して制御でき,同期を図りつつ異なる映像を表示したり,一斉に同じ映像を表示することが可能。

エプソン,大判インクジェットプリンタの新製品
 セイコーエプソンは4月25日,大判インクジェットプリンタ「MAXARTシリーズ」の新製品としてB0判延び対応の「PX-H9000」(59万8000円)とA1判延び対応の「PX-H7000」(34万8000円)を発売した。ともに8色顔料インク搭載で,JapanColor2001を超える色再現領域を持つ。ヘッドの改良でそれぞれ従来比約2倍の生産性になったほか,700ミリリットルのインクカートリッジの採用でランニングコスト低減や連続運転の支援を行う。
 さらにA2判延び対応の「PX-H6000」(29万8000円)も発売した。10色顔料インクを採用し,紙器パッケージのデザインや色校正用途に向く卓上タイプ。特色や擬似網点などの再現性を強化した。

Too,プリントと手書き対応の風合い和紙を発売
 クリエイティブ市場の商社であるTooは,風合いを重視して素材や書き味を追求したOA和紙「風合い和紙」シリーズを4月下旬から発売する。インクジェットプリンタのほか,ボールペンや鉛筆での手書きにも対応する。「大礼紙」「生成和紙」「檀紙」の3種類があり,30枚セットでそれぞれ500円。

ヘレウス,紫外線LED光源の新製品を発売
 ヘレウスはこのたび,紫外線硬化や乾燥用途に開発された紫外線LED光源「ノーブル・キュア」(ヘレウス・ノーブルライト社製)を装置メーカー向けに発売する。多数のUV‐LEDチップを基板上に取り付け,最適な光学レンズを各UV‐LEDチップ上に搭載する独自技術を採用した。395nmで,8W/cm2のUV照射強度が出る。これにより照射面に対して均一な紫外線照射ができ,印刷物の乾燥ムラや接着剤硬化の歪みなどを抑える。幅95×高さ64×奥行77mm。

日本印刷産業機械工業会,一般社団法人に
 社団法人日本印刷産業機械工業会は,4月1日に一般社団法人に移行した。また,5月26日に総会を予定している。

日本印刷産業連合会,GP工場交流会でCFPを解説
 日本印刷産業連合会は4月22日,東京・新富の日本印刷会館で「GP工場交流会」を開いた。カーボンフットプリント(CFP)について,同法人の中村洋之氏が出版・商業印刷物(中間財)と宣伝用および業務用印刷物のPCR(商品種別算定基準)を説明したほか,久栄社の平野ゆうき氏が同社で実際に行ったCFP申請の手順や要点を紹介した。また光陽化学工業の恵星時夫氏が,エッチ液におけるグリーンプリンティング(GP)認定への取り組みを話した。

全日本印刷工業組合連合会,多彩な事業を開始
 全日本印刷工業組合連合会は4月22日,東京・日本橋のDICで理事会を開いた。2011年度は,「業態変革実践プラン:全印工連2012計画」や「印刷差産業経営羅針盤」の発行や,Adobe社製DTPソフトの特別ライセンスプログラムの毎年の企画,MUDコンペティション,「全印工連フォーラム2011」(9月16日)などを予定している。

印刷OEM研究会,地震被害の状況と実証実験結果を確認
 印刷OEM研究会は4月21日,東京・茅場町の印刷健保会館で定例会を開いた。宮城県仙台市に工場を持つユーメディアの佐々木弘知氏が,3月11日と4月7日の2度にわたる地震発生直後の状況や復旧の経過について写真を交えながら説明した。とくに電力は復旧に欠かせないもので,災害対策として自社で発電機を持つことも必要だろうと話した。また,OEM関係構築の模擬取引の中間報告として6社の刷本や色調データが発表された。次回は5月17日に東京・鵜の木の金羊社で総会を開く。

プリントミックス,デジタルサイネージの見学と勉強会
 プリントミックスは4月19日,「デジタルサイネージビジネスICT体感勉強会」を開いた。東京・丸の内にある日本電信電話のショールームで,ICTの活用例として,街頭用デジタルサイネージやテレビ会議システム,家電や医療機器,携帯端末などの連動システムを見学した。また八重洲のルノワールで,コンサルタントの山田英司氏と広告代理店ビッグウィールズの中山一則氏が,印刷会社がデジタルサイネージビジネスに取り組むための必要事項を解説した。同ビジネスはDTPに強い印刷会社であれば向いている。同ビジネスと既存ビジネスの関係を整理し,取り組む目的を明確にするべき。取り組むのであれば進行の早さが大事で,場合によってはほかのICT関連企業に先を越され,デジタルコンテンツ制作から印刷の仕事まで取られてしまう可能性もある,と話した。

凸版印刷,印刷博物館で中世日本の印刷・出版の企画展
  凸版印刷の印刷博物館は7月18日まで,「空海からのおくりもの 高野山の書庫の扉を開く」展を開いている。高野山が所蔵する奈良時代から江戸時代の経典や護符,版木など79点を展示し,中世日本の印刷・出版文化を紹介する。弘法大師空海の密教経典や教書を中心とした「高野版」の書物を通して日本語成立過程への空海の影響を感じられるほか,重要文化財「絹本著色両界曼荼羅図」を再現したバーチャルリアリティ映像作品も観覧できる。また,5月8日と6月19日に講演会も催すほか,5月21日,28日,6月18日,7月10日,18日に実演会やギャラリートークなどのイベントも行う。入場は一般800円,学生500円,中高生300円。毎週月曜日休館(7月18日月曜・祝日は開館)。
http://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/110423/index.html

6月30日まで,PrintNext2012公式ポスターデザイン募集
 PrintNext運営委員会は2012年2月4日に開く催事「PrintNext2012」のポスターデザインを募集している。締切は6月30日メール到着分まで。最優秀賞10万円。
http://www.printnext.jp/compe/index.html

7月1日まで,全日本印刷工業組合連合会でMUD作品募集
 全日本印刷工業組合連合会は,「第5回メディア・ユニバーサルデザインコンペティション」の作品を募集している。応募期間は7月1日まで,出品料は一般3000円,学生無料。授与賞は最優秀賞賞金20万円など。
 審査発表は8月5日で,表彰式は9月17日にIGAS展会場(東京ビッグサイト)。IGAS(9月16日〜21日)期間中の同連合会ブースで応募作品を展示する。問合せは,電話03-3552-4571。

本日,CD勉強会で印刷シミュレーターを探る
 千葉大の旧印刷科の卒業生を中心とした「CD勉強会」(印刷学会出版部内,電話03-3555-7911)は4月25日,東京・中央区の新川区民館で勉強会を催す。パソコン上で印刷機械のシミュレーションができる「印刷シミュレーター」について,クォードテック・インク日本支店の時田弘之支店長とISO/TC130国内委員会JWG2副主査の松木眞氏から実演を交えた話を聞く。参加費1000円。

4月27日,JAGDA:「言葉のデザイン2010」第7回研究会
 日本グラフィックデザイナー協会は4月27日,六本木の東京ミッドタウン・デザインハブのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで「言葉のデザイン2010:オンスクリーン・タイポグラフィを考える」第7回研究会「印刷とweb/文字を透視する」を開く。参加費は会員・学生1000円,一般3000円。
http://www.kotobanodesign.com/

4月29日〜6月5日,宮崎で「日本のグラフィックデザイン2008-2010展」
 4月29日〜6月5日,宮崎県立美術館で「日本のグラフィックデザイン2008-2010展」が開かれる。観覧料は大人500円,小中高生300円。
http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/box/tokubetsu.html

5月9日〜31日,ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「佐藤晃一ポスター」展
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは5月9日〜31日,第298回企画展「佐藤晃一ポスター」展を開く。「空」をテーマに,同氏の1974年来の代表的なポスター作品約100点を紹介する。また,手描きの印刷指定原稿やカラーチップなども展示する。さらに同展に合わせ,同氏の24編のエッセイと図版を1冊にまとめた小冊子も刊行する。入場無料。問合せは,電話03-3571-5206。

5月11日〜13日,東京ビッグサイトでIT複合展
 5月11日〜13日,東京ビッグサイトで,データストレージEXPO,ダイレクトマーケティングEXPO,スマートフォン&モバイルEXPO,組込みシステム開発技術展などの複合展「Japan IT Week春」が開催される。主催はリードエグジビションジャパン。
http://www.dse-expo.jp/

5月,6月にTooがAdobe CS5.5のセミナー
 Tooは,「Adobe CS5.5でマルチデバイス対応のクリエイティブワークを実現する」をテーマとしたセミナーを5月11日から東京,大阪,福岡,名古屋,京都,札幌,仙台で開く。参加無料,要予約。
 5月11日は東京・新宿のアップルジャパンで,5月13日は大阪・梅田で,5月18日は福岡・綱場町で,5月23日は名古屋・錦で,5月25日は京都・烏丸通で,5月27日は札幌・中央区で,6月6日は仙台・国分町で行う。東京以外はキヤノンマーケティングジャパンの事務所が会場。
http://www.too.com/event/2011/cs55/

5月12日,帆風が大阪で経営者セミナー
 帆風は5月12日,天満橋の大阪マーチャンダイズ・マートで「これからの10年を,しぶとく生き抜く:経営に必要な知恵と覚悟」をテーマに,『社長のノート』の著者で会社力研究所代表の長谷川和廣氏のセミナーを開く。参加無料,要予約。問合せは,電話03-5229-8226。

5月13日,HDF21が関東地区でセミナー
 ハイデルベルグ社製品ユーザーを中心とする会員で組織するハイデル・フォーラム21は5月13日,東京・東品川のハイデルベルグ・ジャパンでセミナーを催す。「経済展望と今後の企業経営」のテーマで東京大学大学院の伊藤元重教授が講演する。問合せは,電話03-5715-7373。

5月13日,トークが節電と収益確保のセミナー
 トークは5月13日,東京のアルカディア市ヶ谷で印刷工場の節電と収益確保についてのセミナーを開く。基調講演は,M.S.E.事務所の村松礼二氏による「従来型印刷工場は,徹底した経費節減と高効率化の追求で乗り切る」。参加無料,要予約。
http://www.carbon-eye.com/

5月20日まで,クリエイションギャラリーG8で河村要助展
 東京・銀座のクリエイションギャラリーG8では,震災で延期になっていたが,5月20日まで「伝説のイラストレーター 河村要助の真実」展を開いている。日曜祝日・4/29〜5/5休館。入場無料。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201103/g8_exh_201103.html

5月29日まで,日本新聞博物館で「東日本大震災報道写真展」
 横浜市の日本新聞博物館で5月29日まで,「東日本大震災報道写真展」が開かれている。入場料(常設展含む)は,一般・大学生500円,高校生300円,中学生以下無料。ファミリー料金,シルバー料金,リピーター料金あり。
http://newspark.jp/newspark/new/sinnsai.html#0423

株式会社印刷学会出版部のWebサイトでは,
書籍『印刷現場の予防保全』の「印刷業の地震・水害対策」をテキストデータのみですが公開しています。
地震編
http://www.japanprinter.co.jp/pages/hozen-1.html
水害編
http://www.japanprinter.co.jp/pages/hozen-2.html

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shukan@japanprinter.co.jp

※次週(5月2日号)は,お休みとさせていただきます。次回の発行は5月9日です。

週刊『印刷雑誌』2巻18号
2011年4月25日発行
編集長:高尾悠太
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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