週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻31号 2011年8月1日
Japan Printer weekly vol.2, no.31
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

凸版印刷,電子折り込みの新サービス
 凸版印刷は7月27日,電子チラシサイト「Shufoo!」の新事業「Shufoo! 電子オリコミサービス」を9月から開始すると発表した。スマートフォンなどでプッシュ通知のチラシ着信や,直観的な操作での閲覧ができる。また,専用のQRコード読み取り機と連動してクーポンを付与することや,閲覧者の位置,属性などの情報をレポート化できることが特徴。チラシの閲覧カウントは確実に閲覧したと判断された場合のみ発生する独自の方式を採用する。このチラシはPCやTVデータ放送でも利用できるほか,カルチュア・コンビニエンス・クラブとの提携でTポイントのサービスも導入される。

凸版印刷,環境配慮型POPを拡充
 凸版印刷は,素材のすべてに再生材料を利用し梱包箱をスタンドとして使用できる環境配慮型POP「エコスタンディー」を展開している。従来のストレート形状に加え,表現面が弧を描く「ラウンドタイプ」と表現面が角度のついた2面構成になる「垂直タイプ」について,それぞれ大小2サイズをラインアップに追加,7月27日から販売を始めた。背面で三角すい状に固定支持する構造(特許申請中)により,これらの形状を実現させた。参考価格は,通常サイズ3000セットで1セット400円から,小型サイズ3000セットで1セット250円から。

凸版印刷と伊藤忠食品,ギフトカード事業開始
 凸版印刷と伊藤忠食品はこのたび,POSA型ギフトカード事業で業務提携した。伊藤忠食品は,凸版印刷の「ギフトカードASPサービス」を利用して食品などさまざまな商品のPOSA型ギフトカード(残高をサーバーで管理するプラスティックカード型の商品券)を発行し,消費者がWeb商品交換サイト「ギフトカードモールexchange.com」で好きな時に好きな物を受け取ることができる。第1弾として7月下旬に,好みの産地直送商品を選べる「築地市場グルメカード」を発行し,全国の大手チェーン店で販売を始めた。

キヤノンMJ,オンラインパブリッシングサービスを開始
 キヤノンマーケティングジャパンは,パンフレットやチラシなどをクラウドコンピューティング環境で制作・管理し,必要な時に随時印刷できるオンラインパブリッシングサービス「My-Promotion Web」を8月31日から始めると発表した。デザインテンプレートや写真,ロゴなどあらかじめ登録しておいた素材を活用することで,Webブラウザ上でレイアウトし,自由に編集・加工できる。完成データは,少部数必要な場合は各拠点の複合機やプリンタで印刷し,大量部数の場合は,社内の集中印刷室や取引先の印刷会社にPDFで入稿して印刷を発注可能。

JIC,家庭用フォトブック製本機を発売
 卓上製本機を販売するジャパンインターナショナルコマースは,家庭用に設計したフォトブック製本機「とじ太くんPhotobook Maker」を8月10日に発売する。30種類のレイアウトテンプレートをWeb上からダウンロードして編集でき,150×150mmで背幅1.5mm(両面印刷16ページ分)の製本を90秒で仕上げる。本体と必要資材の初期セットで3980円。

日本製紙,産業用紙を値上げ
 日本製紙は7月27日,原燃料価格の上昇にともない,9月21日出荷分より重袋用両更クラフト紙やグラシンペーパー,金属合紙など産業用紙の価格を10%以上値上げすると発表した。

凸版印刷,雑誌・書籍・コミックス対応の川口工場を増強
 凸版印刷は出版印刷の生産拠点として埼玉の川口工場を増強した。従来のオフ輪,グラ輪,活輪,無線綴じラインなどに加え,短納期・小ロットに対応した雑誌,書籍,コミックなど多品種向けの印刷・製本一貫製造ラインを新設し,8月から本格稼動させる。
 2階建ての新棟を建設し,最近では菊全判表裏4色両面オフセット枚葉印刷機を導入。7月末時点では4台の枚葉機が稼動しているが,最終的には12〜13台の枚葉機が稼動する予定。新製造ラインだけで今年度に15億円の売上を見込む。

小森コーポレーション,H-UV搭載オフセット枚葉機の新製品
 小森コーポレーションは7月27日・28日,環境配慮をテーマに開発した高感度UVシステム(H-UV)搭載オフセット枚葉機および付随装置の新製品の内覧会を同社つくばプラントで開いた。実演では,菊全判反転機構付8色機「リスロンGL-480P」に全胴同時刷版交換装置「A-APC」を搭載し,ヴァンヌーボ紙へ印刷した後にコート紙へ印刷した。さらに菊全判6色機「リスロンGL-640」にコーターを搭載し,厚紙やアルミ蒸着紙への印刷と擬似エンボス加工などを見せたほか,2台のカメラの印刷品質検査装置や,色調管理と自動見当の機能を合わせた多機能型分光式色調管理装置なども紹介した。

岩崎通信機,岩崎鉄工,デジタルラベル印刷と加工機をインライン化
 岩崎通信機は7月29日,同社のデジタルラベル印刷機Label Meister EM-250Aと,岩崎鉄工製ロータリーダイカットマシンMD-250(1150万円)の組み合わせで,毎分50mのラベル印刷から後加工までをライン化したと発表した。ムラ取り不要でハーフカット加工が可能,基材の間欠送り制御によりマグネットシリンダ・ギヤ交換は不要,カス巻き上げ装置,ラミネートユニット,蛇行制御装置搭載などの特徴がある。

FFGS,IGASで完全無処理CTP,パッケージ,連帳出力参入
 富士フイルムグラフィックシステムズは7月26日, IGASへの出展概要を発表した。従来の商業・出版印刷,サイン関係に加え,今回パッケージ向けとデータプリントに参入する。
 処理液が従来比2倍のロングライフ化となる新自動現像機と再生水再利用装置XR-Rなどで構成する刷版処理の「ECONEX SYSTEM II」,完全無処理CTPの「XZ-R」,富士ゼロックスの連続紙(ロール紙)インクジェットプリンタ「2800 Inkjet Color Continuous Feed Printing System」などを出展する。

コニカミノルタBSとコダックが製品販売で提携
 コニカミノルタビジネスソリューションズとコダックは7月27日,日本市場における相互販売契約を結んだと発表し,同日から販売を始めた。コニカミノルタは毎分300枚(A4判換算)を出力するモノクロ機「Digimaster EX300」を,コダックは毎分120枚を出力するモノクロ機「On Demand Publisher 1200/1200P/1050」と毎分60〜80枚出力のカラー機「bizhub PRESS C6000/C7000/C8000」をそれぞれ販売する。両社の製品を互いに補完することで,デジタル印刷市場の多様な顧客ニーズに対応する。

リコー,印刷機器ビジネスの再編
 リコーは4月に米国ニュージャージー州にRicoh Production Print Solutionsを設立したことを皮切りに,世界でプロダクションプリンティングビジネスを強化している。現在国内におけるプロダクションプリンティング販売事業は,リコージャパン,リコープリンティングシステムズ,インフォプリント・ソリューションズ・ジャパンの3社により展開している。まずはリコープリンティングシステムズにおけるプロダクションプリンティング関連事業,およびインフォプリント・ソリューションズ・ジャパンを統合した「リコープロダクションプリントソリューションズ・ジャパン(株)」を10月1日に設立する。

キヤノンMJ,幕張にオセのショールーム開設
 キヤノンマーケティングジャパンは7月27日,千葉・海浜幕張にオセ社の高速連帳プリンタの国内サポート拠点「オセ幕張ショールーム」を開設した。2010年3月にキヤノンはオセ社を連結子会社化し,キヤノンマーケティングジャパンは今年1月にオセの業務用高速プリンタの販売を始め,また6月に日本オセを子会社化し,業務用大判プリンタ事業を統合再編している。

小森コーポレーション,菊半裁寸延び判枚葉機が機械工業デザイン賞
 小森コーポレーションの菊半裁寸延び判オフセット枚葉印刷機「エンスロン29」が日刊工業新聞社主催「機械工業デザイン賞」の審査委員会特別賞を受賞した。7月26日に東京・九段のホテルグランドパレスで贈賞式があった。

リンテック,江ノ電でガラス用断熱フィルムをPR
 リンテックは江ノ島電鉄と協力し,リンテックのガラス用高透明断熱フィルム「ヒートカット」を江ノ島電鉄線の各車両の窓に貼った特別車両「涼しさ体感号」を運行している(9月上旬まで)。節電対策として夏場の暑さを緩和する断熱フィルムの需要も高まっているという。

日本印刷産業連合会,第9回GP工場交流会開催
 日本印刷産業連合会は7月27日,東京・新富の日本印刷会館で「第9回GP工場交流会」を行った。第20回GP(Green Printing)工場認定式で7工場を認定し,第8回GP工場・更新認定工場として9工場を発表した。(月刊『印刷雑誌』8月号参照)
 また「オフセット印刷におけるデジタル印刷工程のグリーン基準」について同連合会の殖栗正雄氏が概要や事務手続きを,GP認定審査員の須田治樹氏が申請方法を説明した。さらにGP資材認定への取り組みをコダックの畑信雄氏が解説した。次回は10月26日に開催予定。

全国印刷工業健康保険組合,厳しい財政見通しに
 全国印刷工業健康保険組合は7月28日,全印健保会館で組合会を開いた。業界の深刻な経営不振や雇用情勢,環境高齢者医療制度への納付金の影響による厳しい組合財政を受け,財政や組織運営を検討する特別委員会の設置を報告,委員が選任されたほか,事業報告や収支決算の説明を行った。

明日8月2日まで,パシフィコ横浜で切手博
 8月2日まで,パシフィコ横浜で「日本国際切手展2011」が開催されている。国立印刷局,印刷朝陽会,凸版印刷,共同印刷なども出展。
http://philanippon.jp/j/gaiyo.html

9月30日応募締切,発明大賞
 日本発明振興協会と日刊工業新聞社は発明大賞の候補者を募集している。本賞100万円,東京都知事賞・日本発明振興協会会長賞・日刊工業新聞社賞各50万円など。締切は9月30日。
http://www.nikkan.co.jp/html/hatsumei/

10月10日まで,アド・ミュージアムで「WOMEN on the TOWN」展
 新橋のアド・ミュージアム東京は10月10日まで,「WOMEN on the TOWN:三越とパルコ,花開く消費文化」展を開いている。1900年代に百貨店の三越とパルコが発信した広告を展示し,当時の生活者のライフスタイルや価値観,消費文化に与えた影響を紹介している。消費文化の中心である女性へ訴求するデザインのポスターや新聞広告,PR誌と付録,テレビCMなどを見ることができ,会場には当時の渋谷駅からパルコへ続く「公園通り」の様子も再現され,広告看板の製作パフォーマンスなども楽しめる。入場無料,月曜日休館(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)。
http://www.admt.jp/exhibition/program/index.html

8月20日〜11月6日,印刷博物館P&Pギャラリーで「日本のロングセラー商品展」
 東京・水道の印刷博物館P&Pギャラリーは8月20日〜11月6日,「日本のロングセラー商品展」を開く。30年以上のロングセラー商品のパッケージデザインを展示し,自ら手掛けた商品に関するデザイナーのコメントなども紹介。また,10月22日にトークショーを,10月10日と30日にワークショップも開く。入場無料,月曜日と9月20日・10月11日は休館。
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/110820/index.html

9月2日,印刷教育研究会が勉強会
 印刷教育研究会は9月2日,水道橋の都立工芸高校で勉強会を開く。「デジタルメディアの学び方」のテーマで,筑波大学大学院の西岡貞一教授が講演する。参加無料,要予約。
http://www.graphic-ed.net/

9月16日,ビジュアル・プロセッシング・ジャパンがシンポジウム
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは9月16日,汐留のコンラッド東京で「多メディア時代で成功するデジタルアセット管理とコンテンツプロダクションを考える」をテーマにシンポジウムを開く。参加無料,完全事前登録制,先着300人。
http://www.vpj.co.jp/vpjsympo

9月17日,国際印刷大学校が日韓印刷文化シンポジュウム
 国際印刷大学校は9月17日,東京ビッグサイトで日韓印刷文化シンポジュウムを開く。後援は日韓文化交流基金。印刷文化の発展と印刷産業の進展や,日韓での人材育成などについて,斗山東亜の李在錫常務と全日本印刷工業組合連合会の水上光啓会長が講演する。参加無料,要予約。
http://www.media-igu.com/j/20110916nikanshinpo_lang.pdf

9月17日〜12月25日,CCGAでタイラーグラフィックスコレクション展
 福島県須賀川市のCCGA現代グラフィックアートセンターは9月17日〜12月25日,「幾何学的抽象の世界:タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション展Vol.23」を開く。当初3月1日〜6月5日の予定だったが,東日本大震災の被害で延期した。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ccga/

11月11日,日本印刷学会が秋期研究発表会
 日本印刷学会は11月11日,大阪・大国町のモリサワで「第126回秋期研究発表会」を開催する。発表の申し込みは9月22日まで。
http://www.jspst.org/event/kenkyu/invite.html

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週刊『印刷雑誌』2巻31号
2011年8月1日発行
編集長:高尾悠太
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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