週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻48号 2011年12月05日
Japan Printer weekly vol.2, no.48
毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

BookLive!Reader,パナソニックとイー・モバイル端末にプリインストール
 BookLiveは11月29日以降にパナソニックが販売する電子書籍端末「UT-PB1」と,12月1日からイー・モバイルが発売するAndroidスマートフォン「GS02」に,電子書籍ストア「BookLive!」で購入した書籍を閲覧できる「BookLive!Reader」をプリインストールする。すでに「UT-PB1」を持っているユーザーには端末のアップデートによりアプリが利用できる。

コンテンツワークス,フォトブック作成サービスに文庫本サイズ追加
 コンテンツワークスは,同社のフォトブック作成サービス「Photoback」で最短翌日着の「Photoback特急便」に,文庫本サイズ「Photoback BUNKO」を追加し,11月30日から提供を始めた。

AR技術を応用した「ARmailサービス」を開始
 三浦印刷は12月1日より,AR(拡張現実)技術を応用し,印刷物をWebカメラ付きPCで読み取ることによりE-mailや動画を登録,閲覧できる「ARmail」を開始した。二次元コードなど特別なマーカーを使うことなく,サービスサイトに登録された印刷物をマーカーにして利用できることが特徴。同社は本サービスと合わせ,企業向けに印刷物の企画・デザインからシステムの構築・運用までワンストップで提供する。

デザイン計画,軽量化と設置の簡易化を図ったパネルを販売
 総合広告代理店のデザイン計画は11月29日,記者会見や写真撮影などの背景用の自立式パネル「デザインバックパネル」を発売した。中国の提携工場より輸入し,同社のWebサイトで販売する。同製品は,アルミニウムとプラスチック部材を組んだ本体に樹脂系素材や布素材のシートをマジックテープで貼り付ける。シートは223cm四方で,企業名や商品名などをインクジェット出力する。総重量は約6kgで,専用の収納バッグで持ち運べる。本体と,発注者デザインによるシート1枚の出力,専用バッグを合わせて6万8775円。

アセンダ,デザイン作成サービス「100人のデザイナー」開始
 アセンダは11月29日,デザイナーの実績集を見ながらデザイナーを選択して,ロゴやパンフレット,ホームページなどのデザイン制作ができる「100人のデザイナー」の運営を始めたと発表した。依頼者の課題やニーズを聞きながらアセンダが保有するデザイナーを複数挙げ,採用デザインを決定し納品まで進行する。

アドビシステムズ,悠々クリエイティブライフキャンペーン期間延長
 アドビシステムズは満55歳以上の個人の顧客を対象とした「“55プログラム”アドビ悠々クリエイティブキャンペーン」を12月22日まで延長する。同キャンペーンは満55歳以上の人が同社のソフトウェア製品版を通常価格から25%引きで購入できる。

大日本印刷,オンデマンドのフルカラー隠蔽ハガキ開発
 大日本印刷は12月1日,顧客情報やメッセージなどを可変印刷し,個人情報などの印刷面を圧着して内容を見えなくする隠蔽ハガキ「PODクリアSメール」を開発したと発表した。フルカラーのオンデマンド印刷から折り加工やミシン目入れなどの作業までを一貫製造することで,製造データの受け入れから郵送までの時間短縮を図った。用紙はインクジェットプリンタ用のグロスコート紙を使い,ハガキの圧着には有機溶剤を含まない材料を使用した。おもにハガキサイズのZ折,A3判2つ折,封筒サイズの4面巻き折の形態で作成する。同社は,今後3年間で約10億円の売り上げを見込んでいる。

富士フイルム,インクジェットデジタル印刷機「Jet Press 720」発売
 富士フイルムは12月1日,インクジェットデジタル印刷機「Jet Press 720」を発売した。解像度1200dpiのプリントヘッドを搭載し,独自の4階調変調方式を採用した。水性顔料インクは脱墨性能を実現し環境にも配慮した。印刷速度はA4判で2700枚/時(180枚/分)。幅7181×奥行3692×高さ2045mm。

コニカミノルタ,蛍光分光濃度計を紹介
 コニカミノルタビジネスソリューションズは11月29日,東京・品川の同社ショールームで濃度計の製品説明会を開き,メーカーであるコニカミノルタセンシングが講演した。同機は色測定の規格ISO 13655でM1(非偏光のD50光源あるいはD50相当測定)相当測定が可能。従来はメーカーメンテナンスでしか行えなかった波長補正が日常的に行える。白色校正時に自動的に波長補正を実施する。本体の重量は約350g,ターゲットマスクを装着しても430gと世界最軽量という。濃度,網点面積率,ドットゲイン,照明環境の影響についても解説した。印刷現場向け分光濃度計「FD-5」は39万8000円,研究開発向け蛍光分光濃度計「FD-7」は85万円。

富士ゼロックス,LED複合機とプリンタ5機種発売
 富士ゼロックスはDocuPrintシリーズのA4判対応LED複合機およびプリンタ5機種を12月8日から発売する。カラー複合機「DocuPrint CM200 fw」,カラープリンタ「DocuPrint CP100 b/CP200w」,モノクロ複合機「DocuPrint M200 fw」,モノクロプリンタ「DocuPrint P200 b」の5機種を揃えた。「DocuPrint CM200 fw」と「DocuPrint CP200w」はPrint&ScanUtility for iOSに対応し,iPhone,iPad,iPod touchのモバイル端末からウェブサイトや写真画像などを直接プリントできる。固定式感光ドラムを採用し,交換が必要な消耗品はトナーカートリッジのみとなっている。

大日本印刷,電子書籍へ「秀英体」OpenTypeフォント提供
 大日本印刷は12月2日,同社のオリジナル書体「秀英体」シリーズの「秀英横太明朝」の文字数を追加し,異なるフォーマットでも互換性をもつOpenTypeフォントとして電子書籍向けにライセンス提供を始めたと発表した。第一弾としてドワンゴの電子書籍配信サービス「ニコニコ静画(電子書籍)」のiPhone・iPad用アプリに搭載された。同社は今後,EPUBなどの電子書籍フォーマットへも同シリーズの提供を進める。

フォントワークス,2011年度の新書体を発売
 フォントワークスは12月1日,フォントワークスLETSの会員向けに新書体の発売,配布を開始したと発表した。日本語フォント11書体とAdobe-Japan1-6仕様6書体およびJIS2004字形対応版6書体,韓国語フォント26書体,中国語フォント18書体の合計67書体を揃えた。

技能五輪ロンドン大会での伊東真規子選手の金メダルを祝う
 今年10月にロンドンで開かれた技能五輪国際大会・オフセット印刷職種で金メダルを獲得した伊東真規子選手とエキスパートの大塚成二氏(ともに亜細亜印刷),強化委員など関係者の祝賀会が,11月30日に東京・丸の内の銀行倶楽部で開かれた。
 伊東選手は大会出場の経験から「悔しさや嬉しさ・やりがいを感じられるもの(印刷)に出会えて良かった」と話した。また亜細亜印刷の藤森英夫社長は,「印刷業界皆で取った金メダル。これを若者の力を発揮させる機会にし,業界を活気づけ,日本の産業・経済を盛り上げていきたい」と話した。
 なお日本の2年連続での金メダル獲得を受け,全日本印刷工業組合連合会では関東甲信越静地区印刷協議会より提案があり,若者を対象として印刷技能を競う日本選手権を開くと決めた。

トッパン・フォームズ,教育関連市場と新規市場への参入加速
 トッパン・フォームズは12月1日,教育市場向け関連印刷および新規市場への参入加速を図り,コダックのインクジェットプリンティングシステム「Kodak Prosper 5000XLプレス」を3台導入した。現在のオフセットおよびデジタル印刷物の一部を同システムへ移行する。DMや広告関連の商品を多様化するとともに,バリアブルデータ加工のノウハウを活かして他社との差別化を進める予定。

環境保護印刷推進協議会,省エネ対策のセミナー
 環境保護印刷推進協議会は11月29日,東京・本郷の全水道会館でセミナーを開いた。「エネルギーの利用効率を高める着眼点:節電を超えた省エネ対応の重要性」としてコンサルタントの伊藤智教氏が,省エネには投資が必要だが運用改善と経営体質強化を図るチャンスであると話した。また,2010年印刷産業環境優良工場表彰で授賞した冨士印刷が,自社の環境認証取得の取り組みや設備,独自の圧着DMや封筒など環境配慮型商品を紹介した。
 さらに同協議会から,電力消費量削減活動を評価する「“CO2削減貢献度”認証制度」について説明があった。同認証の登録では,印刷工場のオフセット印刷機や空調設備をCO2排出量算定システムなどで検証し,ベンダーの指導を受けるほか,自社のCO2削減目標を社内外に示す。認証されると該当のマークを印刷物に掲載できる。

印刷教育研究会,印刷会社からの電子書籍展望
 印刷教育研究会は11月29日,東京・水道橋の都立工芸高校で研究会を催した。「電子書籍の取り組みと今後の展望」と題し,真興社の福田真太郎社長が,電子書籍は印刷会社にとって,単なる下請け企業からパートナー企業になるチャンスの一つではないかと話した。

モリサワ会,電子媒体と印刷の立場の講演
 モリサワ会は11月28日,東京・九段のホテルグランドパレスで研修会を開いた。「IGAS2011から今後の印刷(関係)業界を予測する」と題し,日本印刷技術協会の郡司秀明氏から,CGやデジタルサイネージなどを例に,消費者に合ったメディアの特性や重要性を,また電子メディアに対応しておかないと付随する紙の仕事も減るのではないかとの示唆を聞いた。

マンローランドAG社,規模縮小を断行,ドイツ裁判所に申請
 ドイツのマンローランドAG社は11月25日,規模縮小のためドイツの裁判所に対しリサイジング申請を行った。世界的需要の冷え込みが原因であり,需要は2008年と比較して約50%まで低下した。会長のフィンクバイナーを筆頭とする役員をそのまま任にあたる申請も合わせて行った。
 なお,マンローランドジャパンはマンローランドAG社とは異なる法人として2年前にリサイジングを行っており,業務には支障がなく,今後も通常通りにサービス提供を行う。

FESPA,シンガポールで34ヵ国から来場
 スクリーン,サイン・ディスプレイおよびデジタル印刷の展示会・会議FESPA Asia2011が10月26〜28日,シンガポールSuntecで開催された。来場者は4500人を超え,シンガポールのほかマレーシア,インドネシア,タイおよびフィリピンからが75%を占め,また米英のほかオーストラリア,中国,香港,台湾,ベトナム,日本,インド,バングラデシュおよびスリランカなど合計34ヵ国からあった。来場者は,ビジネス,スクリーン印刷,インクジェット,および織物・捺染を含む話題を見聞することができた。
 次回のバルセロナで開催されるFESPAファブリックはFESPAデジタルの一部として同展の1割ほどの規模(1000m2)となる。前回のFESPAデジタル2011はドイツ・ハンブルクで行われ,2500人の来場者があった。

コニカミノルタ,グリーンアップル賞を受賞
 コニカミノルタは11月28日,「OPS グリーン・オーディット・プロセス」の取り組みに対し,非営利環境団体グリーン機構によりグリーンアップル賞を受賞した。同取り組みは機器のエネルギー,ペーパー,トナーの使用量からCO2排出量を算定できる。算定した情報を元にドキュメント出力機器の最適配置を提案したり,環境負荷の低減と運営コストの削減を目指したりする視点が高く評価された。

富士ゼロックスのカラー・パブリッシング・システム,VPS認証を取得
 富士ゼロックスは11月30日,同社が提供しているカラー・パブリッシング・システム3構成がドイツの印刷関連研究・認証機関Fograより国際規格案基準として運用されているISO/DIS 12647-8で規定した基準に準拠したFograCert Validation Printing System認証を取得したと発表した。同認証にはプルーフ時の用紙に再現される色や光沢,褪色性,色精度などの基準が含まれる。認証されたシステムは,画像出力装置の色再現性,安定性および均一性といった性能に加え,プリントサーバーやカラーマネジメントシステムソフトウェアの性能が評価された。

Quark,EContent100に選出される
 Quarkは12月1日,デジタルコンテンツ業界でもっとも影響力のある企業100社に選ばれたことを発表した。出版業界の推進力であり続けていることと,マルチチャンネル配信の自動化に取り組んでいることが評価された。

12月5日から紙の企画展「Field」を開始
 東京・銀座の王子ペーパーライブラリーでは,12月5日〜2012年3月1日に第21回企画展「Field」を開いている。同展は毎回テーマに合わせた紙を取り上げ,その魅力や可能性を紹介するもの。入場無料,年末年始,土日祝日閉館。
http://www.ojigroup.net/designers/library/exhibition/index.html

12月8日〜10日,ミマキエンジニアリングが内覧会
 ミマキエンジニアリングは12月8日〜10日,東京・大崎のショールームで内覧会を開く。新インクの性能や仕様,パッケージソリューションなどを紹介する。参加無料,要申込。電話:03-5420-880

12月15日,ビジュアル・プロセッシング・ジャパンが印刷営業向けITセミナー
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは12月15日,東京・渋谷の同社で印刷営業向けのITセミナーを催す。参加無料,要申込み。
http://f.msgs.jp/r/c.do?186_3_62_rzs

12月16日,アイドック,電子書籍担当者向けセミナーを企画
 デジタルコンテンツの著作権管理(DRM)ソリューションの国内最大手であるアイドックは,12月16日,東京・秋葉原のUDX CONFERENCEで電子出版に関するセミナー「出版のもう一つの形ミートアップ2012」を開く。出版社や作家,ライター,クリエータを対象にPuBooksのインフォトップ,forkNのシーサーと共催し,フリーライターの野本纏花(まどか)氏を迎えたセッションなどを行う。
http://www.keyring.net/topics/seminar/2011/1216.html?utm_source=press&utm_medium=vp&utm_campaign=seminar20111216

12月16日,オープンエンド,名古屋で展示会とセミナー
 オープンエンドは12月16日,名古屋市中区の光文堂本社でデータ同期とクロスパブリッシング関連製品の展示会とセミナーを行う。展示では,電子ブックに関連するフリーソフトやオーサリングソフトなど5製品の実演を行う。セミナーでは電子ブック制作や組版ソフトから文書ソフトの生成など5つのテーマを設定している。
http://www.mediverse.jp/openend20111216/

12月21日,出版ビジネススクールで出版業界に関するセミナー
 出版研究センターは12月21日,東京・神保町の岩波アネックスでセミナーを催す。「2011年の出版業界を振り返る:震災,そして電子出版産業の変化を見極める」と題し,文化通信社の星野渉氏が出版産業の動きをレポートする。参加費5000円。
http://skc.index.ne.jp/seminar/seminar.html

12月24日まで,ギンザ・グラフィック・ギャラリー「杉浦康平・マンダラ発光」展
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは12月24日まで,「杉浦康平・マンダラ発光」展を開いている。グラフィックデザイナー杉浦康平氏が「マンダラ」(曼荼羅)をテーマに,西洋のデザイン手法を東洋の美意識で組み替える独特な手法でデザインした豪華本3冊とパネル,映像の作品を紹介。12月1日に開かれたレセプションで同氏は,本のもつ空間的広がりや包容力などを同展で伝えたいと話した。入場無料,日曜・祝日休館。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

2012年1月15日まで,小海町高原美術館で「よくわかるデザイン展」
 2012年1月15日まで,長野県の小海町高原美術館で「見て・触れて・体験して・学んで よくわかるデザイン展」が開かれている。年末年始と火曜日休館。入館料は,高校生以上500円,小中学生150円。
http://www.koumi-town.jp/museum/

週刊『印刷雑誌』2巻48号
2011年12月5日発行
編集長:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 


 

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