週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』3巻3号 2012年1月23日
Japan Printer weekly vol.3, no.3
毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

富士ゼロックス,新しい働き方を支援する施設
 富士ゼロックス(株)と(株)富士ゼロックス総合教育研究所は,神戸市の三宮駅前にある三宮センタープラザ東館6階に,企業のイノベーションや個人の新しい働き方を支援するコラボレーションセンター「スペースアルファ 三宮」を新設し,3月14日から運営を始める。企業向けに会議や研修スペースおよびレンタルオフィスのほか,働く場所を固定しない個人が集い,他分野の人々との交流を通じて価値観を共有することで仕事上の相乗効果を期待する「コワーキング」の場を提供し,知的で創造的な働き方の支援を目指す。

キヤノン,スマートデバイス用文書活用ツール発売
 キヤノンは1月18日,クラウド上で管理されている文書をiPadで閲覧,追記,印刷できるアプリケーションソフト「Smart Browse Print」を3月上旬に発売すると発表した。フルスクリーンやサムネイルでの文書表示や,手書き文字入力,写真や文書をiPad上に付箋で貼り付ける機能がある。電子マニュアルや会議でのプレゼンテーションなどに活用できる。

大日本印刷,電子雑誌の制作配信サービスを提供
 大日本印刷は1月18日,配信用ソフトウェア「Adobe Digital Publishing Suite」についてアドビシステムズ社と利用包括契約を締結したと発表した。同ソフトは電子雑誌や電子カタログのコンテンツ制作や,スマートフォンなどで利用するアプリへの展開から配信・効果測定までを可能にする。電子雑誌や電子カタログの印刷版と電子版の制作の同時進行や,音声や動画などのコンテンツの組込みなどのサービスを提供する。

大日本印刷,電子書籍を安全に収納や閲覧できる「TinySmart」を図書館に提案
 大日本印刷は1月19日,暗号化した電子書籍データを格納したmicroSDカード「TinySmart」と,タブレット型端末で閲覧できる専用ソフトの提供を始めたと発表した。同カードはICカード用の高セキュリティな基本OSを搭載しており,専用の暗号,復号ソフトを利用することで電子書籍データの不正コピーを防止し,端末や同カードの盗難や紛失時にも電子書籍データの漏洩を防ぎ,安全な管理を行うことができる。なお同カードとソフトが1月14日より札幌市中央図書館が実施している図書館実証実験に採用された。

日本HP,ラベル・パッケージ印刷向けデジタル印刷機の新製品
 日本ヒューレット・パッカードは1月18日,ラベルやフィルム,パッケージ印刷向けに高生産性を図ったロール給紙型のデジタル印刷機2機種の販売を始めた。対応用紙厚さが「HP Indigo WS4600」は12〜350μm,同「WS6600」は12〜450μmで,軟包装材や粘着ラベル,紙器など幅広いメディアに活用できる。独自の液体トナーを採用したオフセット印刷やグラビア印刷に近似する印刷品質で,セキュリティ印刷向けのソリューションも提供する。標準印刷速度は片面で,WS4600が4色16m/分,1色または2色32m/分,WS6600が4色30m/分,1色または2色60m/分。さらにオプションで,黒をCMYの3色合成で表現し,通常の4色印刷時と比べて印刷速度を最大33%向上する機能や,プライミング工程のインラインユニットも用意した。WS4600は税込5985万円,WS6600は税込1億2075万円。問合せは,電話03-6416-6660。

キヤノン,インクジェットプリンタ発売
 キヤノンは1月17日,A3ノビ判対応インクジェットプリンタ「PIXUS PRO-1」を6月より発売すると発表した。12色の新インクにより5色の黒系インクを打ち分け,暗部の濃淡を鮮明に表現。従来機に比べ約2.5倍の大容量インクタンクを搭載し,インクの交換回数を減少させた。幅695×奥行462×高さ239mm。オープン価格。

エプソン販売,A3判インクジェットプリンタとA4判複合機,A4判プリンタ発売
 エプソン販売はA3判インクジェットプリンタ「EP-4004」と,A4判複合機「PX-504A」,A4判プリンタ「PX-204」を2月1日に発売する。A3判インクジェットプリンタEP-4004は無線LANに対応し,PCと接続せずに印刷が可能。A4判複合機PX-504Aは印刷,コピー,スキャンを1台に集約し,1分間でA4判文書を約36枚出力できる。A4判プリンタPX-204は自動両面印刷ユニットを搭載。1分間でA4判文書を約38枚出力できる。また,ファインアート出力に対応したA4判インクジェット用紙「Velvet Fine Art Paper」も3月8日より発売する。すべてオープン価格。

凸版印刷,紙素材の磁気対応カードを発売
 凸版印刷は1月下旬,環境に配慮した紙素材の磁気対応カード「mag-KAMICARD」を発売する。カード形状で磁気に対応した紙素材のカードは国内初という。厚みや寸法は通常カードと同等で1万枚で単価30〜40円。同社は関連システムの受注も含め,2012年度0.5億円の売上を目指す。  

フォーサイト,FileMakerの上位版を発表
 フォーサイトは,「FileMaker」用のグラフ自動作成環境「Chart@Once」シリーズの最上位版「Chart@Once SX」を1月下旬発表する。Chart@Once SX は,Chart@Once SE の機能を向上させたもので,パワーユーザーをはじめ開発者でも納得できるグラフ作成・再生環境がある。

コーレル,「Corel Painter 12」のアップデートプログラムを公開
 コーレルは1月13日,「Corel Painter 12」のアップデートプログラムを無償で公開した。新機能としてブラシ,描画イメージの確認,カラーミキサーパレットなどの機能が強化した。対象は正規品のみで,体験版,他社製品付属版は本アップデートの対象外。

トーホー加工,環境対策で大臣表彰
 トーホー加工は1月12日,「環境対策に係る模範的取組表彰」で環境大臣表彰を受けた。同社のVOC回収・処理装置の開発導入と回収物の再資源化の促進などへの取り組みのほか,資機材メーカーを含む業界全体への啓蒙活動が評価された。

トーホー加工と金羊社,水性フレキソに関し業務提携
 トーホー加工と金羊社は1月18日,水性フレキソ印刷に関する業務提携を発表した。両社それぞれの強みを活かし,向き不向きを見極めた優位性を強調することで包装産業での受注に力を入れる。提携に際しトーホー加工の小山工場の隣接地に取得した土地建物の一部に金羊社が発注予定のソーマ社(チェコ)製水性フレキソ印刷機を設置し,同工場に既設の1号機と合わせて稼動させる。なお,導入予定の印刷機は5月に開催されるdrupaで公開される。

紅屋オフセット,省エネ設備を導入
 紅屋オフセットは1月18日,同社深谷工場の電気計測監視機器の導入と,高効率設備への更新を実施したと発表した。電気計測監視機器の導入は受電設備の50ヵ所に計測ポイントを設けて電力センサーを設置し,電力の見える化と計測データに基づく専門家による診断を行い,工場の電力省力化を図る。高効率設備への更新はコンプレッサーの更新および台数制御,印刷機原動モーターの省エネ型EDモーターへの更新,照明設備を蛍光灯からHf蛍光管と,水銀灯からセラミックメタルハライドランプへの更新,空調機器の高効率機への更新を対象とし,1月に設置工事を完了する。これらにより深谷工場における年間CO2排出量の約10%を削減できる見込み。

図書印刷とプレシディオ,サイト上でコラボレーション
 図書印刷とプレシディオは1月19日,書籍情報サイト「読むナビ」と映画サイト「Gacchi」のサイト上での連動企画を決定した。第一弾として2月4日から公開される映画「荒川アンダーザブリッジ・THE MOVIE」に合わせて,主演の林遣都氏と監督・脚本・編集の飯塚健氏と原作担当編集の中村光氏の対談を行い,本と映画双方の魅力を伝える。

日本印刷産業機械工業会,年始会に340人が出席
 日本印刷産業機械工業会は1月19日に東京・芝公園の東京プリンスホテルで年始会を開いた。同工業会の小森善治会長は「去年のIGASの成功が5月のdrupaにつながり,Global Print会議も更に進化していくと期待される,またJapan Color認証制度などの活動も積極的な展開を図っている。厳しい状況下にあっても,印刷関連産業は方向を見誤らず逆境を乗り越えていかなくてはならない」と挨拶した。参加者は340人。

印刷工業会商業印刷部会,新年交歓会に100人が出席
 印刷工業会商業印刷部会は1月19日に東京・元赤坂の明治記念館で新年交歓会を開いた。同部会の柳井健会長は「昨年は若手の育成,品質向上に加え,マーケティングに関する知識が今後商業印刷に必要な知識になるため,今後も勉強会を継続していきたい。そして得た知識を得意先に提案することが商業印刷の新しい発展につながるだろう」と挨拶した。参加者は100人。

グラビア印刷業界3団体,新年賀詞交歓会に200人が出席
 全国グラビア協同組合連合会,関東グラビア協同組合,関東プラスチック印刷共同組合は1月20日に東京・紀尾井町のホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開いた。全国グラビア協同組合連合会の田口薫会長は「あらゆる業種がデフレでの原価割れを起こしている。原価計算の見える化や大手2社のGP認定,環境優良工場へのエントリー,GP認定取得工場への優先発注や,正しい方法で物を作っていることをユーザーへ理解してもらい信頼を築くことが重要」と挨拶した。参加者は200人。

アグフア,pageで多能工化へのソリューション展開
 日本アグフア・ゲバルトは,page2012展(2月8日〜10日,池袋サンシャインシティコンベンションセンターTOKYO)で印刷現場のFA化や多能工化による標準化,営業担当者のデジタル武装により,この課題解決のためのソリューションを提案する。面付機能「:APOGEE Impose」搭載のJDF ベースハイエンドワークフロー「Apogee7」,Web経由での入稿・校正・承認プロセスにより印刷会社と顧客間のコミュニケーションを図る「:APOGEE Portal」,現像レス CTP プレート「:Azura TS」,現像レス用ガム洗浄ユニット「:Azura C95」,ハイボリューム向けガム洗浄ユニット「:Azura Ultima 125」(drupa 2012 先行展示)などを出展する。

VPJ,多メディア対応の編集・制作・配信ワークフローを効率化
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは1月16日,多メディアの編集・制作ソフト「Adobe Digital Publishing Suite」とエンタープライズコンテンツマネジメントシステム「WoodWing Enterprise」の一体化提供を始めた。これにより,紙媒体からWeb, iPadやAndroid端末へのコンテンツ配信まで多様な情報活用を支援する。

東洋インキグループ,高精細印刷や通信,エネルギー関連新製品の内覧会
 東洋インキは1月17日,丸の内の東京国際フォーラムで同社グループの新製品発表会を開いた。高精細技術や脱化石素材による印刷インキ,iPhone対応の電子色見本帖,パッケージ向け機能性素材や天然素材応用製品,情報通信機器向けの機能性材料,太陽電池やリチウムイオン電池用材料とソリューションなどを紹介した。インクジェット(IJ)印刷方式の課題解決を図って開発した水性IJインクやUV-IJインクなどの技術解説もあったほか,プリンテッドエレクトロニクス分野の製品も注目を集めた。

巴川製紙グループ,機能性材料や特殊印刷など製品・技術の展示会
 巴川製紙所を母体とし,国内9社と海外6社で構成する巴川製紙グループは1月18日・19日,東京・神田の新生紙パルプ商事でグループメーカー企業の内覧会を開いた。セキュリティ印刷を得意とする昌栄印刷は,通帳の用紙と判型を用いて利便性を図った手帳や,レンチキュラー印刷のPOPやノベルティを展示した。特殊機能紙の製造を主とする新巴川製紙は,耐水レーザプリンタ用紙や薄さ・軽量化・高不透明性を図った抄紙などを出展した。そのほか,断熱フィルムや結束用テープ,特殊フィルター素材などの製品と技術も紹介した。

日本製紙,東日本大震災からの復興を展示
 日本製紙は1月17日〜20日に東京・一ツ橋の同社で,被災工場の復興状況を記録した「復興へのキセキ。」展を開いた。工場設備再稼働時の記録映像や震災後・復興後の工場構内の写真,被災後の社員の手記などを展示したもので,悲しみや苦しみを抱えながらも社員が一丸となって早期復興に取り組んだ様子がうかがえた。なお,同社は昨年3月の東日本大震災で3工場が被災したが,5月に岩沼と勿来の工場が完全復旧し,津波の被害を受けた石巻工場も9月より生産活動を再開した。

東洋インキ,色に関する2種類のスマートフォンアプリを開発
 東洋インキは,色に関するアプリ「TUBU COLOR」,「UDing」を開発した。前者は色の検索機能や登録機能があり,利用者同士でコミュニケーションをとれる。後者は,色覚タイプの違いによる不便さを企画段階から取り除き,デザイン制作を支援するソフトウェアのアプリ版。3月に正式リリース予定。

日本産業カウンセラー協会,「動画で学ぶメンタルヘルス教室」をWeb公開
 日本産業カウンセラー協会は1月16日,厚生労働省委託事業として行っている働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」で「映像ライブラリー:動画で学ぶメンタルヘルス教室」を公開した。ストレス対策などメンタルヘルスのセルフケアに関し,約15分の動画とスライドで紹介する。PCのほか,iPadなどのタブレット端末やスマートフォン端末からも閲覧可能。

1月25日,公契約条例の制定をめざす世田谷のつどい
 公契約推進世田谷懇談会は,第4回公契約シンポジウム「公契約条例の制定をめざす世田谷のつどい」を1月25日,東京の世田谷区民会館で催す。公共事業の発注や業務委託のさい,契約単価が低いため,ワーキングプアが生み出される問題を扱う。印刷分野もからの訴えもある。問合せは,同懇談会(電話03-3413-3020)。

1月30日,地域活性化のためのデジタルコンテンツ活用セミナー開催
 フルノシステムズとチェスネットワークは1月30日,東京の日比谷図書文化館にて「Wi-Fi」を利用した地域活性化のためのデジタルコンテンツ活用セミナーを開く。「ローカルな物づくりの徹底が発信力の力となる」をテーマに金丸弘美氏が講演するほか,デジタルコンテンツ活用の事例紹介を行う。参加費無料,事前登録制。
http://www.chess-network.net/seminer.html

2月16日まで,G8で手造りの印刷装置を紹介
 東京・銀座のクリエイションギャラリーG8は2月16日まで,「POSTALCO Wheel Printer by Mike Abelson」展を開いている。米国のデザインスタジオPOSTALCO(ポスタルコ)が,製作した手動の印刷装置とそれで刷ったノートを展示している。同装置は,複数の車輪にインクをつけ,その車輪の下を印刷用紙を載せた台座がハンドル操作で動き,車輪の下を用紙が通ることで模様を印字するもの。刷るごとに違った表情の印刷物ができる。また,ボールにインクをつけて印刷用紙の上にランダムに落とす装置も展示。1月27日にトークショーを,2月4日に印刷実演会も開く。入場無料,トークショーのみ要予約。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201201/g8_exh_201201.html

Too,2月にToo curateセミナーを全国5ヵ所で開催
 Tooは,「印刷から電子書籍まで対応できる,うまいデータの作り方 :Illustrator,Photoshop,InDesign最新活用術」セミナーを開く。デザインツール「Adobe Creative Suite 5.5」を使ったデータ作成のコツを紹介する。2月6日札幌,14日東京,16日名古屋,23日大阪,24日福岡で開催する。受講は無料,事前予約制。
http://www.too.com/event/2012/cs55/

2月27日〜3月22日,ガーディアン・ガーデン「グラフィック“1_WALL”展」
 東京・銀座のガーディアン・ガーデンは2月27日〜3月22日に「グラフィック“1_WALL”展」を開く。若手グラフィック作家を発掘するもので,6人の最終選考対象者の作品を展示。3月9日に公開最終審査も行う。(電話03-5568-8818)

4月11日〜14日,ジャカルタで国際印刷産業展開催
 メッセ・デュッセルドルフ・アジアとPT Wahana Kemalaniagaは4月11日〜14日,インドネシアのジャカルタ国際博覧会場で国際印刷産業展「Indoprint」を開く。2011年3月の同展では173社が出展,日本や欧米など15ヵ国11,245人が来場した。事前登録制,無料。
www.indoprint.net

◇◇◇ PR ◇◇◇
1月20日に『印刷雑誌』2月号を発行しました。「軟包装と環境・安全」を特集テーマとして食品包装での環境配慮にも触れています。また,印刷加工現場での静電気対策も必見です。2012年で95年の歴史がある,真面目な雑誌です。ぜひ,1月号からの定期購読をお薦めします。1号1470円。定期購読料1年間12号分17,640円(税込)で,定期購読ですと送料無料です。これを機会に『「印刷雑誌」とその時代 実況・印刷の近現代史』(税込9030円)もいかがでしょうか。

週刊『印刷雑誌』3巻3号
2012年1月23日発行
編集長:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

go home

(C)2010 Insatsu Gakkai Shuppanbu Ltd.
All rights reserved.