週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』3巻4号 2012年1月30日
Japan Printer weekly vol.3, no.4
毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

Ptmind,中国で日本映画のネット配信開始
 Ptmindは1月23日,中国の国営放送直轄で中国ネット映画配信において中国政府に唯一海外映画の輸入が認められた大手映画配信サイト「電影網(M1905)」と提携し,「時をかける少女」をはじめとする日本映画の提供を開始した。電影網に配給されることで,違法動画を配信している企業に対し削除通告を出すことになり,違法動画の配信停止が可能となる。

復興業界の業界新聞「東北復興新聞」創刊
 NPO法人HUGは1月17日,業界新聞「東北復興新聞」を創刊した。復興のために活動する人たちを対象とした業界新聞。震災や復興に関する一般の関心は風化しつつあり,支援やボランティアの数も大幅な減少傾向にあることから,関係者間の情報共有を促進するとともに,被災地外の企業などへ業界情報を届け,継続したより良い支援の実現を目指す。

CACアメリカ・コーポレーション,電子出版サービス開始
 CACアメリカ・コーポレーションは1月25日,電子出版サービス「Teraink」を提供すると発表した。パソコン,スマートフォン,タブレット端末などから新聞,雑誌,本,マンガ,カタログ,教材などの印刷物を同じレイアウトのまま閲覧可能な電子書籍を制作することができるサービス。

富士ゼロックス,POD機用専用マットトナー発売
 富士ゼロックスは,フルカラーオンデマンド印刷システム「Xerox iGen4 Press」の専用「マットトナー」を2 月22 日から発売する。グロス(光沢)を抑えた画質が可能になり,よりオフセット印刷に近い質感で出力できる。写真を含むカタログやアルバムなどの応用例が広がる。現行機へは別途「Matte Toner Conversiton Kit」(115万円 )が必要。
 また,最大 660mm までの用紙サイズに対応する関連商品「26 inch Large Paper Path」と組み合わせることにより,商業印刷で求められる光沢を抑えたオフセット印刷に近い画質で,A4判三つ折りサイズのカタログが作成できる。マットトナーのブラックは6万7000 円,約9万枚が可能(A4/15%印字比率時)。CMY各マットトナーは各9万2000円。iGen4本体は8900万円。

リコー,PODワークフロー発表
 リコーは,プリントオンデマンドの印刷ワークフローソリューションとして,印刷の前処理工程における各種機能を提供する「TotalFlow MR」と,印刷ジョブのスケジュール管理機能を提供する「TotalFlow PM」を2月1日から発売すると発表した。TotalFlow MR(60万円)は,印刷ジョブの作成から編集,設定までをサポートする。TotalFlow PM(40万円)は,設定した印刷ジョブが業務の流れに沿って効率的に処理されるように印刷スケジュールを管理する。同社のプロダクションプリンタ「RICOH Proシリーズ」の機能を向上させる。

フォーサイト,グラフ自動作成ソフトの機能向上版発表
 フォーサイトは1月 26日,「FileMaker」用のグラフ自動作成環境「Chart@Once」シリーズの最上位版「Chart@Once SX」を発売した。既存のソースコード全体を見直して 70%以上を書き換え,50%を超える機能を追加し,ユーザインターフェイスも全面的に改訂したもの。下記から無料試用版ダウンロード可能。http://www.fsight.co.jp/products/Chart@OnceSX

大日本印刷,札幌市内の同社グループ書店で北海道の本の推進フェア
 大日本印刷は1月27日,同社グループと札幌市中央図書館が連携し,北海道の出版社16社が発行した本の読書推進フェアを同月16日から2月20日まで開いていると発表した。これは同社グループ会社の図書館流通センターが札幌市より受託し,電子書籍の貸出サービスを想定して電子書籍のメリットや課題を検証する電子図書館の実証実験として行っている「さっぽろ電子図書館体験フェア」と連動したもの。札幌市内の同社グループの書店に販売コーナーを設け,地元出版社が発行した小説や写真集,情報誌やグルメ本など札幌にゆかりのある本を通して読書推進を図る。

グラフィック,「会社案内デザインサポート」を開始
 グラフィックは1月30日,Web上で印刷物の作成・注文までができるサイト「デザイングラフィック」の新サービス「会社案内デザインサポート」を開始した。デザインプレートを選んで会社案内の作成・印刷が可能。納期は「低価格重視」タイプと「スピード重視」タイプがある。1月30日から8月31日まで,オープニングキャンペーンとしてデザイン料金が30%割引になる。

大日本印刷,教育鑑賞用ワークショッププログラムを提供
 大日本印刷とルーヴル美術館の共同企画「ルーヴル-DNPミュージアムラボ」は,4月から宮城,岩手,福島の県立美術館で開かれる特別展覧会「ルーヴル美術館からのメッセージ:出会い」に付随して,タブレット端末を活用した教育用鑑賞ワークショッププログラムを提供する。端末の画面上でたとえば,通常の印刷物ではわからない各作品の大きさをイメージとして相対的に比較することや,拡大して細部を確認することなどができる。学校やコミュニティスペースなどでもこの活動を展開する予定。

トッパンパッケージングサービス,工場が医療機器製造業の許可を取得
 トッパンパッケージングサービスは1月25日,埼玉・比企郡の嵐山工場が医療機器製造業(包装・表示・保管)の許可を同月17日に取得したと発表した。これにより医療機器向けパッケージや薬事法に定められた添付文書の製造から,医療機器の封入,包装,保管まで対応が可能となった。

金羊社,音楽CDジャケットのデザインを顕彰
 金羊社は1月27日,東京・鵜の木の同社で「エンタテイメントパッケージアワード」の表彰式を開いた。同賞は学生を対象に,音楽CDのジャケットおよびパッケージのデザインを評価するもの。今回は「Feel The Earth」をテーマに,1960作品の応募があり48作品が受賞した。大賞は桑沢デザイン研究所の城尾裕介氏が,準大賞は京都造形芸術大学の森川あいみ氏と大阪モード学園の中村法子氏が受賞した。

日本印刷産業連合会,GP工場交流会開催
 日本印刷産業連合会は1月26日,東京・新富の日本印刷会館で「第11回GP工場交流会」を開いた。「環境印刷の取組み」と題し新日本印刷の中井旭・羽田東京工場長がエネルギーや廃棄物・リサイクルなどの管理,法規制に関し事例を紹介し,「GP資機材認定への取組み」について日本アグフア・ゲバルトの肥田木淳司氏がエネルギーやなどを解説した。
 同連合会は環境配慮の印刷工場を認定する「グリーンプリンティング(GP)認定」を行っており,2011年12月現在273工場が認定されている。

サントリー美術館,日本HPの大判プリンタで展示
 1月28日から4月1日まで,東京・六本木のサントリー美術館で「大阪市立東洋陶磁美術館コレクション 悠久の光彩 東洋陶磁の美」展が開かれている。その装飾に日本ヒューレット・パッカードが協力した。写真家三好和義氏が,同館が所蔵する中国,韓国陶磁の名品をさまざまな角度から撮影した写真を拡大して,「HP Latexインク」を採用した大判プリンター「HP Scitex LX850」で出力。テキスタイル素材に幅3.2×高さ3.9mの大型バナーを継ぎ目なく1枚でプリントした。

コダック,pageでW2Pやデジタル印刷を提案
 コダックは,page 2012(2月8日〜10日,サンシャインシティ コンベンションセンターTOKYO)で営業効率の向上と顧客サービスの向上を図る「Web to Print」,生産工程の自動化を図る「プロダクション ワークフロー」,カラー管理の「カラーマネージメント」,電子写真やインクジェット技術の様々な印刷アプリケーションを展示する「デジタルプリンティング」の4つのソリューションを紹介する。

コニカミノルタ科学技術振興財団,画像科学奨励賞・進歩賞発表
 コニカミノルタ科学技術振興財団は1月20日,画像領域の研究に従事する若手研究者を対象に公募した「コニカミノルタ画像科学奨励賞・進歩賞」の受賞社を決定した。奨励賞は3人で副賞は1件100万円,テーマは「深部超解像イメージング技術の開発」「環境半導体をベースとした高輝度光源の創生」「自己組織化テンプレートを用いた可視光応答型分割リング共振器の作製」。進歩賞は副賞50万円で6件。

富士ゼロックス,Facebookの活用で“出先プリント”が可能に
 富士ゼロックスは,インターネットへ登録した画像や文書を全国のセブン-イレブン店舗の「マルチコピー機」でプリントできる「ネットプリント」に関し,より多くの消費者が活用することを目的とした「“出先プリント”キャンペーン」の一環として,電通が開発したFacebookアプリケーション「File Share Printer」と連携した,クラウド環境のファイル共有・プリントサービスを1月23日から7月31日まで提供すると発表した。

コニカミノルタ,デジタルでビジネス創出をキーワードに講演会
 コニカミノルタビジネスソリューションズは1月25日・26日,東京・品川の同社ショールームで「ビジネスチャンスの新たな創出」を講演会と内覧会を開いた。「電子ブックソフトActiBookで“情報の利益化”」と題しスターティアラボの小友康広氏が今後の印刷会社の価値はモノより情報ではないかと話した。また「デジタル印刷を如何に受注につなげるか!」としてコニカミノルタビジネスソリューションズの西岡義晃氏が貴金属小売店舗における印刷物の効果を解説した。ショールームではハイエンド高速デジタル印刷や広色域再現出力が可能なbizhub PRESS C8000や同C70hcなどを紹介した。

印刷志の会,静電気の原理と対策などを学ぶ
 テクノロールが主催する勉強会「印刷志の会」は1月27日,東京・浅草の同社東京支店で「基礎から対策・メンテナンスまで習得できる静電気セミナー」を催した。キーエンスの山田弥一郎氏が異なる物質が接触すると静電気が発生する原理や用途によって異なる手法の対策を講じる必要があることなどを解説した。また,除電器の原理や種類,その手入れのコツなどにも触れた。

リコー,POD機で省エネ大賞の省エネルギーセンター会長受賞
 リコーは1月24日,同社のカラープロダクションプリンタ「RICOH Pro C901/901S」(2010年10月発売)が,省エネルギーセンター主催平成23年度「省エネ大賞」の製品・ビジネスモデル部門において「省エネルギーセンター会長賞」を受賞したと発表した。同機は,トナーの低融点化や定着機構の改良等の省エネ設計により,国際エネルギースタープログラムで規定されている TEC値(標準消費電力量)基準を,1分あたり90ページという高速印刷の製品では業界で初めてクリアした。

リンテック,マスク用シールを発売
 リンテックは1月23日,マスク用シール「さわやか de シール」を発売した。不織布マスクやガーゼマスクの外側に貼ると,メントールの香りで鼻やのどがスッキリする。香りは約2時間持続。30枚入りで630円。

ディスカバリーズ,BPOSからOffice365への移行支援サービス提供
 ディスカバリーズは1月23日,マイクロソフトのクラウドサービス「Business Productivity Online Service」から「Office 365」へ移行を支援するサービス「GO 365」の提供を開始した。同サービスは,利用者の業務を止めることなく移行ができる。

本の魅力を再認識
 文生書院は1月27〜29日,東京・小川町の東京古書会館で小口絵が描かれた本の展示会を行った。17世紀を中心に作られた小口絵本108点が展示されたほか,印刷で小口絵の手法を再現した出版物を手に取って見ることができた。また,28日に開かれた鼎談会ではグラフィックデザイナーの奥定泰之氏,編集者の津田淳子氏,出版社顧問の長村玄氏とゲストの小説家のモブ・ノリオ氏が書籍製作の体験談や本にまつわる思い出,電子化への危惧など紙の本の魅力について意見を出し合った。

川澄建築写真事務所と小林研二写真事務所が合併
 川澄建築写真事務所と小林研二写真事務所は1月1日に合併し,株式会社川澄・小林研二写真事務所として発足した。代表取締役には小林研二氏が就任した。また創立50周年を記念して6月に写真集『瞬間の連続性:the continuum of moments』(みどり企画出版)を出版する。

キヤノン,CP+でワークショップ
 キヤノンマーケティングジャパンは,CP+展(2月9日〜12日,パシフィコ横浜)で「Digital Photo Professional」と「PHOTOPRESSO」をテーマに2月9日と10日,ワークショップを開く。各回10人限定。参加整理券や抽選。
http://canon.jp/event/exhibition/cp2012/workshop.html

2月3日〜5日,金羊社で印刷の現場を体感する展示会を開催
 金羊社とオールライト工房は2月3日〜5日,東京・鵜の木の同社で「印刷のいろは」展を開く。「えらぶ〜印刷の可能性を試す3日間!」をテーマに,ポチ袋やノート,カードのオリジナル制作の体験や,活字を使ったゲーム,クリエイター作品の展示や販売などを行う。入場無料,印刷・加工の体験は500円。
http://www.irohaten.com/

2月9日,「中国包装産業現状と発展」東京セミナー
 中国包装連合会・駐日事務所は2月9日,「中国包装産業現状と発展」セミナーを東京で催す。中国包装連合会による中国包装産業や2012年北京国際包装博覧会についての講演が行われる。参加費は無料。要申込。
http://www.chinainfo-jp.com

2月9日,日本印刷技術協会がpage展でトークセッション
 日本印刷技術協会は2月9日,page展が25回目となるのを記念し,同展会場のサンシャインシティ・コンベンションセンターTOKYOでトークセッションを催す。モデレーターは漫画家・音楽家・エッセイストの久住昌之氏,スピーカーはタレント・作家の木村綾子氏と創庵の佐々木博社長。参加費は一般3,000円,同協会会員無料,事前登録制。
http://www.jagat.or.jp/PAGE/2012/session/session_list.asp?tr=12

2月10日,名古屋市工業研究所が印刷技術の講演会
 名古屋市工業研究所は2月10日,名古屋市熱田区の同研究所で「知って得する印刷技術に関する講演会」を催す。「インクジェットプリンタ用紙」について三菱製紙の石黒秀明氏が,「Acrobatの活用術II」をダイヤミックの高木茂男氏が話す。参加費無料,要予約。問合せは同研究所内画像技術研究会(電話052-654-9905)。

2月13日,出版メディアセミナー
 文化通信社は2月13日,東京・神保町の岩波書店で講演会を催す。「小学館が取り組む新しい書籍取引制度:計画販売制『謎解きはディナーのあとで2』と『こども大百科』の検証」と題し,小学館の友弘亮一氏が話す。参加費5000円。
http://skc.index.ne.jp/seminar/20120213.html

2月21日,日本印刷学会グラビア研究会が勉強会
 日本印刷学会グラビア研究会は2月21日,東京・水道の凸版印刷印刷博物館で講演会と見学会を開く。「欧州包装動向(インターパック2011視察報告を中心に)」として東洋紡パッケージング・プラン・サービスの森啓治が,「パッケージにも求められるカラーユニバーサルデザイン」と題し東洋インキの武田一孝氏が話す。また講演会後には,希望者へのVRシアターの観覧(事前申し込み)とガイドツアーを企画している。参加費は,会員・関東グラビア協同組合会員・全国グラビア製版工業会連合会会員3000円,非会員5000円(印刷博物館入場料込み)。定員40人,要予約。
http://www.jspst.org/event/120221.html

4月2日〜25日,ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「TDC展」
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは4月2日〜25日,東京タイプディレクターズクラブ主催の国際賞「東京TDC賞」の作品を紹介する「TDC展」を開く。応募作品3289点から選ばれた10点の受賞作品を含め100点あまりを展示する。入場無料,日曜・祝日休館。なお4月1日に東京・杉並の女子美術大学で,受賞者やゲストによる対談や講義を行うフォーラム「TDC DAY」も開く。事前予約制。また同展は5月22日〜7月6日,大阪のdddギャラリーへ巡回する。問合せは,電話03-5568-8023

4月27日〜8月26日,21_21 DESIGN SIGHTで「テマヒマ展“東北の食と住”」
 東京・赤坂の21_21 DESIGN SIGHTは4月27日〜8月26日,東北の食と住に焦点を当てた「テマヒマ展“東北の食と住”」を開く。同テーマにまつわる職人やものづくりを,グラフィックや映像,写真などを交えて紹介する。入場は一般1000円,大学生800円,中高生500円,小学生以下無料。火曜休館(5月1日は開館)。問合せは,電話03-3475-2121

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1月30日に『学術出版の技術変遷論考:活版からDTPまで』を発売しました。活字組版から写真植字,DTPへと変遷してきたその技術変遷と課題を京都の人文科学系の多言語組版も得意とする印刷会社をモデルに考察しました。戦後の印刷技術変遷史としてだけでなく,学術出版の研究や大学や図書館の研究書としておすすめです。定価7140円。著者の中西秀彦氏が連載中の『印刷雑誌』も合わせてお楽しみください。1号1470円。定期購読料1年間12号分17,640円(税込)で,定期購読ですと送料無料です。

週刊『印刷雑誌』3巻4号
2012年1月30日発行
編集長:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

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