週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』3巻8号 2012年2月27日
Japan Printer weekly vol.3, no.8
毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

基準値を超えるPCB含有の顔料使用した印刷インキ,市場流通はなし
 印刷インキ工業連合会は2月15日,非意図的に基準値(50ppm)を越えるポリ塩化ビフェニル(PCB)が混入した有機顔料が流通し,印刷インキにも使用されたとの報道を受け,調査した。その結果,該当業者より同連合会会員企業への出荷はなく,当該顔料を使用した印刷インキは市場に流通していないと発表した。

ダイナフレックス,デジタルサイネージ向け顔認証視聴測定システムを販売
 ダイナフレックスは2月20日より,インテル社が開発したデジタルサイネージ向け顔認証測定システム「Intel AIM Suite」の販売を始めた。小売業,自販機などへのデジタルサイネージの導入が活発になっており,市場規模は対前年比20%以上の伸びとも言われている。同システムは性別,子ども,成人,壮年など5分割の年代,視聴行動検出の機能を持ち,屋外広告の費用対効果の数量化を実現する。

ヨシダヤ,年賀状のデザインコンペ
 ヨシダヤ(岐阜市)は2月20日,デザインのフリーマーケットを行うWebサイト「HiKKAi」で,プロ・アマ・学生と問わず参加できる(先着300人)年賀状デザインコンペを始めた。利用者数や販売金額,評判などによって順位が決まる。

大日本印刷とインプレスR&D,電子書籍一元管理ソフトのWindows版を試験公開
 大日本印刷とインプレスR&Dは,昨年12月より電子書籍一元管理ソフト「オープン本棚」のAndroid端末対応試用版を公開している。それに加え今年2月16日より,同ソフトのWindows対応の試用版も公開を始めた。これにより同ソフトで管理する電子書籍の情報を,WindowsパソコンとAndroid端末で共有できる。

パピレス,Android向け「電子貸本Renta!」公式無料アプリをリリース
 パピレスは2月23日,「電子貸本Renta!」の公式無料アプリ「マンガをお得にレンタルRenta!」(Android版)をAndroidマーケットで発表した。今回のアプリにより,スマートフォンの環境に合わせた表示機能を追加し,閲覧の不便さを解消した。同サイトは48時間閲覧100円よりの時限レンタル方式と無期限閲覧方式を採用し,読者の要求に対応している。

アドビシステムズ,個人向け配信ソフト発表
 アドビシステムズは2月20日,フリーランスのデザイナーなどの個人や,小規模なデザイン会社が,Adobe InDesign CS5.5および同ソフトウェアにより作成した双方向コンテンツをApple iPad上で配信することのできるAdobe Digital Publishing Suite,Single Editionの提供が,日本で始まることを発表した。パンフレット,ビジュアル的な要素を多用した書籍,年次報告書,個人的なデザインポートフォリオなど,単体のコンテンツをiPadアプリケーション向けに配信できる。29,800円。

メディカ,ブログ記事を新聞紙面形式に変換作成するサービスをWebで提供
 メディカは2月20日より,ブログ記事を自動的に新聞紙面形式に変換,作成するWebサイト「ブログ新聞maker」を開設し,サービス提供を始めた。利用者は840パターンの中から好みの紙面を作ることができ,キーワード対策などのSEO対策も標準サービスとしている。作成された紙面には自動的に広告が挿入され,同一ブログでの利用は1回のみ無料,次回より有料となる。対応ブログは,Ameblo,livedoor,yaplogなど。1回10,500円。

大日本印刷,印刷物と連動のデジタルコンテンツ配信アプリ開発
 大日本印刷は,雑誌やチラシ,ポスターなどに掲載されている画像にスマートフォンをかざすと関連する動画や詳細情報などを閲覧できるアプリ「QUEMA for Smartphone」を開発し,2月24日よりAndroid搭載スマートフォン用に提供を始めた。同社のアプリとして汎用化したことにより,企業が個別にアプリを開発する場合に比べコストを約6割,開発期間を約8割短縮できるという。GPSやインターネットとも連動可能。なお同アプリは2月25日に開かれた,サッカーJ2チーム「ザスパ草津」のイベントの販促ツールに採用された。同アプリをダウンロードしたスマートフォンを選手の顔写真が掲載されたポスターにかざすと,今年の意気込みを語る先週の映像を閲覧できた。

凸版印刷,電子チラシサイト「Shufoo!」で提携
 凸版印刷は2月23日,同社が運営する電子チラシサイト「Shufoo!」において東京メトロポリタンテレビジョンと提携した。これにより3月1日より,地上波デジタルテレビのデータ放送「まちダネ」へ電子チラシを提供し,電子チラシ閲覧者の拡大を図る。

大川印刷,街興しでイラスト展
 大川印刷が事務局を担当している横浜マーチング委員会では,横浜の地元の風景をイラストにした「横浜ひとまち百景」を通じて,街興しを行っている。次の場所で,イラスト展を開いている。
 2月28日レストラン「驛の食卓」,2月28日・29日居酒屋「横濱うたげやど根性ホルモン」とダイニングバー「WADACHI」。
http://www.ohkawa-inc.co.jp/

コンテンツワークス,A5判サイズのフォトブック4色印刷を最短翌日着で提供
 コンテンツワークスは2月22日より,フォトブック作成サービス「Photoback」において最短翌日着のサービス「Photoback 特急便」で,A5判サイズのフォトブック「Photoback LIFE」を提供している。同サービスは営業日AM3時までに注文した商品を最短翌日もしくは翌々営業日に届ける。さらに「EMS(国際スピード郵便)」に対応することで世界70の国・地域に出荷予定日から数日を目安に商品提供する。

ワントゥワン,スマートフォンのサービス
 ワントゥワン(名古屋市)は2月20日から中小企業に向けて,ホームページのスマートフォンへの最適化と「Wordpress」で構築するホームページの制作管理サービス「サブロクセット」を組み合わせたパッケージサービスの提供を始めた。増加しているスマートフォンへの対応に合わせた。

富士ゼロックス,保険会社のBPO
 富士ゼロックスは2月23日,AIU保険会社から,国内86の損害サービスセンターの保険金支払い業務のプロセス全般を効率化するビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)を受注し,2月から運用を始めたと発表した。2009年から,保険金支払いに関連する帳票類を再設計・標準化し,帳票の印刷,発送,在庫管理を請け負うBPOをAIU保険会社に提供しているが,2月からは帳票の発送業務に加え,顧客から返送された書類の受領,書類不備チェック,基幹システムに登録するための電子データ化などの受信業務にサービス範囲を拡大し,保険金支払い業務の一連のプロセスの最適化を支援している。

富士ゼロックス,業態変革を支える内覧会を開催
 富士ゼロックスは2月23日・24日,横浜・みなとみらいの同社で印刷産業の業態変革を支えるソリューションとサービスをテーマに講演会と内覧会を催した。同社スタッフのほか,ヤマゼンコミュニケイションズの山本堅嗣宣,電通の丹羽洋一,ジェーエヌエルの朝霧敦生,三条印刷の渋谷義徳と日本印刷技術協会の相馬謙一,東洋紙業の岡田辰哉の各氏がそれぞれ,地域コミュニケーションとフォトブック,ソーシャルメディア,企業革新,デジタル印刷,データプリントについて話した。内覧会は,巻取紙用インクジェットシステム,業務用高速トナー機などの生産機やソフトを紹介した。

コニカミノルタ,事業所が「優良特定地球温暖化対策事業所」に認定
 コニカミノルタは2月23日,東京・八王子の事業所が,東京都環境確保条例に基づく「優良特定地球温暖化対策事業所」の「トップレベル事業所」の認定を受けたと発表した。同事業所には11社の事業会社と関連会社が在籍しており,各社で省エネ推進体制を構築し,電気使用量の「見える化」や高効率設備の導入などでCO2排出量削減に取り組んだ。なお同認定を受けると,同条例に基づく「大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務」においてCO2排出量の削減義務率が緩和される。

竹尾,視覚表現の発展貢献を顕彰
 竹尾は2月20日,視覚表現のあり方を洞察する活動,またはその発展に努力している人を表彰する「竹尾賞」の受賞者を発表した。デザイン書籍部門は,『書影でたどる関西の出版100:明治・大正・昭和の珍本稀書』(編著・装丁:林哲夫,発行:創元社)が優秀賞を,『ほしいも学校』(企画・アートディレクション:佐藤卓,編集:ほしいも学校・佐藤卓デザイン事務所,デザイン:福原奈津子,発行:ほしいも学校)が審査員賞を受賞した。またデザイン評論部門は,企画「issue+design project」および関連書籍『地域を変えるデザイン:コミュニティが元気になる30のアイデア』(著:issue+design project,監修:筧裕介,発行:英治出版)が優秀賞を受賞した。
 なお,3月26日に東京・神田の学士会館で授賞式と受賞者による講演会を開催。3月27日〜4月11日に東京・神田の竹尾見本帖本店で受賞作品展も開く。入場無料,土曜・日曜・祝日休館。問合せは事務局。電話03-3292-3619。

全国印刷工業健康保険組合,保険料率が3年連続引き上げに
 全国印刷工業健康保険組合は2月23日に東京・新川の全印健保会館で,2012年度の事業計画や収支予算などについて会議を開いた。2011年度決算は10億7000万円の赤字が,2012年度は44億円を超える収入不足が見込まれるため,保険料率を現行より1000分の3,介護保険料率を1000分の1.5引き上げるとした。しかし被保険者の減少や医療費の増加,高齢者医療制度への納付金の増額などにより,この保険料率改定によってもなお32億円の赤字を見込む。また今年10月をめどに,神奈川支部を本部支部に,兵庫支部を近畿支部に再編するとした。

日本印刷産業連合会,GP製品にプレートクリーナー
 日本印刷産業連合会は環境に配慮した印刷工場・印刷製品・印刷資機材の認定制度「グリーンプリンティング(GP)認定制度」において,2月20日からプレートクリーナーの資機材認定制度を始めた。

日本印刷産業連合会,デジタル印刷の市場動向の勉強会
 日本印刷産業連合会は2月20日,東京・新富の日本印刷会館で「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査:2011年デジタル印刷市場の現状」として講演会・討論会を催した。定員を超える180人が出席した。日本印刷技術協会の相馬謙一氏が総括報告し,キヤノンマーケティングジャパン,コダック,大日本スクリーン製造,日本ヒューレット・パッカード,富士ゼロックスの各メーカーが自社のコンセプトを述べた。また相馬氏と各メーカー発表者に,共同印刷の下垣弘行氏と滝沢新聞印刷の滝沢光正社長が加わり,討論会も開いた。

日本印刷学会グラビア研究会,包装のトレンドの勉強会
 日本印刷学会グラビア研究会は2月21日,東京・水道の凸版印刷印刷博物館で勉強会を開いた。「欧州包装動向:インターパック2011視察報告を中心に」と題し東洋紡パッケージング・プラン・サービスの森啓治氏が,世界のパッケージ販売は40兆円以上という包装産業市場から,包装機械の現状,農場から食卓へ移動する間に害虫・腐敗などで食料の4分の3は損失していること,世界の各企業が工夫を凝らしている包装技術や製品までを紹介した。また「パッケージにも求められるカラーユニバーサルデザイン」と題し東洋インキの武田一孝氏が,色覚障害者がどのように見えているかの事例から自治体や企業の取り組み,色覚障害者の見えをシミュレーションするソフトまでを紹介した。

2月27日〜3月22日,クリエイションギャラリーG8で中国若手デザイナーの作品展
 東京・銀座のクリエイションギャラリーG8は2月27日〜3月22日,「227 十中破竹」展を開く。写真やデジタルメディア,タイポグラフィ,グラフィックデザイン,イラストなど,中国の若手アーティストとデザイナー10組の作品を紹介する。入場無料,日曜・祝日休館。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201202/g8_exh_201202.html

2月28日〜3月9日,黒の紙を集めたTHE BLACK EXHIBITION展開催
 2月28日〜3月9日,東京・新富の平和紙業・ペーパーボイス東京で黒の紙を集めたTHE BLACK EXHIBITION展が催される。黒の用紙30種を用い,デザイナー,学生など30名がデザインした作品が並ぶ。主催はカラス族,協力は伊坂美藝社製版所と平和紙業。9:00〜17:00,土日祝日休館,無料。問合せは電話03-3206-8541。

3月2日,DNPデジタルコムが「スマートフォン向けセキュリティセミナー」
 DNPデジタルコムは3月2日,東京・五反田の大日本印刷で「スマートフォン向けセキュリティセミナー」を開く。スマートフォンアプリのセキュリティの脅威と対策を事例を交えて紹介する。入場無料,事前登録制,定員70人。
http://adto.jp/digicom/

3月2日,日本画像学会が天体写真と画像の勉強会
 日本画像学会は3月2日,東京・恵比寿カルフールで「第10回イメージングカフェ」を開き,キヤノンの蒔田剛氏から「天体写真が教えてくれる画像のゆくえ」の話を聞く。参加費1000円。個人会員のみ。空席が残っている場合,一般の参加も受け付ける。要申し込み。
http://www.isj-imaging.org/event/imagingcafe/yokoku120302.html

3月6日,ビジュアル・プロセッシング・ジャパンが4つのセミナー
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは3月6日と7日,東京・渋谷の同社で次の4点のセミナーを開く。また3月8日と9日に大阪の同社でも開く。「出版・編集担当者向けソリューション:クロスメディアパブリッシングに向けたエンタープライズコンテンツマネジメント」,「販促・宣伝・マーケティング担当者向けソリューション:販促素材の一元管理から始める!クロスメディア時代のマーケティング活動」,「デザイン・製作・プリプレス担当者向けソリューション:プリプレスの合理化によるビジネスの合理化へ」,「印刷営業担当者向けソリューション:デジタル時代における顧客へ向けたコンテンツサービスの実践」。参加無料,要予約。
http://f.msgs.jp/r/c.do?1cI_3_6l_rzs
http://www.vpjnews.com/node/464

3月中,全国4ヵ所でアリババグループ主催の交易会参加を含む中国販路拡大セミナー開催
 アクセス・イノベーションは東京,大阪など全国4会場で中国販路拡大セミナーを催す。セミナーでは中国のネット販売の大手アリババグループが主催する消費財展示会「アリババネット商品交易会」(6月28日〜30日広州,12月上旬上海ほか)の出展案内に加え,中国市場の動向と市場参入のポイントを解説する。3月19日沖縄,3月22日大阪,3月23日名古屋,2月26日東京。参加無料,要申し込み。
http://www.access-innovation.jp/alibaba-semi/

3月21日,日本印刷産業連合会が印刷産業ビジョンのセミナー
 日本印刷産業連合会は3月21日,東京・新富の日本印刷会館で印刷産業ビジョン「SMATRIX 2020:スマート社会に貢献する印刷産業」の発表を記念しセミナーを催す。同連合会から2件の発表のほか,特別講演「電子書籍普及政策の現状と今後の展望」と題し総務省情報流通行政局の松田昇剛氏が話す。参加料は,会員5000円,一般7000円,冊子資料不要な場合はそれぞれ3000円,5000円。要申し込み。
http://www.jfpi.or.jp/information/116.html

3月23日,浅草で「印刷志の会」
 第30回「印刷志の会」が3月23日,浅草のテクノロール東京支店で開かれる。「ここまで進化したハイブリッドワークフローとデジタル印刷の活用」のテーマで,富士フイルムグラフィックシステムズと富士ゼロックスが発表する。参加費500円,要予約(先着50人)。
h.minamoto@technoroll.co.jp

4月2日,造本装幀コンクール応募締切
 第46回造本装幀コンクールは7月5日〜8日,東京国際ブックフェア2012の東京ビッグサイトの会場で公開展示されるが,主催者の日本書籍出版協会と日本印刷産業連合会は,作品を募集している。締切は4月2日。問合せは,事務局(出版文化産業振興財団内,電話03-5211-7282)。

7月4日〜6日,東京ビッグサイトで「クリエイターEXPO」
 7月4日〜6日に東京ビッグサイトで,書籍や雑誌,コミック,映像,ゲームなどのコンテンツやその構成要素を創作する個人のクリエイターが出展する「クリエイターEXPO」が開かれる。主催はリードエグジビションジャパンで,すでに予定していた300人分の出展枠が完売したため100枠を追加,計400人が出展予定。
http://www.creator-expo.jp/ja/


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2月29日に『紙と印刷の文化録:記憶と書物を担うもの』を発行します。弊社発行の月刊『印刷雑誌』に好評連載された「わたしの印刷手帳」より珠玉の70話を収録しました。紙や印刷はもちろん,デザイン,科学技術,政治・経済など幅広い内容を認知科学の視点も交えて論じました。世紀末を挟む激動の現代を振り返る機会としてご一読いただきたく存じます。合わせて『印刷雑誌』の購読もいかがでしょうか。1号1470円。定期購読料1年間12号分17,640円(税込)で,定期購読ですと送料無料です。

週刊『印刷雑誌』3巻8号
2012年2月27日発行
編集長:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 


 

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