週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』 3巻19号 2012年5月7日
Japan Printer weekly Vol.3, no.19
毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

drupa速報
 5月3日から世界最大の印刷資機材展・印刷メディア見本市drupaがドイツ・デュッセルドルフで始まっている(16日まで)。
 前回のdrupa2008に続いて1つのキーワードはインクジェット(IJ)。大判のサインディスプレイ用も多く新製品が登場していたが,今回の話題は商業印刷,出版印刷,パッケージ(シール・ラベル)印刷用のIJ印刷機である。富士フイルム,コニカミノルタ,大日本スクリーン製造,小森コーポレーション,ミヤコシ,富士ゼロックス,ヒューレット・パッカード(HP),サカタインクス,東洋インキなどが技術,製品を発表した。
 そして,デジタル印刷機にインラインで製本機を付け,オンデマンドで本にする取り組み(BOD:Book on Demand)がデジタル印刷機や製本機器メーカーの協力により,随所に見ることができた。
 今回もっとも注目を浴びたのが,ランダ・コーポレーションの「ナノグラフィ」技術である。ナノレベルのインク「ナノインク」とIJ,そしてオフセット(中間転写体を使用)により,従来にない平版オフセット印刷とIJ印刷を応用した技術である。

講談社,Webから才能を発掘する「プロジェクト・アマテラス」のサイトを制作
 講談社は4月23日,Webから才能を発掘するため,SNSと投稿サイトを組み合わせたプロジェクト型コンテンツ生成システム「プロジェクト・アマテラス」のサイトを制作した。読み物や漫画,イラストの作品を投稿できる。多様なプロジェクトに投稿されたコンテンツを編集者がブラッシュアップし,ビジネス化につなげていく。

たりお企画,自炊支援サービスを強化
 たりお企画は4月23日,「ぺパレス自炊支援サービス」において,電子書籍の自炊に用いた消耗品を買い取るサービスを始めた。ぺパレスで行っている自炊専門買い取りサービスでは,スキャナや裁断機のほか,使用後は消耗品として処分するしかなかった裁断機の使用済裁断刃やスキャナーのピックローラも買い取る。

大日本印刷,探索型書籍ナビゲーションシステムを開発
 大日本印刷と丸善と編集工学研究所は4月27日,1冊の本から書籍の内容を基に,新たな関連や視点を発見できる本,意外な関係性を提示してくれる本など関連する本をWeb上で探し出す「探索型ナビゲーションシステム」を開発したと発表した。当システムのベータ版を丸善が運用している書籍販売サイト「KNOWLEDGE WORKER」の新機能として運用を始める。

大日本印刷とでじたるえほん,デジタル知育絵本アプリ配信開始
 大日本印刷とでじたるえほんは4月23日,ものや絵を撮影してデジタル絵本をつくるアプリ「taprapフォトしりとり」のiPhone版の配信を始めた。端末のカメラで撮影したものの名前を録音し,しりとりのようにつなげていくと絵本ができる。画面上で色の粒子が除々に集まって絵をつくり,それに合わせて音声でしりとりの言葉を表現する。AppStoreで販売,税込み500円(4月23日〜5月22日は350円)。

大日本印刷,タブレット端末を用いた作品鑑賞ワークショップ開催
 大日本印刷は岩手県立美術館とルーヴル美術館と共同で6月3日まで,岩手県立美術館の特別展示「ルーヴル美術館からのメッセージ:出会い」にて,岩手県下の小・中・高等学校を対象に,タブレットPC端末を用いた作品鑑賞ワークショップ「くらべてみよう,見てみよう」を開く。出会い展の作品と同県立美術館の作品の画像をタブレット端末で同時に見て,比較し,分類して互いの考えを交流する。ワークショップの様子は後日フォトブックとして,Web上でクラスごとに編集,記録,共有する予定。

BookLive,若年層へ名著との新たな接点を提供
 BookLiveは4月24日,電子書籍サイト「BookLive!」にて年別のベストセラー作品を紹介する特集企画「あのころのベスト10」を始めた。その年の出来事やヒット曲,流行語などを併せて掲載し,時代の空気を感じながら書籍を楽しむことができる。スマートフォンのメインユーザーである20〜30歳代に対し過去の名作との新たな接点を提供すること,また新刊本と同じ感覚で名作に触れるといった電子書籍ならではの新しい楽しみ方を提案することで電子書籍市場の底上と新たな読者層の開拓を目指す。

BookLive,電子書籍サイトに新機能追加
 BookLiveは4月23日,同社が運営する電子リーダーアプリケーション「BookLive! Reader」と電子書籍サイト「BookLive!」に新機能を追加した。シリーズ作品を購入したさいに新刊や続巻のお知らせを本棚に表示する「新刊・続巻通知機能」が追加され,読みかけのページを複数の端末に同期できる「しおり機能」に対応した。

BookLive,電子書籍サイトをAndroid搭載タブレットにインストール開始
 BookLiveは4月25日,10.1インチのAndroid3.2搭載タブレット「ICONIA TAB A200」に,同社運営の電子書籍サイトのアプリ「BookLive! Reader」のインストールを始めたと発表した。4月25日〜10月21日,『Pen』のバックナンバーを期間限定で無料で閲覧できる。

BookLive,白泉社の漫画作品を提供開始
 BookLiveは4月27日より,同社運営の電子書籍サイトで『ガラスの仮面』や『愛蔵版・花ざかりの君たちへ』など白泉社の漫画作品の提供を始めた。また5月10日までに白泉社の漫画作品を購入すると,同ストアで1ポイント1円で使えるポイントを50円分もらえるキャンペーンも行っている。

BookLive,男性・青年向けオリジナルコミック『ComicLive!』創刊
 BookLiveは4月27日,20〜40代のビジネスマンと対象とした男性・青年向けオリジナルコミック『ComicLive!』を創刊した。『赤鬼』や『インサイド』など6〜7作品を掲載する。毎月第4金曜日発行,税込210円(創刊号のみ無料配信)。

デジタルカタパルト,「ソク読み」提供巻数2万6000冊突破
 デジタルカタパルトは4月27日,同社が運営する電子コミック販売サイト「ソク読み」での提供巻数が2万6000冊以上,約7000タイトルに達したと発表した。毎週水曜日に100〜200冊のコミックを追加し,PCやスマートフォンで閲覧可能。

シンメトリック,Webサイト変換ソリューション「GeneCode」を提供
 シンメトリックは4月24日, PC用Webサイトからスマートフォン用への構造変換を可能にする変換ソリューション「GeneCode(ジーンコード)」を今秋リリースすると発表した。同製品はサーバインストール型で,特定デバイス向けの変換ソリューションとしてではなく,あらゆるデバイスへの変換に対応する。なお5月9日〜11日に行われるスマートフォン&モバイルEXPOのシンメトリックブース内にて参考出品される予定。

ローランド ディー.ジー.,64インチ大判インクジェットプリンタ発売
 ローランド ディー.ジー.は4月23日,64インチ大判インクジェットプリンタの低溶剤インク対応モデル「RE-640」と水性インク対応モデル「RA-640」を発売した。両製品ともインクノズルの配列をCMYKKYMCの左右反転にしたミラー配列を採用した。最大解像度1440dpi。幅2575mm×奥行705mm×高さ1175mm。印刷速度は「RE-640」が毎時23.1m2,「RA-640」が毎時33m2。税込199万5000円。

東洋インキ,更紙や微塗工紙に対応するオフ輪インキ発表
 東洋インキは4月27日,更紙から微塗工紙までに対応するオフセット輪転インキ「WDレオエックスGSRワイド」を開発し,販売を始めると発表した。低価格・低品質の用紙の使用の増加で,紙粉残りなどにより生産性が悪くなっていることへの対応を図ったもの。再生植物油使用などの環境対応性は従来品と同じ。

富士ゼロックス,オンデマンドパッケージソリューション発表
 富士ゼロックスは4月27日,パッケージ市場向けに,オンデマンドパッケージングソリューションXerox Automated Packaging Solution powered by Stora Enso Gallop(8500万円)を販売すると発表した。設置は7月27日から。ニス加工機(Epic Products社製),スタッカーコンベア(Stora Enso社製),型抜き機(同)で構成し,プロダクションプリンターXerox iGen4 Press(8900万円)とインライン接続することで,必要なときに,必要な数だけ,オンデマンドで印刷・ニス加工・型抜きし,パッケージを製作できる。

コニカミノルタ,モノクロ複合機の新製品発表
 コニカミノルタビジネステクノロジーズは,毎分95枚(A4判横)のモノクロ複合機(MFP)bizhub PRO 951を5月24日から発売すると発表した。同機は,bizhub PRO 950の後継機として,企業内印刷部門,官公庁や学校などの集中印刷部門に適する。出力解像度を1200dpiに向上させ,原稿データの中で使用されている小さな文字や白抜き文字,情報量の多い表やグラフなどをより忠実に再現する。また40g/m2の薄紙から350g/m2の厚紙まで対応しており,一般的なビジネス文書の出力に加え,付加価値の高い用紙も扱える。本体398万円。(電話0120-805-039)

日本hp,ビジネス向けA4判インクジェット複合機とA4判単機能プリンタ発表
 日本ヒューレット・パッカードは4月25日,ビジネス向けA4判インクジェット複合機「HP Officejet 6700 Premium」とA4判単機能プリンタ「HP Officejet 6100」を発表し5月11日から発売した。全色大容量の独立顔料インクを採用し,耐水性やにじみ耐性を高めた。無線LANと有線LANを搭載し画像やファイルなどを印刷できる。両機とも毎分カラー9枚,モノクロ16枚出力可能。「HP Officejet 6700 Premium」は税込1万9950円,「HP Officejet 6100」は税込9870円。

沖データ,A4判カラーLED 複合機とA4判カラーLEDプリンタ発表
 沖データは4月24日,東京・溜池山王のANAインターコンチネンタルホテル東京で新商品発表会を行った。A4判カラーLED複合機「MC562dn」,「MC362dn」とA4判カラーLEDプリンタ「C531dn」,「C511dn」,「C312dn」,「C301dn」を5月中旬より発売する。全機種本体とメンテナンス品を5年間無償保証し,LED方式のため省スペース化した。複合機2機種はA4判カラー毎分26ページ,A4判モノクロ30ページ。幅427mm×奥行509mm×高さ444mm。プリンタ4機種はA4判カラー毎分26ページ,A4判モノクロ30ページ。幅410mm×奥行504mm×高さ242mm。価格は「MC562dn」の13万1040円ほか。

ワイズシステム,中国スマートフォン関連特許データ付き特許マップDVD発売
 ワイズシステムは4月25日,特許データから世情の概況を把握できる特許マップDVDを発売したと発表した。第一号のテーマを中国のスマートフォン関連の状況とし,中国企業の特許出願数や権利化数のランキング,企業別の各種グラフなど約90点を収録。データの閲覧・検索・グラフ化ができるソフトウェア「ぱっとマイニングVG」を付属し,実際のデータを利用したグラフの作成が体験できる。税込1万2800円。Amazonにて販売。

アドビシステムズ,Adobe Creative Cloudの販売開始
 アドビシステムズは,14種類の「Adobe Creative Suite6」(以下CS6)4本の「Adobe Creative Cloud」の販売を5月11日よりアドビストアで,6月中に全国の販売店で始める。Creative CloudメンバーのユーザーはHTML5開発ツールの「Adobe Muse」と「Adobe Edge preview」版もインストールして利用できる。12ヵ月版税込6万3000円,3ヵ月版税込1万5750円。個人の年間プランは月額5000円,月々プランは月額8000円。
 また4月23日〜8月31日の間にCS6製品を購入した学生先着1万人を対象に,アドビ製品のハンズオントレーニングを無償で提供する。全国30ヵ所のPCスクールで使い方を解説する。

東洋インキ,カラーコミュニケーションアプリを配信
 東洋インキは4月23日,デザイナーや色彩に関わる人向けのカラーコミュニケーション無料アプリ「TUBUCOLOR」(ツブカラ)の配信をApp Storeで始めた。気に入った色などをカメラで取り込む機能や,色セットを作ってタイトルや本文を付けてつぶやくことができる。また4月23日〜5月22日に色セットを50個投稿した人から抽選で,200人にiTunesカード1500円分が当たる。

大川印刷,注文1件につき500円を東日本大震災復興支援に
 大川印刷は4月20日,パンフレットやポスター,カタログなどの注文1件につき500円を,東日本大震災の復興支援費用にすると発表した。希望によりクレジットと注文者の名前を同社サイト上に掲載できるほか,毎月の寄付金額と使用用途もWebで確認できる。

大日本印刷,リップマン型ホログラム付プレミアムICカード開発
 大日本印刷は4月25日,黒を基調としたリップマン型ホログラム付プレミアムICカードを開発し,九州カードが発行する「Visaプラチナカード」に採用されたと発表した。カードを形成する層の間にホログラムを挟み込み耐久性を高め,偽造防止効果を高めた。

大日本印刷,ルーヴル美術館のスペイン絵画コレクションを紹介
 大日本印刷とルーヴル美術館の共同企画「ルーヴル-DNPミュージアムラボ」は4月27日から10月28日まで,スペイン絵画の巨匠ゴヤの作品「ルイス=マリア・デ・シストゥエの肖像」(通称:青い服の子供)の実物を中心に,デジタル技術を使った鑑賞システムで同美術館所蔵のスペイン絵画を紹介する展覧会「ゴヤの“青い服の子供”ルーヴル美術館のスペイン絵画コレクションに入るまで」を開いている。所蔵家や研究者の視線で絵画技法や分析方法などを学べるコーナーや,同美術館の作品収集の歴史を学べるシステム,同美術館の学芸員の等身大映像が展示を紹介するシステムなどがある。なお同展に使用したシステムのうち2種は,2013年6月に同美術館に導入される。

凸版印刷,デジタルサイネージによる館内案内システム
 凸版印刷は4月25日,タッチパネル式のデジタルサイネージに商業施設の案内情報を表示する館内案内システムを開発したと発表した。同システムは,利用者がデジタルサイネージの画面を直感的にタッチすると,館内地図や店舗案内などを表示する。顔認識システムや非接触リーダーライターを搭載して機能を拡張することで,多様なサービスへの対応も可能。なお,4月26日に東急百貨店が渋谷で開店した商業施設「ShinQs(シンクス)」に採用された。日本語のほか英語,中国語,韓国語に対応した縦型と横型の2種類のデジタルサイネージを展開している。コンテンツマネージメントシステムをASPで提供し,表示コンテンツの更新や監視,メンテナンスを遠隔で行う。このデジタルサイネージに配信する情報は,同店内で活用するタブレット端末にも配信される。

日本印刷産業連合会,新たに9工場をグリーンプリンティング認定
 日本印刷産業連合会は4月25日,新規のグリーンプリンティング(GP)認定工場の認定式とセミナーを開いた。今回3月14日に認定されたのは,エヌ・ティ・ティ・クオリスの関西工場,同九州工場,精興社の本社・青梅工場,同朝霞工場,大川印刷の本社工場,同横浜営業所,クオリス製本の熊本事業所,日経印刷のグラフィックガーデン,吉田印刷所の本社工場。また,13工場が更新認定された。セミナーでは,大日本印刷の長谷川浩氏が4月に民間移行したカーボンフットプリント制度を解説したほか,日本印刷産業連合会の殖栗正雄氏がグリーン購入法でのGP認定制度位置づけを,日研化学研究所の林茂雄氏がGP資機材認定を受けた「プレートクリーナー」を説明した。

日本印刷産業連合会,プレートクリーナー認定開始
 日本印刷産業連合会はグリーンプリンティング認定制度においてプレートクリーナーの認定制度が始まり,4月27日からWebサイトで公開したと発表した。2月から試行しており,13製品を正式に認定した。今回,オフセット印刷工場で使用する洗浄剤,エッチ液,現像機,プレート,製版薬品(現像液)の5種類の認定制度に続いた。

印刷工業会,設立60年記念で日本の力を聞く
 印刷工業会は設立60周年を記念し4月24日,千代田区丸の内の東京會舘でセミナーを催した。「日本の底力」と題し建築家の安藤忠雄氏から,日本はリーダーシップを発揮する人がいない,本音を言わない,豊かな国であっても美しい国でなくなったなど辛口な評と,寿命が延び高齢になっても感動,好奇心などが必要な話を聞いた。
 また,同工業会設立60周年記念マークデザイン・タグライン公募の入選者を表彰した。入選者は,最優秀賞の杉本陽次郎(凸版印刷),優秀賞の阿部仁郎(DNPメディアクリエイト),服部正一(凸版印刷)の各氏。

全日本印刷産業政治連盟,AIJ問題で政治に要望
 全日本印刷産業政治連盟は4月24日,東京・新富の日本印刷会館で総会を開いた。次期会長に森永伸博氏(東京都印刷工業組合),幹事長に臼田真人氏(同)が決まった。また,AIJ投資顧問委託年金問題に関し関東甲信越静地区印刷産業政治連盟から年金基金に関する条項の各緩和の要望を受けた。

地球温暖化防止実行委員会,節電を考えた講演会
 地球温暖化防止実行委員会(事務局:関東グラビア協同組合)は4月25日,東京のすみだリバーサイドホールで「節電を考える! 環境を考える!! 経営を考える!!!」をテーマにセミナーを催した。
 節電方法,太陽電池,自家発電,インバーター制御についてそれぞれ,東京電力,三菱化学,セキュリティージャパン,富士機械工業が解説した。またグラビア印刷機,同工場,同印刷機のVOC回収,ヒートポンプ乾燥,作業効率化,ラミネート接着剤に関し,各メーカーの担当者が講演した。

アドビシステムズ,PDFファイル改ざんによるサイバー攻撃対策に協力
 アドビシステムズは4月26日,内閣府情報セキュリティセンターが取り組む,日本におけるPDFファイル改ざんによるサイバー攻撃対策に賛同し協力すると発表した。PDFファイルのコードを書き換えウイルスを仕込むケースが増えており,Adobe Reader,Adobe Acrobatの一部機能を改修した。各府省庁に修正版ソフトウェアをインストールするよう注意喚起を行い,PDFファイルの電子署名に政府認証基盤を用い,政府機関による安全なファイルだと確認できるようにした。

富士ゼロックス,Denshi-Penで読み取るドット画像を見えなくする技術を開発
 富士ゼロックスは4月23日,紙に書いた手書き情報を電子化する,手書き情報入力システム「Denshi-Pen」で使用するドット画像が印刷された専用紙について,ドット画像を見えなくする技術を開発したと発表した。Denshi-Penはペンと紙からなるユーザーインターフェイスで得意先や屋外,工場内などのPCを持ち込めない現場で「紙に書く」という操作を変えることなく,手書きした情報を電子化することができる。Denshi-Penでは,事前に位置情報などを符号化したドット画像を紙に印刷しておき,紙に文字などを書くさいにカメラが搭載されたペンでそのドット画像を撮影し,符号化された情報を読み取る。これまではドット画像をカーボンブラックを含む墨インキで印刷するため,紙面全体を薄灰色にしてしまう課題があった。
 今回,電子写真感光体向け材料技術をベースに,可視光領域には吸収がないことで人間の眼に見えにくい反面,ペンに搭載したカメラでは読み取れる赤外光吸収色材を独自に開発した。この見た目が透明に近い赤外光吸収色材を用いたインキで印刷した紙は,従来のドット画像による紙全体の薄灰色が解消され,白色普通紙と同様に見た目も美しく,また書いた文字も読みやすくなる。5月31日まで「Denshi-Pen 1 JS」1 個を新たに購入した希望者先着700 人に,この技術を採用した「Denshi-Pen Standard Notebook White(B5判)」1 冊を無料進呈している。

富士ゼロックス,東大で常時どこでも可能な出力に対応
 富士ゼロックスは5月1日,国立大学法人東京大学情報基盤センターが3月から運用を始めた教育用計算機システムにおいて,学生や教職員の利便性向上のためのプリント環境を提供したと発表した。今回更新した教育研究用端末や複合機は,本郷キャンパスの情報基盤センターや駒場キャンパスの教養学部情報教育棟などに分散して配置。同センターでは,年間100万ページを越えるプリントニーズがあるが,学内外で,学生や教職員が必要な時にプリントすることができるようになった。交通系電子マネーでの料金支払いも可能。

富士ゼロックス,Android OSでのクラウドサービス
 富士ゼロックスは,昨年12月に提供を始めたインターネットを介してドキュメント共有環境を提供する月額課金制のクラウドサービス「Working Folder(ワーキングフォルダー)」の機能を強化し,Android OS のモバイル端末からのアクセスや,管理者が一括して操作履歴の表示・ダウンロードできるサービスを4 月27 日から始めた。

コニカミノルタ,東日本大震災被災地域の企業・自治体を支援
 コニカミノルタビジネスソリューションズとコニカミノルタビズコムは,東日本大震災からの復興を支援するため,被災地域で事務所の新設または再開をする企業,自治体を対象とした,ITサポートサービス「IT-Guardians」の一部メニューを5月1日から特別料金で提供すると発表した。

誠伸商事,印刷ビジネスの現在と未来を考える
 誠伸商事は4月24日,東京のTKP品川カンファレンスセンターでセミナーを開いた。日本印刷技術協会の藤井建人氏が,印刷ビジネスの動向と展望について次のように話した。現在の印刷業界は大手,中小の企業ともに,Web to Printや電子書籍への取り組み意欲が旺盛になっておりM&Aも活発化している。これからの印刷会社には印刷物を作るだけでなく,デジタルメディアを含めて情報を使う技術の提供が必要で,営業手法や生産方式を効率化し,発注者の情報資産を発掘・運用支援する「ソリューションプロバイダー」に業態変革することが求められるだろう。利益率を上げるには,たとえば管理会計のシステムが有効で,MISや経営管理を重視する会社は業績が良い。
 また誠伸商事が,5月1日より提供するDTP・印刷業向け統合経営支援ソフト「印刷管太郎ASP版」を紹介した。生産工程を一元管理するソフトで,ASP版はクラウド環境で提供するため,サーバーやデータの管理が不要。データセンターを都内と北海道の2ヵ所に設置しBCP対策も図った。初期契約料は5万円,利用料月額7万円。

5月11日,日本画像学会が京都でシンポジウム
 日本画像学会は5月11日,ハートピア京都で「技術革新はどこから生まれる:発明者に聞くイノベーションのカギ」をテーマにシンポジウムを開く。内容は,特許出願技術動向調査の概要(特許庁),エコシスイノベーション(京セラドキュメントソリューションズ),トナー材料の変遷(花王),低温定着トナーEA-Eco研究開発の背景と将来展望(富士ゼロックス),コニカミノルタの現像システム(コニカミノルタビジネステクノロジーズ),産学連携による健康調理器“ヘルシオ”の開発(大阪府立大学),QSU技術による省エネ定着(リコー),フルカラークリーナーレスシステムの技術展開(キヤノン),パネル討論。
 参加費は会員7000円,非会員1万5000円,学生2000円。
http://www.isj-imaging.org/event/symposium/symp_2012/2012_symp_kyoto.html

5月11日よりTooが全国7都市でAdobe CSなどのセミナー
 Tooは5月11日より全国7都市で「新登場!Adobe Creative Suite 6 & Adobe Creative Cloud」セミナーを開く。参加無料。要申込。
 5月11日東京Apple Japanセミナールーム,5月22日・23日東京キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)。5月14日大阪キヤノンMJ。5月21日仙台,キヤノンMJ。5月28日福岡キヤノンMJ。5月30日札幌キヤノンMJ。6月5日キャンパスプラザ京都。6月6日名古屋キヤノンMJ。
http://www.too.com/event/2012/cs6/

5月15日,出版社向けマーケティングセミナー
 日本出版クラブは5月15日,東京の日本出版クラブ会館で「出版マーケティング実務講座」を催す。日経BPマーケティングの中町秀樹氏がマーケティングを通して,今後の出版活動のあり方や進め方を解説する。参加費は出版クラブ維持員社1万円,一般参加者は1万2000円,資料代込み。
http://www.murapal.com/yotei/119-2012-03-26-09-15-57.html

5月18日,ビッグデータ時代の高速ファイル転送セミナー開催
 シーティーシー・エスピーは5月18日,東京・霞が関の伊藤忠テクノソリューションズ霞が関で「ビッグデータ時代の高速ファイル転送セミナー」を開く。アスペラ社CEOのミッシェル・マンソン氏が大容量データをシームレスに受け渡しする技術を紹介し,国内導入事例として牧野フライス製作所が講演する。参加費無料,要申込。
http://spider.ctc-g.co.jp/web/fm/ctcls/120518

6月2日,印刷技術セミナー開催
 日本印刷学会中部支部は6月2日,愛知県名古屋市のウインクあいちで春季印刷技術セミナーを開く。亜細亜印刷の代表取締役の藤森英夫氏とハイデルベルグジャパンの田中剛氏が,中小企業が技能五輪に出場する意義と人材育成の考え方や,金メダルを獲得するまでの実態について紹介する。定員80人,参加費会員7000円,一般9000円。要申込。
http://www.jspst.org/index.html

6月3日まで,「時代を駆けるデザイン 亀倉雄策賞の作家たち」展新潟で開催
 日本グラフィックデザイナー協会は6月3日まで,新潟県立近代美術館と長岡造形大学と共催で「時代を駆けるデザイン 亀倉雄策賞の作家たち」展を新潟県立近代美術館で開いている。歴代の受賞作品に加え,各受賞作家による近作,そして「亀倉雄策 国際賞」の海外作家4名の作品をあわせて一堂に紹介する。
http://www.lalanet.gr.jp/kinbi/exhibition/2012/kamekuraprize.html

6月5日,10→30戦略室がdrupaからのサービスセミナー
 印刷会社の新規サービス成功を支援する団体「10→30戦略室」は6月5日,東京都産業貿易センター浜松町館で「drupa以降における新規サービス成功のポイント」をテーマにセミナーを催す。参加無料,要申し込み。
http://p.tl/mUn3-

6月26〜27日,「PHOTONEXT2012」開催
 プロメディアは6月26〜27日,東京ビックサイトで「PHOTONEXT2012」を開く。宮城県女川町出身の鈴木麻弓さんが「写真が示す絆の力」と題し基調講演を行う。また撮影力,商品力,販売力の視点から8つの講演と5つの有料セミナーを行う。入場無料。
http://www.photonext.jp/

6月28日,デジタルプレスの技術セミナー開催
 日本印刷学会西部支部は6月28日,大阪府大阪市のモリサワセミナーホールで初心者を対象とした「デジタルプレスの基礎知識から最新情報,後加工まで」を開く。5月にドイツで開かれるdrupa2012で明らかになったデジタルプレスの未来など3講演行われる。定員80人,参加費会員4000円,一般7000円。要申込。
http://www.jspst.org/index.html

7月12日,「印刷技術が貢献する医療・バイオ分野」のセミナー開催
 日本印刷学会技術委員会P&I研究会は7月12日,東京・日本橋のDICビルで「印刷技術が貢献する医療・バイオ分野」のセミナーを開催する。微細加工,精密塗工技術などの印刷関連技術が応用されている医療・バイオ分野の今後の可能性や課題などを紹介。インクジェットプリンタによる人工骨の創製など7講演行う。定員80人。参加費会員1万円,教職員・シニア2000円,学生1000円,一般1万2000円。要申込。
http://www.jspst.org/index.html

7月19日に変更,本づくり・デザインの基本講座
 出版研究センターは5月10日に予定していた「本づくり・デザインの基本講座」セミナーの日程を7月19日に変更し,東京・神保町の岩波セミナールームで催す。有限会社あむの荒瀬光治氏が,新人編集者やデザイナー,制作プロダクションの進行管理担当など印刷物制作者に向け,体系的に本や雑誌など印刷物制のシステムの理解を目指した解説をする。参加費1万円(テキスト付き)。
http://skc.index.ne.jp/seminar/20120719.html

◇◇◇ お知らせ ◇◇◇
5月10日(木)に,drupa情報として週刊『印刷雑誌』臨時号を発行します。お楽しみに。

◇◇◇ PR ◇◇◇
月刊『印刷雑誌』5月号(2012年4月20日発行,1400円)では,現在開催中のdrupa情報を掲載しました。特集は「電子書籍と紙の価値」です。1号1470円。なお,週刊『印刷雑誌』臨時号 3巻12号(3月22日発行),週刊『印刷雑誌』臨時号 3巻18号(3月26日発行)でもdrupa情報を提供しております。合わせてご利用ください。

週刊『印刷雑誌』 3巻19号
2012年5月7日発行
編集長:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 


 

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