週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』 3巻23号 2012年5月28日
Japan Printer weekly Vol.3, no.23
毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

メディアドゥ,スマートフォンやタブレット端末向け電子書籍ビューワ提供開始
 メディアドゥは5月22日,スマートフォンやタブレット端末向け電子書籍ビューワの提供を始めると発表した。高画質で大容量のファイルでも閲覧でき,端末の画面サイズに応じてページ単位か1コマごとの閲覧の切り替えが可能。どのデバイスから読んでも同じところから読めるマルチデバイスに対応,読みかけの続きから読めるしおり機能も搭載した。

Booklive,三省堂書店で電子書籍体験キャンペーン開催
 Bookliveは6月10日まで,三省堂書店の東京ソラマチ店(東京スカイツリータウン内商業施設)と有楽町店で電子書籍店頭促進企画「三省堂書店×Booklive!『宇宙兄弟』キャンペーン」を行う。店頭に設置された端末で電子書籍版の『宇宙兄弟』を閲覧でき,クラブ三省堂とBooklive!にその場で登録すると特典がつく。

BookLive,集英社のフルカラー作品を配信
 BookLiveは6月15日より,集英社コミックのフルカラー作品を配信する。著者直筆のカラー原画に加え,著者の原画をもとに集英社でデジタル彩色を行った特別編集版で,全ページがカラー化した。これに伴い,6月1日より期間限定でAndroid端末・Windows PC向けに4作品の第一巻第一話を無料配信する。
 また,BookLiveではオリジナルビジネスコミックシリーズ「まんがで学ぶ 成功企業の仕事術 アース:部下を育てる休まないリーダー術」編を5月25日より配信した。新宿の美容室の下働きから,全国約200店舗のヘアサロンを展開するまでに至った國分利治氏のリーダー術や部下教育法を紹介した。

大日本印刷,電子看板と商品棚が一体化した販売什器を発売
 大日本印刷は6月1日より,40インチの電子看板に商品陳列棚を取り付けた販売什器「モニタナ」を発売する。静止画や動画,Flashなどを画面に表示できるので,既存のカタログやCMなども表示できる。Web環境が整っていない場所でもUSBメモリーからデータを取り込むため,情報更新が素早く行える。29万5000円。

リンテック,きれいにはがせるラベル素材を発売
 リンテックは6月1日より,プラスチック容器などにしっかり貼ることができ,はがしたいときには糊の残りが少なくきれいにはがせる強粘再剥離タイプの新規粘着剤を採用したラベル素材を新ブランド「REPOP」シリーズとして全国販売する。同ラベルは一般的な再剥離タイプの粘着剤に比べエマルション型の粘着剤により,使用中にはがれにくく,使用後はのり残りがなくはがしたプラステック容器を再利用しやすくする。銀ツヤ,白色,透明の3種。

キヤノンマーケティングジャパン,業務用カラーラベルプリンタ発売
 キヤノンマーケティングジャパンは7月上旬より,インクジェット方式の業務用カラーラベルプリンタ「LX-D5500」を発売する。最大4.2インチ幅のプリントヘッドを4本搭載し,1200dpiで最速毎秒200mmで出力できる。専用ソフトウェアLabelCreate SEを使用すると用紙の種類に応じてバーコード印刷が可能。59万8000円。

エプソン,サイン用大判IJプリンタ市場に参入
 セイコーエプソンとエプソン販売は5月22日,大判インクジェット(IJ)プリンタによるサイン・ディスプレイ向け市場への本格参入と,溶剤インクを使った大判IJプリンタSureColor 3機種を発表した。今回のインクは溶剤特有の臭気の低減,発がん性のあるニッケル化合物を含まないものとしている。従来比2倍の360dpiのノズルを各色2列使用することにより,高速化を図った。サイズはすべて64インチ(1625.6mm)対応。
 SureColor SC-S30650は4色の基本モデル。5月発売,178万円。同50650は4色にホワイトインクを加え,かつ各色4列ノズルで高速化(最速51.8m2/時)を図った。10月発売,298万円。同70650はパントン色を81%カバーする8色インクに加え,メタリックとホワイトインクも搭載可能。8月発売,248万円。

キヤノン,オフィス向け中低速モノクロ複合機3機種販売
 キヤノンは6月上旬より,オフィス向けの中低速モノクロ複合機「imageRUNNER ADVANCE 4000シリーズ」3機種を発売する。4045はA4判モノクロコピーが毎分45枚出力可能。PDF生成に対応し,他の複合機に保管されている文書の出力やデータの共有が可能。カラースキャンはA4判で毎分51枚を300dpiの解像度で行える。本体サイズは幅565×奥行708×高さ902mm。120万円から。

ベルグリーンワイズ,アルコール性インクによる環境対応印刷の鮮度保持袋発売
 鮮度保持用包装資材の加工・販売を手掛けるベルグリーンワイズは5月21日,アルコール性インクによる環境対応印刷を採用した青果物向け鮮度保持袋「ecoPOS(エコポス)シリーズ」を同月より販売すると発表した。同社は印刷機や版,インクの相性を最適化し2011年10月,水を弾く特性があるOPP防曇フィルムへのアルコール性インクでのフレキソ印刷を実用化した。またインキの盛り量の調整や,工場での排出物の削減により従来のグラビア印刷とほぼ同等のコストに抑えた。
 アルコール性インクは有機溶剤を含まないため有害化学物質を排出しない。また残留溶剤が,油性インキの約3〜5mg/m2に対して約0.2mg/m2と少ない。

大日本印刷と凸版印刷,シャープの子会社に対し液晶カラーフィルタ事業を統合
 大日本印刷と凸版印刷,シャープは5月24日,シャープの子会社シャープディスプレイプロダクト(SDP)に対し,大日本印刷および凸版印刷グループの堺工場における液晶カラーフィルタ事業を統合させる契約を締結したと発表した。シャープは鴻海精密工業グループと資本業務提携契約を締結,SDPで生産する液晶パネル・モジュールを鴻海精密工業とシャープがそれぞれ50%ずつ引き取り,SDPの高い稼動率維持を図り,そのコスト力強化と収益性改善を図っている。なお今後,株式譲渡,ソニーからの株式取得及び本吸収分割がされた場合,シャープのSDPに対する議決権比率が40%未満となり,子会社の異動が見込まれる。

大日本印刷,東京ソラマチに映像体感システム公開
 大日本印刷とジュピターテレコム(J:COM)は5月22日,東京ソラマチに開いたJ:COMの技術を体験できるスタジオ「J:COM Wonder Studio」でシースルーディスプレイなどの映像体感システムを公開した。シースルーディスプレイとは透明液晶を使いガラスの上に映像や文字などを表示できるため,物体に重ねて置くと3D映像のように見える。また映像の中に映り込んだような体験ができるTV型サービスXvieも採用した。

光村図書出版,編集作業マネジメントシステムで教科書の製作業務を効率化
 光村図書出版は5月23日,教科書の編集や製作業務においてビジュアル・プロセッシング・ジャパンのエンタープライズコンテンツマネジメントシステムWoodWing Enterpriseを導入したと発表した。導入以前はレイアウト用テキストデータや画像データの作成,CD-ROMやMOでのデータの受け渡し,データ差し替えの度に行う全面照合などの作業時間が課題だった。導入後はデザイナーが製作したAdobe InDesignをベースに編集者が校正し,組版会社が細部を調整することが可能になった。マスターファイル上で編集者が文章を修正できるため,簡単な校正作業は外部協力会社を介せず行え,入稿作業が5〜6回から2回に削減できた。

富士ゼロックス,顧客の営業活動支援サービス
 富士ゼロックスは2011 年8 月にビジネスコミュニケーション支援サービス「SkyDeskサービス」を無料で始めた。このサービスの「CRM(顧客管理)」アプリケーションに,機能強化とより組織的な利用環境を提供する有料サービスメニュー「SkyDesk CRMプロフェショナル」(1万2600円/1人,半年)と「SkyDesk CRMエンタープライズ」(3万円/1人,半年)およびオプションメニューを追加でき,5月23日から提供を始めた。「SkyDesk CRM」は,マーケティング活動から商談獲得,顧客サポートに至るまで,一連の営業活動を営業支援,マーケティング支援,カスタマーサポートの各ステージに分けて管理する顧客管理アプリケーション。顧客とのやりとり,資料,タスクなど過去の経緯が一元管理でき,必要に応じて独自のレポートが作成可能。

コニカミノルタビジネスソリューションズ,drupa2012を報告
 コニカミノルタビジネスソリューションズは5月25日,東京・品川の同社でdrupa2012展の報告会を開いた。バリューマシーンインターナショナルの宮本泰夫氏が,5月3日〜16日にドイツで開かれたdrupa展について次のように話した。前回に比べ来場者数が減ったものの,見所が多くあった。それらは小ロット化への対応が目的と思われ,おもにデジタル技術,無版化,効率化,自動化の観点からの新提案が多かった。とくにデジタル印刷は一般商業印刷の分野に向けての新技術が発表され,B2判対応や液体トナー,Memjetインクジェットヘッドに注目が集まったほか,乾式電子写真方式を使った印刷物の付加価値化の提案などがあった。また,後加工や紙加工の出展にも例年に比べ来場者が多かった。さらに各メーカーの提携も話題となった。今後は,小ロット化でいかに付加価値を生み出すかを追求するのが課題になるだろう。

アドビ,Adobe Photoshopファミリー製品購入促進活動
 アドビシステムズは5月25日より,Adobe Photoshopファミリー製品を対象にした「Adobe Photoshop サマーキャンペーン」を始めた。期間中にPhotoshop CS6を含む対象商品を購入し,応募すると抽選で新型iPadなどが当たる。

エコ印刷研究会,環境報告書・CSRレポートを評価
 エコ印刷研究会は5月24日,2011年に発行された企業の環境報告書やCSRレポートを評価する「エコ印刷大賞」の表彰式を開いた。大賞をアイ・ティ・シーネットワーク,サークルKサンクス,大丸有コミュニティSR推進委員会,前田建設工業が受賞した。今回選考対象となったのは205点で,リサイクルや環境配慮についての表示・コミュニケーションなどの点で改善はあったもののあまり伸びなかった。
 またセミナーも行い,グリーン購入ネットワークの深津学次氏が,3月に改定した,印刷発注における「グリーン購入ガイドライン」について説明した。

東京デザインプレックス研究所,多彩なワークショップを開催
 社会人および学生向けデザイン専門学校の東京デザインプレックス研究所は,専門課程の受講生を対象に,デザインの領域を超えた学びの場を提供するワークショップを毎週無料で開いている。たとえば,5月12日には空間デザイナーの平川ナオミ氏を講師に商空間のブランディングについて,19日にはアートディレクターの野口孝仁氏を講師にデザインと情報伝達について講義と実技などを行った。

全日本印刷工業組合連合会,会長に六三印刷・島村氏
 全日本印刷工業組合連合会は5月24日,東京のアジュール竹芝で通常総会を行い,新会長に島村博之氏(六三印刷会長)が就任した。

日本印刷産業機械工業会,会長にミヤコシ・宮腰氏
 日本印刷産業機械工業会は5月24日,芝公園の東京プリンスホテルで通常総会を行い,新会長に宮腰巌氏(ミヤコシ社長)が就任した。

本日,CD勉強会が日本印刷会館でdrupa報告会
 千葉大学の旧印刷工学科のOBを中心に組織するCD勉強会は5月28日18:30より,東京・新富の日本印刷会館で「drupa2012報告会」を開く。今回のdrupaで14回足を運んだ,同会会長の五百旗頭忠男氏が報告する。参加費3000円。問合せは,印刷学会出版部(電話03-3555-7911)。

6月より,通信教育講座の新コース開講
 日本印刷技術協会は6月より,通信教育講座の新コース「クロスメディアエキスパート論述試験対策」講座を開く。同試験の出題形式に沿った添削課題で,提案書作成の考え方や分析手法活用の基礎を学ぶ。受講期間は2ヵ月。会員1万5000円,一般1万8000円。
http://www.jagat.or.jp/tukyo/

6月2日〜28日,渋谷で美篶堂が製本展を催す
 美篶堂は6月2日〜28日,東京・渋谷のギャラリー喫茶「ウイリアムモリス」で「美篶堂の製本:四角い宇宙」を開く。12:30〜18:30,日・月曜および第3土曜日休み。問合せは電話03-5466-3717。

6月8日,クリエイター向けのPhotoshop実用テクニックセミナー開催
 Tooは6月8日,東京・市ヶ谷健保会館でクリエイター向けにPhotoshopのプロフェッショナル実用テクニックセミナーを開く。テクニカルライターの吉田浩章氏がPhotoshop機能の活用法を紹介する。参加費無料。要予約。
http://www.too.com/event/2012/0608ps/

6月9日〜9月3日,世界ポスタートリエンナーレトヤマ2012
 世界から最新のポスターデザインを公募し,審査・選抜する「第10回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2012」が6月9日〜9月3日,富山県立近代美術館で開かれる。観覧料は,一般900円,大学生650円,小・中・高校生などは無料。
 7月14日は中島英樹氏,8月18日は浅葉克己氏の各アートディレクターの講演会(聴講無料)がある。
http://www.pref.toyama.jp/branches/3042/exhibition/exh_2012/exh_12_2.htm

6月27日,日本フォーム印刷工業連合会がdrupa2012・Xplor2012の報告セミナー開催
 日本フォーム印刷工業連合会は6月27日,東京・新富の日本印刷会館でdrupa2012・Xplor2012報告セミナーを開く。印刷機材展のほか,オランダ,デンマーク,英国の印刷会社の取り組みも紹介する。また,米国で3月に開かれたデータプリントサービスなどの国際大会Xplor International Conference 2012の様子も報告する。参加費1500円,定員80名。要予約。問合せは電話03-3551-8615。

7月4日,都立産業貿易センターでプリントメディア就職フェア
 プリントメディア就職フェア(合同会社説明会)が7月4日,港区の東京都立産業貿易センター浜松町館で開かれる。主催は,東京都印刷工業組合と東京都立中央・城北職業能力開発センター。問合せは,電話03-3552-4021。

7月6日〜8月10日,デザインとアートから見るタイポグラフィーの展覧会
 デザインとアートの両面からタイポグラフィーの現在を紹介するイベント「タイポロジック」が7月6日〜8月10日,東京・神田の竹尾 見本帖本店で開かれる。主催は同展実行委員会。タイポグラフィーの技術や海外の作品などを展示する。入場無料,土曜・日曜・祝日休館。また,7月6日にトークショーも開く。参加無料。要申込,定員70人。
http://typologic.jp/

7月12日・13日,日本画像学会が技術講習会
 日本画像学会は7月12日・13日,東京・神保町の学術総合センターで「スキルアップに役立つ画像技術の基礎と最新技術」と題し,技術講習会を催す。1日目は入門講習,画像関連技術一般講習,電子写真シミュレーション実習講習。2日目は「電子写真関連講習」と「インクジェット,及び新規技術関連講習」。参加費は会員2万4000円,非会員3万2000円,学生3000円。要申込。
http://www.isj-imaging.org/event/tech_course/2012_tech_73.html

7月13日,「これからの印刷ビジネスモデルを探る」セミナー開催
 日本印刷学会は7月13日,日本印刷会館で夏期セミナー「これからの印刷ビジネスモデルを探る」を開く。メディアテクノスの井上秋男氏らが新聞業界の動向を話すほか,スキャメラを用いた2D印刷やdrupa2012の報告,印刷ビジネスにおけるSNSの活用法など4件の講演を行う。会員1万3000円,教職員・学生7000円,非会員1万8000円。要予約。
http://www.jspst.org/index.html

7月15日締切,グラフィック,販促物のデザインコンテスト開催
 グラフィックは6月1日より,創造性や戦略性に優れたデザインの販促印刷物を競うコンテスト「グラフィック販促デザイン大賞」の募集を始める。応募資格は販促印刷物のデザインを職業とする者,実務経験のあるデザイナー・制作者。作品はDM,フライヤー,ポスターのいずれか。応募コースはデザイナーの所属によって2部門に分かれる。締切は7月15日,作品応募締切は8月10日,結果発表は10月1日。グランプリは賞金50万円と印刷通販ポイント10万円分が贈られる。

9月1日〜10月21日,『講談社の絵本』原画展開催
 講談社野間記念館は9月1日〜10月21日,東京・護国寺の同記念館で『講談社の絵本』原画展を開く。斎藤五百枝の『桃太郎』や米内穂豊の『金太郎』などの原画が見られる。一般500円,学生300円。
http://www.nomamuseum.kodansha.co.jp/

9月20日〜22日,全日本印刷工業組合連合会が北海道で文化典
 全日本印刷工業組合連合会と北海道印刷工業組合は9月20日〜22日,北海道・札幌で「全日本印刷文化典 北海道大会」を開く。20日はゴルフ大会,21日は記念式典や講演会,22日はフォーラムと遊覧(半日,1泊2日,2泊3日のコースから選択),の構成。講演会は夕張市長の鈴木直道氏が財政再建について話すほか,フォーラムはCSRをテーマにする。
http://www.print.or.jp/event/insatsubunka2012.html

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6月14日〜16日に,大阪市・住之江区のインテックス大阪でJP産業展協会主催の「JP2012情報・印刷産業展」が開かれます。印刷だけでなく他分野の技術も参考に,情報コミュニケーション技術としての印刷のあり方を探る展示会です。「書籍販売コーナー」で小社の『印刷現場のつくり方:お客様の獲得に向けて』,『印刷技術基本ポイント:オフセットインキ編』『印刷技術基本ポイント:UVオフセット印刷編』を販売いたします。ご来場のさいにはどうぞお手に取ってご覧ください。

週刊『印刷雑誌』 3巻23号
2012年5月28日発行
編集長:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 


 

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