週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』 3巻32号 2012年7月30日
Japan Printer weekly Vol.3, no.32毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

JPO,電子書籍化事業の規制緩和
 日本出版インフラセンター(JPO)は7月25日,経済産業省「コンテンツ緊急電子化事業」について,補助金対象となる電子書籍化の申請条件を緩和すると発表した。内容は,年間発行点数の2倍までとしていた申請上限の廃止,図書館への寄贈義務化の廃止,EPUB3の対応の3点となる。

BookLive,旅行・レジャー分野のコンテンツを拡大
 BookLiveは7月23日,同社運営の電子書籍ストアBookLive!で旅行ガイドブック『るるぶDo!』や動物や昆虫,乗り物をテーマとした『こども絵本』シリーズを配信した。今後も特定の分野に特化した出版社と連携していく。

BookLive,直木賞・芥川賞受賞作品配信開始
 BookLiveは同社運営の電子書籍ストアBookLive!で7月13日より,直木賞受賞作の辻村深月著『鍵のない夢を見る』を,7月27日より芥川賞受賞作の鹿島田真希著『冥土めぐり』を配信している。そのほか貫井徳郎著『新月譚』や朝井リョウ著『もういちど生まれる』など直木賞ノミネート作品も配信した。

美術出版ネットワークス,無料電子書籍作成サービス開始
 美術出版ネットワークスは7月24日,SNS機能搭載の電子ビューア「bookpic」で利用者が無料で電子書籍の作成や公開ができるサービス「クリエイターズ」を始めた。同時にWeb上で編集できる無料ソフト「bookpic Editor」の提供も行う。HTML5を使用するためPCやスマートフォンなどで閲覧できる。

大日本印刷,通販業務支援システムを発売
 大日本印刷は7月23日,通販企業向けの業務支援システム「CommerceLine SP」を発売した。顧客管理や受注・出荷機能に加え,検索サイトで上位に表示されるSEO対策機能や,検索した商品に関連する商品を紹介する機能なども搭載した。初期費用150万円より,月額20万円または月次売上の10%(売上が200万円を超える場合)。

ナナオ,グラフィックス市場向け液晶モニタ3機種発売
 ナナオは8月8日より,液晶モニタ「ColorEdge」シリーズを一新し,プリプレスや映像制作市場向けの「ColorEdge CG246」,デザインやデジタル写真向けの「ColorEdge CX240」,写真やイラスト制作向けの「ColorEdge CS230」3機種を順次発売する。CG246は校正センサーを内蔵し,モニタ単体で画像の校正ができる。ほか2機種も専用のソフトウェアを使用すれば校正できる。CX240は9月11日,CS230は年末に発売予定。すべてオープン価格。

セイコーエプソン,ディスクデュプリケーター3機種がMac OSXに対応
 セイコーエプソンは7月25日,CD・DVDディスクにデータ書き込みとレーベル印刷をまとめでできるディスクデュプリケーター「PP-50」,「PP-100」,「PP-100AP」にMac OSX対応版ソフトウェアの無償提供を始めた。同社Webサイトよりダウンロードできる。

リョービ,B2判オフセット多色印刷機を発売
 リョービは7月23日,B2判オフセット多色印刷機「RYOBI 760E」シリーズを発売した。2,4〜6色機の片面印刷機と片面・両面兼用印刷機の8種類で展開する。最大で765×600mmの用紙に対応。インキや用紙の種類により異なるが毎時3000〜1万3000枚印刷できる。

コニカミノルタビジネステクノロジーズ,デジタル印刷システムを発売
 コニカミノルタビジネステクノロジーズは8月20日より,bizhubPRESSシリーズのモノクロ製品としてデジタル印刷システム「bizhub PRESS1250/1250P」,「bizhub PRESS 1052」を発売する。1200dpiに対応し,重合法トナー「デジタルトナーHD」と独自画像処理技術を組み合わせ細線や白抜き文字などを安定して出力できる。アート紙やコート紙,塗工紙,エンボス紙なども扱える。価格は1250が900万円,1250Pが828万円,1052が720万円。

大日本印刷とゼンリンデータコム,電子看板事業で業務提携
 大日本印刷とゼンリンデータコムは7月25日,電子看板事業で業務提携し,広告や企画・営業活動を共同推進していくと発表した。提携によりゼンリンデータコムが契約している韓国のフィンガータッチインターナショナル社の電子看板機器の販売と機器に合わせたコンテンツを公共施設や商業施設などに提供する。

三進社,ARマーカーを使ったサービスの提供開始
 三進社は7月25日,ポスターやチラシに応用できるARマーカーを使ったサービス「AR move catch」の提供を始めた。同サービスは専用のアプリをダウンロードし,スマートフォンのカメラを販促物の写真にかざすと画面上の写真が動き音が鳴るというもの。基本は既存のアプリを使うが希望によりアプリの制作も可能。iOS4.3,Android2.2以上のバージョンに対応する。既存アプリの場合システム作成費20万円より,コンテンツ作成費5万円より,同変換費2万円より,管理費月3万8000円。

富士フイルムグラフィックシステムズ,ジャパンカラー認証の普及を目指す
 富士フイルムグラフィックシステムズは7月27日,ジャパンカラー認証の導入を検討している企業に向けてセミナーを行った。同認証の制度内容や評価基準から実際の運用方法などを紹介した。プルーフ運用認証の判定の説明では,ISO12642-2チャートの全色を自動測色機で計り,基準値と測色値を元に評価し,自己評価計算シートで基準値と誤差がないか調べる作業を実演した。従来は色の計測時間もかかり知識と技術が必要だったが,今は測色計があれば簡単に行え,同社が機器の使い方の指導や事務手続きなどのサポートもすると話した。

キヤノン,無線LAN対応フォトプリンタ発売
 キヤノンは9月上旬,無線LANに対応したフォトプリンタ「SELPHY CP900」を発売する。スマートフォンやPC,Wi-Fi対応のカメラなどから写真を印刷できる。印刷サイズは最大89×119mmで出力可能。自動写真補正機能を搭載し曇天や青空,夕焼けを判別し明るさなど最適に表現する。オープン価格。

エプソン販売とキヤノンマーケティングジャパン,配送業務の共同化推進
 エプソン販売とキヤノンマーケティングジャパンは7月27日,CO2排出量削減と物流業務の効率化を目指し,日本通運の枠組みを活用して,両社の地方配送センター業務の拡大を図ると発表した。同一建屋に両社の商品を管理し倉庫内作業を共同で行う。仙台地区と札幌地区ではすでに実施し,8月より福岡地区でも始める。

アドビシステムズ,出版物作成ツールの提供を開始
 アドビシステムズは7月25日,出版物作成ツールの新バージョン「Technical Communication Suite4」の提供を始めた。規格に準拠したコンテンツの作成が容易になった。作成したデータはHTML5や電子書籍などのアプリに対応できる。27万3000円。

日本印刷産業連合会,印刷現場の労働衛生管理を学ぶ
 日本印刷産業連合会は7月24日,東京・新富の日本印刷会館でグリーンプリンティング(GP)工場の認定式を行った。今回新たに,オフセット印刷部門で8工場が,グラビア印刷(軟包装)部門で1工場が認定され,そのほか14工場が認定を更新された。セミナーも開き同連合会の石井健三氏が,同連合会が実施している「印刷業における化学物質による健康障害防止対策」を説明した。またコンサルタントの岡田賢造氏が「印刷職場における労働衛生管理:化学物質の曝露防止を中心に」と題し,労働衛生管理に関する法令や対策法を解説。最近の企業の基本方針でもっとも重要なのは社員の安全と健康であり,その次に製品品質,環境配慮だと話した。

全国ぷらざ協議会,勉強会を開催
 印刷を核として地域誌,タウン誌,ミニコミ誌などのフリーペーパーのビジネスを推進している企業の情報交換会「全国ぷらざ協議会」は7月25日・26日,東京のホテルモントレ半蔵門で勉強会,東京・新川の味香り戦略研究所の見学会を催した。「Landa Nanographyは印刷を変えてしまうのか?」,「フリーマガジンで地域のメルアドの収集を図り地域深堀りマーケティングへ」,「ホームページ・facebook・SNSによる結果を呼び起こす集客の仕方」などをテーマにした講演を聞いた。

モリサワ会,日本と先進国の印刷市場を比べる
 モリサワ製品のユーザーで組織するモリサワ会は7月24日,東京・九段下のグランドパレスで総会と研修会を開いた。研修会は「国際化と印刷業:言語はこれからも障壁であり続けるか?」として,金羊社の浅野健社長と朝日メディアインターナショナルのニック・エルストン社長が対談した。日本語は海外からの参入障壁を高くしているが,海外に進出していくには英語が必須。日本は印刷物の品質は世界一だが価格とのバランスがとれていない。日本は同類の企業が多く無駄な競争が多い,などの話があった。

印刷博物館,製本と活版印刷の仕組みを伝える
 印刷博物館は7月25日,東京・飯田橋の同博物館で「夏休み体験教室」と題し,製本と活版印刷体験会を行った。製本体験では中綴じ製本で,表裏に16面付けしてある紙を番号順に折り,好きな表紙を選んで綴じ機で留め,断裁機にかけるまでを実際に体験できる。製本体験は8月31日までの火水木,活版印刷体験は同日までの金土日に開く。

8月3日,日本画像学会討論会開催
 日本画像学会は8月3日,東京・大岡山の東京工業大学で講演と討論会を開く。松木眞氏が「プリンタ屋が印刷業界で学んだこと」をテーマに講演し,その後討論と懇親会を行う。参加資格は同会個人会員,参加費3500円。要申込。
http://www.isj-imaging.org/event/imagingcafe/yokoku120803.html

8月23日・24日,リョービが新製品発表会開催
 リョービは8月23日・24日,豊島の同支社で印刷機などを展示する「東京サマーショー」を開く。B2判片面オフセット4色印刷機「RYOBI 764E」を展示する。問合せは,電話03-3927-3300。

8月27日,TC協会創設20周年記念イベント開催
 テクニカルコミュニケーター協会は8月27日,東京・新宿の工学院大学でTC協会創設20周年記念イベントを開く。日本マニュアルコンテスト2012の受賞作の閲覧のほか,国際TC検定試験の詳細を発表する。
 また10月3日,京都リサーチパークで同イベントを開く。東京での企画に加え,欧州マニュアルコンテストの評価基準やヨーロッパを中心に活動する企業の研究発表なども行う。両日とも参加費無料(講演のみ有料。会員1万円,非会員1万5750円,学生5250円),要申込。
http://www.jtca.org/symposium/anniversary_tokyo.pdf
http://www.jtca.org/symposium/anniversary_kyoto.pdf

8月28日・29日,TCシンポジウム開催
 テクニカルコミュニケーター協会は8月28日・29日,工学院大学で,10月4日・5日,京都リサーチパークでTCシンポジウムを開く。企画立案やライティング,翻訳など10のパネルディスカッションとUXデザインやHTML5入門など8つの特別セッションを行う。入場券2日間で会員1万5000円,非会員2万1000円,学生3150円(学生のみ1日単位の申込)。特別セッション券会員1万円,非会員1万5750円,学生5250円。
http://www.jtca.org/symposium/tokyo.pdf
http://www.jtca.org/symposium/kyoto.pdf

9月8日〜2013年3月3日,バーチャルリアリティを活用したプラネタリウム作品を上映
 凸版印刷とコニカミノルタプラネタリウムは9月8日より,東京・池袋サンシャインシティでデジタルアーカイブを全天周映像投影システムとして制作されたプラネタリウム作品「世界遺産 宇宙への祈り」を上映する。凸版印刷が以前制作したVR作品を元にマチュピチュやアンコール遺跡,東大寺の大仏などをCGで再現する。上映時間約40分。大人1000円,小中学生500円,幼児(4才〜)400円,シニア(65才〜)800円。問合せは,電話03-3989-3546(10:00〜19:00)。

9月30日まで,発明大賞の候補者を募集
 日本発明振興協会は9月30日まで,発明大賞の候補者を募集している。同賞は発明によって国科学技術の振興や産業発展などに寄与した中堅企業・中小企業の個人またはグループに与えられる。候補者の推薦も募集している。
http://www.jsai.org/taishou-24.html

10月20日〜2013年1月14日,「印刷都市東京と近代日本」開催
 印刷博物館は10月20日〜2013年1月14日,東京・水道の同博物館で「印刷都市東京と近代日本」を開く。1860〜90年頃を中心に,東京で印刷の近代化が進んだ背景を約130点の資料を展示することで考える。入場料は一般500円,学生300円,中高生200円。問合せは,電話03-5840-2300。

11月25日,CG-ARTS5検定実施
 CG-ARTS協会は11月25日,46都道府県の会場でCGクリエイター検定,CGエンジニア検定,画像処理エンジニア検定,Webデザイナー検定,マルチメディア検定を行う。出願期間は9月3日〜10月16日。マークシート形式で70点前後で合格する。受験料ベーシック4500円,エキスパート5500円。申込はWebか郵便局でできる。
http://www.cgarts.or.jp/kentei/

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月刊『印刷雑誌』8月号(1470円)が7月20日に発行されました。特集は「ヨーロッパの印刷産業」。Drupa2012での情報を踏まえ,欧州での印刷産業の状況,デジタル印刷の最新情報などをリポートしています。より,深く考察したdrupa情報をお楽しみください。
http://www.japanprinter.co.jp/pages/artivols_2012.html

3月に発売した『図説 印刷文化の原点』(1,575円)が図書館選定図書に選ばれました。これまでの印刷関連本に書かれていなかった事柄について綿密な調査のもとに書き上げられ,高い評価を頂いております。著者の松浦広氏は「日本の古本屋」メールマガジン7月号の中で「印刷の歴史や文化はビジネスに無関係ではない。若い人達に関心を持たれない産業は衰退してしまうからだ」と述べています。
http://www.japanprinter.co.jp/cgi-bin/bkdatabase/bookdatabase.cgi?key=978-4-900175-22-8

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shukan@japanprinter.co.jp

週刊『印刷雑誌』3巻32号
2012年7月30日発行
編集長:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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