週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 3巻42号 2012年10月15日
Japan Printer weekly Vol.3, no.42 毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日(休日の場合は翌日)発行します。

東洋インキ,NonVOC対応広演色オフセット枚葉インキ発表
 東洋インキは10月9日,NonVOC対応広演色オフセット枚葉インキ「TOYO KING NEX NV100 カレイド」を発表した。4色印刷機で6・7色印刷に近い色再現ができる。植物油などへの置き換えにより構成成分中の高沸点石油系溶剤を1%未満に抑えた。

ローランドディー.ジー.,UV-LEDインクジェットプリンタ発売
 ローランドディー.ジー.は10月12日,平台UV-LEDインクジェットプリンタ「VersaUV LEF-12」を発売すると発表した。スマートフォンケースやノベルティなどさまざまな立体物に印刷できる。印刷前の高さ設定の短縮やプリントヘッドの動きを印刷面に限定することで,作業時間の効率化を図った。連続印刷機能を採用し,印刷が複数回必要な場合でも自動でできる。269万5000円。

日本HP,建築・設計分野向け大判IJ発表
 日本ヒューレット・パッカードは10月10日,有線・無線LANを搭載した建築・設計分野向けの大判インクジェットプリンタの入門モデル「HP Designjet T520 ePrinter」を発表した。A1判対応として世界最小・最軽量という24インチモデル(18万6900円)と,A0判に対応する36インチモデル(38万6400円)の2機種。同時に,大判出力向けのクラウドのソリューションHP Designjet ePrint & Shareも発表。iOSやAndroidに対応のスマートフォンやタブレットなどにより,リモート環境における出力操作が簡単にできる。

アドビ,Photoshop Lightroom4.2とPhotoshop Camera Raw 7.2を更新
 アドビ システムズのAdobe Photoshop Lightroom4.2とAdobe Photoshop Camera Raw 7.2のアップデータが,専門Webサイトでダウンロード可能になった。最新アップデート版は,富士フイルムやキヤノン,ソニー,ライカ,パナソニックなどの21機種のカメラから生成されるRAWファイルを新たにサポートした。ニコンD600にも暫定でサポート対応する。さらにLightroom4.2の利用により,新たなデジタルカメラ機種間でのテザー撮影がサポートされる。また,両製品は最初のリリース版で報告された問題点が修正されている。Lightroom 4およびPhotoshop CS6利用者のアップデートは無償。

Quark,Web上でアプリ制作ができるソリューション発表
 Quarkは10月9日,Web上の複数人で独自のアプリ開発ができるデジタルパブリッシングソリューション「App Studio」を発表した。作成にはHTML5,QuarkXPress,InDesign,XMLを使用できる。30日以内に利用可能予定。本体価格月8500円。

エプソン,小型サーマルレシートプリンタを発売
 エプソンは11月12日,業務用小型サーマルレシートプリンタでPC一体型の「TM-T88V-DT」とオールインワン型の「TM-T20」を発売した。レシートやクーポン,受付票などを発行する。前機はCPU・OSメモリーを内蔵し,プリンタやスマートフォンなどに直接接続して印刷できる。後機はAC・USBケーブルやプリンタードライバーなどを搭載したCD-ROM,壁掛け金具などを同梱した。文字サイズを変えずに上下など余白の削除や,次の伝票を打っておくとレシートの先端を8mm節約する機能がある。オープン価格。

大日本印刷,スマホ活用の情報発信プラットフォーム提供
 大日本印刷は10月11日,NFCタグを貼付し,スマートフォンをかざすと情報を配信できるポスターを活用したO2Oプラットフォーム「TAPLINK」を開発した。設置場所や時間に応じて異なる情報を発信でき,情報を管理できるのでいつ,どこで利用されたかなどのデータ分析が可能。ASPとして提供するため配信するコンテンツを準備するだけで運用を始められる。

大日本印刷と東京医科歯科大学,3D MRI画像解析により病的近視の原因を解明
 大日本印刷と東京医科歯科大学は10月11日,3DのMRI画像解析による病的近視の原因究明・早期発見,病的近視の治療につながる技術を開発したと発表した。同画像解析によって生体内での眼球の形状を三次元的に可視化し,眼球がいびつに変形することで網膜や視神経に異常が生じることを世界で初めて実証した。また同大学は,同社との共同研究により印刷技術を用いた組織再生技術を応用し,眼球の変形を抑制する治療法の開発に着手している。

大日本印刷,ファッション提案システムを提供開始
 大日本印刷は12月20日まで,通販サイト「ベルメゾンネット」に同社が開発したファッションコーディネートシステムを提供し,利用者の好みに合う商品を提案するサービスを行っている。同システムはWebやカタログに掲載されている情報から商品を分類して検索でき,スタイリストのコーディネート手法を体系化するシステムと組み合わせることで,選んだ商品に合う服の提案が可能になった。9月発行のベルメゾンに掲載している衣類15点に合う着回しが見られる。

共同印刷,販促支援サービスの提供開始
 共同印刷は10月末より,販促活動の効率化と販促効果の見える化で売上増を図る販促支援サービス「My Promotion Studio」の提供を始める。同社のクラウド型受発注システムを通じ,POPやノベルティなどを必要なときに必要な数だけ注文できる。デザインシステムと連携し,店舗独自の販促ツールの制作も行える。

ヤナギ,ミューラー・マルティニの小型中綴じ機でスマホサイズの製本
 医薬品や化粧品の能書やイベント冊子などの紙工・製本を行うヤナギは,6月にミューラー・マルティニの小型中綴じ機「プレストE90」を導入した。同機は最大で360×300mm,最小で96×65mmの大きさに,2丁製本では最小93×65×ドブ4mmに1工程で対応する。ヤナギではA4判の仕事を中心としているが,同社の特長の1つとして,アップル社のスマートフォンと同じ大きさの小型中綴じ製本を顧客に提案している。10月12日にはミューラー・マルティニジャパンが同社の見学会を開いた。

ニシカワ,フォトブックサービス拡充
 ニシカワは12月16日まで,同社が運営するフォトブックサービスPhotoBookleで好きな写真を使って作れるカレンダー「PhotoBookleカレンダー」を発売する。サイズは3種,デザインは5種の中から選んで制作できる。また,日付に記念日用スタンプを用いて家族記念日や免許証更新など個人的な予定も組み込める。なお,同カレンダー注文でもれなく同サービスで利用できるフォトブック50%オフクーポンプレゼントキャンペーンのほか,「みんなで作るPhotoBookleフォトコンテスト」を開く。

インクアート,速乾印刷機導入で翌営業日での出荷に対応
 インクアートは10月9日,速乾印刷機を導入し同社運営の印刷通販「プリントアース」で翌営業日での出荷が可能になったと発表した。チラシやビラの印刷部数100〜5万部に対応し,印刷後すぐの出荷に対応できるため倉庫の保管費用も抑えられる。

VPJ,ITシステムで編集製作を一元化
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは,紙やWeb媒体やアプリの編集製作を一元化するITシステム「WoodWing Enterprise」を提案している。Web上で複数人での紙面編集が行え,データの送稿や情報管理・修正などができる。同システムは11月27日〜29日に東京ビッグサイトで開かれる新聞製作技術展に出展される。

竹橋プリンティングセンター,労働衛生と欧州事情を聞く
 竹橋プリンティングセンターは10月10日,東京・竹橋の如水会館で「コミュニティスクエア交流会」を開いた。「印刷事業場が取り組むべき労働衛生対策」として中央労働災害防止協会の青柳幹冶氏から,印刷・製本作業場における有害因子や,局所排気装置の概念図,安全衛生教育を学んだ。また「drupa2012から見えてくる欧州印刷動向とこれからの課題」と題しハイデルベルグ・ジャパンの佐藤麻衣子氏から,Web to PrintやVLFの優位性,ITにより人手を極力省くドイツの優良印刷会社の事例や旧来慣習を破壊するイノベーションを聞いた。

幻冬舎,スリランカに法人設立
 幻冬舎は10月11日,同社子会社の幻冬舎総合財産コンサルティングの事業の一環として,スリランカ法人を設立し事業を始めたと発表した。日本からの進出希望企業の経営や視察,提携先や合弁先の発掘などを支援する。

BookLive,『文藝春秋』を配信開始
 BookLiveは10月10日,同社運営の電子書籍ストア「BookLive!」で文藝春秋発行の月刊誌『文藝春秋』の電子書籍版の配信と定期購読を始めた。作家や著名人の作品が掲載されており,電子化されていない作家の作品も読める。1冊1050円,定期購読年間1万500円。

10月22日まで,「東京装画賞2012展」開催
 日本図書設計家協会は10月22日まで,東京・市ヶ谷の山脇ギャラリーにて「東京装画賞2012展」を開いている。魅力的な本の世界を紹介するブックジャケットの力と美に焦点を当てた同賞の最優秀作品をはじめとする272点を展示する。入場無料,日曜定休。
http://tosho-sekkei.gr.jp/tokyosouga/pg311.html

2013年1月27日まで,「内記稔夫:日本初のマンガ図書館をつくった男」展開催
 明治大学現代マンガ図書館と米沢嘉博記念図書館は,2013年1月27日まで東京・お茶の水の同所で「内記稔夫:日本初のマンガ図書館をつくった男」展を開いている。2012年に亡くなった同氏の業績や交友関係,「現代マンガ図書館」の設立概要などを多数の資料で展示・解説する。
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-naiki.html

10月17日〜30日,大阪で「本の棲む場所展」開催
 日本図書設計家協会関西支部は,10月17日〜30日,大阪のMARUZEN & ジュンク堂書店梅田店で「本の棲む場所展:装丁家・装画家がつくる小宇宙」を開く。装丁家・装画家が自作を用いて各自の「本棚」を演出する。無料。
http://www.junkudo.co.jp/tenpo/shop-MJumeda.html

10月22日〜26日,紙と加工の展示会開催
 平和紙業ペーパーボイス東京は10月22日〜26日,東京・新富の同社で紙と加工の展示会「カコウイチ」を開く。主催はコスモテック,小林断截,篠原紙工,東北紙業社,平和紙業。押し,折り,綴じ,抜きなどの紙加工技術の紹介のほか,22日,24日,26日には実演,加工相談などを行う。入場無料。22日18時半より,加工会社4社によるトークイベントあり。定員20名,要予約。問合せは電話03-3206-8541。

10月24日〜26日,Web&モバイルマーケティングEXPO秋開催
 リードエグジビションジャパンは10月24日〜26日,千葉の幕張メッセで「Web&モバイルマーケティングEXPO秋」を開く。各社Webやモバイルソリューションを展示し,基調講演や特別講演など16講演を行う。入場料5000円(事前登録無料)。
http://www.web-mo.jp/Home_Aki/

10月30日〜11月5日,明治神宮外苑で「TOKYO DESIGNERS WEEK」
 デザインアソシエーションNPOが主催するデザインやアートの展示会「TOKYO DESIGNERS WEEK」が10月30日〜11月5日,東京・霞ヶ丘町の明治神宮外苑絵画館前で開かれる。企業やデザイナー,アーティスト,学生が,それぞれの創作活動を発表する。チケットは,当日2500円,前売り2000円,大学生1500円,高校生1000円,18:00以降入場1500円,LOVEをテーマにネイルアートすると1250円など。
http://www.tdwa.com/

10月30日〜11月21日,グラフィックデザイナーと障害者アーティストのコラボ展
 東京・銀座のクリエイションギャラリーG8は10月30日〜11月21日,「Artbility meets 10 designers」展を開く。10人のグラフィックデザイナーが,障害者アート専門の芸術ライブラリー「アートビリティ」の作家作品を使ったポスターとブックカバーを展示。会場でアンケートに答えるとブックカバーを贈呈するほか,同ライブラリー作家の原画も展示,販売する。入場無料,日曜・祝日休館。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201210/g8_exh_201210.html

11月9日,繊維学会紙パルプシンポジウム開催
 繊維学会紙パルプ研究委員会は11月9日,東京・弥生の東京大学農学部で「製紙技術と製紙産業の潜在力を顕在力に」と題した繊維学会紙パルプシンポジウムを開く。木材と木材パルプ利用の可能性とその動向や製紙産業における今後のバイオマス利活用など6講演を行う。参加費は会員1万円,会員外1万2000円,大学官公庁5000円,学生2000円。要予約。
http://www.enomae.com/senni_pp/47thSymposium.htm

11月14日〜16日,「Embedded Technology2012:組込み総合技術展」開催
 組込みシステム技術協会は11月14日〜16日,パシフィコ横浜で「Embedded Technology2012:組込み総合技術展」を開く。ハードウェアやソフトウェア,開発環境ツールなどを展示する。モリサワは電子機器やアプリなどに直接データを組込めるAndroid対応書体などのフォントを紹介する。事前登録で無料。
http://www1.jasa.or.jp/et/ET2012/index.html

11月14日〜12月7日,竹尾でポスター展
 竹尾と多摩美術大学は11月14日〜12月7日,東京・神田の竹尾見本帖本店で「竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション08:電子時代のグラフィックデザイン2:ニュー・ウェイブの展開」展を開く。1980年代のアメリカで,DTP環境によってもたらされた「ニュー・ウェイブ」と呼ばれる電子時代特有のグラフィック表現がその後どのように展開したかを,スコロス&ウェデル,リック・ヴァリセンティ,ジャン=ベノワ・レヴィのポスター作品から探る。入場無料,土・日・祝日休館。問合せは,電話03-3292-3669。

11月15日,インクジェット技術の応用についての講演開催
 日本画像学会は11月15日,神奈川・長津田町の東京工業大学で「インクジェット技術の多分野への応用」と題した講演を開く。商業印刷向けインクジェット印刷機やインクジェットプリンタの開発と応用分野など5講演を行う。参加費は会員3000円,非会員5000円,学生1500円。要予約。
http://www.isj-imaging.org/event/imaging_today/2012_IT_22.html

11月22日,電子写真のシンポジウム開催
 日本画像学会は11月22日,東京・虎ノ門の発明会館で「電子写真技術:発展へのキーワードと最新技術」と題したシンポジウムを開く。プリンタを使う立場と開発する立場の両面から,電子写真技術が発展するために何が大切かを考える。デジタル印刷活用事例や小型化や省エネなどの先端技術を紹介する7講演を行う。参加費は会員9000円,非会員1万6000円,学生2000円。要予約。
http://www.isj-imaging.org/event/symposium/symp_2012/2012_tokyo.html

11月29日,日本画像学会技術講習会開催
 日本画像学会は11月29日,ハートピア京都で「カラーイメージングの基礎と実際」と題した講習会を開く。電子写真技術を中心に各プロセス要素技術や材料技術の基礎から最新動向について6講演を行う。参加費は会員1万5000円,非会員2万2000円,学生3000円。要予約。
http://www.isj-imaging.org/event/tech_course/2012_tech_74.html

12月3日〜25日,シンガポールのアートディレクターの作品展
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは12月3日〜25日,シンガポールのアートディレクター,テセウス・チャン氏の展覧会「テセウス・チャン:ヴェルク No.20 銀座 THE EXTREMITIES OF THE PRINTED MATTER」を開く。同氏の代表作であるインディペンデント・マガジン『WERK(ヴェルク)』を紹介する。同氏は同展のために世界で初披露の同誌最新号を制作したほか,会場そのものもメディアとして紹介する。入場無料,日曜・祝日休館。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000589

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10月19日に月刊『印刷雑誌』11月号を発行します。特集は「新聞印刷とその周辺」で,静岡新聞総合印刷の紙面品質向上の取り組みを解説するほか,インキやCTP版,用紙の技術動向を掲載しています。そのほか今年の発明大賞で受賞したミヤコシの「入れ替えユニットの自動制御機構が付いた輪転機」や,印刷産業環境優良工場表彰で受賞した日経印刷,米国や中国,韓国で進んでいるカラー印刷の標準認証「G7」も紹介します。バックナンバーと合わせてご利用下さい。
http://www.japanprinter.co.jp/pages/artivols_2012.html

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株式会社印刷学会出版部はこのテーマで,11月16日(金)に東京・銀座にあるリコージャパンで講演会を行います。講師は,月刊『印刷雑誌』に「中小企業診断士から見た印刷産業」を連載中の寶積昌彦さんです。13:30と15:00の2回(同じ内容です),各1時間程度で,参加費無料です。
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只今お読みの週刊印刷雑誌の姉妹誌,月刊『印刷雑誌』では,10月19日まで定期購読者の方にアンケートを行っています。回答を頂いた方には印刷雑誌別冊『グラフィックソリューション』をプレゼントいたします。応募条件は,印刷学会出版部から直接購読を申し込まれている方に限ります。日本印刷学会の会員方に配布されている雑誌をお読みの場合は,対象外となりますのでご注意ください。詳細をご希望の方は下記メールアドレスへ件名を「キャンペーン詳細希望」としてご連絡下さい。お待ちしています。
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週刊『印刷雑誌』3巻42号
2012年10月15日発行
編集長:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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