週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 3巻49号 2012年12月3日
Japan Printer weekly Vol.3, no.49 毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

新技術で新聞のクロスメディア化を促進
 「新聞製作技術展」が11月27日〜29日,有明の東京ビッグサイトで開かれた。主催は日本新聞協会。朝日新聞社や読売新聞社,毎日新聞社,産業経済新聞社,日本経済新聞社は,自社の新聞製作フローを解説した。各社は,さまざまな記事を紙の紙誌から電子媒体まで連動して効率的に使えるよう,統合してデータを管理・運用できる独自システムを用いている。また新聞製作コストの削減と紙面品質維持の取り組みなども紹介した。そのほか組版システムなどのメーカーから,クロスメディア支援製品・サービスなどの提案も見られた。 詳細は,月刊『印刷雑誌』2013年2月号で報告する。

メディアの進化と役割について調査,女性読者の雑誌利用目的がより明確に
 大日本印刷は11月26日,生活者のメディア利用と購買行動の変化を調査・分析する『メディアバリューレポートvol.53』を発行した。「メディアの進化と雑誌の役割」についてまとめ,雑誌の利用の仕方や読後の行動などを分析した。調査によれば,女性誌は「気分転換」「生活情報の収集」「流行のチェック」など雑誌により活用用途がより明確になり,ファッション誌は気分転換に使用されることが多いと確認された。

オーシャナイズ,大学生向け電子書籍化サービス開始
 オーシャナイズとスターティアラボは11月28日,大学生向けに自分たちで作成したフリーペーパーや,学園祭のパンフレットなどのPDFデータを,電子書籍として公開・閲覧できる無料サービス「Rucksack」を始めた。会員登録の必要はなく,専用アプリを使えばスマートフォンでも見られる。

エプソン,インクジェットデジタルラベル印刷機発売
 エプソンは12月上旬,インクジェットデジタルラベル印刷機「SurePress L-4033AW」を発売する。白インクを搭載し,透明フィルムやアルミ蒸着フィルムに印刷できる。フィルムへの印刷順序も白インクとカラーインクのどちらからでも可能。

ローランドディー.ジー.,白とメタリックシルバーインクを発売
 ローランドディー.ジー.は11月27日,大判インクジェットプリンタ「SOLJET PRO4 XR-640」に対応したインク「ECO-SOL MAX2」の白とメタリックシルバーを開発し出荷を始めると発表した。従来品より白は濃度が高くなり,シルバーは顔料粒子の平滑度が上がり光沢度が増した。色材成分の沈殿を防ぎ濃度を一定に保てる。

ローランドディー.ジー.,IJプリンタのソフトウェアを更新
 ローランドディー.ジー.は11月27日,インクジェットプリンタの出力用ソフトウェア「Roland Versa Works」の機能を更新したと発表した。PANTONEのカラーライブラリ6種を搭載し,同社プリンタで出力できる近似色への変換ができる。AdobeのIllustratorで作った特色を同ソフトの特色に置き換えることが可能になった。

大日本印刷,プリペイドカードと残高管理システムを提供
 大日本印刷は11月27日,全国のローソンでスタートトゥデイが運営する通販サイト「ZOZOTOWN」で利用できるギフトカードを発売し,同カードの残高が管理できるシステム「VALUE TACTiX」も提供した。同システムは店頭に設置したカードリーダーから残高の加算・減算が行え,PCやスマートフォンなどから残高を確認できる。初期費用100万円,月額費15万円。

DNPデジタルコム,クラウド・ホスティングサービス開始
 DNPデジタルコムは12月1日,クラウド・ホスティングサービス「MediaGalaxyクラウドサービス」を始めた。小規模サイト向けの「MGクラウド共用コース」,中規模以上で拡張性がある「MGクラウド専用コース」,期間限定のキャンペーンサイト向けの「MGクラウドキャンペーンコース」がある。

大日本印刷,電子端末のガラス代替品のカバーシートを開発
 大日本印刷は11月28日,スマートフォンやタブレット端末の画面を保護するガラス代替品の表面カバーシートを開発したと発表した。樹脂製のため破損しにくく表面に耐諮問機能材をもつハードコート材を,裏面には印刷可能なハードコート材を使用した。

三浦印刷,カタログとWebとARを連携させたアプリを開発
 三浦印刷は11月21日,ヤマハエレクトロニクスマーケティングのAV機器を紹介するスマートフォン用アプリ「Yamaha Audio NAVIGATOR」を開発したと発表した。同製品の画像や動画が見られるほか,AR技術でサウンドバーやデスクトップオーディオ,スピーカーを画面上に再現された自室に立体表示できる。

キヤノン,フォトブック作成サービスをスマートフォンでも提供
 キヤノンは11月29日,オリジナルフォトブックの作成や専用Webサイト上で公開,製本までを行えるフォトブックサービス「PHOTOPRESSO」をスマートフォンで提供し始めた。会員登録すると無料で作成や公開ができ,アプリのダウンロードをしなくても閲覧できる。

ラスクル,第三者割当増資を実施
 Webでの印刷販売を行うラスクルは11月27日,YJキャピタルとANRIを割当先とする第三者割当増資を行い,1.2億円を調達したと発表した。中小印刷会社の活性化やWeb印刷サービスやWebサイトの利便性の向上を図る。

環境保護印刷推進協議会,省エネルギー対策の動向を聞く
 環境保護印刷推進協議会は11月26日,TKP東京八重洲カンファレンスセンターで「今こそ取り組むべき“省エネ”の課題と対応策」をテーマに講演会を開いた。環境エネルギー総合研究所の大庭みゆき社長が,精神論ではなく科学論で行う省エネ対策の要点を解説した。東京都地球温暖化防止活動推進センターの宮田博之センター長は,経営者が考えるべき環境対策と国や都の助成事業などを紹介した。また日本印刷産業連合会の石橋邦夫氏が,9月にドイツのベルリンで開かれた展示会「エコプリント」の様子を報告した。同展はサステイナブル(持続可能)な印刷ビジネスに焦点を当てて展示と講演会を行った。

日本印刷技術協会が電子出版の現状の講演会
 日本印刷技術協会は11月26日,東京・中野富士見町の同協会で「デジタル時代の出版ビジネスと出版社の最新動向」をテーマに講演会を開いた。「出版産業の現状:電子化と書店の展望」と題し,文化通信社の星野渉取締役が,amazonの巨大さや,書籍の収益化に取り組む日本出版販売,リアル書店の実情などを解説した。「出版社のデジタルビジネス・電子化20年:今までとこれから」と題し,小学館の田中敏隆氏が,対読者に対する見極めが重要になっていること,EPUBは悩ましきスタンダード,何が誰のために必要なのかが課題であることなどを説明した。

紙の本への思いを語る
 雄松堂は11月26日,日比谷図書文化館で「本との出会い」と題した講演会を行った。印刷博物館の樺山紘一館長は古本屋で本を買ったとき,前の持ち主からの努力や経験を受け継げることが本の強みだと話した。国立国会図書館の長尾真元館長はまだ電子書籍は不完全だが,将来は読者同士で意見交換や著者と話すなど何らかの行動ができるようになるのではないかと話した。

印刷OEM研究会,メンテナンスに関する講演を開催
 印刷OEM研究会は12月12日,東京・鵜木の金羊社で定例会を開く。「印刷基礎技術の再点検の中で,日常メンテナンスと品質の関係について」などについてJPAが講演する。問合せは,電話03-3750-1516。

2013年3月31日まで,日本自費出版文化賞募集
 日本自費出版ネットワークは2013年3月31日まで,日本自費出版文化賞の募集を行っている。制作費用の全額または一部を著者が負担し,日本国内で2000年以降に出版された著書が対象。登録料1点1500円。
http://www.jsjapan.net/jssyoentry.html

12月5日,日本印刷技術協会が印刷ビジネスのクロスメディアのセミナー
 日本印刷技術協会は12月5日,東京・中野富士見町の同協会でクロスメディア活動に携わる田上歳哲氏を講師に,講演会「印刷ビジネスのクロスメディア活用事例:顧客の要望に応える提案活動のために」を催す。参加費は,会員12,600円,一般16,800円。
http://www.jagat.jp/content/view/3325/380/

12月10日,画像4学会合同研究会開催
 日本印刷学会,日本画像学会,日本写真学会,画像電子学会は12月10日,東京・神園町の国立オリンピック記念青少年総合センターで合同研究会を開く。「画像形成技術が拓くフレキシブル・プリンテッドエレクトロニクス」と題し,塗布印刷技術を用いたフレキシブルディスプレイの開発や,プリンテッドエレクトロニクスにおける導電配線材料の現状と課題などについて8講演を行う。定員200人,参加費主催・協賛学会会員1万円,共催・協賛学会学生5000円,非会員1万5000円。要申込。
http://www.isj-imaging.org/event/Joint4_seminar/2012_Joint4-smr.html

12月12日,Adobe CS6活用法セミナー開催
 Tooは12月12日,東京のEIZOガレリア銀座で「デザイン・DTPの現場で使えるAdobe CS6活用法」と題したセミナーを開く。Adobe製品の使い方や新機能などをDTPの現場に即した内容で紹介する。定員30人,参加費無料。要申込。
http://www.too.com/event/2012/adobe12/

12月12日〜2013年1月18日,本の贈りもの展開催
 竹尾は12月12日〜1月18日,東京・錦町の見本帖本店で贈りものに最適な本と包み方を紹介する「本の贈りもの展」を開く。紹介している本は同会場で購入でき,有料で展示作品と同じ包み方にできる。入場無料。
 また12月13日,同店で折りや包み,水引き,文様切り紙の作り方の講義を行う。定員8人,参加費3000円。要申込。
www.takeo.co.jp/seminar.html

12月14日,日本包装技術協会が化粧品包装のセミナー
 日本包装技術協会は12月14日,東京のスペースFS汐留で「化粧品包装セミナー」を開く。グローバルな視点で世界を見据えることをテーマに,多角的に化粧品・トイレタリー包装について講演する。参加費は会員22,050円,一般27,300円。要申込,定員120人。
http://www.jpi.or.jp/saiji/seminar/2012/1214.html

12月14日〜15日,2013年1月11日〜12日,25日,26日,経営を学ぶ合宿セミナー開催
 全日本印刷工業組合連合会は12月14日〜15日,1月11日〜12日,25日,26日,大阪市のホテルコスモスクエア国際交流センター,愛知・名古屋市のホテル名古屋ガーデンパレス,東京・中央区の晴海グランドホテルで,経営状況を数値管理し客観的に分析する方法を学ぶセミナーを1泊2日の合宿形式で行う。参加費組合員3万円,非組合員6万円。要申込。
http://www.aj-pia.or.jp/pdf/kachinokori_1.pdf

12月19日,日本印刷技術協会がIT動向のセミナー
 日本印刷技術協会は12月19日,東京・中野富士見町の同協会でWebデザイナー・テクニカルライターのこもりまさあき氏を講師に,講演会「印刷会社が知っておきたいIT動向2013」を催す。参加費は会員12,600円,一般16,800円。
http://www.jagat.jp/content/view/3911/380/

2013年1月31日〜2月1日,先端表面技術・会議展開催
 ASTEC実行委員会は2013年1月31日〜2月1日,東京ビッグサイトで先端表面技術・会議展を開く。コーティング装置や技術,フィルムや樹脂検査装置など表面処理に関する技術を展示する。事前登録で無料。
http://www.astecexpo.jp/index.html

◇◇PR◇◇
月刊『印刷雑誌』12月号を発行しました。特集は「サイン・ディスプレイ」で,UVインクジェット印刷機の活用で実績を上げている印刷会社を紹介するほか,インクジェットプリンタ技術やデジタルサイネージ,無機ELによるポスター表現なども解説します。また,2010年よりご好評いただいています大塚彰さんの連載「職場診断から見える印刷のツボ」がいよいよ最終回です。バックナンバーと合わせてご利用下さい。
http://www.japanprinter.co.jp/pages/artivols_2012.html

◇◇PR◇◇
フェイスブックでも情報収集を!
印刷学会出版部のフェイスブックを始めました。業界ニュースなどをタイムリーに発信いたします。どうぞご利用ください。
http://www.facebook.com/JapanPrinter

週刊『印刷雑誌』3巻49号
2012年12月3日発行
編集:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

go home

(C)2010 Insatsu Gakkai Shuppanbu Ltd.
All rights reserved.