週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 3巻52号 2012年12月25日
Japan Printer weekly Vol.3, no.52 毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

日本印刷産業連合会,著作隣接権の立法化に慎重姿勢
 日本印刷産業連合会は12月25日に「印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会」(通称:中川勉強会)が推進する「出版者への著作隣接権の付与」に向けた議員立法化が,まだ意見交換不足であるため,文字・活字文化推進機構が提案する「出版物に関する権利」運用ガイドライン委員会への参加を辞退する意向を表明した。今後,文化庁の審議会などを通じ,意見交換をしていく意向。

2012年は「境界」を超えた新たな結びつきが生まれた一年
 大日本印刷は12月20日,『メディアバリューレポートVol.54』を発行した。2012年における生活者のコミュニケーションと購買行動の変化を考察したところ,同年はスマートフォンの普及やSNSメディアの活性化などにより,リアル・ネット,企業・生活者,メーカー・流通,において双方の間に存在していた「境界」を超えた新たな結びつきが生まれ進化した一年だったという結果になった。

トゥ・ディファクト,hontoアプリをWiFi専用端末に対応
 電子書籍販売サイトhontoを運営するトゥ・ディファクトは,2013年1月上旬からWiFi専用機へのhontoアプリ対応を開始する。この対応により,電話機能を持たないAndroidOS搭載のWiFi専用機のアプリでも,コンテンツのダウンロードや閲覧が可能になる。Google Nexus,Sony Tabの2機種から対応を開始し,順次対応端末を拡大する。

BookLive,電子書籍用のプリペイドカードを発売
 BookLiveは12月18日,同社運営の電子書籍サイトBookLive!で配信中の『ONE PIECE カラー版』の1〜3巻を購入できるプリペイドカードを,全国のミニストップで発売した。電子書籍専用カードは日本初の試みとなる。インコム・ジャパンのレジで支払った時点で商品を有効化するPOSA技術を採用したため,ユーザーは同サイトでカード番号などを入力するだけで簡便に書籍を楽しむことができる。

メディアドゥ,ソフトバンクと電子書籍サービスで協業
 メディアドゥは12月20日,ソフトバンクモバイルと協業し,後者が運営するWebと全国の書店から電子書籍が購入できるサービス「スマートブックストア」を始めた。同サービスとトーハンが開発した電子書籍店頭販売システムを連携させ,全国の書店約1500店舗で電子書籍が買える。書店で代金を支払うと引換券がもらえ,同サービスで引換券の番号を入力するとコンテンツをダウンロードできる。

モリサワ,組版編集ソフトウェアをバージョンアップ
 モリサワは12月19日,組版編集ソフトウェア「MC-Smart 1」のバージョンアップ版 Ver.1.5の提供を始めた。電子書籍フォーマットEPUB3.0への書出しにも対応し,出力時のダイアログ画面で画像や目次,文書分割の設定などができる。

キヤノンマーケティングジャパン,A3判ドキュメントスキャナ発売
 キヤノンマーケティングジャパンは2013年2月上旬,A3判対応のドキュメントスキャナ「imageFORMULA DR-G1130・G1100」を発売する。A4判横のスキャンをカラー・モノクロともにでき,DR-G1130は片面毎分130枚,両面毎分260枚,DR-G1100は片面毎分100枚,両面毎分200枚を読み取れる。最大500枚給紙でき,薄紙でも安全に搬送する構造や,重送と原稿破損の抑止効果を高める分離パッドを搭載した。DR-G1130は112万円,DR-G1100は84万円。

MTeX,静電除去用高電圧変電装置発売
 MTeXは12月,ドイツのケルステン社の静電除去用高電圧変電装置「D106」を発売した。大型インクジェット機やデジタルラベル印刷機などの静電気を取り,小型のためプリントヘッドに内蔵可能。稼動状況はLEDで表示でき,エラーやメンテナンスの必要性なども把握できる。

フォントワークス,新書体を提供開始
 フォントワークスは12月17日,フォントワークスLETS会員向けに新たに10書体の提供を始めた。6ウエイトで展開している「筑紫Aオールド明朝-L/R/M/D/B/E」や,柔らかくポップな印象の「花風テクノ-E/U」など「筑紫オールド明朝」の一部漢字のデザインを見直した。

ユーホウ,3Dポスター・パネル展示場
 ユーホウは,商業・出版印刷を中心に6色印刷や700線くらいまでの高精細印刷なども手掛ける中,立体印刷も展開している。同社は12月19日,東京・表参道に立体表現物や大型3Dパネルと,6色印刷「ヘキサクローム」や高細線,高輝度・高色域印刷物に触れてもらうために,これらの展示室「イノベーションオアシス」を東京・神宮前に開設した。問合せは,電話03-6434-9880。

小野高速印刷,書籍の納品から販売を行うサービス開始
 小野高速印刷は12月19日,同社が運営する自費出版本と専門書を扱う電子書籍出版・販売サイト「BookWay」で,納品から販売までを代行するサービス「ハイブリッド出版パック」を発売した。紙書籍の納品,同サイトでのオンライン出版,amazon内のKindleストアへの登録などを行う。税込15万円。

大成,KBAの枚葉機導入
 パッケージ印刷の大成は12月,ドイツKBA社の菊全判枚葉オフセット8色UV機「Rapida 106」の導入を決めた。1月から稼働予定。同機は日本1号機で,ストレートだと最高2万枚/時の機能があるという。大成では,パッケージ用のプラスチック素材や厚紙に用で,UV・油性兼用で使う。

大日本印刷,米国のバーコード用熱転写インクリボンの生産設備を増設
 大日本印刷は12月20日,米国ピッツバーグ工場のバーコード用熱転写インクリボンの生産設備を増設すると発表した。産能力を約2倍にすることで一貫生産体制を強化し,生産リードタイムの大幅な短縮と,市場の拡大が見込まれる北米・中南米での競争力強化を図る。投資額は約10百万USドル(約8億円)で,2013年5月より稼働を始める。

大日本印刷,複合機統合管理システムを開発
 大日本印刷とシーイーシーは12月20日,複合機での認証プリントと利用ログをサーバーで一括管理する複合機統合管理システムを開発したと発表した。システムのサーバーに接続された複合機に個人を識別するICカードを複合機にかざすだけで利用できる。待ち時間の短縮や,サーバーと接続している複合機であれば出力物が不要で印刷できる。

大日本印刷,3Dプロダクションマッピングを使ったクリスマスツリーを提供
 大日本印刷は12月15日・16日,六本木ヒルズで開かれたイベントに3Dプロダクションマッピングを使ったクリスマスツリーを提供した。3Dプロダクションマッピングとは映像やコンピュータグラフィックなどを,建築や家具などの立体物に投影させる映像表現のこと。スティック型の物体にハグをするとツリーが19種類に変化する仕掛けを施した。

大日本印刷,環境配慮製品の開発ガイドラインを改定
 大日本印刷は2013年度より,「環境配慮製品の開発ガイドライン」を改定し,開発した製品やサービスに点数評価を行い,高得点のものに環境配慮の認定を与える制度を導入する。製品の差別化を図り,環境配慮製品の促進や拡大を目指す。

凸版印刷,電子チラシサイトに新商品情報のニュースページ
 凸版印刷は12月20日,電子チラシサイト「Shufoo!」で,企業のプレスリリースなどをもとに新商品情報を掲載するページ「おすすめ新商品ニュース」の公開を始めた。食料品や生活用品,ファッションなど日常の暮らしに関する新商品の情報を無料で発信する。スマートフォンやタブレット端末の専用アプリや,Facebookやtwitter,会員向けメールマガジンでも同じ情報を提供する。

凸版印刷,東日本大震災アーカイブの実証実験を開始
 凸版印刷は12月20日,インフォコムと共同で総務省の「“東日本大震災アーカイブ”基盤構築事業 デジタルアーカイブ構築・運用に関する実証調査」を委託され,「東日本大震災アーカイブ実証実験協議会」を設立し,調査を行っていることを発表した。同震災に関するデジタルアーカイブを構築・運用するさいの課題を抽出・検討し,記録・記憶・資料などを収集・保存・公開する体制整備の推進を図る。また,各地域ですでに行われている関連アーカイブを調査,検証する協議会を設立し,地域ごとの調査内容の協議も行う。同協議会は自治体や河北新報社などの企業が運営に参加している。

凸版印刷,ギフトカードASPサービスがソーシャルギフトサービスと連携
 凸版印刷は12月17日,ギフトカードの残高管理を行う「ギフトカードASPサービス」が,SNS上で商品券などを贈れる「ソーシャルギフト」と連動するシステムを開発し,提供を始めた。ソーシャルギフト連携として,ASPサービスとソーシャルギフトサービス「Bappy!」を接続させ,伊藤忠食品が発行するギフトカードをBappy!上で販売した。

凸版印刷,データセンターでのバックアップ体制を提供
 凸版印刷と日商エレクトロニクスとエヌシーアイは12月下旬,同社運営のデータセンター「TOPICA」の利用企業向けに,複数データセンターでのバックアップ体制を提供する「ディザスタ リカバリ サービス」を始める。災害発生時などエヌシーアイが提供する「ZETA Hosting」を活用し,東京のTOPICAデータセンターだけでなく,日商エレクトロニクスの大阪データセンターのサービスを継続できリスクを低減する。

共同印刷,電子材料EXPOに出展
 共同印刷は1月16日〜18日,東京ビッグサイトで開かれる電子材料EXPO「マテリアルジャパン」に出展する。湿気やアウトガスを除去する吸湿・吸着機能材料「モイストキャッチ」,酸素吸収フィルム「オキシキャッチ」,静電気対策の非接触型帯電防止フィルム「エレノット」などを紹介する。

凸版印刷,世界遺産がテーマのVR作品上映
 凸版印刷は2013年1月2日〜3月31日,国立文化財機構東京国立博物館東洋館にVR作品の上映施設「TNM&TOPPANミュージアムシアター」を開設し,2作品を上映する。カンボジアの世界遺産をテーマにした「アンコール遺跡バイヨン寺院:尊顔の記憶」では100万m3に及ぶ石造遺跡をVR技術で再現し,回廊の壁面レリーフに描かれた当時の戦いや生活の様子を解説する。またバイヨン寺院の関連作品「ナーガ上のブッダ坐像」や「浮彫アプサラス像」の実物を展示している。

凸版印刷,西欧中世時代のタペストリーをVR映像作品に
 凸版印刷は12月20日,NHK,NHKプロモーションと共同で,西欧中世時代のタペストリー「貴婦人と一角獣」の,デジタルアーカイブデータを活用したバーチャルリアリティ映像作品の製作を始めたと発表した。フランスのクリュニー中世美術館所蔵の同タペストリーを,デジタル撮影による約204億画素の高精細データを活用し細部まで映像に再現する。2013年4月24日〜7月15日に東京の国立新美術館で,7月27日〜10月20日に大阪の国立国際美術館で公開する。

リコー,CFP推進
 リコー プロダクションプリンティング(PP)事業本部は12月21日,同社のカーボンフットプリント(CFP)の取り組みを発表した。同社は,地球環境に配慮し,CO2削減を推進。グループでCO2排出総量を2000年度比で2020年までに30%,2050年までに87.5%削減を目標にしている。PP事業においては「環境経営」を軸とし,製品カタログのCFPを算定している。印刷会社にはCFP認証取得(産業環境管理協会が実施)を支援し,同社PP機器により作製した印刷物の「印刷物CFP算出ツール」を提供する予定。

富士ゼロックス,災害時の非常用電源供給協定を締結
 富士ゼロックスの神奈川県・竹松事務所は12月18日,開成町と災害時の非常用電源供給協定を結んだ。同事業所は複写機や複合機,プリンターなど画像形成材料の開発拠点になっており,生産機能維持のため小規模自家発電設備があり,その発電量の一部を開成町下水用に供給する。

グラペイン,東日本大震災復興支援カレンダー配布
 グラペインは2013年3月11日まで,東日本大震災復興支援ポスター配布プロジェクトの一環として,「復興支援カレンダー」を無料で配布している。これまで配ったポスターをカレンダーにしたA2判縦型と,プロジェクト賛同者から寄せられた写真を載せた卓上式のものがあり,Webサイトより申し込める。

2013年1月20日まで,スイスのデザイナーの活版を使った作品展開かれる
 東京・白金のプリントギャラリーは2013年1月20日まで,スイスのグラフィックデザイナー ロマノ・ヘニの作品展「タイポグラフィックノートII / and more ...」を開いている。表現の素材として鉛活字を用いた新作や,作品集などを展示する。また,同氏がタイポグラフィ・グラフィックデザインを学んだバーゼル・スクール・オブ・デザインの学生たちが同氏の指導の下,活版で制作した本やスケッチも展示している。
http://www.printgallerytokyo.com/ex_romanohaenni.html

2013年2月22日まで,ものづくり日本大賞募集
 経済産業省は2013年2月22日まで,内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」の募集をしている。製造・生産プロセス部門,製品・技術開発部門,伝統技術の応用部門,海外展開部門,青少年支援部門の5部門がある。
http://www.monodzukuri.meti.go.jp/

2013年1月11日,2月9日,3月8日,日本プリンティングアカデミー体験入学開催
 日本プリンティングアカデミーは2013年1月11日,2月9日,3月8日,東京・小石川の同校で体験入学を開く。印刷産業に関するセミナーや就職相談会などを行う。要申込。
http://www.jpa.ac.jp/node/121

2013年1月15日より,やさしいハンカチ展開催
 日本グラフィックデザイナー協会は2013年1月15日〜2月17日,東京ミッドタウン・デザインハブで「やさしいハンカチ展」を開く。岩手,宮城,福島の子供232人の絵をもとに385人のデザイナーがハンカチを作成し,展示・販売(1枚1200円)する。完成したハンカチは絵を描いた子供たちに贈られるほか,販売収益も各小学校へ還元し,子供たちが自ら使い道を考える。入場無料。
http://www.designhub.jp/exhibition/2012/11/15-1130.html

2013年1月16日,リコーがビジネスセミナー開催
 リコージャパンは2013年1月16日,東京・銀座の同社でセミナーを催す。「半歩踏み出せばビジネスは変わる」と題しbrain.designの佐々木雅志氏が,「印刷業の枠を超えて成長する“学習型自立企業”を目指して」と題し佐川印刷の佐川正純社長が講演する。入場無料,定員30人。問合せは,電話03-6278-5176。

2013年1月22日〜2月14日,演劇の世界をグラフィックで見る展覧会開催
 東京・銀座のクリエイションギャラリーG8は2013年1月22日〜2月14日,劇団チェルフィッチュの舞台作品の世界を公演ポスターやチラシ,写真などで紹介する「チェルフィッチュ個展」を開く。言葉や役者,舞台美術や照明に焦点を当てる。入場無料,日曜・祝日休館。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201301/g8_exh_201301.html

2013年1月23日,GC東京3部会合同セミナー開催
 東京グラフィックコミュニケーションズ工業組合「経営環境基盤に関する事業」の3部会は2013年1月23日,東京・水道の全水道会館で合同セミナーを開く。SNSなどのインターネット活用術をテーマとした講演や,パネルディスカッションを行う。定員80人,参加費5000円。要申込。問合せは電話03-3265-2714。

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月刊『印刷雑誌』2013年1月号を12月20日に発行しました。特集「印刷技術の未来」では,印刷技術の応用としての,眼科医療やプリンテッドエレクトロニクス,そして今後再度話題になるのではないかとMISを取り上げました。先の2点は,中小の印刷会社が取り組むにはハードルが高過ぎますが,技術の参考として捉えていただけましたら幸いと存じます。また,2012年9月号よりご好評いただいております小林宗正さんの連載「改善!現場なかせのデータ運用」がいよいよ最終回です。バックナンバーと合わせてご利用下さい。
http://www.japanprinter.co.jp/pages/artivols_2013.html

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印刷学会出版部のフェイスブックを始めました。業界ニュースなどをタイムリーに発信いたします。どうぞご利用ください。
http://www.facebook.com/JapanPrinter

◇◇お知らせ◇◇
次回は,2013年1月7日(月)に発行し,12月31日号はお休みとさせていただきます。本年1年,ありがとうございました。2013年も週刊『印刷雑誌』を何とぞよろしくお願い申し上げます。

週刊『印刷雑誌』3巻52号
2012年12月25日発行
編集:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

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