週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 5巻08号 2014年3月3日
Japan Printer weekly Vol.5, no.08
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

エプソン,ビジネスインクジェットプリンタの新製品8機種を発表
 エプソン販売は2月27日,生産性や操作性を向上しファックス機能を拡充したビジネスインクジェットプリンタおよび複合機の新製品を8機種発表した。A4判対応の「PX-M840F」と「PX-S840」を3月6日に,A3ノビ判対応の「PX-M5041F」,「PX-M5040F」,「PX-S5040」を3月20日に,A4判対応の「PX-M741F」,「PX-M740F」,「PX-S740」を4月10日に発売する。オープン価格。また,A4判とA3判,A3ノビ判のビジネス普通用紙も3月6日にオープン価格で発売する。

キヤノン,業務用カメラ専用のリモコン発表
 キヤノンは2月25日,業務用カメラ専用のリモートコントローラー「RC-V100」を6月に発売し,デジタルシネマカメラなどの機能拡張のためのファームウエアを2月から6月にかけて順次提供すると発表した。

東洋インキ,インキと接着剤値上げ
 東洋インキは2月24日,インキとラミネート接着剤について3月20日出荷分より次のとおり値上げすると発表した(すべて1kg当たりの金額)。オフセット枚葉インキと輪転インキ(中間色・特練含む)は追加改定額20円(昨年発表60円と40円),UVインキ(中間色・特練含む)40円,グラビアインキの白インキと色インキ・メジウム・ワニスは追加改定額20円(昨年発表40円と30円),水性インキ20円,出版グラビアインキは追加改定額20円(昨年発表20円),ラミネート接着剤の主剤は追加改定額15円(昨年発表30円),同硬化剤は同10円(昨年発表30円)。

凸版印刷,見えるO2Oサービスやお買い得情報配信サービス実施
 凸版印刷の電子チラシポータルサイトShufoo!は,同社の位置連動型コンテンツ配信ソリューションを活用し,店舗でBluetoothによる電子クーポンを配布することで,チラシを見た消費者の来店がわかる,O2Oサービス「Shufoo!来店クーポン」の実証実験を始めた。2月14〜20日と2月24日〜3月2日,イトーヨーカドー木場店にて実施。この実証実験の結果をもとに,同サービス内容を開発し,7月より販売を始める予定。
 また凸版印刷は2月27日,Shufoo!とイシダの電子棚札を連携させたリアルタイム店内お買い得情報配信サービスを開発したと発表した。POSと連動した電子棚札の情報から,生活者が来店するためのフックとなる,広告の品,お買い得品,値引き,タイムセールなどの商品の価格の情報を活用し,店舗の商圏内のShufoo!利用者にタイムリーに情報を自動配信可能になる。
 両サービスは,3月4日〜3月7日に開かれる「リテールテックJAPAN 2014」(東京ビッグサイト)の凸版印刷のブースで展示する。

早稲田大学,富士ゼロックスの動画検索技術を採用
 富士ゼロックスは2月25日,同社の動画検索技術「TalkMiner」が,2月25日公開の早稲田大学の授業公開プラットフォーム「Waseda Course Channel」に採用されたと発表した。この動画検索技術は,同社の米国関連会社FX Palo Alto Laboratory, Inc.が研究・開発。動画内のスライドからテキストを自動で抽出してインデックス化するため,メタデータが付与されていない動画の検索が可能になる。また,Web上にある講義の動画を対象にして,キーワードを入力し検索ボタンを押すだけで,キーワードが出現する動画のシーンの検索ができる。

日本郵便,優れたダイレクトメールを顕彰
 日本郵便は2月27日,東京・丸の内のJPタワーで「全日本DM大賞」の贈賞式を開いた。マーケティングやクリエイティブ性,実施効果の点で優れたダイレクトメール(DM)を顕彰するもので,今回はグーグルが展開しエムアールエム・ワールドワイドが制作したDM「〜ビジネス繁盛の“カギ”をGoogleと一緒に見つけませんか〜サービス体験型DM」がグランプリに選ばれた。

全印健保,組織のスリム化へ
 全国印刷工業健康保険組合は2月24日,東京・新川の全印健保会館で組合会を開いた。組合財政健全化を目指す特別委員会は,3月の支部廃止にさいし,各地区での説明会を開催するため,理事・議員への支援を求めたほか,議員の定数を62人から30人へ,理事の定数を30人から14人に削減することを答申した。また委員会は保険料率に関し,協会けんぽの料率を下回らないよう1000分の100を維持することを理事長に提案した。

日本印刷産業連合会,デジタル印刷の展望を聞く
 日本印刷産業連合会は2月27日,東京・新富の日本印刷会館で「“デジタル印刷の現状と展望”に関する調査報告会」を開いた。同連合会が実施した,印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査の結果報告があったほか,デジタル印刷機メーカー5社から最新情報の紹介があった。また「印刷業界ごとに異なるデジタル印刷の現状と展望」と題して,凸版印刷の安藤富雄,東洋美術印刷の山本久喜,日本フォーム印刷工業連合会の山口実,クリエイト横浜の上澤宏史の各氏が,日本印刷技術協会の相馬謙一氏をコーディネーターにパネル討論した。

東京地区印刷協議会,今後の展開事例を聞く
 全日本印刷工業組合連合会は2月24日,東京のモントレ銀座で東京地区印刷協議会を開いた。「印刷道:ソリューションプロバイダーへの深化」のテーマで同連合会の島村博之会長が,今後の印刷会社の展開を,地域活性プロモーター,特定機能プロバイダー,特定業界スペシャリスト,メディアプロダクトメーカー,パーソナルメディアショップ,印刷製造スペシャリストの6類型に分け,成功事例を交えながら解説した。

全国ぷらざ協議会,フリーペーパーとWebの連動を模索
 フリーペーパーの印刷や発行を中心に活動している企業の情報交換会「全国ぷらざ協議会」は2月26日・27日,名古屋クラウンホテルで勉強会を開いた。タイポロジ社長で印刷産業評論家の竹原悟氏による「ICT化する変貌と印刷界への警鐘」,同協議会の五百旗頭忠男代表代行による「印刷人も地球温暖化防止を意識する時代になってきた」,環境思考の大川光司社長による「森のエコステーション活動とエコポイントカード」,フィックス社長で医療・介護施設雑誌『創美』の和田貢編集主幹による「創美webの真骨頂を紐解く」,地域新聞社の臼井保浩氏による「チイコミの開発・現状」などの講演や意見交換を行った。

日本印刷学会,紙と印刷の未来を考えるシンポジウム
 日本印刷学会は2月28日,東京・新富の日本印刷会館で「紙メディアの将来技術と需要を支えるこれからの戦略」をテーマにシンポジウムを開いた。認知科学から見た紙媒体の考察や,新しい表現を模索するクリエイターが印刷用紙に期待すること,紙パルプ産業の海外展開,印刷適性を高めたダンボール紙の開発,偽造防止用紙の技術,用紙への塗布や印刷プロセスの数値解析技術,紙を素材にした3Dプリンタ,の解説があった。

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本格的な電子書籍の攻勢を前に果たして紙は生き残れるのか?紙を専門に研究してきた筆者がその時々に興味を持った時事問題や社会情勢にも触れた一冊。『紙と印刷の文化録:記憶と書物を担うもの』

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月刊『印刷雑誌』10月号,特集は「3Dプリンタと印刷」。製品の試作品や,家具や雑貨,医療器具や玩具などさまざまな分野で活用が広がっている3Dプリンタを紹介。印刷会社での利用例や,印刷という世界への今後の影響も考察。技術革新が進み注目されている分野であり,頭の片隅に情報を入れておいてはいかがか。

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月刊『印刷雑誌』2014年1月号,特集は「未来に進化する技術と企業」。ユビキタス社会,PODビジネス,今流行りの3Dプリンタ(のしかも最先端)を取り上げました。また特集外でも,業界の活性化を図る印刷会社や機材メーカーの取り組み,海外での印刷事情なども紹介しています。読者の皆様の,今後の展開を考える上での参考になれば幸いです。

日本印刷学会中部支部がITのセミナー
 日本印刷学会中部支部は2月27日,愛知県印刷工業組合,岐阜県印刷工業組合,三重県印刷工業組合,中部グラフィックコミュニケーションズ工業組合と共催で,六番町の名古屋市工業研究所で「新しいスキルと新しい印刷展開を創る:ソリューションからその先のイノベーションへ」をテーマに,ITに関するセミナーを催した。「はじめてのHTML5講座」として富士フイルムグローバルグラフィックシステムズの渡邊泉氏が,「印刷業界・デザイン会社のためのCreative Cloudの導入価値とは」と題しアドビシステムズの大倉壽子氏が講演した。

FFGS,湿し水と無処理版をテーマに環境配慮型の印刷技術セミナー
 富士フイルムグローバルグラフィックシステムズは2月27日,東京・西麻布の同社で環境配慮型の印刷技術を解説するセミナーを開いた。湿し水と無処理版に焦点を当て,印刷現場や工程の改善のための技術を紹介した。なお同社は今後,同様のセミナーを日本全国で実施する。

コダック,売れる印刷営業の大学開校
 コダックとソフトブレーンは2013年12月に印刷業界の営業改革・営業力強化を支援していくため協業を発表したが,コダックとソフトブレーン・サービスは2月27日,印刷会社の営業力強化支援プログラムとして「売れる印刷営業の仕組みづくり大学」を共催し9月より開校すると発表した。なお,4月より0期生向けの特別プログラムを開校することを決めている。0期募集要項は,定員40人(先着順),受講料1人24万円など。

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『なるほど「湿し水」–管理とトラブル対策-』今まで断片的に語られていた部分を整理・解説し,印刷トラブルを防ぐための方法を紹介します。

モリサワ,IT業界へ文字を使ったクラウドサービスを紹介
 モリサワは2月26日・27日,東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開かれたIT技術の展示会「Cloud Days Tokyo」に出展した。Webでフォントを配信してWebブラウザで表示するクラウドサービス「TypeSquare」と,印刷データを利用してスマートフォンやタブレット端末に情報を配信するクラウドサービス「MCCatalog+」を紹介した。

大日本スクリーン製造,社長に垣内氏
 大日本スクリーン製造(株)は2月28日,4月1日付で垣内永次氏が代表取締役社長に,橋本正博社長が取締役副会長に就任する人事を発表した。

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電子版『印刷雑誌』
,電子書籍書店BookStackにて好評発売中! PCやタブレット端末にダウンロードすれば,いつでも閲覧して情報収集,印刷技術の学習ができます。営業ツールとしてもご利用ください。(データ形式はPDFとLeafThroughがあります。紙版の発行から遅れての発売となります。バックナンバーも購入いただけます)

3月4日〜7日,ビッグサイトで建築・建材展2014

 「建築・建材展2014」が3月4日〜7日,東京ビッグサイトで開かれる。大判プリンタによるソリューションも紹介される。
https://messe.nikkei.co.jp/ac/

3月5日,スターティアラボが新宿でARのセミナー
 スターティアラボは3月5日,東京の新宿モノリス,スターティアラボセミナールームで「〜話題の拡張現実(AR)と,電子書籍ソリューション〜紙と電子をどう活かす?最先端の出版業界の取り組みと未来!」をテーマにセミナーを行う。ARを使って得られるメリットや新しいビジネスモデル,これからの出版業界の取り組みについて,事例を交えながら紹介する。参加費無料,要申込。問合せは,電話03-5339-2105。

3月7日,リコージャパンが各種セミナーを開催
 リコージャパンは3月7日,銀座のリコーソリューションスクエア東京で同日に複数のセミナーを行う「Seminar & Forum in GINZA」を開催する。テーマは「待ったなしのBCP(事業継続)」「Windows XP移行最後のチャンス」「リコーのコミュニケーションスタイル変革へのチャレンジ」「“営業のゲーム化”で業績アップを実現せよ」「ホームページが誰でも簡単にできる体験会」の5つ。定員は各セミナー16人〜20人,入場無料,要申込。問合せは,電話03-5652-2150。

3月12日,日本HPが紙器・パッケージデジタルイノベーションセミナー
 日本ヒューレット・パッカードは3月12日,東京・江東区の同社で「紙器・パッケージデジタルイノベーションセミナー」を催す。参加無料,要申込み。
http://h50146.www5.hp.com/products/printers/designjet/event/digital_innovation/

3月14日,画像学会が産業用インクジェットの勉強会
 日本画像学会は3月14日,東京の恵比寿カルフールで勉強会を催す。「デジタルプリントメディアの現状と可能性〜産業用インクジェット紙の実力と将来性〜」と題し,三菱製紙の木村篤樹氏が話す。参加は,原則として同学会個人会員だが,空席が残っている場合のみ一般も受け付ける。参加費1000円。
http://www.isj-imaging.org/event/imagingcafe/yokoku140314.html

3月14日,大阪でローランド ディー.ジー. がグラフィックデザイン講座
 ローランド ディー.ジー.は3月14日,大阪の同社営業所で「“匠”シリーズ:プロから学ぶグラフィックデザイン制作」を開く。定員6人,受講料は一般31,500円。
http://www.rolanddg.co.jp/academy/2013/2013aca_proseminar.html

3月25日,大阪で中国山東省の輸出商品展示商談会
 「中国山東省輸出商品展示商談会」が3月25日,マイドームおおさかで開かれる。包装製品や出版物などもある。
http://www.shandongfair.cn/index0.html

10月22日〜24日,名古屋で次世代ものづくり技術展
 「次世代ものづくり基盤技術産業展TECH Biz EXPO」が10月22日〜24日,ポートメッセなごやで開催される。主催は名古屋国際見本市委員会。
http://www.techbizexpo.com

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内
2014年3月号 【特集:LED-UVと省電力UV】
 多くの産業でUV技術は進んできましたし,今後も応用は進むと言われています。印刷業界では環境対応として省エネルギーを謳うLED-UVと省電力UVが登場してきました。両者にはそれぞれ利点もあり,また課題もあります。対応する資材もそれぞれで,正しく使いこなさなければその特長を生かせません。本特集ではそれぞれの印刷機,インキ,ローラやブランケットの特徴や現状をまとめました。
 また,本号からジクス株式会社による新連載「枚葉機における品質検査装置」がスタート。枚葉オフセット印刷における,検査装置導入の成功の秘訣を解説します。“品質保証による差別化”を目指す印刷会社の方々には必見です。

編集長 今週のおすすめ書籍
『メディア・ユニバーサルデザイン–みんなに優しい情報制作のガイドライン–』
全日本印刷工業組合連合会 著,発行
 本号の記事にありましたように,日本郵便による「全日本DM大賞」というダイ
レクトメール(DM)のコンテストがありました。グランプリのグー グルの作品は,鍵をかけた箱にグッズと案内書が入ったDMで,受け取った人がWebサイトにアクセスし暗証番号を取得して開封するというユニークなものでした。そのほかの受賞作も,受け取った人が思わず開封して内容を確かめたくなるような工夫がさまざまに凝らされていたのですが,DMに限らず,さまざまな案内書や資料で重要なのが受け手に伝わりやすいデザインです。
 近年では「ユニバーサルデザイン」という言葉がよく使われますが,視覚障がい者や高齢者を含め,誰もが情報を公平に入手し,主体的に判断できる 社会環境を整えるため,多くの人が視覚的に理解できる「メディア・ユニバーサルデザイン」(MUD)の視点が社会に求められています。
 書籍『メディア・ユニバーサルデザイン–みんなに優しい情報制作のガイドライン–』は, このMUDを取り巻く現状調査や企業・団体の取り組み,技法,適応例をオールカラーで解説する,企業・デザイナーのための支援書籍です。「MUDコンペ ティション」などで同デザインの重要性を世に広くアピールしている全日本印刷工業組合連合会が発行し,メディア・ユニバーサル・デザイン協会でも参考書として紹介しています。高齢社会,多様な人が活躍し暮らしやすい社会のために,MUDは今後ますます重要な考え方になります。あらゆるもののデザインや,人に“伝える”ということを考えるとき,MUDとはどういうものなのか,ぜひ本書を参照していただければと思います。

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印刷学会出版部のフェイスブックで,業界ニュースなどをタイムリーに発信しています。どうぞご利用ください。
http://www.facebook.com/JapanPrinter

週刊『印刷雑誌』5巻08号
2014年3月3日発行
編集長:末包愛
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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