週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 5巻23号 2014年6月23日
Japan Printer weekly Vol.5, no.23
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

アドビ,新たなクリエイティブツールやサービスを発表
 アドビシステムズは6月19日,東京の六本木アカデミーヒルズで新製品を紹介するイベントを開いた。PhotoshopやIllustratorなどのアプリケーションをクラウドで提供する「Creative Cloud」は,より利用者の利便性を図り14のデスクトップアプリを更新した。また,月額980円で画像編集・管理ツールであるPhotoshopとLightroom,これらのモバイル端末対応アプリを使えるサービスも始めた。さらに,モバイル端末上でスケッチや製図ができるデジタルペン「Adobe Ink」とデジタル定規「Adobe Slide」を開発。日本では2014年内に発売する。
 同社が行ったクリエイティビティに関する調査によると,米国のクリエイターの77%が業界の急速な変化を感じており,その推進力は携帯性と即時性のあるモバイル機器や機能などの新技術だと考えている。創作の発想源としてソーシャルメディアやWebサイト,オンライン広告などを挙げた回答者は,従来型のファッションや建築と答えた回答者数の2倍で,クリエイターは専門家同士のオンラインコミュニティにも注目していることがわかった。

モリサワ,大日本印刷・凸版印刷が提供の書体を発売
 モリサワは,大日本印刷の書体「秀英体」の「秀英横太明朝M」と「秀英横太明朝B」のライセンス提供を同社より受け,9月に同書体を発売する。また,9月より凸版印刷が開発中の書体「凸版文久明朝 R」をはじめとして,「凸版文久ゴシック R」「凸版文久ゴシック DB」「凸版文久見出し明朝」「凸版文久見出しゴシック」の4書体を順次発売する。

キヤノン,画像編集ソフトをバージョンアップ
 キヤノンは,撮影画像の編集用ソフトウェア「Digital Photo Professional」を6月26日に更新し,無償提供を始める。また,カメラの設定や画像転送などの遠隔撮影のためのソフトウェア「EOS Utility」も同日に更新する。

東洋インキ,カラーUD支援ツールに新機能
 東洋インキは6月20日,パッケージや表示物などのカラー画像の配色を,見た目の配色を変更することなくカラーユニバーサルデザイン(CUD)に対応させる新機能「ディザ」を産学協同で開発,従来同社が無償配布してきたCUD支援ツール「UDing」シリーズに同機能を搭載したMac OS X版ソフトウェア「UDingディザ」としてラインアップし,6月より配布を始めた。

Too,アニメーション制作ソフトウェア発売
 Tooは6月17日,2Dカートゥーン調アニメーションを作成できるソフトウェア「CrazyTalk Animator2 日本語版」を発売した。奥行きのある立体的な表現も可能なアニメーションを,高度なツールや多くの絵を必要とせず,直感的に作成できるため,ビジネスシーンの視覚的な発表資料,Webビデオ,CM,放送などの用途にも使える。

VPJ,映像業界向けのデジタル資産管理システムを発売
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは6月19日,映像業界向けにリッチメディアを管理するWebブラウザベースのデジタル資産管理システム「thiiDa3」を発売した。入力から編集・制作におけるデータの共有,検索,配信,アーカイブなどをブラウザから行える。

キヤノン,ミラーレスカメラ用レンズシリーズのラインアップを拡充
 キヤノンは7月上旬,ミラーレスカメラ「EOS M」用の交換レンズ「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」を発売する。コンパクトなデザインの望遠ズームレンズで,ボケ味を生かしたポートレートや風景などを手軽に撮影できる。

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日本を代表する雑誌「アンアン」「クロワッサン」「エル・ジャポン」などで鋭感覚のレイアウトをプロデュースしてきた著者が,理論と技法を多数の実例でわかりやすく展開する。『写真を活かすレイアウト』

山田照明,色評価向けLEDライト発売
 山田照明は5月,写真やグラフィックスを楽しむ人や,印刷物の色評価に携わる人向けに,より自然の光に近いLEDタスクライト「Z-80PRO B」を発売した。高演色性能素子を使用したLEDを採用し,一般的な平均演色性,繊細な色再現性の基準となる特殊演色性でも高い再現性を持っている。

エプソン,業務用インクジェットフォトプリンタ発売
 セイコーエプソンは7月下旬に,業務用インクジェットフォトプリンタ「SureLab」シリーズのエントリーモデル「SL-D700」を発売する。DPEショップ向けには,店舗向けオペレーションソフトを組み合わせたセットモデルがある。予想市場価格はプリンタ単体モデルが37万円前後,操作ユニット付きセットモデルが100万円前後。

SO-KEN,可食インクで直接印刷可能なフードプリンタを発売
 SO-KENは6月23日,厚さ15mmまでの食品に可食インクで直接印刷できるダイレクトフードプリンタ 「TP-101E」を,同社Webサイトで発売した。13万5000円。

トゥ・ディファクト,メディアに関する電子書籍4タイトルを発売
 大日本印刷のグループ会社であるトゥ・ディファクトは,ジャーナリスト・津田大介氏の有料メールマガジン「メディアの現場」をまとめた電子書籍『津田本シリーズ』4タイトルを,6月20日から同社が運営する電子書籍ストアhontoで限定販売している。同書籍は紙に先行して電子書籍を発売した。

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出版デジタル機構の植村八潮会長(専修大学教授)の唯一の単著。現在の電子書籍ブームへの軌跡を10年以上に渡り追い続けた記録を一冊に集約。『電子出版の構図』
 紙文化の未来はどこに向かうのか?デジタル情報化社会の奔流に立ち向かう老舗印刷屋最前線実録。『我,電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す』
 編集・校正界の重鎮が長い経験で培った校正知識を詰め込んだ,デジタル時代だからこそ気をつけたい,本づくり・文章づくりに必読の一冊。『本の品格―電子書籍にも必要な校正読本―』

ぺんてる・キヤノンMJ,「校舎の思い出プロジェクト」を開始
 ぺんてるとキヤノンマーケティングジャパンは,建て替えや統合により取り壊される小学校の校舎での思い出づくりをサポートする「校舎の思い出プロジェクト」を6月28日より始める。児童や保護者,卒業生などが絵の具やクレヨンで校舎の内外の壁にデザインを描き,写真を撮影して大判ポスターを作成する。また,児童が広報カメラマンとなり,制作過程のアルバムも制作する。

凸版印刷,高精細デジタルサイネージの店頭プロモーション実証実験を開始
 凸版印刷とさいか屋は,高精細4Kデジタルサイネージを活用した店頭プロモーションの効果を検証するため,6月18日からさいか屋川崎店で実証実験を始めた。高精細4Kデジタルサイネージと,凸版印刷のクリエイターが制作した静止画・動画によるお中元ギフト商品の店頭販促の効果を検証する。

大日本印刷,マイクロアドデジタルサイネージと業務提携
 大日本印刷とマイクロアドデジタルサイネージは6月20日,デジタルサイネージソリューション事業において業務提携し,デジタルサイネージの設置場所や時間帯に応じた広告配信サービスを行う,アドネットワーク事業を始めると発表した。提携の第一弾として,デジタルサイネージで展開する大学生向け情報提供サービス「キャンパスTV」で両社のシステムを連携し配信する。

大日本印刷,生活者向けコミュニケーションサイトを公開
 大日本印刷は6月18日,生活者向け情報発信を行うコミュニケーションサイト「ドットDNP」を公開した。生活者や大学,NPOや企業とともに,さまざまなテーマについて考えるためのサイト「みらいドットDNP」。DNPの事業をわかりやすく説明する「DNPenguin広報室」。体験型ショールームの内容を紹介する「コミュニケーションプラザ ドットDNP」の3つのサイトから構成している。

シーピーデザインコンサルティング,健康増進のためのセミナーを開催
 大日本印刷の子会社シーピーデザインコンサルティングは,創立12周年を記念し,社員の心身の健康をテーマにしたセミナーを,7月8日に東京・五反田の大日本印刷で開く。

東洋インキ,インドネシアでプライベートショウ
 東洋インキインドネシア社は会社設立20周年を記念し,6月23日にジャカルタ・インターコンチネンタルホテルで,グループとしてインドネシア初のプライベートショウを催す。

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技能五輪競技種目に採用されている印刷機トレーニングシミュレーター
SHOTS 枚葉オフセット印刷機のトレーニングが印刷機・資材を使わず社内で行えます。印刷障害の疑似体験と対処方法を効果的に学習できます。指導者の育成,技能評価,社内教育制度の構築に役立ちます。
 下記Webサイトで操作方法や訓練方法を参照できます。(株)プロバリュー(電話06-6330-0905)
https://www.youtube.com/user/hiroprinting

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電子版『印刷雑誌』,電子書籍書店BookStackにて好評発売中! PCやタブレット端末にダウンロードすれば,いつでも閲覧して情報収集,印刷技術の学習ができます。営業ツールとしてもご利用ください。(データ形式はPDFとLeafThroughがあります。紙版の発行から遅れての発売となります。バックナンバーも購入いただけます)

7月4日・5日,仙台で人材育成をテーマに印刷関連の展示会
 7月4日・5日,宮城・仙台卸商センター産業見本市会館サンフェスタで,人材育成に焦点を当てた印刷関連のイベント「SOPTEC とうほく」が開かれる。富士フイルムグローバルグラフィックシステムズは,印刷会社の成長戦略を提案するセミナーを行う。
http://www.miyagi-pia.or.jp/soptec/

7月4日〜28日,東京・銀座で広告・デザイン賞の作品展
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーとクリエイションギャラリーG8は7月4日〜28日,東京アートディレクターズクラブが主催する広告・デザインのコンテスト「ADC賞」の受賞作品展を開く。前者で同クラブの会員作品を,後者で一般応募の作品を展示する。入場無料。問合せは,電話03-3571-5206,03-6835-2260。
 同展は来年1月15日〜2月15日に,長野の市立小諸高原美術館へ巡回する。入場無料。問合せは,電話0267-26-2070。

7月5日,東京ビッグサイトで出版産業のシンポジウム
 本の学校は7月5日,有明の東京ビッグサイト会で,「本の学校出版産業シンポジウム」を開く。「これからの書店ビジネスを展望する:リアル書店のネット時代への対応策」をテーマにした特別講演のほか,4つの分科会と交流会を行う。特別講演は参加無料。分科会と交流会はそれぞれ参加費3000円,5000円。要申込。
http://www.honnogakko.or.jp/archives/388

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DTPやデジタル化により,簡便に印刷物が作成できるようになった。しかし一方では組版などの基本を知らない編集者,デザイナー,印刷人が増殖している。著者が半世紀にわたる編集歴で培った知識・ノウハウのすべてを伝授する,デジタル時代の本づくり決定版。第二版刊行に当たり,主に漢字の字種・字体,オックスフォードルール・シカゴルールの新版,印刷校正記号の改正に対応し加筆を行った。『本づくりの常識・非常識[第二版]』

7月9日〜8月26日,全国でアドビCCの新機能紹介のセミナー
 Tooは7月9日〜8月26日,福岡,京都,北海道・帯広・札幌,仙台でセミナーを開く。アドビ社のクリエイティブサービス「Adobe Creative Cloud」の最新機能を中心に,実務でのスピードアップや品質の向上に役立つコツを紹介する。
http://solution.too.com/event/y2014/adobecc07/

7月10日,デジタルサイネージのトレンド紹介のセミナー
 ナビットは7月10日,東京・神保町の高橋ビルで,デジタルサイネージの最新トレンドを紹介するセミナーを開く。講師はビデオリサーチの野原久男氏,オリコムの吉田勝広氏。参加費1万円。定員30人,要事前申込み。
http://www.navit-j.com/press/sem140710.html

7月15日,表面技術協会がめっき技術に関する講演会
 表面技術協会は7月15日,東京・青梅の産業技術総合研究所で,「新しいめっき技術と日本産業の問題点」をテーマとした講演会を催す。参加費は部会員,監事,公的機関は無料。表協会員・協賛団体会員5000円,学生会員2000円。一般は1万円,学生5000円。定員150人,要事前申込み。
http://www.sfj.or.jp/kaikoku/20140715SMK.html

7月16日,大阪で小規模企業向けの販路拡大セミナー
 新規開拓支援センターは7月16日,大阪のリコージャパンで小規模企業向けに「販路拡大,製品PRの“やり方”セミナー」を開く。講師は営業コンサルタントの山田英司氏。参加無料。定員20人,要事前申込み。
http://insatu-sinki.com/seminar/20140716/

8月28日,名古屋市で印刷工場の省エネに関するセミナー
 日本印刷学会中部支部は8月28日,愛知・名古屋市工業研究所で印刷工場の省エネ・節電に関するセミナーを開く。会員5000円,一般7000円。定員50人,要事前申込み。
http://www.jspst.org/event/140828.html

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月刊『印刷雑誌』2014年6月号,好評発売中。特集「印刷工場の省エネ・節電」では,印刷工場全体あるいは印刷会社全体の省エネ(節電)を取り上げました。空調でも照明でもわれわれは電力に依存しています。電力供給が止まったときの事業・操業継続も考えておくことが必要ですが,省エネ活動を続けるというのは難しいようです。 本号ではこのほか,3月にロンドンで開かれた国際印刷機材展Ipex2014のレポートや,デジタル印刷の動向,クロスメディアの事例紹介などの最新情報も満載。

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内
2014年7月号 【特集:印刷を支える用紙】
 7月号の特集は印刷用紙がテーマです。紙の選択や扱いを工夫すれば,これまでにない印刷効果を出したり生産効率を上げることができるのかもしれません。ネット受注に頼らず,印刷会社の営業マンと印刷技術に頼った印刷物製作に多少値が高くても特別な紙や技術を使うと印刷ビジネスの拡大につながるかもしれません。
 また,本号では好評連載の「枚葉機における品質検査装置」が最終回です。お見逃しなく。

編集長 今週のおすすめ書籍
『印刷まんがシリーズ 本づくり』
山本隆太郎 監修 じびきなおこ 画
 7月2日〜5日に,有明の東京ビッグサイトで「東京国際ブックフェア」が開かれます。出版社や新聞社,取次会社や印刷会社など本に関わるさまざまな企業や人が一堂に集まり,今年は過去最多の1530社が出展するとか。小誌でもせっかくなのでしばらく,小社の出版関連書籍を紹介したいと思います。
 第一弾は,小社書籍の中でも唯一漫画の形態をとり異彩を放つ『印刷まんがシリーズ 本づくり』。内容は,新人編集者ユウコが出版編集の基本を学びながらパリ旅行のムックを作り上げるまでを,愉快な漫画でわかりやすく解説。ストーリーはパリの街や観光名所,印刷工場などを巡る様子を面白く織り交ぜながら,取材や原稿執筆から,コンピュータ時代の編集,印刷方式の違い,印刷用紙の選び方,原価計算,出版流通の仕組みなど,本づくりに必要な知識が展開されます。編集者の目の回るような苦労と,さまざまな人との連携によって一冊の本が出来上がっていく楽しさも感じられる,これから本づくりを目指す人たちにぜひ手にとってもらいたい好著です。

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週刊『印刷雑誌』5巻23号
2014年6月23日発行
編集長:末包愛
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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