週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 5巻39号 2014年10月20日
Japan Printer weekly Vol.5, no.39
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

エプソン,電子ペーパー使った時計の新シリーズ発売
 エプソンは10月16日,電子ペーパー技術を使用した時計「Smart Canvas」に,スヌーピーとその仲間たちをあしらった「PEANUTS」,欧文フォント「Helvetica」「Zapfino Extra」をモチーフにした「Monotype」を追加し発売した。

キヤノン,MRシステムの利便性高めるソフトウェア発売
 キヤノンは10月14日,現実の映像とCG をリアルタイムに融合する複合現実感(MR)システム「MREAL」の利便性の向上を図る2種類のアプリケーションソフトウェアと,更新した基盤ソフトウェアを発売した。「MREAL Visualizer 2.0」は,11種類の3Dデータフォーマットの読み込みに対応。「MREAL Direct Viewer 1.0」はCAD やビューワーなどの3Dソフトウェアと「MREAL」を連動し,編集作業をリアルタイムに反映する。

日本HP,テクニカル向け大判複合機発売
 日本ヒューレット・パッカードは10月下旬,テクニカル向けA0判対応複合機「HP Designjet T3500 eMFP」を発売する。スキャナにはバッチスキャンや,複数ページのPDF作成,スキャンデータをEメールで送信するなどの機能を搭載。TDPパートナーによる従量課金サービスとセットで提供する。オープン価格。

U-TOMLINK,米国製プラスチックパレット発売
 U-TOMLINKは10月14日,米国Jeco Plastic Products社のパレットに関する日本の代理店であることを発表した。Jeco社は,大半の枚葉印刷機メーカーの印刷機用にプレスチックのパレットを製造するメーカー。同社のパレットは,再生樹脂でなくバージン樹脂と金属骨を使い,丈夫で壊れにくく,25〜30年使えることに特長がある。木製パレットの倍以上の耐久性と言う。

キヤノンMJ,カラーライトプロダクション市場を拡充
 キヤノンマーケティングジャパンは10月14日,プロダクション事業に関し近況を発表した。2014年比2016年はプロダクション事業で36%増を見込んでいる。4月に設立したキヤノンプロダクションプリンティングシステムズは商品ラインアップ拡充と拡販体制の構築を図る。カラー・ライトプロダクション市場は,新製品を投入して,2017年までに180%成長,シェア25%を狙う。クリエイティブアーツ市場は既存の商品力低下を新製品投入で活性化する。

印刷博物館,お雇い外国人が日本に伝えた近代印刷技術の展覧会
 東京・水道の印刷博物館は2015年1月12日まで,「印刷と美術のあいだ:キヨッソーネとフォンタネージと明治の日本」展を開いている。明治時代にお雇い外国人として紙幣や切手などの原版を彫刻し,技術を伝えて日本の近代印刷の基礎を築いたキヨッソーネと,政府の依頼で来日して洋画の教育に努めたフォンタネージを紹介し,2人の教育の成果と弟子たちがつくってきた日本の近代印刷の姿をたどる。当時彼らが手掛けた印刷物や絵画,使っていた道具や機械などを見ることができる。

インセンティブショーでアイデア印刷製品を紹介
 販促品やノベルティの見本市「プレミアム・インセンティブショー」(ビジネスガイド社主催)が10月15日〜17日,池袋のサンシャインシティで開かれた。印刷会社の出展では,オリジナルデザインの文具や飲料パッケージ,紙製玩具,チラシやポスター,段ボール製什器,のぼりなどの印刷サービスの提案が見られた。

非木材グリーン協会,非木材活用商品を表彰
 非木材グリーン協会は,非木材を活用したアイデア商品を顕彰する「非木材グリーン協会アワード」の審査結果を発表した。本文と表紙に竹紙を使った書籍『竹取の宝』(制作:福島梓)がGOLD賞と審査員特別賞を,バガスを使った壁面装飾「浮雲-Bagasse Cloud」(制作:渡邉厚)がSILVER賞を,竹紙やバガスやオイルパーム空果房パルプを使った照明「おむすびライト」(制作:田淵萬坊)がBRONZE賞を,バガスパルプやオイルパーム空果房パルプを使った「児童用椅子」(制作:森島一徳)が協会賞を受賞した。10月27日に東京のポワソンダブリル自由が丘で表彰式を開く。

アドビ,Webコンテンツ管理分野の評価で「リーダー」に
 アドビシステムズは10月15日,同社がガートナー社の調査レポート2014年版「Magic Quadrant for Web Content Management(Webコンテンツ管理分野のマジッククアドラント)」 において「リーダー」に選ばれたと発表した。実行能力分野で最上位を獲得したほか,ビジョンの完全性でも上位に位置付けられた。ビジネスの明確なビジョンや成果,将来への準備,強力なチャネルパートナー,広範なプラットフォームのサポート,顧客支援などが評価された。

日本印刷産業連合会,技能五輪国際大会代表候補を推薦
 日本印刷産業連合会は10月14日,トッパンコミュニケーションプロダクツの堀洸太氏を,技能五輪国際大会・印刷職種の日本代表選手候補者として,中央職業能力開発協会へ推薦すると発表した。同大会は2015年8月11日〜16日にブラジル・サンパウロで行われる。

フレキソ・ジャパン,盛況で終了
 フレキソに関するフォーラムとテーブルトップショウの「フレキソ・ジャパン2014」が10月16日・17日,有明のTFTビルで開かれた。主催は日本フレキソ技術協会。31社の出展によるテーブルトップショウ,そして講演では,機械や材料,プリンテッドエレクトロニクスなどに関する市場動向や技術の16の話題があり,両日合わせ250人以上が聴講した。

育英グラフィックの会,ハイデルで同窓会
 育英高専(現,サレジオ工業高等専門学校)の印刷科の卒業生の会「育英グラフィックの会」(杉原文治会長)は2014年10月18日,勉強会と懇親会を東京・東品川のハイデルベルグ・ジャパンで行った。勉強会として,ジャパン・スリーブからLED-UV印刷について,東洋インキからLED-UV高感度インキについて,GMGジャパンからカラーマネージメントについて話を聞いた。

CD勉強会,LED照明によるコスト削減を学ぶ
 千葉大学の旧印刷科の卒業生を中心に活動しているCD勉強会は10月17日,東京・新川の内田洋行で勉強会を催した。内田洋行から,LED照明によるコスト削減の解説と,働き方を工夫した社屋や机の配置(フリーアドレス制)などの紹介があった。

OEM研究会,会員が最新情報を提供
 印刷OEM研究会は10月17日,東京・鵜の木の金羊社で定例会を開き,会員が情報発表をした。小森コーポレーションの吉川武志氏は,9月にアメリカ・シカゴで行われたラベルエキスポでのデジタル印刷機の動向を報告した。日本アグフア・ゲバルトの知識三富氏は同社の刷版アズーラを使用した速乾印刷と,導入会社で行っているメンテナンスについて紹介した。サンヨー印刷の小粥将直氏は2020年のパラリンピックに対しメディア・ユニバーサルデザインを通じてビジネス展開などにつなげるためのセミナーを紹介した。富士フイルムグローバルグラフィックシステムズの根元正弘氏は同社が取り組むフレキソ印刷の展開について解説した。また,研究会の議題として,会員会社が5枚OKシートを実施するさいの刷版に関する測定方法について意見交換した。

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ミマキエンジニアリング,横浜営業所を開設
 ミマキエンジニアリングは横浜営業所を開設し,10月20日より営業を始める。住所は〒222-0033神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目1番9号アリーナタワー 1F,電話045-478-0211。

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10月31日,日本印刷学会がオフセット印刷技術研究会
 日本印刷学会は10月31日,東京・新富の日本印刷会館で例会を催す。「オフセット印刷における元気がでる創意工夫:コストダウンの取り組みと操業性改善」をテーマに,富士フイルムグローバルグラフィックシステムズの根本正弘氏,紅屋オフセットの木村弘紀氏,東京テックプラスの加藤隆行氏が講演する。会員,協賛会員7000円,一般9000円。要申込,定員80人。
http://www.jspst.org/event/141031.html

11月4日〜11日,Tooが名古屋でiPad活用セミナー
 Tooは11月4日〜11日,名古屋の国際デザインセンターで次の5つのセミナーを開く。4日「Autodesk モデリングCAD & レンダリングセミナー」(定員50人),5日「Too iPad活用セミナー」(定員50人),6日「低価格・高精度3次元スキャナーとRhinoceros用プラグインのご紹介」(定員50人),「Too × Adobe CS vs CC 徹底比較セミナー」(定員100人),11日「遊技機コンテンツ制作ワークフローセミナー」(定員100人)。いずれも参加無料,要事前登録。
http://solution.too.com/event/y2014/go-nagoya/

11月5日,岐阜で企画提案力のセミナー
 岐阜県印刷工業組合は11月5日,岐阜・菅生の印刷会館で「企画提案力を身につけるセミナー」を開く。講師はアドピアの臼田真人社長。問合せは,電話058-295-4831。

11月5日〜7日,大阪で分析機器・科学機器関連の新技術説明会
 11月5日〜7日,CIVI研修センター新大阪東で,分析機器や科学機器,分析技術に関連した技術を紹介する「関西新技術説明会」が開かれる。104テーマの技術発表と,ポスター展示が行われる。参加無料。要事前登録。
http://www.jasis.jp/kansai/

11月19日,プロダクションデジタル印刷市場のコンファレンス
 インフォトレンズは11月19日,東京コンファレンスセンター品川で「プロダクションデジタル印刷/POD市場コンファレンス」を開く。デジタル印刷の全体の市場動向を把握し,需要に対応するために必要な製品やソリューション,サービスは何か,という観点から同社のJim Hamilton氏,Kaspar Roos氏,後田雅人氏が講演する。参加費は7万9800円,早期割引制度あり。
http://www.infotrends.co.jp/podjapan/

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11月28日,日本印刷学会がプリプレスの研究会
 日本印刷学会は11月28日,東京・新富の日本印刷会館で「インクジェット印刷技術の最新動向と可能性の探究」をテーマに例会を開く。参加費は,会員・協賛会員9000円,一般1万2000円。要申込,定員70人。
http://www.jspst.org/event/141128.html

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12月3日,環境保護印刷推進協議会が日欧・印刷環境フォーラム
 環境保護印刷推進協議会は12月3日,東京・六本木の国際文化会館で「日欧・印刷環境フォーラム」を開く。Print Power Europeのマーチン・ユースタス専務理事が「プリントメディアのサステナビリティと有効性の推進で印刷と紙のビジネスを広げることはできるか?」,環境マンガ家の本田亮氏が「ユーモアイラストで考える環境問題」をテーマに講演する。参加無料。要申込。
http://www.e3pa.com/info/archives/279

12月5日,日本画像学会がデジタル印刷と電子写真技術のシンポジウム
 日本画像学会は12月5日,東京・虎ノ門の発明会館で「デジタル印刷の現状と最新電子写真技術」をテーマにシンポジウムを開く。参加費は会員・維持会員・協賛学会員1万円,学生2000円,一般1万7000円。要申込。
http://www.isj-imaging.org/event/symposium/symp_2014/2014_symp_tokyo.html

2015年4月22日〜24日,東京で「ジャパンライフサイエンスウィーク」展
 医療機器の設計・製造に関する展示会・セミナー「MEDTEC Japan」を中心とした「ジャパンライフサイエンスウィーク」展が2015年4月22日〜24日,東京ビッグサイトで開催される。主催はUBM Canon Japan G.K.。
http://www.medtecjapan.com/

2015年6月17日〜19日,画像関連5学会主催の国際学会
 画像関連5学会は2015年6月17日〜19日,東京の一橋講堂で国際学会「1st International Conference on Advanced Imaging」を開く。2014年11月30日まで,イメージング関連技術全般にわたる分野を対象に,同学会会員より講演者を募集している。
http://www.isj-imaging.org/event/ICAI2015/

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内
2014年10月号【特集:軟包装とフレキソ】
10月号の特集は「軟包装とフレキソ」です。軟包装と呼ばれるパッケージの分野で,日本でもフレキソ印刷が少しずつ広まっています。欧米と異なり日本では,フレキソ印刷の市場は微々たるものですが,決して下がっては,減ってはいないのが,現状ではないでしょうか。
 東京では,10月7〜10日に東京国際包装展TOKYO PACKが,10月16・17日にフレキソ・ジャパン展が開催されます。包装もフレキソも話題が豊富です。印刷版式や方式が問われる時代ではなくなってきましたが,環境とコストは問われますので,その点フレキソは,現在では大きな可能性を秘めているようです。本特集でその一端をお伝えします。

編集長 今週のおすすめ書籍
『紙と印刷の文化録 –記憶と書物を担うもの–』
 尾鍋史彦 著
 9月16日に,日本経済新聞社と文字・活字文化推進機構が共催するシンポジウムが東京・大手町の日本経済新聞社で開かれました。テーマは「人をつなぐ言葉」で,作家の辻村深月氏と書評家の藤田香織氏が対談したほか,東芝の西田厚聡相談役と落語家の立川談四楼氏,東京大学大学院の横山広美准教授,アナウンサーの狩野恵里氏がパネル討論しました。それぞれの読書体験談に始まり,形のある紙の書籍の信頼性,さまざまな場面で変わるコミュニケーションのあり方,正しい情報を自分で選択して物事を判断することの難しさや,読書の重要性などといった話題が出ました。お話を聞いていると,どの方も本を読むことをそれぞれのスタイルで楽しんでおられ,読書にはただ本の内容を問うだけでなく,読む行為そのものにも驚きや感動を伴い,人生を豊かにする思い出をつくる力があるのだなと感じました。
 さて今回の書籍は,『紙と印刷の文化録 –記憶と書物を担うもの–』を紹介します。紙を専門に研究してきた筆者が,「本格的な電子書籍の攻勢を前に,果たして紙は生き残れるのか?」と,紙媒体の将来を問う好著。内容は,紙と印刷の歴史や技術から経済まで幅広い内容で構成され,電子書籍と紙の書籍の攻防を時事問題や社会情勢にも触れながら見つめています。
 今後,読書という文化はどのようになるのでしょうか。先のシンポジウムで日本経済新聞社の平田保雄会長が挨拶し,戦後の日本で文庫本ブームが起こったことに触れ,「第二次世界大戦に日本が敗れた一因は,文化力の低さにあった。敗戦後に文庫本がたくさん出版されたのは,それを悔やんだ当時の出版人の心意気だった」と仰っていたのが印象的でした。

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http://www.facebook.com/JapanPrinter

週刊『印刷雑誌』5巻39号
2014年10月20日発行
編集長:末包愛
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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