週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 6巻10号 2015年3月9日
Japan Printer weekly Vol.6, no.10
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

「世界で最も美しい本コンクール」で日本の『MOTION SILHOUETTE』が銅賞
 出版文化産業振興財団は3月6日,世界各国のブックデザイン賞の入選作品が審査対象となる「世界で最も美しい本コンクール」で,日本から出品した22作品のうち『MOTION SILHOUETTE』(発行・装幀:梶原恵・新島龍彦,印刷・製本:新島龍彦)が,銅賞を受賞したと発表した。同作品は,ページを180度開いたさいに垂直に立ち上がるポップアップをノドに取り付け,光を当てることでモノトーンの絵の上に滑らかに動く影を楽しめる絵本。「造本装幀コンクール」(日本書籍出版協会と日本印刷産業連合会が主催)で「読書推進運動協議会賞」を受賞していた。
 同作品を含む35ヵ国585の出品作品は,3月12〜15日にドイツで開かれる「ライプツィヒブックフェア」で展示される。

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 幕末明治の初期洋装本から現代のベストセラーまで,装丁家兼製本マニアの著者が,日本の近代製本史を文献と実物資料の両面から丹念に探る。『製本探索』
 原弘から杉浦康平,横尾忠則,菊地信義,そして原研哉まで,日本を代表する31人のグラフィックデザイナー各氏のブックデザインを,58作品,68点のカラー図版とともに紹介。『デザイナーと装丁』
 
宮内庁書陵部で長年に渡って古典籍の修復と製本,成巻に関わってきた著者が,その技術を広く世に伝えるべく,作業手順や方法を丁寧に解説した一冊。『古典籍の装幀と造本』
 
初めて本づくりに挑戦する人のために,ルリユール(工芸製本)界で当世一流の製本家が,ページレイアウトから印刷,製本までを丁寧に解説。『デジタル技術と手製本』

印刷博物館P&Pギャラリー,「みんなにうれしいカタチ展」開催
 東京・水道の印刷博物館P&Pギャラリーは5月24日まで「みんなにうれしいカタチ展:日本発ユニバーサルデザイン」を開いている。視覚,言語,右利きと左利き,大人と子供などの個人差を体感できる展示や,ユニバーサルデザイン(UD)に関連する情報のパネル展示がある。UD製品の展示では,配色やデザイン,フォントなどで読みやすさに配慮した教科書や通知はがき,パンフレットなどの印刷物も見られる。

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 障がい者を含めた多くの人が視覚的に情報を理解できるメディア・ユニバーサルデザインという視点。その現状調査や企業・団体の取り組み,技法,適応例をオールカラーで解説。『メディア・ユニバーサルデザイン』

クリエイションギャラリーG8,「亀倉雄策賞」受賞の佐野研二郎氏の個展
 東京・銀座のクリエイションギャラリーG8は3月3日〜4月2日,今年「亀倉雄策賞」を受賞した佐野研二郎氏を紹介する「佐野研二郎展“黒に白 MR_BLACK&WHITE”」を開いている。葛飾北斎の漫画をもとにした受賞作品「HOKUSAI_LINE」のほか,同氏が手掛けた広告や出版物,プロダクトデザインなども展示している。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー,りんごから発想するデザイン展
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは3月31日まで,「APPLE+:三木健|学び方のデザイン“りんご”と日常の仕事」展を開いている。グラフィックデザイナーであり独創的なデザイン教育で注目される三木健氏が,りんごを題材に,形や色などデザインの要素や発想を展開する面白さへの気づきを表現した。同氏の代表的な仕事として,ポスターや書籍,菓子などのデザインも紹介。

千葉大学小林裕幸教授,最終講義「写真とは何か」
 千葉大学大学院融合科学研究科,工学部画像科学科の小林裕幸教授が3月で退官するため,3月2日,西千葉の千葉大学けやき会館で最終講義が開かれた。「写真って何だろう」と題し,2万年前の絵(壁画)が残っている話から,1802年の現存する最古の写真,ハロゲン化銀の感光機構までをユーモアを交えて解説し,また,デジタルにより私たちは証拠となるメディアを失ったと述べた。

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 日本を代表する雑誌「アンアン」「クロワッサン」「エル・ジャポン」などで鋭感覚のレイアウトをプロデュースしてきた著者が,理論と技法を多数の実例でわかりやすく展開する。『写真を活かすレイアウト』

「秀英体」の歴史と改刻を聞く
 大手印刷会社や書店,デザイナーなどの有志で構成する印刷文化の勉強会「神田川大曲塾」は3月7日,東京・水道の印刷博物館で講演会を開いた。「100年目の書体づくり:秀英体平成の大改刻」をテーマに大日本印刷の高橋仁一氏が,大日本印刷の前身である秀英舎が明治時代に開発した書体「秀英体」の歴史と,2005年から09年にかけて行われた改刻,デザインの変遷などを話した。

凸版印刷,CG映像作品で「アジアデジタルアート大賞」優秀賞受賞
 凸版印刷は3月4日,CG映像作品「国宝“唐招提寺金堂”の組物」が「2014アジアデジタルアート大賞」の動画部門で優秀賞を受賞したと発表した。同作品は,古代建築の知恵を研究し,後世に遺すことを目的として竹中大工道具館と共同で企画,同館監修のもと,凸版印刷が制作したもの。

ラクスル,チラシで中小企業や個人商店の集客活動を支援

 ラクスルは3月3日,Web上でチラシの作成から印刷,配布までを発注できるサービス「チラシラクスル」を始めた。複数のデザインや配布地域を提案する機能もあり,ITのノウハウやデザインの知識をもたない中小企業や個人商店の集客活動を支援する。

凸版印刷,電子チラシサービスで4コマ漫画を無料配信
 凸版印刷の電子チラシサービス「Shufoo!」とBookLiveは3月2日,後者のイラスト・コミック制作サービス「BookLive Artstudio」を活用し,主婦向けの4コマ漫画を電子チラシとして無料配信する「Shufoo!マンガ」を共同で始めた。

大日本印刷,ネットチラシを家計簿アプリで配信の実証実験
 大日本印刷は3月4日,同社のネットチラシ配信サービス「オリコミーオ!」のネットチラシを,家計簿アプリ「レシーピ!」に配信するサービスの実証実験を始めると発表した。実験では,食品スーパーマーケットたいらやで,3月3〜31日のネットチラシの閲覧記録とレシーピ!に登録されたレシートの購入品目から,ネットチラシの閲覧がどれだけ購買に結び付いたかを測定する。

大日本印刷,家計簿アプリでポイント管理機能を追加
 大日本印刷は3月2日,レシートをスマートフォンのカメラで読み取ることで家計簿を付けられるアプリ「レシーピ!」に,マネーツリーの資産管理アプリ「Moneytree」を連動させ,各種ポイントサービスのポイント残高や使用履歴,有効期限が確認できる機能を追加すると発表した。Android版は3月2日から,iOS版は3月中旬から提供する。

凸版印刷,小学校低学年向けの学習支援サービス
 凸版印刷と学研パブリッシングは3月2日,小学校低学年向けの無料学習サービス「学びゲット!」の提供を始めた。パソコンやタブレット端末を使い,授業の単元に沿って学習できるサービスで,協賛企業のサービスや商品を使用したクイズ形式の問題なども出題し,身近な生活につなげて社会のつながりも学べる。

凸版印刷,購買者の視線を調査分析するサービス
 凸版印刷は3月6日,装着型アイカメラの視線データを自動解析するプログラムを開発したと発表した。同プログラムを活用し,実際の店舗での購買者の視線を定量分析する,行動視線調査サービス「Insight Viewer Real」を3月より提供する。

凸版印刷,顧客管理を集約するプラットフォームを発売
 凸版印刷は3月上旬,決済やポイントサービス,クーポン券などの顧客管理の機能をスマートフォンに集約する「決済マーケティング・プラットフォーム」の提供を始めた。同プラットフォームは現金や電子マネーを用いた決済やポイントシステム管理,CRMアプリ制作・運用までを提供する。

大日本印刷,クレジットやプリペイド対応のCLOサービスを共同開発

 大日本印刷と日本ユニシスは3月3日,クレジットカードだけでなくプリペイドカードやポイントカードなどの決済に連動したCLO(Card Linked Offer)サービスのプラットフォームを共同で開発すると発表した。CLOは,カード発行会社の会員情報や決済履歴をもとに優待情報などの送付対象者を抽出し,カード決済時に利用できる優待特典を提供するサービス。2015年10月〜2016年3月にサービス開始予定。

大日本印刷,電子マネー運用サービスを海外向けに提供
 大日本印刷とバリューデザイン,ユニアデックスは3月3日,企業が自社ブランドとして発行するハウスプリペイド(電子マネー)カードのクラウド型運用サービス「VALUE TACTiX」について,海外向けに提供を始めた。店頭に設置したカードリーダーで残高の加算・減算が行えるほか,会員向けWebサイトにアクセスして残高を確認することもできる。生活者が通販サイトでプリペイドカード決済を行う場合,カード番号と個別認識用番号を入力し,残高の範囲内で商品を購入できる。

誠伸商事,印刷業向けの経営支援ソフト最新版を発売
 誠伸商事は3月1日,DTP・印刷業向けの統合経営支援ソフトウェアの新バージョン「印刷管太郎?パッケージ版」および「同ASP版」を発売した。同製品は従来の印刷業務の管理用の機能に加えて,管理者目線で,売上実績と予算を対比できる「予算元帳DB」,一画面で一日の印刷機の稼動状況などを確認できる「集計管理DB」などの機能を追加している。

凸版印刷,フレキシブル電子ペーパーを開発
 凸版印刷は3月3日,プリンテッドエレクトロニクス技術を活用して,フレキシブル薄膜トランジスタを実現する印刷プロセス技術を確立し,薄く,軽く,曲げることができるフレキシブル電子ペーパーを開発したと発表した。また,カラーフィルタ技術を活用し,フレキシブル電子ペーパーの部分的なカラー化を図った。同電子ペーパーで試作した「レール型電子棚札」の,2017年度の実用化を目指す。

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 印刷プロセスの持つ優位性と有用性を活かし,生産の効率化,コスト削減などにつなげるための知識『次世代プリンテッドエレクトロニクスへ-印刷による付加型生産技術への転換-』
 今後の伸びが期待される印刷による有機半導体製造の安定化に向けたノウハウの理論と実践『プリンテッドエレクトロニクス-スクリーン印刷による安定生産-』
 エレクトロニクスとスクリーン印刷の基本と,素朴な疑問を一問一答でズバリ解決!『知っておきたい「スクリーン印刷とエレクトロニクス」』

凸版印刷,デュポンの偽造品対策ホログラムの販売権を取得
 凸版印刷とデュポンは3月3日,偽造・模造品対策を行うブランドプロテクション分野で業務提携したと発表した。凸版印刷は,米国デュポン社が開発したリップマン型ホログラム「IZONホログラム」と,同ホログラムを用いたID認証システム「Traceology」の日本国内での販売権を取得した。

凸版印刷,HCE技術検証に参画
 凸版印刷は3月3日,日本ICカードシステム利用促進協議会が実施した「HCE技術検証」に参画したと発表した。同検証では,免税店での「輸出免税品購入記録票」作成に利用するパスポート情報をNFC対応スマートフォンで読み出し,作成した記録票を再びクラウドサーバ上に格納。パスポートの所有者の出国時に税関にてその記録票を確認する一連の流れについて,パスポート情報や記録票の読み出し時間の計測,クラウドサーバとNFC対応スマートフォン間の通信安定度の影響などを検証した。

大日本印刷,Webコンシェルジュシステムが損保ジャパン日本興亜で採用
 大日本印刷とインテリジェントウェイブは3月3日,両社が提供する,Web上のコンシェルジュシステム「Faceコンシェル」が,損害保険ジャパン日本興亜のWebサイトで「バーチャルナビゲーションシステム」として採用されたと発表した。同システムはWebサイト内の「よくある質問」ページで,顧客が入力した口語体の質問文章を解析し,その意図を正しく理解して,Webサイト内の適切な情報に誘導するもので,画面に表示されたキャラクターが,会話を通じて適切なFAQに案内する。

大日本印刷,展示会の製品紹介に人工知能搭載ロボットを活用
 大日本印刷は3月3〜6日,有明の東京ビッグサイトで開かれた,流通・小売業向けの情報技術展示会「リテールテックJAPAN 」展で,人工知能を搭載した小型ロボットを用いて同社のソリューションを紹介した。ステージで司会者とロボットが対話しながら,ステージ上のディスプレイに表示するスライドを利用して,ロボットがジェスチャーを交えながらプレゼンテーションを行った。

印刷工業会,ヒューマンエラーを防ぐ講演会
 印刷工業会は3月2日,東京・新富の日本印刷会館で管理者向けの研修会を開いた。CIMA人材教育開発の島本長範氏が「ヒューマンエラーを防ぐマネジメント:チームでエラーを防ごう」と題して講演。人間は能力の限界以上のことを行った場合や,脳の働きが一定ではないために,エラーが起きてしまうが,作業改善とチームの力で防ぐことができる。エラー防止に特効薬はなく,地道な安全への意識と行動が必要だと話した。

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3月14日まで,東京・表参道で「漢字書体の変遷とその復刻展」
 文字道は3月9〜14日,東京の表参道画廊+MUSEE Fで「moji moji Party No.9:漢字書体の変遷とその復刻展」を開く。明朝体の変遷や,写本の時代から刊本,金属活字の時代までの書物に残された書体についての資料を,欣喜堂の復刻書体とともにポスターで紹介する。
http://www.mojido.com/party/party.html

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3月26日,出版ビジネススクールが校正のセミナー
 出版ビジネススクールは3月26日,東京・神保町の岩波セミナールームで「DTP時代に必要な 新しい校正のこころと技」をテーマにセミナーを開く。ぼっと舎の大西寿男氏が,実務でおさえるべき校正のツボなど実例をあげながら解説する。要申込,参加費9000円(テキスト付き)。
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週刊『印刷雑誌』6巻10号
2015年3月9日発行
編集長:末包愛
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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