週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 6巻42号 2015年11月9日
Japan Printer weekly Vol.6, no.42
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

グレイプス,小部数低価格の商業自費出版サービスを開始
 グレイプスは11月5日,個人出版をしている作家やインディーズアイドルなどを対象とした自費出版サービス「モチコミ」を始めた。書籍には流通コードのISBNが振られ,東京・渋谷の大盛堂書店2階にある「聖地書店」で販売する。需要に応じて10部単位で増刷を行うことができる。価格はミニ写真集が2万5000円,文字ものが3万2000円から。

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 日本を代表する雑誌「アンアン」「クロワッサン」「エル・ジャポン」などで鋭感覚のレイアウトをプロデュースしてきた著者が,理論と技法を多数の実例でわかりやすく展開する。『写真を活かすレイアウト』
 編集・校正界の重鎮が長い経験で培った校正知識を詰め込んだ,デジタル時代だからこそ気をつけたい,本づくり・文章づくりに必読の一冊。『本の品格―電子書籍にも必要な校正読本―』

丸信,化粧箱のネット通販サイトを開設
 丸信は11月4日,紙箱や化粧箱のネット印刷通販サイト「化粧箱つくる.net」を開設した。同サイトは,オリジナルの紙箱・化粧箱・紙器制作に特化した。同社は1500種以上の木型を保有しているため,オリジナル箱制作の際に発生する木型作成の費用がかからない。

タニシ企画,AR年賀状発売
 タニシ企画は11月2日,モバイル端末のカメラを通して動画が見られるAR年賀状の販売を始めた。iOSとAndroidに対応したスターティアラボのARアプリ「COCOAR(ココアル)」で年賀状を写すと,登録した動画が再生される。用意された文面やイラストデザインを無料で利用できるほか,オリジナルの文面やデザインにも有料で対応する。価格は10枚7452円から。

アジェンダ,宛名職人2016年度iOS用アプリ公開
 アジェンダは10月29日,フジカラーで印刷を注文できるiOS用の年賀状作成アプリ「おしゃれデザイナーズ年賀状フジカラー版」を公開した。年賀状の裏表両面の作成に対応し,iOS標準搭載の連絡先アプリと住所録から宛先を読み込むことができるほか,干支や写真などのデザインテンプレートを収録した。印刷は富士フイルムの年賀状プリントサービスで注文できる。料金は,はがき代込みで1枚192円,デザイン面のみの注文で1枚160円。送料は5000円以上の注文で無料。
 また同社は,プリンタでの印刷に対応した「宛名職人2016 for iOS」を公開した。料金はアプリ内の課金で,宛名印刷とフォント2書体が960円,追加フォント3種類が360円,デザインテンプレートが各240円。

アイ・クリエイト,500円から作れるフォトブックアプリを公開
 アイ・クリエイトは10月9日,スマートフォンやタブレット端末で撮影した写真をフォトブックとして注文できるiOS,Android用アプリ「ふぉとBOOKらく〜だ」を公開した。画像を選択すると自動的にレイアウトされ,配置の変更や文字の追加も可能。価格はソフトカバー24〜48ページ500円から。

ダイナフォント,使用許諾範囲を拡大したフォント新製品を発売
 ダイナフォントは11月27日,年間ライセンスフォント「DynaSmartV」を発売する。既存の同シリーズより使用許諾範囲を拡大し,映像作品やデジタルコンテンツなどで使用できる。またダイナフォントの全1723書体が使用可能になったほか,欧州言語やベトナム語,アラビア語などの多言語書体を収録。価格はPC1台につき1年41,500円。
 また同日,教育機関に特化した「DynaSmart教育機関向けプラン」「DynaSmart 学生版」のグレードアップ版を発売する。1723書体や多言語書体のほか,名簿管理などで需要が高い外字4718文字を収録する。価格はPC1台につき4年間9,800円。

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 和文を中心に文字,書体に焦点をあて,書籍や雑誌をはじめとした印刷媒体や,さらにデジタル機器の表示までの文字の基本,デザインへの応用までを多数の図版を使ってオールカラーで解説。『印刷技術基本ポイント 文字・書体編』
 組版とページ割りの基本知識をカラー図版とわかりやすい説明でまとめた,初歩的な知識がすぐに身につく基本テキスト。『印刷技術 基本ポイント組版・ページネーション編』

大日本印刷,クラウド環境でソフトウェア提供のサービス開始
 大日本印刷は11月4日,企業が必要とする複数メーカーの各種ソフトウェアをクラウド環境で利用でき,マイページでの効率的な管理と企業単位での一括決済を可能とするECサイト「DNPソフトウェア販売サイト hyakka」のサービスを始めた。デザイン制作や営業・販促支援,会計管理・労務管理や社内コミュニケーション,情報セキュリティなどのソフトウェアを約100点揃え,2016年度中には約200点に拡充する。

カラートラック社,ポータブル大判スキャナーを発売
 英国のカラートラック社は11月30日,PCを必要としないA1判・A0判対応の
ポータブルスキャナー「SmartLF Scan!」を発売する。本体重量はA1判モデル5.2kg,A0判モデル7kg。本体またはUSBメモリーにスキャンデータを保存でき
るほか,ネットワークケーブルでPCなどにデータ転送も可能。原稿の自動給紙や自動サイズ検知などの機能もある。価格は税別で,A1判モデル29万8000円,A0判モデル39万8000円。

ローランド ディー.ジー.,布地印刷向けプリンタ発売
 ローランド ディー.ジー.は12月14日,布地印刷向けプリンタ「Texart XT-640」を発売する。同製品はファッションアパレルやスポーツアパレルの製作に求められる生産性と,高精細な印刷画質を図った昇華転写方式のプリンタ。2基のプリントヘッドを千鳥格子状に配列することで,実用印刷速度で41m2/時の出力を図るとともに,精密なインク着弾を可能にするために,プリントヘッドの動作を支えるレールやスタンドなどボディ構造を刷新した。

TOKYO DESIGN WEEKで印刷関連の取り組み紹介
 デザインやアート,音楽などのクリエイティブを集めたイベント「TOKYO DESIGN WEEK」が10月24日〜11月3日,東京・霞ヶ丘町の明治神宮外苑絵画館前で開かれた。主催は(株)TOKYO DESIGN WEEKとNPO法人デザインアソシエーション。印刷関係では,帆風の独自に開催しているデザインコンテストの活動紹介,トッパン・コスモのインテリアや建築に使う木目やタイルの質感を再現した印刷シート,ダイナコムウェアの手書き文字をフォント化するサービスなどを見られた。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー,「字」をテーマにデザイン展
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは11月28日まで,タイポグラフィユニット「大日本タイポ組合」の展覧会「字字字 大日本タイポ組合」を開いている。「字」の形をモチーフに展開したグラフィック作品を見られる。同ユニットは1993年にクリエイターの秀親(ひでちか)氏と塚田哲也氏によって結成され,文字を解体または融合させて再構築することで,新しい文字の概念・可能性を探り続けている。

アナログレコードの体感イベント開催
 アナログレコードの魅力を伝えるイベント「Vinyl moon:record people meeting」が11月8日,渋谷のWEEKEND GARAGE TOKYO Cafe & Diningで開かれた。主催は,SOUND FINDER,金羊社クリエイティブワークス,「えん」で構成するrpm実行委員会。レコードやハイエンドオーディオの試聴会や,廃レコードを使ったグッズ製作の実演などがあった。

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 音楽ジャケット制作エピソード徹底解剖!デザイナーがこだわり抜いた音楽パッケージのデザインクリエイティブと製造技術,それらに関わる人々のエピソードを豊富な写真とインタビューで紹介。アーティストとデザイナーと製造技術者の三位一体で出来上がる「音楽のモノづくり」の魅力を物質的・視覚的な観点から解説します。『ミュージック・ジャケット・ストーリーズ-見て楽しむ特殊パッケージの世界-』【新刊】

アドビ,11月11日にクリエイティブカンファレンス
 アドビシステムズは11月11日,赤坂の東京ミッドタウンホールでクリエイティブの世界を紹介するカンファレンス「Adobe Live -Best of MAX-」を開く。同社「Creative Cloud」最新版の機能やワークフローを解説するほか,エンターテインメント集団「白A」の実演やクリエイターたちの講演がある。一部の内容はストリーミングでも配信する。

タイププロジェクト,馬車道150年記念ロゴタイプに「濱明朝体」が採用
 タイププロジェクトは11月2日,開発中の書体「濱明朝体(仮)」が,横浜の馬車道商店街協同組合が公募した150年記念ロゴタイプに採用されたと発表した。この書体は天野和俊デザイン事務所がデザインし,横画に港を往来するフェリー,縦画に海上から望む建築群という横浜をイメージして制作された。

日本印刷学会,オフセット印刷の可能性を知る
 日本印刷学会は11月6日,東京・赤坂の富士フイルムで「オフセット印刷技術の基礎と新たな可能性:品質安定化による付加価値の追求」をテーマに研究会を開いた。オフセット印刷表現を模索する取り組み,軟包材用の印刷機,印刷機のメンテナンスによるコスト削減,印刷ロールの技術,刷版・湿し水の動向,インキによる高付加価値印刷,印刷用紙の環境対応,について解説があった。

大日本印刷,東京理科大のホログラムメモリー開発に協力
 東京理科大学は11月4日,同大学基礎工学部の山本学教授が「3次元クロスシフト多重方式」を用いた,大容量のホログラム多重記録が可能なメモリー技術を開発したと発表した。開発されたメモリー技術は5インチディスクで2テラバイトの記録再生(DVDの400倍の容量)が可能。データセンターでの情報アーカイブ用途に適し,従来の記録媒体より低消費電力化も図れる。この研究は三菱化学とナノフォトニクス工学推進機構,大日本印刷と共同で行われ,大日本印刷はメモリーに情報を入出力するさいの制御技術を提供した。

図書印刷,教育用コンテンツ制作ソリューションで制作体制を構築
 図書印刷は11月2日,ACCESSの教育用コンテンツ制作ソリューション「Lentrance Creator」の制作ライセンス契約を締結し,制作体制を構築したと発表した。同ソリューションは,教科書・教材の組版データをベースとしたEPUBコンテンツ制作を行える。

凸版印刷,故宮博物院との共同研究を継続発展
 凸版印刷と中国・故宮博物院は11月4日,2000年より15年にわたり共同で進めてきた「故宮文化資産デジタル化応用研究」を2020年まで継続発展させることを発表した。同研究は第4期の継続となり,今期では複雑な質感や微細な工芸技法による文物のデジタル記録や,表示デバイスの高精細化や色域拡大を見据えたデジタル表現など,より先端的な技術開発をすすめる。

セイコーエプソン,金型製造技能によって長野で表彰
 セイコーエプソンは10月29日,同社の野村信二氏が,長野の卓越技能者知事表彰「信州の名工」を受賞したと発表した。同氏は金型製造の部門において,プリンタ事業を中心に部品の加工技術・技能力を発展に貢献。また国内外の同社拠点で技能者を育成し,製造拠点の礎を築いてきた。

凸版印刷,「健康経営宣言」を制定し健康経営推進
 凸版印刷は10月29日,健康経営の推進のため「健康経営宣言」を制定した。「健康経営」の視点から会社・健保で行われている取り組みや計画を見える化,体系化して整理し,さらなる従業員の健康の保持・増進にむけた,今後の方針として明確化した。

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11月18日,日本印刷技術協会が印刷産業の動向を解説
 日本印刷技術協会は11月18日,東京・和田の同協会で,「『印刷白書2015』印刷産業の未来を創る」と題したセミナーを開く。同協会が発行した『印刷白書2015』から,印刷業界動向,産業連関表,次世代DTP技術,マーケティングオートメーションなどの概要を解説する。
http://www.jagat.or.jp/archives/16307

11月21日,ポプラ社がこれからの書店を語るセミナー
 ポプラ社は11月21日,東京・大京町の同社で「本屋をあきらめない:これからの本屋について語ろう」と題したセミナーを開く。さわや書店フェザン店・田口幹人,小林書店・小林由美子,オリオン書房ノルテ店・白川浩介の各氏が出演する。コーディネーターは文化通信・星野渉編集長。参加無料,定員100人。問合せはメール(reserve4@poplar.co.jp)。

11月24日,Tooがフォントのセミナー
 Tooは11月24日,東京・虎ノ門の同社でセミナー「FONT TALK:フォントメーカーに聞く!書体最新事情」を催す。モリサワとフォントワークスが話す。参加無料。要申込,定員50人。
http://www.too.com/event/y2015/fonttalk11

12月2〜18日,慶應義塾大学でグーテンベルク『42行聖書』など展示
 慶應義塾大学は12月2〜18日,東京・三田の同大学図書館で文学部創設125年記念展示「モノがたる文学部 資料にみる人文学研究」を開く。9〜12日にグーテンベルク『42行聖書』の展示がある。入場無料。日曜・祝日休館。
http://125.flet.keio.ac.jp/event/27

12月4日,日本出版学会が「出版関連産業経営動向調査」を考察
 日本出版学会は12月4日,東京・三崎町の日本大学で研究会を開く。「“出版関連産業経営動向調査”から見えてくること」をテーマに,帝国データバンクの綴木猛氏が話す。参加費は一般1000円,会員500円。要申込,定員100人。問合せは,電話03-3313-7347。

2016年6月1〜3日,ビッグサイトで電子機器トータルソリューション展
 JPCA Show/ラージエレクトロニクスショー/WIRE Japan Show/マイクロエレクトロニクスショー/JISSO PROTECの複合展「電子機器トータルソリューション展」が2016年6月1〜3日,有明の東京ビッグサイトで開催される。主催者は2016年2月12日まで出展申込を受け付けている(早期割引は11月13日まで)。
http://www.jpcashow.com/show2016/jp/submitting/download.html?mail=1105

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2015年11月号【特集:紙を活かす情報媒体】
 情報媒体として,紙はインターネットによりその価値が認められにくくなっています。しかし,日本には紙を必要としている人はネットに頼る人より圧倒的に多いですが,従来の紙を使っての情報発信だけでは,先行きが不安になるのは否定できないでしょう。そのため,デジタルとアナログの融合のような形で紙媒体の価値を見直す必要があります。紙としての情報媒体の価値に関し,本号で触れていただけましたら幸いです。

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2015年11月9日発行
編集長:末包愛
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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