週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 6巻43号 2015年11月16日
Japan Printer weekly Vol.6, no.43
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

欧文印刷,ブログの印刷・製本サービスを開始
 欧文印刷は11月12日,ブログサービスの「WordPress」に載せたデータを印刷・製本するサービス「MyBooks.jp」を始めた。WordPressに書きためた内容を簡単に本にでき,内容の修正や仕上がり見本の作成も無料でできる。本は4種類のサイズが選べ,たとえばB6判100ページの場合で価格はモノクロ1420円,カラー3370円。

グラフィック,年賀状作成アプリを配信
 グラフィックはモバイル端末用の年賀状作成アプリ「かんたん年賀(ポスカ)iOS」と「かんたん年賀状Android」を配信している。テンプレートからデザインを選び,写真を選択するだけでオリジナルの年賀状が作成でき,写真にフィルタやデコレーションを加える編集が可能。家庭用プリンタで印刷(iOS版のみ)もできるほか,同社に注文することもできる。支払いは,キャリア決済,クレジットカード,NP後払い決済や代金引換が選べ,最短で翌日発送される。

ダイナコムウェア,教育機関向けフォントライセンス更新版を発売
 ダイナコムウェアは11月27日,教育機関向けライセンス2製品「DynaSmart 教育機関向けプラン」「DynaSmart学生版」の更新版を発売する。教育機関向け製品は,収録書体数が576書体追加され,1723書体を収録。また,名簿管理などの校務で需要が高い外字数4718文字に対応した「DynaFont 人名記号外字2」の18書体も収録している。さらに中国語(繁体字,簡体字),韓国語,欧州言語,ベトナム語,タイ語をはじめとする多言語書体を追加した。1年契約時,パソコン1〜19台での導入で1万2000円/台。

ダイナコムウェア,外字作成ソフトの機能更新で操作面など改善
 ダイナコムウェアは11月9日,外字作成管理システム「外字サーバEV」の大幅な更新を行い発売した。今回の更新では,外字メーカおよび外字エディタの操作面の改善, 3万5231文字の各種素材の追加,同社フォント20書体のストロークが使用可能,といった点が改善されている。

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 和文を中心に文字,書体に焦点をあて,書籍や雑誌をはじめとした印刷媒体や,さらにデジタル機器の表示までの文字の基本,デザインへの応用までを多数の図版を使ってオールカラーで解説。『印刷技術基本ポイント 文字・書体編』
 組版とページ割りの基本知識をカラー図版とわかりやすい説明でまとめた,初歩的な知識がすぐに身につく基本テキスト。『印刷技術 基本ポイント組版・ページネーション編』

日本印刷産業連合会,マイナンバー制に対応した取扱いハンドブック刊行
 日本印刷産業連合会は11月16日,2016年1月よりマイナンバー制度が始まるのに対応し『マイナンバー取扱ハンドブック』を発売する。印刷業界においてマイナンバーの適正な取扱いの仕組みを広く浸透させることを目的に,事業者が規程類を策定するさいの参考となるモデル規程を収録している。価格は会員および加盟企業2500円,一般4000円。

コニカミノルタ,A3判対応のモノクロ複合機発売
 コニカミノルタビジネスソリューションズは12月,A3判対応のモノクロ複合機「bizhub 1842f」を発売する。B4判対応の従来機と同等の設置面積の省スペース設計が特徴。標準機能に加えオプションで,ファイル管理システムを利用する事で,受診したファックスの自動転送や本体内への保存,専用のアプリケーションを用いて保存した文章を外出先から確認する事もできる。61万8000円。

平河工業社,高精細印刷とWeb入稿・校正システムの内覧会
 平河工業社は11月20日,東京・小竹の同社で内覧会を開く。240線や340線のAMとFMのスクリーンを組み合わせた高精細な印刷や,印刷結果に忠実なデータで行うWeb入稿・校正システムなどを紹介し,印刷実演も行う。

日本フォーム印刷工業連合会,コンプライアンスを実践的に学ぶ研修会
 日本フォーム印刷工業連合会は11月17日,東京・新富の日本印刷会館で,コンプライアンスの理論だけではなく実際に様々なケースについて討論し,体験を通して学ぶ「ケースメソッド研修会」を催す。

図書館総合展で電子書籍やアーカイブのサービス提案
 「図書館総合展」が11月10〜12日,パシフィコ横浜で開かれた。主催は同展運営委員会。大日本印刷や図書館流通センター,丸善,雄松堂書店,大入は,電子図書館サービスやデジタルアーカイブのシステム,電子書籍を使った教育支援,稀覯書や貴重資料の修復・保存技術などを紹介した。また平河工業社は,自社開発のマイクロフィルムカメラやそれを活用した復刻本などを出展した。

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 いま,二千年以上人間とともにあり,その文化の根幹を形づくってきた「本」の存在が揺らいでいる。改めて,本とは一体何なのか。本の歴史とICT技術の発展の双方を見つめ続けてきた著者が,「本」と印刷,そして情報化社会を生きる人間の今と未来を語る。『電子書籍は本の夢を見るか–本の未来と印刷の行方–』【新刊】

育英グラフィックの会,ジャパン・スリーブで見学会
 育英工業高等専門学校(現・サレジオ工業高等専門学校)の印刷科の卒業生の会「育英グラフィックの会」が11月14日に開かれた。東京・両国のジャパン・スリーブのデジタル印刷機を見学した後,飯田橋のサカタインクスで色校正に関し講演会を行った。
 また,懇親会では,サレジオ高専のデザイン科の4年生と5年生計35人が合流し学生と卒業生の交流を深めた。

大日本印刷,帳票運用を高度化・効率化するシステムを共同開発

 大日本印刷は11月9日,みずほ銀行と共同で,企業内の大量の帳票類の条件による抽出や改訂など,運用の効率化を図る「帳票管理システム」を開発したと発表した。同システムは,帳票に記載されているすべてのテキストデータから該当する記述を検索できる機能により,改訂が必要な帳票を抽出するとともに,変更すべきテキストを一括で修正できる。帳票を新規作成または改訂後,システム上で帳票を確認して承認も行う。また,過去10回の帳票を改訂した日と内容の履歴を保存管理するなど帳票改訂時の業務負荷軽減およびリスクを低減する。初期導入費用700万円〜,月額利用料金55万円〜。

凸版印刷,電磁結合方式の接触・非接触対応のICカードを開発
 凸版印刷は11月10日,日本国内で初めて電磁結合方式を用いた接触・非接触対応のICカードを開発したと発表した。同カードは,カードに搭載するICモジュールと,カード内部のアンテナをコイル間で発生する電磁波を用いて無接点で結合した新しい接触・非接触対応ICカード。無接点結合により折り曲げなどで接合部が破損しないため,従来品と比べ耐久性が向上した。この技術を用いることで,追加の設備投資をせずにカードを製造できる。

大日本印刷,クラウドファンディングサイトで調達金額が総額5000万円超え
 大日本印刷は11月13日,ワンモアとの共同事業であるクラウドファンディングサイト「ミライメイカーズ」が,前身である「ミライブックスファンド」から合計で30以上の出版関連企画で資金調達に成功し,調達金額が総額5000万円を越えたと発表した。

環境問題対応を称え,田口薫氏受章祝賀会
 全国グラビア工業組合連合会の田口薫会長の2015年春の旭日小綬章受章に関し,グラビア印刷関係者11人の発起人により11月13日,東京の第一ホテル両国で祝賀会が催された。親族とグラビア印刷関係者260人が田口会長の環境を中心としてきた活動を称え祝った。

古河電池と凸版印刷,非常用マグネシウム空気電池がエコプロダクツで表彰
 古河電池と凸版印刷は11月10日,非常用マグネシウム空気電池「MgBOX」で,エコプロダクツ大賞の「エコプロダクツ部門 推進協議会会長賞」を受賞したと発表した。同製品は両社が共同で開発・販売する非常用電池で,難燃性マグネシウムを負極物質,空気中の酸素を正極物質とし,水や海水を投入することで発電できる。使い捨て電池として使用後の廃棄が容易となるよう,紙製容器を使用している。受賞に際しては,電池でありながら一般ゴミとして廃棄可能な点や材料にレアメタルや環境に有害な物質などが使用されていない点が評価された。

大日本印刷,気候変動への取り組みでCDPの最高評価
 大日本印刷は11月10日,気候変動問題への取り組
みについて,温室効果ガス排出量の削減や,その情報開示の評価など環境評価を行う国際的な非営利団体CDPから,2回目となる最高評価「The Climate A List 2015」を獲得したと発表した。同社は1993年より温室効果ガス排出量の削減や資源の有効利用などについての目標を定めている。温室効果ガス排出量削減については2014年,海外拠点も含めて2030年までに,2005年度比で20%削減を定めた。また,自社の製造段階だけでなく,原材料調達・生産管理・物流・販売での温室効果ガス排出量を国内外で算定し,その削減活動を推進している。

吉田公彦氏を偲ぶ会,しめやかに
 日本エディタースクールの前代表で日本出版学会の元会長の吉田公彦氏が2015年5月9日,84歳で死去したが,同校と同学会は11月15日に東京・神楽坂の日本出版クラブで偲ぶ会を開いた。35人が各種出版活動に尽力した吉田氏の功績をたたえた。

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11月30日まで,全印工連でMUD作品募集
 全日本印刷工業組合連合会は「第9回メディア・ユニバーサルデザインコンペティション」の作品を募集している。応募期間は11月30日まで。出品料は3000円,学生無料。
http://www.aj-pia.or.jp/mud/mud9/mud9_youkou.pdf

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 障がい者を含めた多くの人が視覚的に情報を理解できるメディア・ユニバーサルデザインという視点。その現状調査や企業・団体の取り組み,技法,適応例をオールカラーで解説。『メディア・ユニバーサルデザイン』

11月24日,日本印刷技術協会がプロセスレスプレートの研究会
 日本印刷技術協会は11月24日,東京・和田の同協会で「進化するプロセスレスプレート」と題し研究会を催す。コダック,日本アグフア・ゲバルト,富士フイルムグローバルグラフィックシステムズの各プレートメーカーの担当者が解説,討論する。参加費は,一般15,120円,同協会会員10,800円(ともに税込),同協会の印刷総合研究会メンバーは2人まで無料。
http://www.jagat.or.jp/archives/16495

11月26日,出版ビジネススクールが校正のセミナー
 出版ビジネススクールは11月26日,東京・神保町の岩波セミナールームで「DTP時代に必要な新しい校正のこころと技」をテーマにセミナーを開く。ぼっと舎の大西寿男氏が,実務でおさえるべき校正のツボなど実例をあげながら解説する。参加費9000円(テキスト付き)。 要申込。
http://skc.index.ne.jp/seminar/20151126.html

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11月26日,印刷会社や医療法人の例を紹介する事業承継セミナー
 江本誠公認会計士・税理士事務所と新規開拓支援センターは11月26日,大阪・平野町のホーコス伏見屋ビルで「事業承継セミナー」を開く。コンサルタントの山田英司氏が,印刷会社や医療法人などの事業継承と人材育成について講演する。参加無料(参加任意の交流会は昼食実費制)。要申込。
http://shinkikaitaku.com/doc/20151126.pdf

11月30日,紙のエレクトロニクス応用研究会が研究発表会
 紙のエレクトロニクス応用研究会は11月30日,東京・西麻布のMREIビルで研究発表会を開く。銀ナノインクによる回路作成支援ツール,紙のコミュニケーションの可能性,ショウエイの印刷技術,IGAS展での出展報告などをテーマに発表がある。参加費は一般1000円(交流会500円),会員無料。要申込。問合せは,事務局(Jimukyoku@paperelectronics.org)。

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12月2〜4日,ビッグサイトでシステムコントロールと計測展
 12月2〜4日,東京ビッグサイトで「システム コントロール フェア(SCF)2015」(主催:日本電機工業会,日本電気制御機器工業会)と「計測展2015 TOKYO」(主催:日本電気計測器工業会)が開かれる。入場料は,1000円(消費税込み),学生無料。事前登録で入場無料。
http://scf.jp/ja/
http://jemima.or.jp/tokyo/ja/

12月4・5日,ダイヤミックが新潟で印刷関連製品のフェア
 ダイヤミックは12月4・5日,新潟卸センターNOCプラザで「ダイヤミックときめきフェアIN新潟」を開く。フィルムも出力可能なサーマルCTP,A3判カラープリンター,大判コピー機,プロジェクター用スクリーンフィルムなどを展示する。問合せは,電話03-5600-1590。

12月10日,日本印刷学会が印刷博物館でグラビア研究会
 日本印刷学会は12月10日,東京・水道の印刷博物館で「グラビア研究会第9回ミニシンポジウム」を催す。食品包装の安全性について,事故事例を交えて消費者意識についての情報を提供する。また,安全性とも関わりのあるフィルムのバリア性は,賞味期限の延長等にも繋がり時代と共に進化しているが,この最新情報を提供する。食品包装の衛生管理(沓掛勝則・味の素パッケージング),透明蒸着バリアーフィルムの機能性向上へのアプローチ(小林正典・東洋紡),バリアフィルム最新動向と「GLBARRIER」の展開(山本俊巳・凸版印刷)で構成。参加費は,会員・協賛会員5000円,一般8000円。
 研究例会の参加費には,印刷博物館の入館券(250円)が含まれる。講演会後には,希望者へのVRシアター(バーチャル映像)鑑賞およびガイドツアーを入れ替え制にて行う。
http://www.jspst.org/event/151210.html

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内
2015年11月号【特集:紙を活かす情報媒体】(好評発売中)
 情報媒体として,紙はインターネットによりその価値が認められにくくなっています。しかし,日本には紙を必要としている人はネットに頼る人より圧倒的に多いですが,従来の紙を使っての情報発信だけでは,先行きが不安になるのは否定できないでしょう。そのため,デジタルとアナログの融合のような形で紙媒体の価値を見直す必要があります。紙としての情報媒体の価値に関し,本号で触れていただけましたら幸いです。

編集長 今週のおすすめ書籍
『電子出版の構図-実体のない書物の行方-』
植村八潮 著
 本号の記事にもありますが,11月10〜12日に「図書館総合展」というイベントがありました。その名の通り図書館向けのサービスや製品を紹介する展示会で,図書館運営のためのシステムや機材,また,図書館の役割を考えたり新しい発展のためのアイデアを披露する場となっています。図書館と言えば紙の本を静かに読める場,というイメージはもう古いのかもしれません。この展示会も少し前までは,電子書籍の登場に対してどう紙の貴重書を多く収蔵している図書館をアピールするかという話題に焦点があったように思うのですが,今年は話題の中心が「電子図書館」となっていました。図書館もいよいよ電子書籍の活用に本腰を入れてきた,ということでしょうか。
 さて電子書籍や図書館のデジタルアーカイブと言えば,小誌『印刷雑誌』の連載「デジタル出版よもやま話」でもお馴染み,植村八潮さんの著書『電子出版の構図-実体のない書物の行方-』ははずせません。電子書籍ブームの黎明期から「電子書籍元年」と話題が沸騰した2010年までのメディアの軌跡を冷静沈着に解説。その中では図書館の在り方にまで言及しています。ちなみに11月20日に発行します『印刷雑誌』2015年12月号の連載では,「ツタヤ図書館問題」が取り上げられます。こちらも注目の話題です。ぜひご一読ください。

フェイスブックでも情報収集を!
印刷学会出版部のフェイスブックで,業界ニュースなどをタイムリーに発信しています。どうぞご利用ください。
http://www.facebook.com/JapanPrinter

2015年11月16日発行
編集長:末包愛
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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