週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 6巻48号 2015年12月21日
Japan Printer weekly Vol.6, no.48
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

富士フイルムイメージングシステムズ,プロ野球の年賀状サービス開始
 富士フイルムイメージングシステムズは12月14日,プロ野球12球団と侍ジャパンのキャラクターや公式ロゴを使った「プロ野球年賀状2016-スマホで写真年賀状」のサービスを始めた。iPhoneとAndroid用の無料アプリをダウンロードし,プロ野球12球団と侍ジャパンがテーマのデザインと利用者の写真データを組み合わせ,オリジナルの年賀状を作成できる。注文は10枚から。価格は1枚あたり182円。宛名付で印刷し,工場から直接投函することも可能。

富士ゼロックス,文書管理ソフト発売
 富士ゼロックスは12月29日,ブラウザ機能の強化により操作性を向上させ,DocuWorks 8などのソリューションや複合機などと連携し,文書の電子化や検索閲覧・管理などの書類関連の課題解決を支援するWebベースの文書管理ソフト「DocuShare 7.0」を発売した。

キヤノン,オフィス向け複合機と基幹業務向けプリンタを発売
 キヤノンは2016年2月中旬,オフィス向け複合機「imageRUNNER ADVANCE 6500/8500」シリーズおよび基幹業務向けプリンタ「imageRUNNER ADVANCE 8500B」シリーズの計3シリーズ9モデルを発売する。同製品は,利用者一人一人に合わせて操作画面や初期設定などを最適化する機能や,人感センサーを搭載し,業務の効率化を図った。出力速度は,両シリーズともに最高位機種がA4判モノクロで毎分105枚。希望小売価格は税別250万円〜。

吉川弘文文化館,木宮泰彦『日本古印刷文化史 新装版』を発行
 吉川弘文文化館は2016年1月1日,『日本古印刷文化史 新装版』(木宮泰彦著)を発行する。同書は,奈良時代から江戸時代までの日本の印刷文化を,近隣諸国との文化交流も絡めて系統的に叙述した。中世の禅院の開版活動や近世の活字印刷にもふれ,古刻書題跋集と古刻書索引も付録。A5判・824ページ+口絵4ページ,本体価格1万2000円。

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 日本で「印刷」という言葉は一部の人達の間で既に幕末に使われていた。『LIFE』誌が「過去千年間で最も大きな出来事」として「グーテンベルクによる聖書の印刷」をトップに選出したように,印刷が文化と深く関わりがあるものならば「印刷」という言葉,歴史,教育の原点を知る必要があるのではないだろうか。印刷研究家である著者が、日本文化における印刷の起源を探る。『図説 印刷文化の原点–The Starting Point of Printing Culture–』

共同印刷,小倉遊亀の桜図の複製画を発売
 共同印刷は12月18日,小倉遊亀の日本画「爛漫」の複製画を250部制作し,発売した。同作品は1983年に奈良女子大学の講堂の緞帳原画として作られた。奈良・若草山の山並みに桜の巨木を重ね,左右に東大寺大仏殿と興福寺の五重塔を配し,古都のうららかな春の情景が描かれている。複製画は独自の技法を用いたシルクスクリーン手刷りや,本金泥で仕上げた。額縁付きで税抜き20万円。

大日本印刷,カードに箔押し加工できるリップマン型ホログラムを開発
 大日本印刷は12月7日,身分証や製品保証カードなどの高いセキュリティや高級感が求められるプラスチックカードに,さまざまな形状で箔押し(ホットスタンプ)加工できるリップマン型ホログラムを発表した。同製品は,フィルムに塗布した感光性の特殊なポリマー材料の内部の密度を変化させ,屈折率の変化で干渉縞を形成する。奥行きのある立体感の表現に優れるとともに,偽造が困難という強固なセキュリティ性能が世界的に評価され,模倣品対策としてブランド品のパッケージや保証書,クレジットカードなどに採用されている。

凸版印刷,国宝と重要文化財の工芸品をVR作品に
 凸版印刷は12月18日,東京国立博物館と共同で,国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」と重要文化財「色絵月梅図茶壺」の外側・内側の意匠や内部構造をデジタル化し,バーチャルリアリティ(VR)作品「日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺・八橋蒔絵螺鈿硯箱」を制作したと発表した。同VR作品は,両工芸品の精緻な意匠や質感,作者がつくり出した世界観を4Kの高精細スクリーンで鑑賞できる。2016年1月6日から4月17日まで同博物館で公開する。

ミレニアル世代にWebコンテンツの信憑性を疑わない傾向
 アドビシステムズは12月18日,消費者のWebコンテンツに関する意識調査の結果を発表した。それによると,日本のミレニアル世代(2000年代に成人や社会人になる世代)の82%がオンライン上のコンテンツの信憑性を疑わない傾向にあることがわかった。また,日本人の79%が「長めの記事を読むより,話題となっている短めの記事を数多く閲覧したい」と回答し,これは世界平均の63%を上回る結果という。

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 いま,二千年以上人間とともにあり,その文化の根幹を形づくってきた「本」の存在が揺らいでいる。改めて,本とは一体何なのか。本の歴史とICT技術の発展の双方を見つめ続けてきた著者が,「本」と印刷,そして情報化社会を生きる人間の今と未来を語る。『電子書籍は本の夢を見るか–本の未来と印刷の行方–』
 編集・校正界の重鎮が長い経験で培った校正知識を詰め込んだ,デジタル時代だからこそ気をつけたい,本づくり・文章づくりに必読の一冊。『本の品格―電子書籍にも必要な校正読本―』

全日本印刷工業組合連合会,次期会長候補者に臼田氏を推薦
 全日本印刷工業組合連合会は12月10日の常任役員候補者選考委員会で,次期会長候補者に臼田真人氏を推薦することを決めた。臼田氏からは,大阪工組と愛知工組の理事長候補者,東京工組の副理事長候補者を副会長候補者に,東京工組の専務理事候補者を専務理事候補者に推薦したいとの意向が示され承認された。臼田氏の会長就任は2016年5月24日の通常総会および理事会で正式に決まる。

全国青年印刷人協議会,来年2月に全国協議会を開催
 全国青年印刷人協議会は2016年2月7日,東京・大手町サンケイプラザで全国協議会を開く。インバウンドビジネスについての講演や平成26・27年度全青協事業の総括,次年度からの新正副議長と推進事業計画を発表する。

日本印刷技術協会,来年1月に名古屋で中部大会とセミナー
 日本印刷技術協会は2016年1月28日に名古屋市中小企業振興会館で中部大会を,光文堂新春機材展と併設で行う。また,29日に,メディアージュ愛知にてセミナーを催す。

OEM研究会,1月定例会を開催
 印刷OEM研究会は2016年1月19日,東京・中央区の印刷健保会館で定例会を開く。また定例会終了後,茅場町の鉄鋼会館で懇親会を行う。

日本印刷学会,PEを意識したスクリーン印刷の講演会開催
 日本印刷学会は12月18日,東京・新富の日本印刷会館でプリンテッドエレクトロニクスとスクリーン印刷に関するセミナーを行った。「FPC製造企業におけるプリンテッドエレクトロニクス開発事例に学ぶPEの出口探索」岩瀬雅之氏(日本メクトロン),「高精細スクリーン印刷HADOP法の改良」日口洋一氏(大日本印刷),「スクリーン印刷のグラフィック分野での高精細印刷」倉橋正人氏(中沼アートスクリーン)の講演と,各講演者と同学会E&S印刷研究会委員による,スクリーン印刷(インキ,装置,印刷プロセスなど)に関する質疑応答の時間が設けられた。

印刷工業会,コンテンツと女性活躍を検討
 印刷工業会は12月16日,東京・青山の明治記念館で会員懇談会を開いた。「コンテンツの海外展開と印刷産業への期待」として経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課の平井淳生課長から,クールジャパンとしての強みや経済省のコンテンツ振興政策などを聞いた。
 また,同工業会の女性活躍推進部会は分科会報告会を行った。「女性の意識改革」「マネジメント」「ワーク・ライフ・バランス」の3分科会から変革に向けての活動報告があった。

凸版印刷,次世代型決済サービスを協業で開発
 凸版印刷とNTTデータは12月4日,次世代型決済サービスの開発で協業すると発表した。取り組みの第一弾として,国際ブランド加盟店で利用可能なプリペイドカードの発行・管理が行えるサービスを金融業界や流通業界に向けて提供し始めた。同サービスでのプリペイドカードの作成には,与信審査が不要なため生活者は手軽にカードを持つことができ,日常の買い物や国内外の旅行や出張などで,キャッシュレス決済を行うことができる。

凸版印刷,上海現地法人が協業し中国市場で販売力強化
 凸版印刷の上海現地法人である上海凸版広告有限公司は12月1日,上海沃馬商業道具制造有限公司と業務提携した。両社は,中国市場における店舗開発および店頭販売力の強化などの,店舗活性化ソリューション提供に取り組む。

凸版印刷,朝霞工場に水辺環境を再現した保全池
 凸版印刷は12月16日,生物多様性の新しい取り組みとして,埼玉・朝霞工場の敷地内に,地域の河川と同様の水辺環境を再現した保全池を整備すると発表した。これにより希少種の魚や植物を保全し,地域の生物多様性保全に貢献する。

共同印刷,「うまいもの市場」で東日本大震災の復興支援
 共同印刷は12月4日,東日本大震災の復興支援として,福島県と宮城県の特産品を販売する「うまいもの市場」を東京・小石川の同社本社で開いた。同展示販売は,2011年から行っているもので,野菜や果物,地酒,水産加工品やお菓子など,両県自慢の品々を販売した。

日本印刷産業連合会,「印刷用語集」Webページを改良
 日本印刷産業連合会は12月21日,無料のWebページ「印刷用語集」の使いやすさを図ってデザインや機能を改良し,公開した。利用者が検索した用語の各種分析結果や,トピックスなどの情報を追加したとともに,用語を選定するカテゴリーを拡大し,逐次,登録用語も追加している。

コニカミノルタ,低炭素のベスト長期目標賞受賞
 コニカミノルタは12月17日,低炭素杯実行委員会が主催する「低炭素杯2016」において「ベスト長期目標賞」を受賞したと発表した。同賞は,長い期間のCO2排出削減目標を掲げ,積極的に取り組む企業や団体を表彰するもの。

ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会,事務所移転
 ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会は1月4日,事務所を移転する。新住所は東京都中央区銀座1-16-1東貨ビル5階。電話番号03-5524-0280。

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 障がい者を含めた多くの人が視覚的に情報を理解できるメディア・ユニバーサルデザインという視点。その現状調査や企業・団体の取り組み,技法,適応例をオールカラーで解説。『メディア・ユニバーサルデザイン』

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技能五輪競技種目に採用されている印刷機トレーニングシミュレーターSHOTS
 枚葉オフセット印刷機のトレーニングが印刷機・資材を使わず社内で行えます。印刷障害の疑似体験と対処方法を効果的に学習できます。指導者の育成,技能評価,社内教育制度の構築に役立ちます。
 下記Webサイトで操作方法や訓練方法を参照できます。(株)プロバリュー(電話06-6330-0905)
https://www.youtube.com/user/hiroprinting

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  電子版『印刷雑誌』,電子書籍書店BookStackにて好評発売中! PCやタブレット端末にダウンロードすれば,いつでも閲覧して情報収集,印刷技術の学習ができます。営業ツールとしてもご利用ください。(データ形式はPDFとLeafThroughがあります。紙版の発行から遅れての発売となります。バックナンバーも購入いただけます)

明日,三次元映像のフォーラムが研究会
 三次元映像のフォーラムは12月22日,越中島の東京海洋大学で第114回研究会「先端海洋技術とその応用」を行う。参加費は,会員無料,一般3000円。問合せは,羽倉(電話090-6184-6161)。

1月11〜17日,渋谷ヒカリエでジャパンブランド体験イベント
 日本発のプロダクト・サービスを支援するさまざまな取り組みを紹介する体験型イベント「JAPAN BRAND FESTIVAL」が2016年1月11〜17日,東京の渋谷ヒカリエで開かれる。主催は同イベント運営事務局。実際に商材に触れたり購入したりできるほか,商談会も行う。11日には講演会も行う。
http://0114identity.peatix.com/

1月23日・3月12日,エプソンがフォトフォーラム
 エプソン販売は2016年1月23日に福岡ファッションビル,3月12日にサッポロファクトリーで,写真愛好家を対象としたイベント「エプソンニューフォトフォーラム2016」を開く。幅広い種類のプリンタを体感することができる。参加無料。
http://www.epson.jp/photoforum/

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 日本を代表する雑誌「アンアン」「クロワッサン」「エル・ジャポン」などで鋭感覚のレイアウトをプロデュースしてきた著者が,理論と技法を多数の実例でわかりやすく展開する。『写真を活かすレイアウト』

1月27・28日,名古屋で光文堂が機材展
 光文堂は2016年1月27・28日,名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)で恒例の新春機材展を開催する。130社が330コマで資機材やソリューションを紹介する。
http://www.kobundo.co.jp/event/event_pd2016_index.html

1月29日,日本画像学会がオフィス用プリンタ技術のセミナー
 日本画像学会は2016年1月29日,東京・西早稲田の早稲田大学でオフィス用プリンタや複写機の技術セミナーを開く。定員80人。要申込。参加費は一般5000円,会員3000円,学生1500円。
http://www.isj-imaging.org/event/imaging_today/2015_IT_28.html

2月5日,国際印刷大学校がpage展で個人情報とマイナンバーのセミナー
 国際印刷大学校は2016年2月5日,東京・池袋サンシャインシティで開催のpage展に合わせ,同所で「印刷産業に於ける新個人情報保護法とマイナンバー制度」に関するセミナーを開く。参加無料,定員50人,要申込。問合せは,電話042-395-5561。

2月10日,日本印刷学会が「紙メディアシンポジウム」
 日本印刷学会は2016年2月10日,東京・新富の日本印刷会館で「紙メディアシンポジウム」を開く。紙の構造,デジタル印刷,古紙リサイクル,紙パッケージのユニバーサルデザイン,偽造防止技術,微小繊維の繊維流動,インクジェットによるアートプリント製作事例などについての講演がある。定員120人。要申込。参加費は一般1万2000円,会員,賛助会社・協賛団体所属員1万円,学生・教職員・シニア3000円。
http://www.jspst.org/event/160210.html

2月26日,日本印刷学会が環境対応をテーマにセミナー
 日本印刷学会は2016年2月26日,東京・日本橋のDICで「最新技術に見る環境対応と明日への取り組み」をテーマにセミナーを開く。インクジェット用紙,オフセットインキ,軟包装の印刷と後加工,軟包装水性フレキソ印刷,印刷産業環境優良工場,drupa2016の展望,について講演がある。参加費は,一般1万8000円,会員1万円,教職員・学生5000円(いずれもテキスト代込み)。要申込,定員80人。
http://www.jspst.org/event/160226.html

2月29日,インフォトレンズが「デジタルイメージングコンファレンス」
 インフォトレンズは2016年2月29日,東京コンファレンスセンター・品川で「デジタルイメージングコンファレンス2016」を開く。イメージング市場およびフォトプリント市場の現状や成長分野を解説する。参加費は税込で,2月4日までに申込むと4万2984円,2月18日までに申込むと5万3784円,2月19日以降の申込は6万4584円。要申込,定員40人。
http://www.infotrends.co.jp/cf/di/2016/

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 デジタル印刷に関して,業態を変えずに印刷会社として何ができるのか。「印刷会社の内情やデジタル印刷への指針」「デジタル印刷のしくみ」「ユーザーの情報」を元に,デジタル印刷の成功への道筋を解説。『印刷会社とデジタル印刷 -成功への道-』
 POD(Print OnDemand)は入念に仕組み作りを工夫することでオフセットでは難しい印刷物や,消費者への効果を作り出すことができる。その特長を活かすための機能や基本原理を解説した入門書。印刷会社以外の総務の方にもわかるようにやさしく解説。『印刷技術基本ポイント POD編』

9月28〜30日,ビッグサイトで素材と技術の展示会「エヌプラス」
 機能性素材や新技術に関する7つの展示会の複合展「エヌプラス」が2016年9月28〜30日,有明の東京ビッグサイトで開かれる。主催はプラスチック工業技術研究会とアテックス。主催者は出展申込を受け付けている。
http://www.n-plus.biz/common/pdf/nplus_2016_guide.pdf

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内
2015年12月号【特集:グラビア印刷の進展】(好評発売中)
 フレキソ印刷の話題が花盛りですが,日本ではなかなか拡大する気配はありません。その理由は,A.グラビアコンバーターはすでにグラビア印刷の設備を持ち,システムやワークフローが構築されておりフレキソへの代替や新規設備ではコスト増加になる。B.欧米ではフレキソ印刷が多いのはわかっているが,日本では少なく,隣の成功の様子を見てから導入する姿勢。C.なんだかんだ言ってグラビアの欠点をうまくカバーすれば,あえてフレキソ印刷を始める必要はない。
などではないでしょうか。
 グラビア印刷の欠点をうまく克服していけば,圧倒的な生産性など多くの長所があるため,まだまだグラビア印刷でやるべきことはあるようです。

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2015年12月21日発行
編集長:末包愛
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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