週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 7巻20号(drupa2016特別号)  2016年5月24日
Japan Printer weekly Vol.7, no.20
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

《drupa事前特集》
 世界最大の印刷資機材関連展示会drupa(ドルッパ,druck und papier,ドイツ語で印刷と紙の合成語)が5月31日〜6月10日,ドイツ・デュッセルドルフの見本市会場で開催される。月刊『印刷雑誌』5月号,6月号で出展情報を掲載しているが,掲載に間に合わなかった情報を紹介する。

サカタインクス,各種インキを紹介
 サカタインクスは,各種材料を出展。基礎研究分野では,カラーフィルター用インキ,分散技術を紹介。カラーマネージメント分野では,印刷検査ソリューション(GTB),校正印刷ソリューション(CGS),自動測色機(EG-1)を展示。軟包装用インキ・食品包装の安全に対する取り組みでは,軟包装用インキと段ボール用防滑ニスを紹介。食品包装の安全性について,ローマイグレーションインキの開発,安全への取り組みを紹介。
 高彩色オフセットインキ,UV・EB硬化型オフセットインキ,フレキソインキ,蓄光インキ,示温インキなど,特殊効果のあるインキを紹介。デジタル印刷機メーカーやシステムインテグレーターに対してOEMでのインク供給を行っている。このOEMに対して,システムと用途に最適なインクを提供するソリューションを提案する。また,従来の印刷技術から,デジタル印刷対応に業態を広げていく顧客に対して,Evolveブランドにてトータルソリューションで応える。

T&K TOKA,パウダーレスインキを世界に発表
 T&K TOKAは,オフセットではUVインキ,各種省電力UVインキ,蛍光インキ,そして日本で利用例が拡大している油性用パウダーレスインキ「キレイナ」を披露する。またUVフレキソインキも紹介する。

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マンローランドシートフェッド,多彩なサービスを展開
 manroland sheetfedは菊全判枚葉オフセット印刷機「ROLAND700 Evolution」を中心に,機械の検査や診断,生産分析を行い(予防保全),機械のパフォーマンスを図る「printservices」,安定,高品質,環境対応を図る材料の製品群「printcom」,印刷のネットワークから受注プロセス,自動品質管理,色管理などオペレータが自動生産プロセスを確立するためのサポート「printnetwork」を紹介する。

Imaging Solutions社,写真用加工システムを出展
 スイスに拠点を置くシステムメーカー,Imaging Solutions AG社(ISAG,スイス)は,フォトブックとカレンダー向けに1日50冊製造用の「fastBook Basic」から,1日1000冊以上製造する「fastBlock 04/90/2300」システム(カット紙またはロール紙)まで出展。これらには筋押し,二つ折り,カッティング,糊付,圧着,「フライング」フォーマット変更の機能がある。製造は,コントロールとセンサー技術でモニタリングできる。また,リネンクロス写真では「miniFrame」「fastFrame」システムにより,自動的に木製フレームに仕上げ,ユーザーは1日に1000フレーム超の生産が可能。
 デジタル写真プリンター「Chromira 5x ProLab」は,9×13〜76cm幅で出力。XYカットも内蔵している。

プロスパークリエイティブ,面測色による色管理システム
 プロスパークリエイティブは,絵柄面測色と印刷の色管理システム「ColorAreaステーションDI」を発表する。画像入力の大判ローラー走行型高速スキャナ(原稿サイズ:B0判またはB1判),PC,ColorAreaソフトウエアで構成され,併せて印刷機とのインターフェースを行うDigital Information社(スイス)製の「InkZone Loop」を用いることで,印刷機の自動色管理をダイレクトに行える。たとえば,インキ濃度管理用のカラーバーが入らない「雑誌や新聞等」の印刷物であっても色管理が行える。
 ColorAreaステーション(専用PCとソフトウエア)490万円,測色用CCDスキャナ(B1判)170万円,InkZone Loopは対象印刷機により価格が変わる。

QuadTech,パッケージと新聞で新製品
 QuadTechは,4つの新製品を発表。パッケージング&紙材加工用のカラー品質向上の新製品実演では,印刷オペレーターがカラー測定値を収集・処理し,インク配合の補正を迅速に行うことができることを見せる。パッケージング&紙材加工用の欠陥検出の新製品は,ごく小さな欠陥も迅速に検出する。パッケージング&紙材加工用のカラー測定の新製品は,インラインで正確なLab測定を行うため,印刷準備時間が短縮され,印刷物がすべて顧客指定の色仕様の範囲内に収まる。新聞印刷用のカラー対カラー見当合わせ新製品は,オペレーションをシンプルにする,高品質・低価格のソリューション。

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QIPC社,世界初のオールインワン バーセンサー
 Q.I.プレス・コントロールズ(QIPC)社による,INTRO International社の資産買収後に市場導入する最初の製品「IBS(インテリジェント バーセンサー)-100」は,100%全数検査が可能。絵柄ベースの濃度制御,カラー見当制御,ミシン目,カットオフ制御,あるいは絵柄全体のサイドレイ制御が100%全数検査できる。

コニカミノルタ,B1のインクジェット印刷機も発表
 コニカミノルタは,同社として過去最大規模の2400m2で出展。小森コーポレーションと協力のB2判インクジェット(IJ)印刷機「AccurioJet KM-1」は発売開始。MGI社製デジタルエンボスや箔押しの「JETvarnish」と組み合わせて実演。また,ミヤコシと協力のフルカラーデジタルラベル印刷機「bizhub PRESS C71cf」はJETvarnishと組み合わせたラベル生産を紹介。今回技術展示として,紙器パッケージ向けB1判IJ印刷機「KM-C」を出展。

富士フイルム,3.2m幅大判UVインクジェット機も発表
 富士フイルムは今回も多彩な機器,材料,技術を紹介するが,新製品として3.2m幅ロール紙対応LED UVインクジェットプリンター「Acuity LED 3200R」を発表。インクは4色にLc,Lm,W,Clを加え全8色。生産性は4色インクセット300×600dpi,2Passバナープリント時で最大110m2/時。

HP,B1判の液体トナー印刷機と大判インクジェット機拡充
 HPは,「HP Indigoデジタル印刷機」シリーズの新製品5機種と「HP PageWide Web Press」シリーズの新製品3機種を発表,出展する。Indigo機は,枚葉機3機種「HP Indigo 12000/7900/5900デジタル印刷機」とB1判ノビに対応する両面印刷機「HP Indigo 50000デジタル印刷機」,写真向け「HP Indigo WS6800pデジタル印刷機」。加えて,ラベル/軟包装用デジタル印刷機「HP Indigo 20000デジタル印刷機」は,商業印刷アプリケーション向けに強化を図った。「HP PageWide Web Press」シリーズは高精細ノズルアーキテクチャテクノロジーを搭載し,新製品の「HP PageWide Web Press T490 HD/T490M HD/T240 HD」は,これまでよりも高い印刷品質と生産性を図る。

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ミマキエンジニアリング,3つの技術で出展
 ミマキエンジニアリングは,産業用印刷におけるモノづくりの革新を目指すIoT,1000万色以上のフルカラーによる美しい色表現と,高精細な造形技術を実現する3Dの,新しい技術による次世代に向けたソリューションを展示する。たとえば「UVクリアインク」は,艶やかな光沢仕上げや落ち着いたマット仕上げで質感,高級感を高める効果だけでなく,デザインに合わせて部分的にプリントすることでの立体感を作り出し,そのモノのみずみずしさやシズル感といったリアリティを演出できる。ブラックライトをあてることで,通常は目に見えないプリントが浮かび上がるインビジブルインクも紹介。

リコー,産業用インクジェットヘッドを開発
 リコーは,ラベルやパッケージ,サイングラフィックスなどのプリンティングシステムで使われる産業用インクジェットヘッド「RICOH MH5220」を開発した。最小液滴量2.5pl(ピコリットル),1280ノズル(320ノズル×4列)のノズル配置で粒状感のない印刷,複数のヘッドを千鳥配列することで1200dpi出力にも対応可能,マルチドロップによる液滴制御により,液滴量は2.5〜9plが可能,ステンレス構成で剛性が高く高耐久・長寿命,内蔵ヒーターによる加熱で高粘度インクの吐出が可能,ラベル印刷分野で使われるUV硬化インクに対応,などの特長がある。今夏から世界的に販売予定。
 また,薄膜ピエゾアクチュエーター*1 を搭載した産業用インクジェットヘッドを開発,参考出品する。新開発インクジェットヘッドは,ゾルゲル法*2 を利用して製造した高い剛性を持つアクチュエーターによって駆動し,従来品で好評のマルチドロップ制御*3 を可能にしている。また,リコーのMEMS*4 技術を活用した独自の高集積設計により,320×4列の1280ノズルを搭載。300dpi/列の千鳥配置の構成により,最大600dpiの印刷を行える。さらに,インク流路を分離することで,1ヘッドで4色のインクの吐出が可能。

*1:電圧が加えられると変形する素子(ピエゾ素子)の一種で,インク滴を吐出する機構で使われる。
*2:原材料の水溶液から固体材料を製造する手法。
*3:濃淡表現のために使われる技術で,インク滴を空中で合体することによりドットサイズを変化させる。
*4:Micro Electro Mechanical System の略で,微小電気機械デバイスあるいは技術の総称。

月刊『印刷雑誌』5月号,6月号(各1400円+税)「インクジェットdrupa再び?」で,富士フイルム,コニカミノルタ,エプソン,キヤノン,コダック,HP,リコー,KOLBUS,BOBST,SCREEN,リョービMHI,小森コーポレーション,ミヤコシ,ミューラー・マルティニ,ホリゾン,Landa,GMGなどの各メーカーの出展概要を紹介しています。
 また,月刊『印刷雑誌』8月号(7月20日発行),9月号(8月22日発行)でdrupa2016レポートを掲載します。

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内
2016年6月号【特集:紙とデジタル保存】(好評発売中)
  紙は,環境にやさしい表示・保存媒体です。紙は森林を伐採した木から作るので,環境を破壊している。などと今でも思っている人がいるようですが,『印刷雑誌』の読者であれば釈迦に説法でしょうが木を植えて森を作って木を切ってという循環型社会で生産される典型的な例の一つが紙です。もちろん,リサイクルもできます。
 今月号は紙の環境と紙に載せる価値,価値のアーカイブを掲載しました。

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週刊『印刷雑誌』7巻20号(drupa2016特別号)
2016年5月24日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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