週刊『印刷雑誌』



週刊『印刷雑誌』 7巻23号 2016年6月13日
Japan Printer weekly Vol.7, no.23
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

大日本印刷,丸善ジュンク堂書店でオンデマンド本の販売を拡大
 大日本印刷は6月9日,トゥ・ディファクト,丸善ジュンク堂書店と共同で,絶版・在庫切れなどの入手困難な書籍を注文に応じて1冊ずつ製造するオンデマンド本の販売を拡大すると発表した。丸善ジュンク堂書店の7店舗とトゥ・ディファクトが運営するWebサイト「honto.jp」で,平凡社が発行する東洋文庫の復刻版オンデマンド本を6月10日に発売した。同サービスでは,東洋文庫全698タイトルのうち665タイトルをオリジナル本とサイズを統一して製作する。価格は1冊あたり2700〜4300円。

KADOKAWA,書籍の製造プラットフォームにHPのデジタル印刷
 KADOKAWAは,埼玉県所沢市に生産および物流の拠点を新設する。その書籍製造プラットフォームとして,HP社製のデジタル印刷機をはじめ製本・後加工機や出版に特化したワークフロー管理システムなどを設備する。これにより文庫やライトノベル,新書,コミックなどの本文,口絵,表紙,カバー,帯にいたるまでを一貫生産する。新拠点は2018年より順次稼動する予定。

凸版印刷,「凸版文久体」ファミリーの本文用ゴシック体を提供
 凸版印刷は6月下旬,オリジナル書体「凸版文久体」ファミリーの第5弾として,本文用ゴシック体「凸版文久ゴシックDB(DemiBold)」をOpenTypeで提供し始める。文字の骨格を太くした書体で,利用者が用途にあわせて太さを選べる。横書きでの自然な筆の運びを意識し,読むリズムを演出する抑揚のあるデザインが特長。文字セットはAdobe-Japan1-6(23,058文字),JIS2004準拠,IVS対応。対応OSは,Mac OS X 10.6以降の日本語版とWindows Vista・7・8・10の日本語版。

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 和文を中心に文字,書体に焦点をあて,書籍や雑誌をはじめとした印刷媒体や,さらにデジタル機器の表示までの文字の基本,デザインへの応用までを多数の図版を使ってオールカラーで解説。『印刷技術基本ポイント 文字・書体編』
 組版とページ割りの基本知識をカラー図版とわかりやすい説明でまとめた,初歩的な知識がすぐに身につく基本テキスト。『印刷技術 基本ポイント組版・ページネーション編』

ゲイトウェブ,名刺サイズ印刷アプリの会員数が5万人突破
 ゲイトウェブは6月9日,名刺サイズの印刷デザインと発注ができるアプリ「デコプチカード」の会員数が5万人を超えたと発表した。同アプリは用意されたデザインパーツを組み合わせて好みの名刺を作成でき,アプリ内で発注も可能。スタンプカードや割引券など名刺以外にも対応する。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー,6月27日までTDC展
 ギンザ・グラフィック・ギャラリーは6月3〜27日,「TDC2016」展を開いている。ヘンリク・クベル氏とスコット・ウィリアムズ氏による『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』のためのカスタムフォントなど,東京タイプディレクターズクラブが主催するコンペティション「東京TDC賞2016」の受賞作品を展示している。

凸版印刷,バーチャル試着アプリを使った販促サービス
 凸版印刷は6月中旬,自分の写真でバーチャル試着ができるスマートフォン向けアプリ「DressMe!(ドレスミー)」を用いた販促サービスの提供を始める。同アプリはスマートフォン上で自分自身の全身写真にファッションアイテムの画像を合成することで,自分の姿でファッションコーディネートの確認ができる。同社は,通販企業や出版社,アパレル流通・小売など向けにクラウドで提供するほか,各企業のオリジナルアプリとしても提供する。

FFGS,「JP2016 情報・印刷産業展」に省資源と付加価値で出展
 富士フイルムグローバルグラフィックシステムズは6月23〜25日,インテックス大阪で開かれる「JP2016 情報・印刷産業展」に出展する。「省資源」と「付加価値」をキーワードに,オフセット印刷向け省資源ソリューションやインクジェット技術を活かしたデジタルプレスソリューション,工程変革の基軸となるワークフローソリューションなどを提案する。

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 デジタル印刷に関して,業態を変えずに印刷会社として何ができるのか。「印刷会社の内情やデジタル印刷への指針」「デジタル印刷のしくみ」「ユーザーの情報」を元に,デジタル印刷の成功への道筋を解説。『印刷会社とデジタル印刷 -成功への道-』
 POD(Print OnDemand)は入念に仕組み作りを工夫することでオフセットでは難しい印刷物や,消費者への効果を作り出すことができる。その特長を活かすための機能や基本原理を解説した入門書。印刷会社以外の総務の方にもわかるようにやさしく解説。『印刷技術基本ポイント POD編』

共同印刷,医薬・化粧品向けの機能性フィルムやパッケージを出展
 共同印刷は6月29日〜7月1日,有明の東京ビッグサイトで開かれる「インターフェックス ジャパン:医薬品・化粧品・洗剤 研究開発・製造技術国際展」に出展する。湿気やアウトガスを吸収するフィルムや,分割充填可能なスタンディング2室袋,バリア性とデザイン性を備えたラミネートチューブなどを紹介する。

凸版印刷,傷に強く汚れにくい建装材向け化粧シートを発売
 凸版印刷は8月,ナノ化技術を活用した,傷に強く汚れが落ちやすい建装材向け化粧シート「Smart NANO」シリーズを発売する。これは東京理科大学が開発した,超臨界CO2の特性を利用してナノカプセルを生成する新技術を,世界で初めて建装材分野に展開した製品。シリーズの第1弾は床材用化粧シートで,従来製品と比べて2倍の耐傷性と高い耐汚染性を図った。

大日本印刷,黄色ブドウ球菌数測定用フィルム培地を発売
 大日本印刷は6月6日,食品・飲料メーカーなどが品質管理のために行う微生物検査用のフィルム培地製品の新製品として,黄色ブドウ球菌数測定用のものを発売すると発表した。500枚で7万5000円。

凸版印刷,未来に向けた新事業を学生と一緒に創造
 凸版印刷は8月1日より,大阪から新ビジネスを創出するオープン・イノベーション・プロジェクトの第2弾として,未来に向けた新事業を学生と一緒に創造するプログラム「TOPPAN Startup Program 2016」を実施する。同社が培ってきた印刷テクノロジーによる既存ビジネスの戦略課題をもとに,食やスポーツ,教育,地方創生など関西でサービスの拡大が期待される分野・品種を抽出。柔軟なアイデアを持つ学生と連携して新規事業を創出する。

共同印刷,50歳代以上女性の意識・行動に関するセミナー
 共同印刷は,顧客企業向けサービスの一環として「これからの50代以上女性市場ビジネスモデル研究会」を立ち上げた。6月2日に東京・小石川の同社でセミナーを開き,商品開発やマーケティング,プロモーションなどに携わる17社25人が参加した。DSプロモーションの松下令子社長が「今ドキのオトナ女子のトレンド意識と美容への関わり方」と題して講演したとともに,参加者で意見交換を行った。

トッパンフォームズ,「攻めのIT経営銘柄2016」に選定
 トッパンフォームズは6月9日,中長期的な企業価値の向上や競争力の強化といった視点から経営革新,収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なIT活用に取り組んでいる企業として,経済産業省と東京証券取引所から「攻めのIT経営銘柄2016」に選ばれたと発表した。複数の電子マネーブランドに対応したクラウド型決済プラットフォームや,紙帳票と電子帳票の両方に対応したハイブリッド型帳票運用プラットフォームの構築などが評価された。同社の選定は2年連続。

凸版印刷,チューブ容器で「木下賞」を受賞
 凸版印刷は6月10日,ハウス食品の「特選本香り」シリーズのチューブ容器で,日本包装技術協会が主催する「木下賞 包装技術賞」を受賞したと発表した。同賞は包装技術の研究・開発や,包装の合理化・改善・向上に顕著な業績をあげたものに与えられる。同社の受賞した容器は,中ぶたアルミシールのつまみやすさ,チューブのフルカラー印刷,チューブの口元がなで肩で中身を絞り出しやすい,キャップの開閉角度,キャップの軽量化などが評価された。

日本印刷学会,医療への印刷技術の応用
 日本印刷学会は6月8日,東京・六本木の富士フイルムで「医療・ヘルスケア領域への挑戦:印刷の向かう方向性を考える」をテーマにシンポジウムを開いた。プリンテッドエレクトロニクス(PE)を用いた医療・ヘルスケアビジネス,日常医療のための体腔センサと生体ガス,3D細胞プリント,PEとウエアラブル機器の講演があり,シンポジウム終了後の名刺交換会は大盛況だった。

紙のエレクトロニクス応用研究会,研究例会盛況
 紙のエレクトロニクス応用研究会は6月9日,東京・西麻布のKREIビルで研究発表会を行い次の3件があった。ナノセルロースからペーパーエレクトロニクスの注目材料を検討している状況を大阪大学の能木雅也教授が話した。共創のオープンイノベーションについて,A(エース)の山田渉社長が解説した。電子ペンに関し,ワコムエンジニアリングの堀江利彦氏とワコムテクノロジーマーケティング掛晃幸氏が説明した。

全国印刷出版産業労働組合連合会,公契約の適正化を聞く
 全国印刷出版産業労働組合連合会と日本出版労働組合連合会は6月8日,東京の文京区民センターで「印刷出版フォーラム21」第16回円卓会議を開いた。世田谷区公契約適性化委員で行財政総合研究所の理事長の永山利和氏が「公契約の適正化と公契約条例の制定」をテーマに講演した。

東京都印刷産業政治連盟,会長に森永伸博氏
 東京都印刷産業政治連盟は6月6日,新宿のハイアットリージェンシー東京で総会を開いた。2016・2017年度の会長は引き続き伸正社の森永伸博氏が務める。

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6月21〜24日,凸版印刷で商品撮影の自動化システムの展示会
 凸版印刷とアポロクリエイトは6月21〜24日に東京・本所の凸版印刷で,企業の商品画像を社内で誰でも簡単に撮影できる自動化システム「フォトオートメーション」の展示会を開く。入場無料。予約は不要だが,事前予約者には実演や説明を個別に行う。問合せはアポロクリエイトへ,電話03-6421-7561。

7月6〜29日,渋谷で「小泉弘 装丁展」
 東京・渋谷のギャラリー・ウィリアムモリスは7月6〜29日,「小泉弘 装丁展」を開く。ブックデザイナーの小泉弘氏の作品を紹介する。入場無料。日・月・第3土曜日は休館。問合せは,電話03-5466-3717。

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 原弘から杉浦康平,横尾忠則,菊地信義,そして原研哉まで,日本を代表する31人のグラフィックデザイナー各氏のブックデザインを,58作品,68点のカラー図版とともに紹介。『デザイナーと装丁』

7月7日,日本出版学会が出版の歴史と編集者論の講演会
 日本出版学会は7月7日,東京・三崎町の日本大学で研究会を開く。「『出版の冒険者たち』と私の編集者論:現代出版社・編集者の誕生とその歩みの中から」と題し,読書人の植田康夫社長が,出版の歴史と編集者論を語る。参加費は一般500円,会員と学生は無料。要申込,定員40人。
http://www.shuppan.jp/yotei/761-201677.html

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 いま,二千年以上人間とともにあり,その文化の根幹を形づくってきた「本」の存在が揺らいでいる。改めて,本とは一体何なのか。本の歴史とICT技術の発展の双方を見つめ続けてきた著者が,「本」と印刷,そして情報化社会を生きる人間の今と未来を語る。『電子書籍は本の夢を見るか–本の未来と印刷の行方–』
 出版デジタル機構 元会長の植村八潮氏(専修大学教授)が,現在の電子書籍ブームへの軌跡を10年以上に渡り追い続けた記録を一冊に集約。『電子出版の構図』
 本格的な電子書籍の攻勢を前に果たして紙は生き残れるのか?紙を専門に研究してきた筆者がその時々に興味を持った時事問題や社会情勢にも触れ,好評を得た月刊『印刷雑誌』の連載「わたしの印刷手帳」をまとめた一冊。『紙と印刷の文化録:記憶と書物を担うもの』

7月29日,日本印刷学会西部支部が作道印刷と北東工業の見学会
 日本印刷学会西部支部は7月29日,見える化を実施している作道印刷とUV水なし印刷を行っている北東工業の見学会を開く。参加費は,会員・協賛組合員2,500円,非会員3,000円(マイクロバス代含む)。
http://www.jspst.org/event/160729.html

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2016年6月号【特集:紙とデジタル保存】(好評発売中)
  紙は,環境にやさしい表示・保存媒体です。紙は森林を伐採した木から作るので,環境を破壊している。などと今でも思っている人がいるようですが,『印刷雑誌』の読者であれば釈迦に説法でしょうが木を植えて森を作って木を切ってという循環型社会で生産される典型的な例の一つが紙です。もちろん,リサイクルもできます。
 今月号は紙の環境と紙に載せる価値,価値のアーカイブを掲載しました。

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週刊『印刷雑誌』7巻23号
2016年6月13日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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