週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 8巻25号 2017年7月3日
Japan Printer weekly Vol.8, no.25
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

凸版印刷,福岡でデジタル印刷のイベント
 凸版印刷は7月7・8日,福岡・天神のエルガーラホールで「デジタルプリントカンファレンス in 福岡 2017」を開く。7日のカンファレンスでは同社と日本HPがパッケージのデジタル印刷の最新技術を解説するほか,ロッテや養命酒製造,SEG Marketingが活用事例などを紹介する。8日はトッパンパッケージプロダクツ福岡工場の見学会を行う。

出版デジタル機構,紙の書籍の販促にゲラ配信サービスを提供
 出版デジタル機構は6月26日,Webを活用した紙の書籍の販促支援ソリューション「NetGalley(ネットギャリー)」日本版サービスの提供を始めた。同サービスは,書店員や図書館員,教育関係者,ブロガーなどの専門的な読者に対し,発売前の書籍のゲラや見本をセキュリティの施された電子コンテンツとして配布する。対象者は無料で利用でき,出版社にゲラのリクエストをして作品紹介や評価などをできる。
 同サービスはアメリカのNetGalley LLCが提供するもので,北米では300以上の出版社で活用され,カナダやオーストラリア,イギリス,フランス,ドイツでも展開されている。日本版の運営は出版デジタル機構が行い,サービス開始時点でKADOKAWAや講談社,光文社,幻冬舎,集英社,小学館,ディスカヴァー・トゥエンティワンが参加している。

出版デジタル機構,慶応義塾大・出版4社とラボ立ち上げ
 出版デジタル機構は6月28日,慶應義塾大学SFC研究所,KADOKAWA,講談社,集英社,小学館と共同で,未来の出版に関する研究をおこなうラボラトリ(Advanced Publishing Laboratory,APL)を設置すると発表した。電子書籍の次世代規格の標準化に対して積極的な貢献と,専門知識や情報技術を活用し,国際的な市場で活躍できる人材,未来の出版そのものを支える人材の育成を目指す。

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 出版デジタル機構 元会長の植村八潮氏(専修大学教授)が,現在の電子書籍ブームへの軌跡を10年以上にわたり追い続けた記録を一冊に集約。『電子出版の構図』
 いま,二千年以上人間とともにあり,その文化の根幹を形づくってきた「本」の存在が揺らいでいる。改めて,本とは一体何なのか。本の歴史とICT技術の発展の双方を見つめ続けてきた著者が,「本」と印刷,そして情報化社会を生きる人間の今と未来を語る。『電子書籍は本の夢を見るか–本の未来と印刷の行方–』

大日本印刷,ハイブリッド型総合書店のLINE公式アカウント開設
 大日本印刷とトゥ・ディファクトは6月27日,共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」のLINE公式アカウントを開設した。コミュニケーションアプリ「LINE」で,hontoで販売中の本に関する最新情報や限定クーポンの配信など,生活者に役立つ情報を提供する。

エムズ,写真プリントができるiPhoneアプリを提供
 エムズは6月30日,iPhone向け無料アプリ「かわいい&おしゃれ写真印刷-さくっとプリント」の提供を始めた。希望の住所にプリントした写真を届ける「Lサイズ プリント注文機能」と,自宅やコンビニのプリンタで写真を印刷するための「データ作成機能」がある。プリントの料金は20円/枚(送料150円〜)。

大日本印刷,証明写真機の撮影データをスマホにダウンロード
 大日本印刷は6月29日,同社グループが提供する無料アプリ「Ki-Re-i ID Photo」を更新し,証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」で撮影した画像データをクラウド環境でスマートフォンに直接ダウンロードできるようにしたと発表した。これまで必要だった証明写真機とのWi-Fi接続の手順が不要になった。

大日本印刷,仏陶器ブランド刊行書籍の日本語版を活版印刷
 大日本印刷は6月27日,フランスの陶器ブランド「アスティエ・ド・ヴィラット」が2016年1月に刊行した書籍『MA VIE A PARIS(私のパリ生活)』の日本語版を活版印刷で製造したと発表した。2017年6月より国内の書店等で販売されている。今回発行した日本語版には大日本印刷のオリジナル書体「秀英体」が使われている。

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 嘉瑞工房創立者である井上嘉瑞氏の著述と組版作品を2分冊で復刻。戦前から前後にかけて井上氏が著した活版印刷,とくに欧文組版におけるタイポグラフィについての思想と実作品を通して,現在の組版意識の高揚を図る。『「井上嘉瑞と活版印刷」作品編』『「井上嘉瑞と活版印刷」著述編』

凸版印刷,制作を監修した料理本が受賞
 凸版印刷は6月30日,同社が制作を監修した料理本『食べもの時鑑』(著者:奥田政行,写真:長谷川潤,企画・編集・発行:フレーベル館)が,料理本のアカデミー賞と言われる「グルマン世界料理本大賞2017」で「Best Culinary Heritage Book(食の遺産部門)」のグランプリを受賞したと発表した。応募総数211ヵ国,約1万6000作品の中から選ばれた。

キヤノンマーケティングジャパン,「こどものみらい古本募金」開始
 キヤノンマーケティングジャパンは6月27日,内閣府などが推進する官公民の連携・協働によるプロジェクト「子供の未来応援国民運動」の趣旨に賛同し,同社グループで「こどものみらい古本募金」を始めたと発表した。全国各拠点において回収した古本の買い取り金額を「子供の未来応援基金」に全額寄付する。6月11日時点で5078冊が集まったという。

大日本印刷,現代の日本の写真を集めた展覧会をパリで開催
 大日本印刷は1994年から2006年にかけて,第2次世界大戦以降の日本の写真家の作品を集めた「DNP寄贈コレクション」(21作家・540作品)をパリ市立ヨーロッパ写真館へ寄贈した。2017年6月28日から8月27日まで,同写真館で同コレクションの展覧会を開いている。日本を代表する写真家の1945年から2000年までの写真を,総体的なかたちでパリで公開するのは1980年代以降初めてという。

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 日本を代表する雑誌「アンアン」「クロワッサン」「エル・ジャポン」などで鋭感覚のレイアウトをプロデュースしてきた著者が,理論と技法を多数の実例でわかりやすく展開する。『写真を活かすレイアウト』

キヤノン,米国に渡った文化財の複製品を京都国立博物館へ寄贈
 キヤノンと京都文化協会は6月30日,共同で取り組んでいる「文化財未来継承プロジェクト」の第10期作品として,米国サンフランシスコ・アジア美術館所蔵の「四季山水図屏風」と「韃靼人狩猟・打毬図屏風」の複製品を京都国立博物館へ寄贈した。前者は室町時代の式部輝忠の作品。後者は桃山時代の狩野宗秀の作品と伝わるもの。両複製品は9月3日まで,京都国立博物館・平成知新館のロビーで展示されている。

印刷関係会社の文化活動が認定
 企業メセナ協議会は6月26日,企業・企業財団が実施するメセナ(芸術・文化を通じた豊かな社会創造)活動を認定している。このたび有識者による審査会にて,80社・団体の154件の活動を認定した。
 大日本印刷およびDNP文化振興財団のギャラリーや鑑賞手法開発など,凸版印刷の印刷博物館やコンサート,富士フイルムの写真歴史博物館や写真コレクションなど,富士ゼロックスの文化伝承活動,キヤノンの写真コンテスト,DICの美術館,日本出版販売の読書企画などが認定された。

共同印刷,機能性フィルムが宇宙実験試料の梱包・保管材に採用
 共同印刷が開発・製造する酸素吸収フィルム「オキシキャッチ」が,国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟で行われた材料曝露実験試料向けの梱包・保管材として採用され,実験完了にともない3月に地上で回収された。同社は6月28日,宇宙航空研究開発機構の実験チームによる検証の結果,同製品が能力を発揮して低酸素状態を維持したと評価されたと発表した。
 梱包・保管材は2015年8月の打ち上げ前後の約3ヵ月間と2017年3月の回収運用前後の約3週間にわたり使用され,水分を使わずに酸素を吸収できる機能により低酸素状態を維持し,酸化による試料の状態変化を防いだ。

共同印刷,吸湿性の個包装用アルミシートを開発
 共同印刷は6月26日,錠剤などの個包装用のアルミシートに高い吸湿性をもたせた「モイストキャッチ アルミPTPシート」を開発したと発表した。従来製品に比べて約3倍の吸湿能力を確保し,ポケットの成形性も1.4倍に向上してより大きな内容物に対応できるようにした。

大日本印刷,BPO拠点を新宿と福岡に新設
 大日本印刷は6月,東京・新宿および福岡市にBPO(Business Process Outsourcing)運用拠点を新設した。これにより同社のBPOセンターは全国13拠点になった。

エプソン,デジタルラベル印刷機を2モデル発売
 エプソン販売は9月上旬,セイコーエプソン製のデジタルラベル印刷機「SurePress」の新商品「L-4533AW」(6色+ホワイトインク搭載モデル)と「L-4533A」(6色モデル)を発売する。新たに搭載した「エッジスムージング機能」により,画像の輪郭や細い線・文字などの表現や,高速印刷時のベタ塗りの品質向上を図った。標準価格は前者1950万円,後者1900万円。

コニカミノルタ,SCREENとデジタル商業印刷で連携強化
 コニカミノルタは6月19日,SCREENグラフィックソリューションズとのデジタル商業印刷分野における協業を強化すると発表した。現在,多品種・小ロット印刷への需要の拡大に伴い,急速にデジタル印刷機器が導入されつつあるが,ワークフローの中核であるオフセット印刷のCTPワークフローRIPでフルコントロールできないために,その価値を充分に生かしきれない場合があり,後者の「EQUIOS」と前者のインクジェット,トナーデジタル印刷機「Accurioシリーズ」のJDF連携をより強化する。これにより,カラーマネジメントや後加工処理にも対応できる,シームレスな運用の実現を図る。

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 デジタル印刷に関して,業態を変えずに印刷会社として何ができるのか。「印刷会社の内情やデジタル印刷への指針」「デジタル印刷のしくみ」「ユーザーの情報」を元に,デジタル印刷の成功への道筋を解説。『印刷会社とデジタル印刷 -成功への道-』
 POD(Print OnDemand)は入念に仕組み作りを工夫することでオフセットでは難しい印刷物や,消費者への効果を作り出すことができる。その特長を活かすための機能や基本原理を解説した入門書。印刷会社以外の総務の方にもわかるようにやさしく解説。『印刷技術基本ポイント POD編』

Asahi,フレキソ印刷アワードで樹脂版ユーザーが受賞
 Asahi Photoproducts社は6月23日,製版会社のDixie Graphics社およびProlamina社が制作した軟包装パッケージ「水現像フレキソ印刷プロモーションバッグ」が,「2017 Excellence in Flexography Awards」(2017年度最優秀フレキソ印刷アワード)のセルフプロモーション部門で第1位を獲得したと発表した。Asahi社製のフレキソ樹脂版を使用して印刷したもので,インキの定着や階調表現などが評価された。

小森会,仙台で楽な素朴な生き方を聞く
 小森会は6月28日,仙台国際ホテルで「小森みちのく会」総会と講演会を開いた。小森コーポレーションの小森善治会長は基調報告として国内外の印刷市場動向や欧米で書店の売上が増加傾向にあることなどを,同社の印出明浩氏は顧客へ向けての人財育成活動を,波多野孝司氏は印刷機のネットワークによる生産性向上を話した。また「楽に進化して深化する」と題し,曹洞宗青龍山祇陀寺(ぎだじ)の吉田大信住職からプラス思考の素朴な楽な生き方を聞いた。

OEM研究会,オフセットとデジタルの色合せ
 OEM研究会は6月27日,東京・鵜の木の金羊社で定例会を開いた。ジャパン・スリーブ,金羊社,三共グラフィックが,オフセット印刷物とデジタル印刷機の出力物の色の適合・不適合を考察し,デジタル印刷機の調整の難しさを話した。

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 編集作業で必要になる校正記号集や用紙サイズ資料,オフセット印刷物のカラー見本,画像解像度の比較サンプルなどを級数・歯送り表として使えるクリアファイルに収納。編集業務補助ツール。『編集アシストセット』(重版出来!)

9月30日まで,「発明大賞」の募集
 日本発明振興協会と日刊工業新聞社は9月30日まで,「第43回発明大賞」の応募を受け付けている。同賞は,優秀な発明や研究を通じて産業の発展,国民の生活向上に寄与した中堅・中小企業や個人を表彰する。
http://biz.nikkan.co.jp/html/hatsumei/

7月4日,日本画像学会が人工知能技術の講演会
 日本画像学会は7月4日,東京の早稲田大学で「人工知能における学習技術」をテーマに講演会を開く。幅広い人工知能研究分野への学習技術の応用という観点から,5つの講演がある。参加費は一般5000円,学生1500円,会員3000円。要申込,定員50人。
http://www.isj-imaging.org/event/imaging_today/2017_IT_31.html

7月6日,大日本印刷がデジタルマーケティングのセミナー
 大日本印刷は7月6日,東京・新宿のDNP左内町ビルで「デジタルとリアルをつなぐ:現実を動かすデジタルマーケティング」をテーマにセミナーを行う。情報の取得や蓄積,管理から分析,プロモーション施策の企画と実行,効果検証までデジタルとリアルを融合したマーケティング手法を紹介する。参加無料。事前予約制。
http://www.dnp.co.jp/seminar/170706/

7月25日,文化通信社が小説投稿サイトと出版をテーマにフォーラム
 文化通信社は7月25日,東京・神保町の文化産業信用組合でフォーラムを開く。「小説投稿サイトと出版 連携の可能性を探る」と題し,DeNAグループの小説投稿サイト「エブリスタ」を運営する,エブリスタの芹川太郎社長が講演する。参加費5000円。要申込。
https://goo.gl/forms/L7iNHyYntQDXJVXE3

7月28日,モリサワが2016年ADCグランプリ受賞作品の講演会
 モリサワは7月28日,大阪・浪速区の本社で「第21回モリサワ文字文化フォーラム」を開く。コピーライターの福部明浩氏,アートディレクターの榎本卓朗氏が,「言葉と絵で。福部明浩と榎本卓朗の広告のつくり方」と題し,2016年ADCグランプリ受賞作品の大塚製薬「カロリーメイト 見せてやれ,底力。」をはじめ,数々の作品が生まれた制作秘話などを講演する。参加無料。要申込。
http://www.morisawa.co.jp/culture/forums/upcoming/3583

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 和文を中心に文字,書体に焦点をあて,書籍や雑誌をはじめとした印刷媒体や,さらにデジタル機器の表示までの文字の基本,デザインへの応用までを多数の図版を使ってオールカラーで解説。『印刷技術基本ポイント 文字・書体編』
 組版とページ割りの基本知識をカラー図版とわかりやすい説明でまとめた,初歩的な知識がすぐに身につく基本テキスト。『印刷技術 基本ポイント組版・ページネーション編』

8月3日・9月2日,東京で「UD検定」
 国際ユニヴァーサルデザイン協議会は次の日程と場所で「UD検定」を行う。8月3日は東京・品川のコクヨで中級講習会(2万9700円),9月2日は東京の芝浦工業大学で中級試験(1万800円)および初級講習会と試験(5400円)を実施。要申込,8月25日締切。
中級 https://www.iaud.net/ud_certification/8871/
初級 https://www.iaud.net/ud_certification/8864/

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 障がい者を含めた多くの人が視覚的に情報を理解できるメディア・ユニバーサルデザインという視点。その現状調査や企業・団体の取り組み,技法,適応例をオールカラーで解説。『メディア・ユニバーサルデザイン』

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2017年7月号【特集:環境と湿し水】(好評販売中)
 平版オフセット印刷は,デジタル印刷から見ると完成された印刷方法と思われる時もありますが,まだまだ改良の余地が多くある技術のようです。そのためか,『印刷雑誌』の特集にもたびたび登場します。今月号は,湿し水と品質,乾燥促進,湿し水を網羅した環境について専門家に解説いただきました。

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週刊『印刷雑誌』8巻25号
2017年7月3日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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