週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 8巻31号 2017年8月21日
Japan Printer weekly Vol.8, no.31
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷業界トピック

日経印刷,日本創発グループに経営参画
 日経印刷は8月14日,日本創発グループの一員として参画することを決めた。日経印刷の林吉男会長は日本創発の代表取締役会長として,吉村和敏社長は取締役に,11月28日開催予定の日本創発の臨時株主総会で選任される予定。また日経印刷の所有者である創業家は日本創発の株の15%弱を所有し2位の株主となる。
 日本創発は中核に東京リスマチックを持つ,印刷のほかデジタルコンテンツやマーケティングの企業で連結従業員1600人・売上350億円規模。日経印刷は450人・100億円の規模。

木戸製本所が入船に製本工房
 木戸製本所(新潟)は8月3日,東京・入船にデジタル印刷対応の製本サービスを主とした「入船製本工房」を開設した。〒104-0042東京都中央区入船1-9-6 T'sビル1階,電話03-6280-4448。

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日本印刷産業連合会,「印刷の月」式典とアジア印刷会議開催
 日本印刷産業連合会は「9月印刷の月」記念式典を9月13日,東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開く。記念講演会として「地域創生の視点から印刷産業を考える」と題し東京理科大学専門職大学院の生越由美教授が話す。
 また同連合会は,アジア印刷会議「FAPGA」をIGAS2018展(7月26〜31日)に合わせ,2018年7月26〜28日に開く。オープンセミナーや理事会,IGASおよび印刷博物館や大型書店などの視察を予定している。

日本印刷技術協会,印刷コーディネータ養成講座開講
 日本印刷技術協会は10月4日〜12月8日,「プリンティングコーディネータ養成講座」を開講する。今回,カリキュラムを特殊印刷や加工技術の分野中心とした。全9回で会員22万円,一般31万円。

■デザイン系の話題

吉田印刷所,24色のカラーグラシン紙を発売
 吉田印刷所は,半透明薄紙のグラシン紙に印刷で色を付けたカラーグラシン紙の一般販売を8月20日から開始した。150mm×150mmサイズの20枚入り。全24色,各394円。また710mm×480mmサイズで柄模様が印刷された「色柄グラシン」も発売した。

パイインターナショナル,『素材を使わないデザインのヒント』発売
 パイインターナショナルは8月21日,書籍『素材を使わないデザインのヒント』を刊行する。写真やイラスト等の素材の力を借りずに,文字・罫線・配色・図形といった手持ちの要素だけで効果的にデザインされた国内・海外の秀作を多数紹介。参考になるデザインのヒントを集結させた。B5判変型,ソフトカバー,272ページ・カラー,本体5800円+税。

フォントワークス,新書体発表
 フォントワークスは8月22日から,年間定額制フォントサービスLETSと「モトヤLETS」の20の新書体の提供を始める。ハライの伸びやかさが特徴の「筑紫Q明朝」,ユニバーサルデザイン書体「UD丸ゴ」の太いウエイト,そして新たに多言語フォントでアラビア語,ヒンディ語を拡充した。

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竹尾,無版印刷とファインペーパーの実験的作品製作
 竹尾は同社見本帖本店で9月29日まで,「現象体 無版×ファインペーパー」展を開いている。無版の印刷方式とファインペーパーを組み合わせ,紙への積層,紙の切削,紙の細工,紙と異色,の5つのテーマで,インクヘッドと紙の距離を離すとどうなるか,を始めとする実験的な取り組みから得られた現象を活かした作品を展示している。

ggg,フィリップ・アペロワ氏のタイポグラフィ作品が一堂に
 ギンザ・グラフィック・ギャラリーは9月16日まで,「Apeloiggg Tokyoフィリップ・アペロワ展」を開いている。イッセイミヤケが販売する香水のパッケージデザインや,フランス・セーブルで生産される焼磁器のデザイン,ポスター作品など,フランスのグラフィックデザイナーのフィリップ・アペロワ氏の新作・近作111作品を展示している。

■大手印刷会社の動き

大日本印刷,電通大と動きの人工知能研究
 大日本印刷と電気通信大学の長井隆行研究室および中村友昭研究室は8月8日共同で,AIが人間の言葉や表情,ジェスチャー(動き)に合わせて自動的にその返答と動きを生成する「表現AI」の研究を始めたと発表した。研究成果として,ロボットやチャットボット(パソコンやスマートフォンの画面上でキャラクターなどがチャット形式で自動応答する仕組み),デジタルサイネージなどの情報機器が,動き付きで会話する表現AIのプロトタイプを2017年度中に開発し,その後実際の情報機器を利用した自動プレゼンテーションの実証実験を行う予定。

凸版印刷,中国電力とお得情報アプリ開発
 凸版印刷は,中国電力(広島)のWeb会員サービス「ぐっとずっと。クラブ」の会員向けアプリ「中国電力×Shufoo!アプリ」を開発。中国電力は,電子チラシサービスShufoo!を活用した公共インフラ企業の契約者向けアプリの提供を8月9日から始めた。凸版印刷は会員向けコンテンツへのスムーズな誘導,チラシをはじめとする地域のお得な情報の提供,アプリ利用によるポイント取得の機能提供など,利便性の高いコンテンツや機能で契約者との関係強化を支援する。

共同印刷,糸魚川のブランディング支援
 共同印刷は,地方創生事業の支援サービスを拡大し,多様な企業との連携による地域ブランディングの取り組み支援を始めた。その一環として,8月8日,クリエイティブプロダクションのプラスディーと,新潟県糸魚川市の地域ブランディングを手がけると発表した。ブランドの立ち上げ,商品開発,開発した商品の販売促進やEC サイトなどを通じた新しい販路を創出し,地域活性化につなげていく。

大日本印刷,墨田区でビールの店を紹介する情報取得の実験
 大日本印刷は,地域の“よりみちスポット”情報を提供する「DNP旅のよりみちアプリ YORIP」を活用し,ビール指数が高まると,アサヒビールが提供する“うまい!樽生ビールが飲めるお店”の情報をYORIP上で紹介する広告配信サービスの実証実験を8月から10月末まで東京・墨田区で行っている。YORIPから得られる閲覧・立ち寄り履歴をもとに,効果を検証する。

大日本印刷,社会的責任投資指標に選出
 大日本印刷は8月8日,世界的に権威のある社会的責任投資の指標であるFTSE4Good Global Indexの構成銘柄に17年連続で選ばれたと発表した。今回,Consumer Services-Media分野において,気候変動や資源循環の項目で最高レベルの評価を得たほか,水利用,人権・労働,サプライチェーンなどのグローバル課題への真摯な取組みを評価され,構成銘柄として選定された。

大日本印刷,京都市交響楽団とコラボ
 大日本印刷は京都の文化資源の公開活動の一環として10月1日,京都市交響楽団とのコラボレーションイベント「“時の響”2017〜1867年 日本と西洋の文化に出会う〜」を京都コンサートホールで開く。今回「大政奉還150周年記念プロジェクト」の一環として催す。

■プロ向けサービス,新製品

昌栄印刷,富士ゼロックスの一意識別技術でセキュリティサービス
 昌栄印刷は8月8日,富士ゼロックスの一意識別技術Yoctraceを活用した,真贋判定および認証など5つのセキュリティサービスを2018年春より始めると発表した。これは,(1)仮想通貨や地域通貨における紙媒体や非対面での本人確認,(2)電子証明書の仕組みで発行される納税証明書・支払い証明書など,(3)有価証券・証拠証券などの証券類,(4)ブランドプロテクション用の媒体,(5)IDカードシステムにおけるIDの自動認識技術の簡素化および既存技術との組み合わせによる高度な偽変造防止。

キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ,印刷検査システム発表
 キヤノンプロダクションプリンティングシステムズは8月8日,産業用検査装置向けコンタクトイメージセンサー(CIS)を中核とした印刷検査システムを8 月下旬から発売すると発表した。印刷物などの画像検査に最適化されたユニットで,検査対象となる印刷物の有効読み取り長330mmと476mmの2種類のモデルを用意。このCISに画像処理関連製品や画像処理ソフトを組み合わせて,印刷検査システムを構築し,顧客に適するシステムを提案する。オープン価格。

グラフテック,自動シートフィーダーカッターの新製品発売
 グラフテックは9月から自動シートフィーダーカッターCE6000-ASFの販売を始める。400mm幅グリットローリング式カッティングプロッタCE6000-40 PLUSに,シート状メディアを自動連続給紙するオートシートフィーダユニットF-MARKを加えたシステム商品。F-MARKはイタリアのATS Digital社が開発し,欧州を中心に販売されている製品で,グラフテックはこの度,ATS Digital社よりF-MARKの全世界での独占販売権(一部地域を除く)を取得した。CE6000-ASF本体84万8000円,オプション品としてF-MARKのみ本体70万円。

日本アグフア・ゲバルト,技術協会のセミナーでクラウドワークフロー紹介
 日本印刷技術協会は8月24・25日,東京・中野富士見町の同協会でセミナーを中心とした催事を開くが,日本アグフア・ゲバルトは24日に「ワークフローのクラウド化による生産の効率化とBCP対策」と題しニシカワの西川誠一社長による講演を行う。

ローランドディー.ジー.,サイン&ディスプレイショウに出展
 「サイン&ディスプレイショウ2017」が8月31日〜9月2日,東京ビッグサイトで開かれるが,ローランドディー.ジー.は新開発のプリントヘッドやカッティング機構を搭載したインクジェットプリンタ―TrueVISシリーズや新たなUVプリンターを参考出品する。

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■スケジュール手帳

8月27日まで,京都で「みんなでつくる猫フォトブック展」
 しまうまプリントシステムは,「みんなでつくる猫フォトブック展」を,河原町の京都マルイで8月27日まで催している。
https://www.n-pri.jp/photobook/special/cat?atpress

9月3日まで,紙の博物館で折り紙の展示会
 紙の博物館は9月3日まで,東京・王子の同館で作品寄贈記念展「ORIGAMI:“紙宿る手”吉澤章のまなざし」を開いている。入館料は大人300円。
 なお,9月16日〜2018年3月4日は「紙で旅するニッポン:四国編」,2018年3月17日〜6月3日は「木版画の美その2:独特の美しさと技法」の予定。
http://www.papermuseum.jp/exhibit/temporary/2017/0617.html

9月3日まで,お札と切手の博物館でめずらしい切手を求めて
 お札と切手の博物館は9月3日まで,東京・王子の同館で特別展「切手の国の探検隊:めずらしい切手を求めて」を催している。入場無料。8月27日までは,手すきの無料体験も行っている。
http://www.npb.go.jp/ja/museum/tenji/tokubetu/index.html

本日と明日,ムサシが名古屋で商談会
 ムサシは8月21・22日,名古屋・栄の富士ゼロックスでレーザー加工機をはじめとした,新たなビジネス展開のヒントとなるシステムの商談会を催す。問合せは,print634@musashinet.co.jp

8月22日〜9月14日,銀座でイラストレーターたちの展示会
 東京・銀座のクリエイションギャラリーG8は8月22日〜9月14日,東京イラストレーターズ・ソサエティの展示会「東京東-シタマチDiscovery-」を開く。163人の作家が下町を描く。入場無料。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201708/g8_exh_201708.html

8月23日,日本印刷学会がグラビア軟包装とSDGsの研究会
 日本印刷学会は8月23日,東京・新富の日本印刷会館で「SDGs はグラビア軟包装業界に何をもたらすか」をテーマに研究会を開く。地球環境の悪化を食い止め,貧困や格差問題を解決するために国連加盟国が合意した目標SDGs(Sustainable Development Goals)について,グラビア軟包装業界に関連深い事柄を解説する。参加費は一般1万円,会員6000円。要申込,定員65人。
http://www.jspst.org/event/170823.html

8月23日,9月20日,ハイパーギアが紙文書を電子化するセミナー
 ハイパーギアは8月23日と9月20日,東京・市谷佐内町の同社で紙文書をスキャンして電子化する際の問題解決を図るセミナーを催す。参加無料,定員12人,要申込。
http://www.hypergear.com/mt/main/archives/2017/06/qr_15.html

8月25日,フュージョンが通販事業者向けCRMセミナー
 フュージョンは8月25日,東京・汐留のトライステージで通販事業者向けのCRM(顧客関係管理)事例研究のセミナーを催す。参加無料,要申込。
https://a.k3r.jp/fusion/3975G1434E17

8月30日,日本包装技術協会がパッケージングフォーラム
 日本包装技術協会は8月30日,湯島の東京ガーデンパレスで「2017日本パッケージングコンテスト入賞作品記念発表会」を催す。参加無料。
http://pna.y-ml.com/_cs?m=JPI&c=14&u=24116

9月1・2日,札幌で印刷産業の展示会
 9月1・2日。北海道のアクセスサッポロで印刷産業の展覧会「HOPE2017」が開かれる。以前より開催されていた「北海道情報・印刷産業展」から,情報発信を主眼として発展したもので,今年で2回目の開催となる。
http://www.print.or.jp/event/hope2017-1-2.html

9 月7・8 日,宣伝会議がプロモーションフォーラム
 宣伝会議は9 月7・8 日,有楽町の東京国際フォーラムで「宣伝会議プロモーションフォーラム2017」を開く。入場無料,要事前登録。
 共同印刷は,タッチパネル型デジタルサイネージとスマートフォン用アプリが,顧客データベースやコンテンツマネジメントシステムと連動する提案を行い,また「今から考えるべき5年後の購買コア層獲得に必要な戦略」と題し,講演も行う。
https://www.pmforum.jp/

9月8日,エスコグラフィックスがセキュリティ印刷セミナー
 エスコグラフィックスは9月8日,東京・青海の同社でプリンティングオンデマンド偽造防止印刷,偽造防止インキ,偽造防止用紙,ホログラムなどの「セキュリティ印刷セミナー」を催す。参加無料,要事前登録。
http://www.esko.co.jp/seminar/20170908.pdf

9月13日〜10月9日,松屋銀座で「デザインの日常Vol.1コップ」展
 松屋銀座で9月13日〜10月9日,第738回デザインギャラリー1953企画展「デザインの日常Vol.1コップ」が開かれる。主催は日本デザインコミッティー。入場無料。
http://designcommittee.jp

9月15日,日本画像学会がインクジェット技術研究会
 日本画像学会は9月15日,東京・虎ノ門の発明会館ホールで「インクジェットインクの高画質化:インクジェットの画質は今どこまで到達し,今後何を目指すのか」をテーマに研究会を催す。定員200人,参加費は会員7,000円,非会員10,000円,学生2,000円。
http://www.isj-imaging.org/event/tech_seminar/2017_smr_131.html

9月16日〜11月27日,天理参考館で特別展「天理図書館古典の至宝」
 天理大学附属天理参考館と天理図書館は9月16日〜10月9日(一期),10月11日〜11月6日(二期),11月8〜27日(三期)に天理参考館で特別展として,新善本叢書刊行記念「天理図書館古典の至宝」を開く。入館料は大人400円。
http://www.tcl.gr.jp/calender/shihotenhp.pdf

9月19日〜10月19日,銀座で高田唯展「遊泳グラフィック」
 高田唯展「遊泳グラフィック」が9月19日〜10月19日,東京・銀座のクリエイションギャラリーG8で開かれる。入場無料。9月22日には,水野学,高田唯両氏によるサロン(入場無料,要予約)も行われる。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8exh_201709/g8exh_201709.html

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週刊『印刷雑誌』8巻31号
2017年8月21日発行
編集:古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

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