週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 8巻32号 2017年8月28日
Japan Printer weekly Vol.8, no.32
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■文字もじMOJI

大日本印刷,秀英体をモリサワにライセンス供与
 大日本印刷は8月23日,同社の書体「秀英体」の「にじみフォント」をモリサワにライセンス提供すると発表した。モリサワは「秀英にじみ明朝L」をDTP用のフォント製品として今秋に販売するほか,Webフォントサービスでも提供する予定。秀英にじみ明朝L(細)は,活版印刷に見られる活字の自然なゆらぎやにじみを分析し,文字の線画に施しているため柔らかな印象を与える。

モリサワ,Webフォントサービスを拡充
 モリサワは8月22日,WebフォントサービスTypeSquareより,エイワンとデザインシグナルの書体の提供を始めた。シンプルで使い勝手の良い「ZENオールド明朝N」や「ZEN角ゴシックN」をはじめとする全22のエイワン書体と「きりぎりす」や「そよ風」など個性が際立つデザイン系の全27のデザインシグナル書体。これらの書体は,ブラウザ上でWebサイトの書体を自由に変更できるTypeSquareトライアウトで試せる。

フォントワークス,写真きせかえのフォントきせかえ部分で連携
 フォントワークスとバイドゥは8月24日,バイドゥより提供予定の日本語入力&きせかえ顔文字キーボードアプリ「Simeji」における「写真きせかえ」のフォントきせかえ部分で連携すると発表した。フォントワークスは,「くろかねEB」「スランプDB」「ロウディEB」を,Simejiの写真きせかえ設定機能の文字フォントとして提供する。SimejiはAndroid版(ver11.5)で利用できるほか,iOS版は9月に提供予定。

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■クールジャパンと芸術

大日本印刷,市谷にアニメセンターを開設
 大日本印刷は,日本動画協会が7月まで東京・秋葉原UDXで運営していた東京アニメセンターを,東京・市ヶ谷のDNPプラザに移転し,10月28日にリニューアル開設する。同社が開発するVR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった鑑賞技術や,アニメの原画を活用した展示・物販,ワークショップや各種関連イベントの開催など,日本のアニメ文化を発信していく。

共同印刷,高級美術複製画200部限定発売
 共同印刷は8月21日,後期印象派の画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの絵画「夾竹桃」の高級複製画を限定200部制作し発売した。原画を所蔵するメトロポリタン美術館から提供された画像を使い,ゴッホの烈しい筆使いや豊かな色彩をシルクスクリーン手刷りで再現。額寸天地53×左右55.7cm。額付きで税別1万5000円。

大日本印刷,マレーシアで『ONE PIECE』企画展
 大日本印刷は,連載開始から20年を迎えた漫画『ONE PIECE』の企画展「Eiichiro Oda presents Hello, ONE PIECE Luffy is here!」をマレーシア・クアラルンプールのISETAN The Japan Store内のイベントスペース「CUBE_1」で,8月26日から10月18日まで催している。主人公・ルフィの魅力を5つのキーワードで紐解く展示や,数々のカラーイラスト展示,作者・尾田栄一郎氏の仕事場をイメージしたデスクや作画ムービーなどの展示がある。

キヤノン,写真・映像の賞を29年連続受賞
 キヤノンはこの度,デジタル一眼レフカメラ2機種と交換レンズ1機種の合計3機種において欧州で権威のある写真・映像関連の賞「EISAアワード2017−2018」を29年連続で受賞した。受賞作品は,写真や映像制作の幅広いユーザーのニーズに応える優れた作品として評価された。

■プロの世界

大洞印刷,プレミアムインセンティブショーで販促アイテムを紹介
 プレミアムインセンティブショーが9月6〜8日,東京ビッグサイトで開かれるが,大洞印刷(岐阜)は,クリアファイルの多品種化やデジタル印刷対応オリジナル販促アイテムなどを出展する。

マルニ・ロジコム,ラッピング・発送サービス開始
 マルニ・ロジコムは8月21日から,ダンボールでなく外装もラッピングして発送する「つつみ屋工房 企業サービス」を始めた。顧客・関係者への感謝の思いをラッピングで表現する。このサービスを通じ,企業と顧客の信頼関係構築及びブランド形成に寄与していく。

富士ゼロックス,技術文書管理ソリューションを提供
 富士ゼロックスは8月23日,同社の社文書管理システムとアマノビジネスソリューションズが提供するタイムスタンプサービスを組み合わせ,知的財産の先使用権立証に必要な要件を満たした技術文書管理を実現する「先使用権対応ソリューション」の提供を始めた。ガイドラインに沿った技術文書管理と,先使用権の確立に向けた電子文書の証拠性確保を同時に実現し,顧客の知的財産管理を支援する。

東京都印刷工業組合,VOC排出削減推進事業開始
 東京都印刷工業組合はこの度,東京都環境局「民間と連携した揮発性有機化合物排出削減対策推進事業」の実施団体に採択された。事業者がVOCの排出を削減するための環境関連認証取得費(日印産連のGP認定,全印工連の環境推進工場登録とCSR認定)やVOC警報機の導入費用に対する2分の1を都が助成する。
 この事業は,同組合が申請・窓口団体になり,同組合のほか印刷関連8団体(東京グラフィックサービス工業会,東京都製本工業組合,東京グラフィックコミュニケーションズ工業組合,東京都正札シール印刷協同組合,東京都ラベル印刷協同組合,関東グラビア協同組合,東京スクリーン・デジタル印刷協同組合,東京都光沢加工紙協同組合)と連携して実施する。

全日本印刷工業組合連合会,著作権取扱い要望を周知
 全日本印刷工業組合連合会と全日本印刷産業政治連盟が以前から要望していた官公需取引における著作権の適切な取り扱いについて,7月25日に閣議決定された「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」(基本方針)で知的財産権に財産的価値を認めるよう盛り込まれたが,今回,「基本方針」の解説内容がわかった。解説には,1.知的財産権の財産的価値に留意すること,2.利用目的を明確にすること,3.コンテンツ版バイ・ドール契約の活用といった点が詳細に記載された。
 同連合会では,今回の「基本方針」および解説の内容をもとに,12月までに組合員向けのわかりやすい解説資料を作成し,この「基本方針」の実効性を高めるため,解説資料をもとに,今後,経済産業省や中小企業庁と連携して,あらゆる機会を捉えて組合員および官公庁などへの啓発を積極的に進め,官公需取引の適正化を図っていく予定。

大日本印刷,環境・社会・企業統治で投資の構成銘柄に選定
 大日本印刷は8月24日,公的年金を運用する年金積立金管理運用独立法人が,環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)を重視した経営をしている企業を選んで投資するESG投資の運用開始にあたり,新たに採用した3つのESG指数全ての構成銘柄に選定されたと発表した。7月現在,3つの指数全てに選定された日本企業は66社で,印刷業界では同社の1社だけという。

凸版印刷,インドネシアの大手軟包材事業会社と提携
 凸版印刷は8月24日,インドネシアで軟包材事業を展開する大手事業会社のPT. Karya Wira Investama Lestari(KWIL)と資本業務提携の契約を結んだ。凸版印刷の高付加価値な機能性包材の開発・製造技術とKWILが持つインドネシアでの事業ノウハウを融合することで相乗効果を図れる点で両者の意向が合致した。凸版印刷は,本提携契約で軟包材事業を一層強化していく。

■印刷物を作るための機器装置

コダック,プレートセッター用カセットマルチカセットユニット発売
 コダックは,プレートセッターTRENDSETTER,ACHIEVE両シリーズ用のオプションとしてマルチカセットユニット(MCM)を日本市場で9月から販売を始める。これまで両シリーズにはシングルカセットユニットモデルがラインアップされていたが,今回のMCUにより,刷版生産工程でのさらなる自動化と省力化を強化でき,機器の設置スペースに制約が多い日本市場でのニーズに応える省スペース化も図れる。

ポーラー社,創立111年で記念モデルを発売
 断裁機メーカーPOLAR-Mohr機械販売会社(ドイツ)は9月24日に創立111周年を迎える。同社は記念モデルを12月まで日本市場でも出荷,日本ではハイデルベルグ・ジャパンが販売する。

■セミナー終了

日本フォーム印刷工業連合会,外交官・杉原千畝の葛藤を聞く
 日本フォーム印刷工業連合会は8月26日,東京・関口のホテル椿山荘で夏季講演会を開いた。俳優の水澤心吾氏が「決断・命のビザ“SEMPO”杉原千畝物語」と題した一人芝居を公演し,リトアニアでナチスドイツからの迫害を受けた多くのユダヤ人へビザを発行した日本領事館領事代理の杉原氏の葛藤を表現した。また,杉原氏の孫にあたる杉原まどか氏が登壇し,杉原千畝氏のその人柄について,思い出とともに紹介した。

印刷工業会,意識と身体の乖離を聞く
 印刷工業会は8月24日,東京・新富の日本印刷会館で「9月印刷の月」協賛講演会を行った。養老孟司氏が登壇し「心とからだ」をテーマに,人の意識により生み出された都市生活のシステム化や情報化が,身体性や感覚とのずれを生んでおり,現代社会の生きづらさの一因になっていると指摘した。

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■印刷関係スケジュール

9月2日,ユニヴァーサルデザイン協議会がデザインマラソン
 国際ユニヴァーサルデザイン協議会は9月2日,東京・田町の芝浦工業大学で大手企業のデザイナーやエンジニア,マーケッターが集結し,障害のある方と一緒に街を歩くことで健常者には見えない課題を発見し,新たなユニバーサルデザインを提案する「48時間デザインマラソン」を行う。聴講無料,要申込。
https://www.iaud.net/48hdm/9177/

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 障がい者を含めた多くの人が視覚的に情報を理解できるメディア・ユニバーサルデザインという視点。その現状調査や企業・団体の取り組み,技法,適応例をオールカラーで解説。『メディア・ユニバーサルデザイン』

9月6日,帆風が人を活かす経営セミナー
 帆風は9月6日,東京・千代田区の学士会館で「CS,ES,リーダーシップで会社を伸ばす:人を活かす経営」をテーマにセミナーを行う。バグジーの久保華図八氏が,高い社員満足と顧客満足を実現する経営者としての取り組み,考え方を解説する。参加無料。要申込,定員200人。
https://www.vanfu.co.jp/vf/seminar/189th

9月6日,東京ビッグサイトで書店の可能性を探るセミナー
 京都の地域書店でありながら20年以上にわたり雑貨を販売してきたふたば書房の洞本昌哉社長が,人材育成や店舗展開などの経営ノウハウをもとに書店ルートが持つ可能性をについて語るセミナーが9月6日,東京ビックサイトで開かれる。参加費3000円(当日申込は4000円)。
http://www.giftshow.co.jp/tigs/84tigsinvitation/seminar.htm

9月8日,印刷技術懇談会が3Dビジネス活用講演会
 印刷技術懇談会は9月8日,東京・中野坂上の東京工芸大学芸術学部で「3Dビジネスの現状と印刷会社側の活用法」をテーマに講演会を開く。ビースルーの長誠司氏が3D造形の現在の技術状況とこれまでの事例やコンテンツ制作の注意点について説明する。参加費1000円,要申込。
http://kokucheese.com/event/index/483919/

9月8日,中小企業基盤整備機構がECビジネスのイベント開催
 中小企業基盤整備機構は9月8日, 東京の虎ノ門ヒルズフォーラムでECビジネスに関する様々な課題の解決法が見つかる,成功のポイントを1日で学ぶことのできるイベント「EC Camp 2017秋」を開く。
http://eccamp.smrj.go.jp/tokyo.html

9月12 日,全日本印刷印刷工業組合連合会がマーケティングセミナー
 全日本印刷工業組合連合会は9 月12 日,東京・新富の日本印刷会館でソニー・デジタルエンタテインメント・サービスの福田淳社長による「最新のデジタルマーケティング戦略セミナー」を開く。受講料2000円,要申込。
http://www.aj-pia.or.jp/pdf/20170912seminar.pdf

9月13日,日本印刷技術協会が情報を可視化する重要性と効果を探るセミナー
 日本印刷技術協会は9月13日,東京・中野富士見町でセミナー「デザインで情報を可視化する〜インフォグラフィックスの動向」を開く。インフォグラフィックス分野で著名な永原康史氏と木村博之氏が登壇。参加費(税込)は,一般15,120円,会員10,800円。
https://www.jagat.or.jp/cm2017_infographics

9月13日,日本画像学会が東京工業大学で化粧と科学の勉強会
 日本画像学会は9月13日,大岡山の東京工業大学で資生堂の高野ルリ子氏を招き「メイクアップを心理学で科学する〜経験割・理論どちらが先か〜」をテーマに勉強会を開く。画像技術にとって重要な要素の一つである顔や表情において,魅了的な顔や表情とはどういうものであるのかを化粧という切り口で紹介する。参加費は,個人会員1000円,一般2000円,学生会員1000円。定員30人。要申込。
http://www.isj-imaging.org/event/imagingcafe/yokoku170913.html

9月20〜22日,大阪で高機能素材Week展
 第5回[関西]高機能素材Weekが9月20〜22日,インテックス大阪で開かれる。主催はリードエグジビションジャパン。
http://d.wsew.jp/ja/Osaka-2017/Product-Search/

9月21日〜12月10日,専修大学が学校図書館と電子書籍の基礎講座
 専修大学は9月21日,10月16日,11月12日,12月10日,東京の神田キャンパスほかで「学校図書館と電子書籍:学校図書館への電子書籍の導入から活用まで」をテーマとした講座を開講する。各日定員30人,受講料無料。
http://www.aebs.or.jp/seminar20170921.html

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 全国の公共図書館の電子図書館・電子書籍貸出サービスのアンケート調査結果。編:植村八潮・野口武悟・電子出版制作・流通協議会,発行:電子出版制作・流通協議会。『電子図書館・電子書籍貸出サービス調査報告2016』
http://japanprinter.thebase.in/items/4534681

9月21日,日本出版学会が大阪で出版メディアとアイドルの報告
 日本出版学会は9月21日,大阪府立江之子島文化芸術創造センターで「出版メディアと“アイドル”:1980年代以降の動向を中心に」をテーマに研究報告会を開く。同志社大学の田島悠来会員が報告。参加費は,会場費を参加者で均等割り。
http://www.shuppan.jp/yotei/916-2017921.html

9月21日,日本包装技術協会がデザインとインターパックのセミナー
 日本包装技術協会は9月21日,東京・築地の同協会で「デザインビジネスの時代へ〜デザインとは何か〜」と「世界最大の包装関連展示会インターパック2017視察報告」の月例研究会を催す。参加費は,会員無料,一般3240円(1部会,税込み)。
http://pna.y-ml.com/_cs?m=JPI&c=12&u=24116

9月22日,日本出版学会がロンドンの日系書店を考察
 日本出版学会は9月22日,東京・四谷の上智大学で出版史研究部会を開く。「ロンドン ジャパンセンター 日系書店のマーケティング感覚とは?〜1989-91年という時代の場合〜」と題し,河出書房新社司書 元ロンドン ジャパンセンター サブマネジャーの加藤重男会員が報告する。参加費は,会員無料,非会員500円。
http://www.shuppan.jp/yotei/915-2017922.html

9月22日,大阪で日報ビジネスが海外パッケージデザイン研究セミナー
 日報ビジネスは9月22日,大阪・南本町の同社でパッケージデザイナーの三原美奈子氏を講師として「海外のおもしろパッケージレポート」セミナーを行う。デザイナー視点の海外パッケージ最新事情を紹介しながら,中央アジアにおける新たなビジネスチャンスを模索していく。参加費1000円,別途交流会あり(有料)。定員20人,要申込。
http://www.nippo.co.jp/seminar/h17o0922.htm

9月22日,TooがiPadで業務をIT化し改善するセミナー
 Tooは9月22日,東京・虎ノ門の同社でiPadで業務をIT化し,仕事を変えるヒントを伝えるセミナー「Non IT現場でiPadを活用して業務改善を実現しよう!」を開く。参加無料,要申込。
http://www.too.com/event/y2017/apple_biz09/

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週刊『印刷雑誌』8巻32号
2017年8月28日発行
編集:古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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