週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 8巻43号 2017年11月13日
Japan Printer weekly Vol.8, no.43
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷を楽しむ

富士フイルムイメージングシステムズ,写真で作るカレンダーサービス
 富士フイルムイメージングシステムズは11月7日,スマートフォンやデジタルカメラで撮影した画像で,オリジナルの卓上カレンダーを作るサービス「COYOMI PHOTO CALENDAR」を始めた。富士フイルムが提供する店頭プリント受付機を導入している全国の写真店で注文でき,注文したその日に受け取ることができる。カレンダーはリングタイプとシートタイプがあり,前者はKGサイズ(152×102mm)の縦型で,デザインは6種類。後者はハガキサイズ(100×148mm)の横型で,デザインは4種類。オープン価格。

コンテンツワークス,クリスマスカード作成用の素材を提供
 コンテンツワークスは11月8日,グリーティングカード作成サイト「GLAM PRINT(グラムプリント)」において,クリスマス専用の写真テンプレート79種類と無料のイラスト12種類の提供を始めた。価格は,プリント料金・ハガキ代・送料が有料で,基本料金と宛名印刷は無料。

BLUEPAGE Greetings,出産報告ハガキ・年賀状の作成サービス
 オンラインでハガキやカードの作成支援サービスを提供するBLUEPAGE Greetingsは11月8日,スマートフォンなどのモバイル端末からハガキやカードが作れるサービスを公開した。出産報告ハガキやお祝いへの礼状,年賀状などに対応する100種類以上のデザインを用意した。会員登録は月額295円,印刷料金は10枚2350円〜。

博報堂アイ・スタジオ,東日本大震災被災校でデザイン教室
 博報堂アイ・スタジオは10月30日,東日本大震災の被災校である宮城県気仙沼市立唐桑中学校で,デザインの授業「チャリティー年賀状 デザイン教室」を開いた。「気仙沼について,全国の人に知って欲しいこと」をテーマに40人の生徒が同社クリエイターの指導を受けながら計41の年賀状デザインを制作した。デザインの一部には,生徒たちが気仙沼で採取した葉や土から作った染料と,気仙沼発のインディゴ染めブランド「インディゴ気仙沼」が制作した「気仙沼ブルー」を使っている。これら全41作品は,「ネットで年賀状」サイトと「スマホで年賀状」アプリで11月30日より販売される。1枚購入ごとに10円が被災校の支援に寄付される。

◇◇ 書籍PR ◇◇
 音楽ジャケット制作エピソード徹底解剖!デザイナーがこだわり抜いた音楽パッケージのデザインクリエイティブと製造技術,それらに関わる人々のエピソードを豊富な写真とインタビューで紹介。『ミュージック・ジャケット・ストーリーズ-見て楽しむ特殊パッケージの世界-』

■印刷からの拡がり

小松総合印刷所,スマホを使ったスクラッチくじ
 小松総合印刷所は10月30日,スマートフォンサービス「デジタルスクラッチ」を発表した。コインで削るスクラッチくじをスマホの画面上で体験できる。同社のマーケティングオートメーションサービスと連動しており,DMなどと合わせて使用することで,「だれがいつくじを引いた」といった効果測定まで行える。

大日本印刷,妊婦と乗客の善意をつなぐ実証実験
 大日本印刷はLINEと共同で12月11〜15日,東京メトロ銀座線の最後尾車両内で,席に座りたい妊婦と席をゆずりたい周囲の乗客をつなぐ「&HAND」の実証実験を行う。LINEアカウント「&HAND」に“友だち登録”をした利用者が乗車し,妊婦の利用者が「座席に座りたい」というメッセージを同アカウント宛に送信すると,周囲にいる登録者へメッセージが届く。座席を譲りたい利用者は座席位置などを返信できる。

大日本印刷,佐世保で健康づくりを支援
 大日本印刷は11月18〜26日,長崎の佐世保市健康寿命延伸推進協議会が催す健康づくりイベント「佐世保けんこうウィーク」で,生活習慣病を予防する「DNP健康管理支援サービス」を無償提供する。期間中に同市内の3ヵ所のドラッグストアや調剤薬局の店頭で健康測定を行える。その結果はその場で確認でき,店頭の管理用タブレット端末や,利用者自身のPCやスマートフォンなどから,測定の履歴を閲覧できる。

凸版印刷,5Gネットワークの活用を実験
 凸版印刷とNTTドコモはブロードメディアGCの協力のもと,第5世代移動通信方式(5G)のモバイルネットワークを利用し,往時の情景を再現した高精細4K VR(バーチャルリアリティ)コンテンツを自動運転バスにリアルタイムに配信する公開実験を行った。11月9〜11日に東京・お台場の日本科学未来館で開かれたイベント「見えてきた,“ちょっと先”の未来〜5Gが創る未来のライフスタイル〜」で,凸版印刷の高精細4K VRで再現した江戸城を,自動運転バスに伝送し,車内の大型モニターや乗客の持つヘッドマウントディスプレイ,タブレット端末へ走行に合わせて表示することで,現存しない江戸城天守を観光しているようなタイムトリップ体験を提供した。
 また両者は同展で,遠隔で観光体験やスポーツ観戦・コンサート鑑賞,遠隔就労などの用途を想定した「IoA仮想テレポーテーション」のプロトタイプの実証実験も行った。これは同社が東京大学大学院情報学環の暦本研究室とのIoA(Internet of Abilities)研究をもとに開発したもので,自分の分身となるロボットが360度カメラで周辺の空間情報を収集し,利用者がいる場所のスクリーンにリアルタイムで送る。これによって,例えば高齢者や身体の不自由な人に,家にいながら旅行先にいる家族と一緒に遠隔観光を楽しむといった体験を提供できる。

大日本印刷,電子ペーパーで設備の予約状況を表示
 大日本印刷はネオジャパンと協業し,11月27日より「desknet's NEO 電子ペーパー設備予約表示システム」の販売を始める。同システムは,電子ペーパー表示器に会議室や社用車の利用状況を表示し,共用設備の利用状況の把握と稼働率の向上,空予約の防止などを図る。

◇◇ 書籍PR ◇◇
 印刷プロセスの持つ優位性と有用性を活かし,生産の効率化,コスト削減などにつなげるための知識『次世代プリンテッドエレクトロニクスへ―印刷による付加型生産技術への転換―』

■プロの世界

エックスライト社,多角度分光測色計を発売
 エックスライト社と子会社のパントン社は11月8日,特殊効果仕上げの色材を測定・管理するためのポータブル式の多角度分光測色計「MA-Tシリーズ」を発売した。新しい2光源6受光の「MA-T12」および1光源6受光の「MA-T6」は,RGBカラーイメージングと多角度の分光測定機能を合わせもち,色彩,粒子輝度感,粒子感を数量化する。

日本出版販売,事業を創出するベンチャーを発掘・育成
 日本出版販売はデジタルハリウッドと共同で,オープンイノベーションによる新規事業創出事業「日販グループアクセラレーター2017」を始めた。12月27日まで,協業を希望するベンチャーを募集している。書類と面談による選考で採択したベンチャーに,同社がもつ流通網や各事業との連携,各種データ活用,投資・資本業務提携などを提供し,同社社員とベンチャーが協力して2018年1月下旬〜3月下旬に新規事業を企画する。

小松総合印刷ら,IT展でDMのマーケティングを提案
 IoT,ビッグデータ,クラウド,AI,店舗ITなどの複合展「Japan IT Week秋」が11月8〜10,千葉の幕張メッセで開かれた。主催はリードエグジビションジャパン。小松総合印刷やガリバーはDMをはじめたとしたダイレクトマーケティングを,コトブキ企画は電子書籍関連を,モリサワはデジタルコンテンツの配信システムなどを提案した。

中央区,ビジネス交流フェア開催
 東京都中央区は11月8日,日本橋プラザで「ビジネス交流フェア」を開催し,全出展社68社のうち印刷関連からは9社が出展した。小宮山印刷は,周年事業や式典などで必要となる挨拶状,手提げ袋,ネームカード,社史などをまとめて発注できるメモリアルパックを提案。共立アイコムは,地域との絆を深めるユニークなイベント事業を提案した。

ドキュメントサービスフォーラム,各研究会が成果を報告
 富士ゼロックスのデジタル印刷機のユーザー会であるドキュメントサービスフォーラム(DSF)は11月11日,横浜の同社で全国発表大会を開いた。デジタル印刷機を活用した商材の開発,人工知能の活用の模索,ワークフローの自動化,オンデマンド製本などについて同会内の各研究会より発表があった。

九州小森会,大宰府を聞く
 小森コーポレーションのユーザーで組織する小森会は11月8日,中洲川端のホテルオークラ福岡で九州小森会を開いた。印刷機と印刷工場の生産性向上について同社の波多野孝司氏が,自然災害時への予防保全に関し川名茂樹氏が解説した。同社の小森善治会長は基調報告としてデジタルメディアと印刷メディアの比較などを論じた。講演会として「学問の神さま 大宰府天満宮:その神社進化の歴史」と題し大宰府天満宮 禰宜(ねぎ)・文化研究所主管学芸員の味酒(みさけ)安則氏から,菅原道真の死や太宰府天満宮の秘密,売り手・買い手・世間の「三方良し」などの話を聞いた。

日本フォーム印刷工業連合会,DMA視察の報告会を開催
 日本フォーム印刷工業連合会は11月7日,東京のTKPガーデンシティ竹橋で,データ&マーケティング協会(DMA)の年次大会「&THEN」視察の報告会を開いた。同協会が主催するエコー賞のアンバサダー谷田貝正人氏が,同賞からみるマーケティングの動向について,PODiの亀井雅彦氏がマーケティングの未来について講演した。また視察ツアーに参加者によるWilen Direct社(アメリカ・フロリダ)見学の報告があった。

全日本印刷工業組合連合会,印刷個人情報保護認定200社
 全日本印刷工業組合連合会と東京都印刷工業組合は11月10日東京・新富の日本印刷会館で,「日本印刷個人情報保護体制」認定制度(JPPS)に関し200社認定達成の認定企業記念交流会を開いた。JPPS許諾証授与のほか「個人情報保護から情報セキュリティまで:身近なワンポイントレッスン集」と題し凸版印刷の成澤晃一氏から,「JPPS会員のための情報セキュリティ対策」についてインテリジェントワークスの神山邦彦氏から講演を聞いた。

凸版印刷,銅タッチパネルセンサー事業の子会社設立
  凸版印刷は11月8日,銅タッチパネルセンサー事業を会社分割により新設会社に承継させると決めた。分割する事業部門は,銅を電極材として使用することにより,抵抗値を低減し操作性の向上と大型化を可能としたタッチパネル用のフィルムセンサーの企画・設計・生産を行っている。

◇◇ 書籍PR ◇◇
 今後の伸びが期待される印刷による有機半導体製造の安定化に向けたノウハウの理論と実践『プリンテッドエレクトロニクス―スクリーン印刷による安定生産―』
 エレクトロニクスとスクリーン印刷の基本と,素朴な疑問を一問一答でズバリ解決!『知っておきたい「スクリーン印刷とエレクトロニクス」』

廣済堂,3事業所を集約
 廣済堂は10月30日,本社とHRソリューション事業部,ライフスタイルデザイン事業部を集約し移転した。新住所:〒105-8318東京都港区芝浦1-2-3シーバンスS館13階,代表電話03-3453-0550。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

12月25日まで,行幸地下ギャラリーで映画ポスター名品展
 東京国立近代美術館フィルムセンターは12月25日まで,東京駅丸の内口の行幸地下ギャラリー(地下の歩行者専用道路に沿ったガラスショーケース内)で,「東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵 映画ポスター名品選」を開いている。所蔵映画ポスターのうち,歴史的に価値の高い3つのコレクションそれぞれから10点ずつを選び,デジタル画像からの出力による複製 計30点を展示。戦後期のフランス映画や戦前期の日本映画,無声期ソビエト映画などの作品を見られる。
http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/open-air2017/

◇◇ 書籍PR ◇◇
 「ロートレック」「リンドナー」「ミュシャ」「ノーマン・ロックウェル」や「ヴォーグの表紙」などのグラフィックデザイン最高潮の時代に生まれた国外作品をオールカラーで紹介。『グラフィックデザインの世界の話題作』

11月14・21日,リコージャパンが業務改善のオンラインセミナー
 リコージャパンは11月14・21日,Web上で「業務改善セミナー:給与業務見直し&Windows 10 マイグレーションセミナー」を行う。平成30年から一部変更される配偶者控除をはじめ全体的な給与業務の改善点や,Windows10導入後の運用方法を解説する。参加無料。要申込。
http://www.ricoh.co.jp/event/seminar/17S088.html
http://www.ricoh.co.jp/event/seminar/17S089.html

11月15日〜2018年1月16日,東京・日本橋でファッションの貴重書展示
 丸善雄松堂が運営するワールド・アンティーク・ブック・プラザは11月15日〜2018年1月16日,東京の丸善・日本橋店内の同プラザで,「服飾」をテーマに古書や稀覯書を展示する。第一次世界大戦後のパリのファッション雑誌やファッション・プレートなどを,高い技術と手間を要するため短命に終わった印刷技法「ポショワール印刷」を用いた美装幀本を中心に紹介する。入場無料。問合せは,電話070-3607-5462。

◇◇ 書籍PR ◇◇
 天正遣欧少年使節の従者として活版印刷術を西洋に学び,初めて日本に伝えたにもかかわらず,歴史から葬り去られた日本最初の活版印刷人コンスタンチノ・ドラードの物語。『活版印刷人ドラードの生涯 リスボン→長崎 天正遣欧使節の活版印刷』(オンデマンド新装版)

11月20日,リコージャパンが働き方改革のセミナー
 リコージャパンは11月20日,東京・築地の同社でセミナー「働き方改革(ワークスタイル変革)実践事例セミナー」を行う。コミュニケーション・コラボレーションのスタイルについて実践事例などをオフィス見学,製品体験を交えて紹介する。参加無料。要申込,定員は午前・午後の部で各6人。
http://www.ricoh.co.jp/event/seminar/17S063.html

11月28日,リコージャパンが ペーパーレス会議のオンラインセミナー
 リコージャパンは11月28日,Web上で「ペーパーレス会議 体験オンラインセミナー」を行う。スマートデバイスの会議への活用を導入事例,活用事例を交えて解説する。参加無料,要申込。定員は午前・午後の部で各6人。
http://www.ricoh.co.jp/event/seminar/17S055.html

12月8日,日本出版学会が学術出版の研究会
 日本出版学会は12月8日,東京・神田の専修大学で研究会を開く。「学術出版の課題と役割(3)--電子書籍と出版流通」をテーマに,電子書籍流通の視点から問題提起と討論を行う。報告者は医学書院の金原俊副社長,討論者はシュプリンガー・ジャパンおよびネイチャー・ジャパンのアントワーン・ブーケ社長。参加費は一般500円,会員と学生は無料。要申込,定員70人。問合せは,山崎隆広氏へメール(takahiro.yamazaki@mail.gpwu.ac.jp)。

◇◇ 書籍PR ◇◇
 学術出版の研究や大学,図書館の研究書として,人文科学系の多言語組版も得意とする中西印刷をモデルに,知の集積を支える印刷技術の課題を考察した。『学術出版の技術変遷論考-活版からDTPまで-』

2018年2月7日,国際印刷大学校が印刷メディア産業について講演会

 国際印刷大学校は2018年2月7日,池袋サンシャインシティでpage展の併催イベントとして「印刷メディア産業の動向」をテーマに講演会を催す。参加無料。要申込。

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内
2017年11月号【特集:色の基本を見直す】(好評販売中)
 カラー印刷が当たり前となった今,色の問題は多くの印刷会社で起こっているとは耳にしますが,全体的にはあまり語られなくなったような気がします。印刷プロセスの自動化が進むと,あまり考えることをせずにきれいな,ある意味及第点の印刷物が作れるようになるためか,色再現のことをあまり知らない方々が増えたように感じます。

印刷学会出版部Webショップ
販売中の全商品はこちらから購入いただけます。
http://japanprinter.thebase.in/

Webマガジン『週刊 印刷雑誌』会員募集中!
ご希望の方には,発行の都度お知らせのメールをお送りいたします。
『週刊 印刷雑誌』では,テキストでの「一口宣伝広告」も募集しております。(5,000円〜/税別)
お申し込みやお問い合わせは shukan@japanprinter.co.jp まで。

フェイスブックでも情報収集を!
印刷学会出版部のフェイスブックで,業界ニュースなどをタイムリーに発信しています。どうぞご利用ください。
http://www.facebook.com/JapanPrinter

印刷学会出版部のツイッターアカウント(@PrinterJapan),ぜひフォローお願いします!
週刊『印刷雑誌』8巻43号
2017年11月13日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

go home

(C)2010 Insatsu Gakkai Shuppanbu Ltd.
All rights reserved.