週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 8巻47号 2017年12月11日
Japan Printer weekly Vol.8, no.47
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷を楽しむ

廣済堂,国宝「不動明王像」の復元模写を発売
 廣済堂は11月15日,総本山醍醐寺が所蔵する国宝「不動明王像」の復元模写を発売した。同寺が学生の復元模写技術修得のために国宝「絹本著色五大尊像 不動明王像」を提供し,成安造形大学の吉村俊昭教授と日本画専攻の学生9人が2016年より約1年間かけて復元模写を制作。廣済堂の特殊印刷によって掛軸やタペストリーに仕上げた。価格は税抜で,掛軸30万円,西陣織掛軸92万5000円,タペストリー「かる!JIKU」3400円。専用Webサイト「Rivivere(リ・ヴィーヴェレ)」で販売している。売上の一部は醍醐寺に寄付される。

共同印刷,高級複製画の受注制作・販売プロジェクト
 共同印刷は12月7日,デジタル加工技術と高精度プリントを用いた複製画制作の技法「彩美版」の技術を用いた高級複製画の予約受付を始めたと発表した。同企画は,アーティスト本人が厳選した作品を完全予約制で制作・販売する。制作は各商品の予約数が最低制作数に達した場合のみ行い,また,予約数が所定の限定数に達した時点で受付を終了する。
 第1弾として,「ゴジラ」シリーズのキャラクターデザインなどを手がけるアーティストの西川伸司氏と,ライブドローイングのアートバトルトーナメント「LIMITS(リミッツ)」の初代世界王者であるアオガチョウ氏の作品計4点の予約を受け付けている。価格は税込で3万2400円〜7万5600円。

アイデア工房,年賀状文化を紹介するWebサイトで「戌年」特集
 アイデア工房は12月4日,100年を超える年賀状文化を紹介するWebサイト「年賀状レトロ美術館」内に「戌年」の特集ページを開設した。1000枚近い戌年の年賀状コレクションの中から代表的な作品を選び,年賀状の印刷技術から,アート・デザインの視点,背景の文化,風俗習慣まで,明治,大正,昭和にわたる変遷を紹介している。

帆風,ハワイアン・デザインのイベントに出展
 帆風は12月16・17日,東京の渋谷ヒカリエで開かれるハワイアン・デザインのイベント「HAWAII STYLE CHRISTMAS」に出展する。オリジナルグッズをその場で作成するワークショップを行うほか, SNS参加型の写真コンテストとキャンペーンも実施する。

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セブン-イレブンのマルチコピー機が正方形の写真プリントに対応
 全国のセブン-イレブン店舗に設置されている富士ゼロックス製マルチコピー機が,12月5日より機能を強化し,正方形の写真プリントに対応した。写真プリントメニューの中から「ましかくプリント」を選ぶと,所定の枠に写真データを自動でトリミングして配置する。写真にメッセージを書き込めるように,写真のフチのタイプを選べる4種類のレイアウトもある。プリントされる用紙はLサイズのフォト用紙で,出力後に自分でカットして正方形にするための切り取り線を追加することもできる。価格は税込で1枚30円。

大日本印刷,オリジナル書体「秀英体」を生活者向けに発売
 大日本印刷は12月5日,同社のオリジナル書体「秀英体」を,ディー・エル・マーケットが運営するダウンロード販売Webサイト「DLmarket」で,生活者個人の利用向けに発売した。第1弾として,筆書きの風合いが美しい「秀英にじみ明朝L」「秀英アンチック」「秀英四号かな」「秀英四号太かな」を提供する。価格は各4500円,4書体セット1万3000円。

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SCREENホールディングス,障がい者のアート作品を展示
 SCREENホールディングスは12月7日,京都・堀川通の本社と洛西事業所内のロビーにおいて,障がい者のアート創作活動を支援する展示を行うと発表した。障碍者芸術推進研究機構「天才アートKYOTO」に所属する作家・土屋彰男氏が手掛けた,動物や植物などをモチーフとした4点の絵画を展示している。

■印刷からの拡がり

凸版印刷,文京区の魅力を発信
 凸版印刷は,多言語情報配信や自動音声翻訳が可能な観光ガイドアプリ「旅道-TABIDO-」において,東京都文京区が推進する「文京区デジタルジャーニー事業」を支援する。同区内の観光スポットの多言語紹介コンテンツや360度バーチャルリアリティコンテンツを制作し,同アプリでの配信を12月8日より始めた。同事業のポスターやリーフレットに印字されているマーカーを,観光客が同アプリをダウンロードしたスマートフォンのカメラで読み取ると,石川後楽園や湯島天満宮など観光スポット16ヵ所の紹介を閲覧できる。マピオンのウォーキング支援アプリと連動したキャンペーンもある。

共同印刷,女性の意識・行動に関するセミナーを開催
 共同印刷は11月24日,「これからの女性市場ビジネスモデル研究会」としてセミナーを開いた。「国内外女性たちの美容・健康意識についての考察」をテーマに,さまざまな切り口で女性市場を考察し,商品開発・研究やマーケティング,事業支援などに携わる人を中心に43社58人が参加した。

共同印刷,食卓画像のマーケティングサービスを拡充
 共同印刷は12月4日,生活者から収集した食卓画像および画像と紐付いた情報をマーケティングデータとして提供するサービス「リア食」の機能を拡充し,合わせてWebサイトもリニューアルしたと発表した。同サービスは“店舗で販売された品がどのように調理され,誰が,どのように食べたか”を,実際の画像で具体的に把握できるマーケティングサービス。今回の機能拡充ではプレミアムプランに,特定個人の食事内容が一覧表示できる「食卓カレンダー」機能と,画像ごとに付与されるIDで検索可能な「画像ID検索」機能を追加したほか,ベーシックとプレミアムの両プランに利用期間で分けた2つのコースを設けた。

凸版印刷,食品原料で手術トレーニングの模擬臓器を開発
 凸版印刷は寿技研と共同で,生体と同様の柔軟性・強度・感触などを保有し,形状や病態などをリアルに再現できる,植物性食品を原料とした新しい手術トレーニング用模擬臓器を開発した。大学や医療機器メーカーに向けて2017年12月中旬から販売を始める。

大日本印刷,情報信託機能の社会実装に向けた調査研究
 大日本印刷は12月8日,総務省の「情報信託機能の社会実装に向けた調査研究」に参加し,国内観光をターゲットとした「京都まちぐるみコンシェルジュサービス実証」を,12月〜2018年2月に行うと発表した。生活者がパーソナルデータを預託・信託することで,サービス事業者から最適な便益やサービスが提供される“情報信託機能”の有用性と課題を検証する。

大日本印刷, 損害保険の損害認定にAI活用を研究
 大日本印刷は11月7日,あいおいニッセイ同和損害保険,インテリジェント ウェイブと共同で,損害保険の損害認定業務においてAIを活用する共同研究を始めた。初期調査として約3ヵ月間,損害保険会社が個別に保有する事故情報や損害情報などについて,内容や特性を整理・分析し,アナログデータのデジタル化手法を検討した上で,AIを実運用するさいの有用性を検証する。

大日本印刷,薬剤の臭いを吸着するフィルム
 大日本印刷は12月6日,同社が開発した,アルデヒド系やケトン系の臭気を吸着して取り除く「DNPにおい吸着包材(アルデヒド・ケトン用)」が,複数の医薬品メーカーの高血圧治療薬の錠剤用包装材として採用されたと発表した。12月から発売される複数の医薬品メーカーの高血圧治療薬に使用される。

凸版印刷,バリア機能紙を開発
 凸版印刷は12月7日,透明バリアフィルムなどバリア製品ブランド「GL BARRIER」において,紙素材でバリア性を有する新製品を開発したと発表した。日本製紙のバリア性素材「SHIELDPLUS(シールドプラス)」に,凸版印刷のコンバーティング技術を組み合わせ,各種包材向けに最適化した。従来バリア性を付与するために必要だったアルミ箔などが不要になるため,製造負荷や環境負荷の軽減が見込めるほか,シーラント層には、生分解性素材やバイオマス素材などを選べる。またデジタル印刷工程に最適化した。2018年春より,国内外の食品・トイレタリー業界向けにサンプル出荷を始める。

■プロの世界

大川印刷,「カーボン・オフセット大賞」で奨励賞
 大川印刷(神奈川・戸塚)は12月7日,カーボン・オフセットの仕組みを活用した同社のCO2ゼロ化の取り組みが,カーボン・オフセット推進ネットワークが主催する「カーボン・オフセット大賞」で奨励賞を受賞したと発表した。同社は,地元の戸塚区川上町と友好協定を結んでいる北海道下川町と,横浜市の水源である山梨県の森林育成事業への支援,全国の一般家庭への太陽光パネル設置プロジェクトの支援なども行っている。

富士ゼロックス,印刷コミュニケーションのみらいを創る場を設立
 富士ゼロックスは,印刷サービス全体のワークフローを核として,多様なコミュニケーションの仕組みを顧客とともに創り出す場を,神奈川・海老名の事業所内に,2018年春以降に開設する。技術検証のための区域を含め総面積約7000m2のスペースに,同社および富士フイルムのデジタル印刷機器やソフトウェア商品,関連技術を集結し,統合的なワークフローに関する提案と実証を通じて,顧客のビジネスの生産性向上と高付加価値化を図る。ICTインフラの整備・拡充も進め,タイをはじめとする世界各地の拠点や米国ゼロックス社とも連携する。

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 デジタル印刷に関して,業態を変えずに印刷会社として何ができるのか。「印刷会社の内情やデジタル印刷への指針」「デジタル印刷のしくみ」「ユーザーの情報」を元に,デジタル印刷の成功への道筋を解説。『印刷会社とデジタル印刷 -成功への道-』

エスコグラフィックス,パッケージ製作に役立つ小冊子を配布
 エスコグラフィックスは,パッケージ製作に役立つ小冊子を無料配布している。「カッティングテーブルで収益を上げる5つのヒント」や「サインメーカーがAdobe Illustratorではできない10のこと」など9種類があり,パッケージデザインの3次元化,製作ワークフローやプリプレスのデータ加工などさまざまなソリューションを紹介している。

日本印刷技術協会,中部地区の集いとセミナーを名古屋で開催
 日本印刷技術協会は2018年1月25日,名古屋市中小企業振興会館で「JAGAT中部大会2018」を開く。同協会設立50周年記念として,印刷業界の動向を解説する講演会を行う。
 また翌26日にメディアージュ愛知でセミナーも行う。「価値を高め競合との差別化を図るブランド×デザイン構築法」と「SNSとの組み合わせでつくる売れる仕組構築法」をテーマに,グレイズの小澤歩社長が話す。

京セラ,モノクロA2複合機を発売
 京セラドキュメントソリューションズジャパンは12月7日,京セラドキュメントソリューションズ製のモノクロA2判複合機「TASKalfa 4012wシリーズ」3機種を発売した。10.1インチ大型操作パネルを搭載して自由な操作性を図ったほか,異なる種類のファイルを一括出力できる「Web Printing Tool」機能を搭載。赤黒2色出力もできる。オプションでOCR拡張機能も対応する。

共立アイコム,マーケティングの基礎セミナーを開催
 共立アイコムは12月4日,TKP東京駅八重洲カンファレンスセンターで「明日から使えるマーケティング基礎セミナー」を開いた。マーケティングは避けては通れないものであり,顧客が求める商品やサービスを作り普及させるものである。そのさい,ブランディングも重要であり,利用者と考え方,視点,価値観を高い位置で共有することである。そして,顧客に対して情報を「伝えたか」ではなく「伝わったか」が肝要であると話した。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

12月25日まで,大日本印刷の縄文文化と現代アートの融合展が巡回
 西武プロパティーズは12月25日まで,東京ガーデンテラス紀尾井町でアートイベント「ARTs of JOMON in Kioicho」を開いている。6〜8月に大日本印刷がマレーシアのクアラルンプールで開催した「ARTs of JOMON-HYPER SUBCULTURE-」の巡回展で,造形作家や陶芸家,3D CGアーティスト,映像作家など,さまざまな分野の第一線で活躍する日本の現代アーティストが手掛けた“縄文をモチーフにした作品”11点を展示している。入場無料。
http://www.tgt-kioicho.jp/event/details/evnt54.html

12月12日,文化通信社と出版ビジネススクールがセミナー
 文化通信社と出版ビジネススクールは12月12日,東京・神保町の文化産業信用組合でセミナーを開く。「出版業界の現在と今後:2017年の出版業界とこれからの見通し」と題し,文化通信社の常務取締役編集長の星野渉氏が話す。参加費6000円。要申込。
http://skc.index.ne.jp/seminar/20171212.html

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 いま,二千年以上人間とともにあり,その文化の根幹を形づくってきた「本」の存在が揺らいでいる。改めて,本とは一体何なのか。本の歴史とICT技術の発展の双方を見つめ続けてきた著者が,「本」と印刷,そして情報化社会を生きる人間の今と未来を語る。『電子書籍は本の夢を見るか–本の未来と印刷の行方–』
 出版デジタル機構 元会長の植村八潮氏(専修大学教授)が,現在の電子書籍ブームへの軌跡を10年以上にわたり追い続けた記録を一冊に集約。『電子出版の構図』

2018年1月25日,Tooがパッケージデザインのセミナー
 Tooは1月25日,東京・虎ノ門の同社でセミナーを開く。「インハウスデザイナーの可能性-私たちはいかにして外部クリエイティブと強いブランドをつくりあげたか-」をテーマに,明治,キリンビバレッジ,コーセーの社内デザイナーがパッケージ制作を語る。12月21日に開催のセミナーと同内容。参加無料。事前予約制,定員80人。
http://www.too.com/event/y2018/pd01/

2018年2月7日からpage展
 日本印刷技術協会は2018年2月7〜9日,東京・池袋のサンシャインコンベンションセンターで印刷関連のデータ処理,プリプレスシステムの展示会pageを開催する。出展は161社546小間(11月28日現在)。会期中は基調講演やカンファレンス,各種セミナーを行うほか,前回好評だった印刷パートナーゾーンを拡充する。
https://www.page.jagat.or.jp/

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週刊『印刷雑誌』8巻47号
2017年12月11日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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