週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 8巻49号 2017年12月25日
Japan Printer weekly Vol.8, no.49
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷を楽しむ

新居紙器,オリジナルパッケージ作製サービスを提供開始
 大阪の新居紙器は12月19日,オリジナルパッケージ作製サービス「ORiPA(オリパ)」の提供を11月22日より始めたと発表した。使用する原材料や印刷色などを限定的にし,デジタル印刷機と独自加工技術を組み合わせた方式で一貫製造することで,小ロット・多品種・低価格・短納期に対応する。箔押しやフィルム貼りなどのオプション加工もあるほか,実機による印刷済みのサンプル提供も可能。版代や量産時のサンプル代・校正代が不要で,単色カラーでもフルカラーでも同単価なことも特長。

共同印刷,小倉遊亀「舞妓」の美術複製画を発売
 共同印刷は,京都国立近代美術館が所蔵する小倉遊亀の日本画「舞妓」の美術複製画を200部制作し,12月19日より販売を始めた。作者が,可憐であどけない舞妓を仏画としての思いを込めて描いたという作品で,複製品は同社独自の印刷技法「彩美版」およびシルクスクリーン手刷りに,プラチナ泥を一部使用して仕上げた。額付きで,税抜18万円。

富士ゼロックス鹿児島,複写技術で文化伝承
 富士ゼロックス鹿児島は,伝統文化継承に貢献する活動の一環として,鹿児島県薩摩川内市が増田家から寄託されている「西郷南洲翁書」の複製を製作した。これは,1875年(明治8年)秋に西郷隆盛が入来町の八重山に狩猟で訪れたさいに書いたものとされる伝統文書。同社は,A0判対応デジタル複合機「DocuWide 3035」で蒲生和紙に出力して複製した。同社は12月18日,旧増田家住宅で開かれた式典で岩切秀雄市長にこの複製品を贈呈。同住宅に展示されるほか,教育活動やイベントなどで利用される。

大日本印刷,活版印刷機ムックに書体を提供
 大日本印刷は12月18日,学研プラスが同15日に発売したムック『大人の科学マガジン』の付録「小さな活版印刷機」の活字としてオリジナル書体「秀英体」を提供したと発表した。この付録は卓上型の活版印刷機を組み立て,活字をセットすると,手動で名刺や紙小物を印刷できる。

田中産業,ホログラム加工で輝く下敷きを発売
 田中産業の化成品ノベルティ事業グループであるPP FACTORYは12月18日,両面カラー印刷が可能な白ポリプロピレンの下敷きに,キラキラ輝くホログラム加工を施した新製品を発売した。

■印刷からの拡がり

凸版印刷,アユタヤの史跡をバーチャルリアリティで復元
 凸版印刷は,タイの泰日協会が推進する「日本人村VR復元プロジェクト」において,タイ王国アユタヤ県にある「日本人村」を,バーチャルリアリティ(VR)技術を活用して往時の姿に推定復元し,現地で楽しめる新しい観光体験の提供を始めた。制作したVRコンテンツを,同社が提供する全地球測位システム(GPS)に連動した体験型VR観光アプリ「ストリートミュージアム」で,12月1日より配信している。また日本人村施設内では,朱印船貿易を通じた日本とタイの歴史的つながりを紹介したVR映像が上映されている。

凸版印刷,映像が浮かび上がるデジタルサイネージを開発
 凸版印刷は12月21日,白く光る特殊なディスプレイに,さまざまな形に加工した偏光フィルムをかざすことで,その部分にだけ映像が映し出されるデジタルサイネージ「FloatPanelDisplay(フロートパネルディスプレイ)」を発売した。これは,白く光る特殊ディスプレイに偏光フィルムをかざすことで,フィルムの形に合わせて象徴的に映像を浮かび上がらせることができ,訴求する内容に合わせてフィルムの加工や映像の制作を行うことで,インパクトのある演出が可能になる。例えば,メガネや電車の形に加工したフィルムをアクリル板などに貼付しディスプレイの前面に設置し,レンズや車体にだけ映像を浮かび上がらせることができる。販売開始に先立ち,12月5日に開設したシンガポール・チャンギ国際空港にある日本食専門フードホール「JAPAN GOURMET HALL 『SORA』」のエントランスのメイン看板として採用された。

大日本印刷,10年間の食卓の変化を分析
 大日本印刷と同社グループのライフスケープマーケティングは12月20日,食卓データを収集・分析する「食MAP」のデータと,独自に行った生活者インタビュー調査をもとに,2007〜16年の10年間の食卓の変化を分析し「食卓10年トレンド」レポートを発表した。それによると,高齢者や共働きの世帯が増加し世帯の構造が大きく変化したことにともない,メニューの簡便化が進む,夫がいない日の夕食は主食単品メニューが多く主菜の登場頻度が低い,週末の家族団らんの食卓ではお好み焼きや餃子など作る工程を家族で楽しめるメニューの登場頻度が高い,という結果が出た。

共同印刷,クレジットカード情報の非保持化支援BPOサービス
 共同印刷は12月19日,データ加工処理を行う川島ソリューションセンター(埼玉)に,クレジットカード業界のセキュリティ基準である「PCI DSS」に準拠した環境を構築すると発表した。2018年2月中旬までに構築を完了し,クレジットカード加盟店が自社内で実施していることが多い,メールオーダーやはがきオーダーにおけるカード情報の入力処理(データ化)を代行する体制を整え,3月より,カード加盟店におけるカード情報の非保持化を支援するBPOサービスの受注を始める。

■新製品発売

ポータル・アンド・クリエイティブ,デザイン筆文字フォント発売
 ポータル・アンド・クリエイティブのフォント・アライアンス・ネットワーク事務局は12月15日,同社がプロデュースするフォントから独創的でデザイン性の高い文字や筆文字をテーマに収録したフォントパッケージ製品「創作デザイン筆文字フォントパック」を発売した。プロ書道家による筆文字をはじめ,デザイン系の文字や筆文字のフォントを4ブランド収録。特典として行書,楷書,隷書など筆文字の基本となる書体も複数バリエーション収録されている。価格は税抜9000円。

富士ゼロックス,操作性向上のカラー複合機発売
 富士ゼロックスは2018年1月15日,小規模企業向けのカラー複合機「DocuCentre C2000」を発売する。分かりやすいアイコンで表示するシンプルな操作パネルを,同社のA3判複合機で初めて搭載し,直観的な操作で効率化を図った。また複合機とクラウドサービスをつなげる機能で,複数のクラウドサービスとの連携が可能になった。73万5000円〜。

キヤノンマーケティングジャパン,A2判対応デジタル複合機発売
 キヤノンマーケティングジャパンは2月下旬,A2判対応デジタル複合機「imageRUNNER iR W1040」シリーズ3機種を発売する。従来機の基本性能を継承しつつ,新たに10.1型のカラータッチパネルを搭載し操作性を向上した。また,光学式文字認識オプションの拡張により,スキャンした原稿の文字情報を PDFファイルに付加できる。199万円〜。

ミマキエンジニアリング,ソルベントインク搭載大判IJプリンタ発売
 ミマキエンジニアリングは12月18日,ソルベントインク搭載の大判インクジェットプリンタ「JV300-190」を発売した。テント用のターポリンや工事用の養生幕など向けにメディア幅1950mmに対応し,新たに設計した巻取り装置を2基搭載することで,重量のあるメディアの巻取りを可能にした。出力速度は,解像度540×720dpi・4パスで出力した場合34.3m2/時。インクセットはC・M・Y・K・ライトシアン・ライトマゼンタに加えてオレンジとライトブラックも搭載できる。価格は税抜で315万円。

■プロの世界

共同印刷,「インターネプコン ジャパン」に出展
 共同印刷は,2018年1月17〜19日に有明の東京ビッグサイトで開かれるエレクトロニクスの技術展「第47回インターネプコン ジャパン」に出展する。同社は,電子部品をはじめとする各分野で採用されている湿気・アウトガス吸収フィルムなどの高機能フィルムや,コバルト化合物を使わずに従来品と同等の色相変化を実現した湿度インジケーターカードといった機能性材料を出品する。

コトブキ企画,名古屋・大阪で展示会出展
 コトブキ企画は,2018年1月24・25日に名古屋市吹上ホールで開かれる「Print Doors2018 第54回光文堂新春機材展」と,2月1・2日に大阪・大手前のOMMビルで開かれる「販促・MOTOYA COLLABORATION FAIR2018」に出展する。電子書籍作成システム「meclib」を紹介する。

富山スガキ,ハイデルベルグ社の菊全ノビ判オフセット機を導入
 富山市の富山スガキはこのほど,ハイデルベルグ社の菊全ノビ判オフセット印刷機「スピードマスターXL106」を導入した。薬品と化粧品のパッケージに特化している同社は,コーターユニットと延長デリバリを装備した7色機を導入。導入にあたり,同機の準備時間の短さや品質,生産スピードを高く評価した。同機の納入は2000台目にあたり,記念カバーが付けられた印刷ユニットと2000台目の証明書が合わせて納品された。

松本印刷,予防保全で品質事故が減少
 松本印刷は2014年4月より,川尻工場への小森コーポレーションのH-UV搭載の菊半裁5色機リスロンS26の導入と同時に,同社の予防保全活動を導入している。商業印刷課の品質事故は,活動開始時と比べ,件数41.7%減,金額で65.8%減少した。また,生産部と製品部合計でも件数29.3%減,金額48.9%減と工場全体に効果が波及した。

日本フォーム印刷工業会,第4次産業革命の影響語る講演会
 日本フォーム印刷工業連合会は2018年1月25日,ホテル椿山荘東京で「第4次産業革命と印刷産業へのインパクト」をテーマにブロードバンドタワーの藤原洋氏の講演会を開く。

日本電子出版協会,紙書籍販促システムを紹介する出版社向けセミナー
 日本電子出版協会は2018年1月18日,東京・竹橋のメディアドゥホールディングスでセミナーを開く。メディアドゥのグループ会社である出版デジタル機構とフライヤーが,紙書籍の販売促進サービス「NetGalley(ネットギャリー)」と「flier(フライヤー)」を紹介する。前者は,出版社が発売前の作品の校正ゲラを専門的な読者にWebを通して届けるサービス。後者は,ビジネスパーソンに役立つビジネス書・教養書の要約をWebおよびスマートフォンアプリを通じて届けるサービス。

大日本印刷,2年連続で「東京都スポーツ推進企業」に認定
 大日本印刷は12月19日,2年連続で「東京都スポーツ推進企業」に認定されたと発表した。同社は,社員とその家族の健康確保と活力醸成を推進することを目的に,総合体育祭や駅伝大会,ウォーキングイベントなどを実施している。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール 2018

1月12日,日本出版学会が出版流通の研究会
 日本出版学会は2018年1月12日,東京・水道橋の日本大学で研究会を開く。「“出版流通研究”の過去・現在・未来:出版産業・出版流通問題の何を考えてきたのか」をテーマに,出版ニュース社の清田義昭代表と出版メディアパル編集長の下村昭夫氏が話す。参加費は一般500円,会員と学生は無料。要申込,定員40人。問合せは,出版流通研究部会の鈴木親彦部会長へメール(chikahiko80szk@gmail.com)。

1月15日〜3月30日,海外素材を紹介する「KOREA&JAPAN FABRIC」展
 南青山のMaterial ConneXion Tokyoは2018年1月15日〜3月30日,韓国と日本の素材とその加工技術を紹介する「KOREA&JAPAN FABRIC」展を開く。スーパー繊維を色鮮やかに染色する技術や,金属のこすれる音などを軽減するためのフロッキング加工,エアーバックに使われる素材,伸縮性を活かした繊維の新しい表現などを見られる。印刷関係では日本写真印刷コミュニケーションズが昇華転写プリント生地を出展する。入場無料。1月31日に出展企業によるプレゼンテーション会もある。
http://ur0.link/HGP7

1月16日,スターティアラボがSEO対策のセミナー
 スターティアラボは2018年1月16日,東京・西新宿の同社で「インハウスSEO成功のための実践テクニック分析方法からコンテンツ作成まで大公開」をテーマにセミナーを行う。外部委託をせず自社内でWebサイトのSEO対策をするインハウスSEOについて,ホームページ分析方法や必要なコンテンツの作成方法,外部サイトからのナチュラルリンク取得などの実践的なテクニックを解説する。参加無料。要申込,定員30人。
https://mtame.jp/seminar/2018/0116.html

1月17日,リコージャパンが備蓄品選定のセミナー
 リコージャパンは2018年1月17日,東京・築地の同社で「BCPに準じた備蓄のお話し!:誰もが悩む備蓄品選定の解決策とは」をテーマにセミナーを行う。AMC Planning Officeの塚田学士氏が何を基準に備蓄品を揃えれば良いのか,という根本的なテーマを新たな視点で解説する。両日とも同内容。参加無料。要申込,定員20人。
http://www.ricoh.co.jp/event/seminar/17S164.html

1月18日,日本印刷学会が京都で見学会
 日本印刷学会は2018年1月18日,「印刷技術の継承,印刷技術の展開」をテーマに京都で見学会を開く。活字の技術を継承し出版印刷を手がける共同印刷工業と,印刷技術を3Dプリンタへ展開してものづくりの革新を目指している写真化学を訪問する。参加費は,一般4500円,会員4000円。要申込,定員25人。
http://www.jspst.org/event/180118.html

1月24日,スターティアラボがSEO対策とWeb広告のセミナー
 スターティアラボは2018年1月24日,東京・西新宿の同社で「基礎講座:WEB集客について体系的に学ぶ:SEOとWeb広告の基礎」をテーマにセミナーを行う。SEO対策の基礎知識と向き合い方やターゲットに合った広告の種類と役割について解説する。参加無料。要申込,定員20人。
https://mtame.jp/seminar/2018/0124.html

2月2日,モリサワが文字文化フォーラム
 モリサワは2018年2月2日,大阪・敷津東の同社で「文字とデザインVol.7 現れるデザイン,気づくデザイン」をテーマに「第22回モリサワ文字文化フォーラム」を開く。グラフィックデザイナーの三木健氏が「考え方・作り方・伝え方・学び方 気づきに気づくデザインの発想法」を,勝井三雄氏が「私のデザインの始まりは何か」を講演するほか,両氏による対談もある。参加無料。要申込,定員150人,2018年1月26日17時締切。
https://morisawa.eventcreate.net/event/2074

2月14〜16日,東京ビッグサイトでコンバーティング技術展」
 「新機能性材料展」「Printable Electronics」「3次元表面加飾技術展」で構成する「コンバーティングテクノロジー総合展」が2018年2月14〜16日,有明の東京ビッグサイトで開かれる。主催は加工技術研究会とJTBコミュニケーションデザイン。入場料3000円(Webサイトでの事前登録で無料)。
 加工技術研究会は2月15日に同会場で,「基礎講座:入門技術者のための紫外線(UV)硬化技術」も開く。講師は大城戸化学研究所の大城戸正治社長。参加費は予稿集込・税抜で,一般3万5000円,『コンバーテック』定期購読者・関西コンバーティングものづくり研究会会員・ウェブハンドリング技術研究会会員は3万円。
展示会 http://convertechexpo.com/
基礎講座 http://www.ctiweb.co.jp/seminar/ts2018/application.html

6月21・22日,日本印刷学会が研究発表会
 日本印刷学会は2018年6月21・22日,弥生町の千葉大学で「第139回研究発表会」を開く。「協創で築く豊かな画像文化」のテーマで,3月2日まで研究発表の講演者を募集している。優秀な研究発表には「研究奨励賞」が贈られる。
 この研究発表会は,画像関連学会連合会が6月19〜22日に同会場で開く「第2回春季大会」の一部として開催される。
http://www.jspst.org/event/kenkyu/index.html

週刊『印刷雑誌』,次回は2018年1月9日発行です。本年もご愛読いただき,ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。皆様どうぞ良いお年をお迎えください。

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内
2018年1月号【特集:未来への印刷/『印刷雑誌』創刊100年】(好評販売中)
 『印刷雑誌』は創刊100年となる月刊誌ですが,日本の月刊誌で100年も続いているのは,実はそう多くはありません。それでも『新潮』(904年創刊,新潮社)『月刊福祉』(1909年創刊,全国社会福祉協議会),『週刊ダイヤモンド』(1913年に月刊として創刊,ダイヤモンド社)などがあるようです。
 『印刷雑誌』は技術専門誌として,数々の新しい技術を掲載したり,その印刷物を綴じ込んで業界に紹介してきました。これからも未来志向で,印刷の価値を築いていきます。

印刷学会出版部Webショップ
販売中の全商品はこちらから購入いただけます。
http://japanprinter.thebase.in/

Webマガジン『週刊 印刷雑誌』会員募集中!
ご希望の方には,発行の都度お知らせのメールをお送りいたします。
『週刊 印刷雑誌』では,テキストでの「一口宣伝広告」も募集しております。(5,000円〜/税別)
お申し込みやお問い合わせは shukan@japanprinter.co.jp まで。

フェイスブックでも情報収集を!
印刷学会出版部のフェイスブックで,業界ニュースなどをタイムリーに発信しています。どうぞご利用ください。
http://www.facebook.com/JapanPrinter

印刷学会出版部のツイッターアカウント(@PrinterJapan),ぜひフォローお願いします!
週刊『印刷雑誌』8巻49号
2017年12月25日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

go home

(C)2010 Insatsu Gakkai Shuppanbu Ltd.
All rights reserved.