週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 9巻2号 2018年1月15日
Japan Printer weekly Vol.9, no.2
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷からの拡がり

友野印刷,歴史的建造物や景観保全管理をサポートするシステム発売
 友野印刷は2月1日,全国の伝統的建造物群保存地区を擁する自治体や歴史的町並みの保存団体を対象に,歴史的建造物や景観保全管理をサポートするシステム「伝統的建造物群保存地区管理データベース」を発売する。地域内に立地する建物の所有者や土地の地権者の記録,修理・修復の履歴,画像などの情報を一つのデータベースに格納することで,保存管理計画策定業務を支援する。価格は税抜40万円。

凸版印刷,文化財の質感を精確に記録するデジタルアーカイブ技術
 凸版印刷は,光沢や表面の凹凸,色調など,照明環境や観察方向によって見え方が異なる素材の質感を精確に記録するデジタルアーカイブ技術を開発し,これまで困難とされてきた文化財特有の質感をバーチャルリアリティ(VR)上でより忠実に再現することを可能にしたと発表した。この技術は,文化財の撮影画像から文化財の表面の光反射特性を,光沢,色,微細凹凸,といった質感の要素に分解することで,照明環境や観察方向に依存しない文化財そのものの質感データを精確にデジタルアーカイブし,同一の材質であっても微細な質感の違いを正しく再現する。
 1月4日より上野の東京国立博物館にある「TNM & TOPPANミュージアムシアター」で公開しているVR作品「風神雷神図のウラ:夏秋草図に秘めた想い」の製作に活用されている。

トッパン・フォームズ,AIで手書き帳票入力業務の効率化
 トッパン・フォームズは4月より,Cogent Labsが開発した手書き文字認識AIエンジン「Tegaki」を活用した「手書き帳票AI-OCR変換サービス」の提供を始める。手書き文字を効率的に認識する技術とOCR精度を向上する前後工程の処理をパッケージ化し,AI技術を組み合わせることで,帳票に手書きされた文字をテキストデータ化する。
 また同社は,ユニバーサルデザインのノウハウや科学的なアプローチなどを活用して帳票を改善する。記入者には書きやすく記入の漏れやミスが少なく,AI-OCR変換時には読み取りやすい帳票とすることで,業務プロセス全体の効率化を図る。

大日本印刷,電子ペーパーや建装材を国際展示会で出展
 大日本印刷は1月9〜12日,米国ラスベガスで開かれたコンシューマーエレクトロニクスショー「CES2018」に出展した。(一社)スーパーセンシングフォーラムに参画するセンサー関連やソフトウェアなどの国内企業との共同出展で,情報を計測・数値化するセンシング技術を取り入れた電子ペーパーや建装材を紹介。空間内の人の行動に反応して変化する表現方法や,顔認証技術を活用した新たな空間演出を提案した。

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 印刷プロセスの持つ優位性と有用性を活かし,生産の効率化,コスト削減などにつなげるための知識『次世代プリンテッドエレクトロニクスへ―印刷による付加型生産技術への転換―』
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共同印刷,化粧品の販促サービスを出展
 共同印刷は1月24〜26日,千葉の幕張メッセで開かれる「化粧品開発展 COSME Tech 2018」に出展する。VRを使ったバーチャル店舗や什器,接客ソリューション,紙とWebの連動による販売促進などを紹介する。国内外の女性へ美や健康,自己実現への意識変化を調査したレポートも配布する。

凸版印刷,液体製品向け詰め替えパウチを発売
 凸版印刷は1月下旬,注ぎ口が開口しやすく液体製品のスムーズな詰め替えを図ったスタンディングパウチ「ダイヤモンドエンボスパウチ」を,化粧品やトイレタリー業界向けに発売する。同製品は,注ぎ口付近に独自設計のエンボス加工を施すことで,注ぎ口が開口しやすくなるとともに内容物の流動性も向上させた。従来のプラスチックパーツ付き詰め替えスタンディングパウチと比べて,内容物の抽出時間を約25%短縮した。

大日本印刷,自治体向けにナビ付申請書配信サービスを発売
 大日本印刷は1月5日,生活者が引越しや結婚,出産などのライフイベントに応じて自治体に申請する手続きを簡便にする「DNPナビ付申請書配信サービス」を,各自治体向けに発売した。同サービスは,自治体の申請書を電子化し,必要な申請書を特定するためのナビゲーション機能を付加したもの。窓口や届出・申請書記入コーナーに設置した端末から生活者が入力でき,提出する各種申請書のPDFフォームを揃え,どのような手続きが必要かを特定し,記入すべき届出書や申請書の一括作成を支援する。2017年12月25日より,千葉県船橋市の窓口で試験導入されている。

大日本印刷,顔認証に対応した金融機関向け総合アプリを開発
 大日本印刷は1月10日,口座開設やローンなどの各種申し込み,利用明細や残高の確認など,複数の金融サービスをスマートフォン上で行える「DNP金融向け総合アプリ」の提供を始めると発表した。顔認証技術を搭載しており,生活者はIDやパスワードを入力する手間を省くことができる。利用者のニーズに合わせて,家計簿の作成やAIを活用した自動返答プログラムなどの機能拡張も可能。なお,地方銀行で初めて顔認証機能を組み込んだ金融機関向け総合アプリとして,香川銀行に採用された。

大日本印刷,サイバーセキュリティ対策の体験型実践演習が採用
 大日本印刷は1月10日,同社が提供するサイバーセキュリティ対策の体験型実践演習が,情報セキュリティ大学院大学が2月5〜7日に実施する「実践サイバーレンジ演習」コースとして採用されたと発表した。

■プロの世界

ユーザー情報の登録なしで利用できるコンビニ・プリント
 富士ゼロックスとセブン-イレブン・ジャパンは1月10日,全国のセブン-イレブン店舗に設置している「マルチコピー機」のWebプリントサービスにおいて,ユーザー情報の事前登録なしで利用できる「ネットプリントサービス lite」を新設した。専用Webサイトで用紙種類を選択し,ファイルをWeb経由で登録すると予約番号が発行される。翌日までに店頭のコピー機で予約番号を入力するとプリントできる。

日本印刷産業連合会,技能五輪を周知するイベント
 日本印刷産業連合会は2月16日,飯田橋の都立中央・城北職業能力開発センターで「技能五輪の周知イベント」を開く。2017年10月にアブダビで開かれた「技能五輪国際大会」で「第4位 敢闘賞」を受賞した亜細亜印刷の早瀬真夏氏が,オフセット印刷機によるプロセス印刷とローラやブランケットの自動洗浄を実演する。参加対象は,同大会に興味のある団体・企業,および2019年夏にロシアで開かれる同大会の国内選考会に参加の意思のある企業・指導者・候補選手。

ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会,page展でセミナー
 ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会は2月7〜9日,東京・池袋のサンシャインコンベンションセンターで開かれる「page2018」展に出展する。7日に「情報品質」をテーマとしたセミナーも行う。

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 障がい者を含めた多くの人が視覚的に情報を理解できるメディア・ユニバーサルデザインという視点。その現状調査や企業・団体の取り組み,技法,適応例をオールカラーで解説。『メディア・ユニバーサルデザイン』

リョービMHI,大阪と名古屋でユーザー会
 リョービMHIグラフィックテクノロジーは2月13日にホテルモントレ グラスミア大阪で,2月14日に名古屋のキャッスルプラザで「リョービMHIパートナーズクラブ」を開く。大阪では「トビウオJAPAN強さの秘密:目標達成の極意」と題し元水泳競技日本代表の萩原智子氏が,名古屋では「日本を取り巻く国内情勢?北朝鮮と日本の将来?」と題しジャーナリストの辺真一氏が講演する。

日本出版学会,研究発表会の発表者を募集
 日本出版学会は5月12日,東京・神田の専修大学で「春季研究発表会」を開く。2月28日まで個人の研究発表を募集している。対象は同学会正会員で,未発表の内容。また,同研究会で開催するワークショップのテーマ案も募集している。

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 出版デジタル機構 元会長の植村八潮氏(専修大学教授)が,現在の電子書籍ブームへの軌跡を10年以上にわたり追い続けた記録を一冊に集約。『電子出版の構図』

帆風,コンセプトショップを移転
 帆風は1月5日,毎月変わるディスプレイアイテムでオリジナルグッズを提案するコンセプトショップ「Vanfu Media Station青山店」を移転し「Vanfu Aoyama」としてリニューアル・オープンした。新住所は,〒107-0062東京都港区南青山5丁目4-30,電話03-5413-1470。

ミューラー・マルティニ ジャパン,代表に五反田氏
 ミューラー・マルティニ ジャパンは1月1日,取締役会長兼社長にルドルフ ミューラー氏が,代表取締役専務に五反田隆氏が就任した。前代表の宮崎靖好氏は顧問。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

1月17日〜4月17日,日本をテーマに古書展示
 丸善雄松堂が運営するワールド・アンティーク・ブック・プラザは1月17日〜4月17日,東京の丸善・日本橋店にある同プラザで「書物でたどるジャポニスム」展を開く。19世紀にジャポニスムの先駆けとなった葛飾北斎の摺物や,ジャポニスム評論家として活躍した美術批評家たちの著書,関連する美術書や挿絵本などを展示販売する。入場無料。問合せは,電話070-3607-5462。

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 日本の印刷術伝来から,江戸時代に浮世絵など華麗な美術作品として色摺り印刷物が花開くまでの道程を,政治や宗教,出版文化など社会的背景とともに技術的側面からも考察した印刷・出版文化史。『江戸前期上方色摺史の研究〜グローバルな進化の過程の下で〜』

1月22日〜3月17日,東京・銀座で「平野甲賀と晶文社展」
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは1月22日〜3月17日,「平野甲賀と晶文社展」を開く。1964年から1992年にわたり,晶文社の本の装丁を一手に担ってきた平野甲賀氏を紹介。同氏が半世紀かけて7000冊以上手がけた装丁作品の中から,晶文社の装丁本を中心に約600冊を展示する。入場無料。日曜・祝日休館。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000713

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 幕末明治の初期洋装本から現代のベストセラーまで,装丁家兼製本マニアの著者が,日本の近代製本史を文献と実物資料の両面から丹念に探る。『製本探索』
 原弘から杉浦康平,横尾忠則,菊地信義,そして原研哉まで,日本を代表する31人のグラフィックデザイナー各氏のブックデザインを,58作品,68点のカラー図版とともに紹介。『デザイナーと装丁』

1月23・26日,リコージャパンが企業コミュニケーション製品のセミナー
 リコージャパンは,1月23日に神奈川・みなとみらいの同社で,26日に静岡・浜松の同社で「働き方改革(ワークスタイル変革)実践事例セミナー」を行う。企業に必要な新しいコミュニケーション方法や実践実例を紹介するほか,同社の製品の実演とオフィス見学を行う。参加無料。要申込,定員は23日が6人,26日が10人。
23日 http://www.ricoh.co.jp/event/seminar/17S145.html
26日 http://www.ricoh.co.jp/event/seminar/17S173.html

1月27日,大阪府立中央図書館で「出版マル秘裏ばなし」講座
 大阪府立中央図書館は1月27日,「出版マル秘裏ばなし」をテーマに府民講座を開く。筑摩書房の菊池明郎・顧問,平凡社の下中美都,柏書房の富澤凡子,原書房の成瀬雅人の各社長が,出版界の現状や図書館との関係を話す。受講料500円。要申込,定員380人。
http://www.lighty-hall.com/event/2018/01/event-1350.php

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 本の歴史とICT技術の発展の双方を見つめ続けてきた著者が,「本」と印刷,そして情報化社会を生きる人間の今と未来を語る。『電子書籍は本の夢を見るか–本の未来と印刷の行方–』
 公共図書館における電子書籍貸出サービスを中心とした電子図書館サービスについて、現状と課題、将来展望を解説!『電子図書館・電子書籍貸出サービス 調査報告2017』

2月8日,マーチング委員会が全国大会
 (一社)マーチング委員会は2月8日,東京・浜松町のコニカミノルタジャパンで全国大会を開く。総会のほか,地域活性化についてセミナーや事例報告がある。参加無料。要申込(1月31日締切)。問合せはTONEGAWA内の事務局へ,電話03-3811-1364。

2月8・9日,パシフィコ横浜で「震災対策技術展」
 「震災対策技術展」が2月8・9日にパシフィコ横浜で開かれる。主催は同展実行委員会。地震や津波,水害などの自然災害の対策用製品やサービスの展示,およびシンポジウムやセミナーがある。入場無料,当日登録制。
https://www.shinsaiexpo.com/yokohama/

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 厳しい景気動向の中で,突発事故,突発修理などによる利益損失をなくし,安定した生産と利益を創造するためには?『印刷現場の予防保全』
 予防保全活動の成功事例を実名で紹介し,手法や教訓を解説する現場中心の保全指南書。『予防保全:印刷企業の実例を探る』
 現場の改善と管理の現状を切り開く一つの手段にし,「お客様を獲得する印刷現場」をわかりやすく解説。『印刷現場のつくり方 :お客様の獲得に向けて』
 改善事例から機械運用上の重点項目を提示した機械メンテナンス知識の決定版!『印刷トラブル防止のツボ オフセット現場の改善実録』

2月13日,スターティアラボがWebマーケティングのセミナー
 スターティアラボは2月13日,東京・西新宿の同社で「Web担当者がいない企業がWebマーケティングを始めるための第一歩」をテーマにセミナーを行う。ホームページ自体が営業マンとして活躍する方法や,現在どういったWebサイトが求められているのかを実例をもとにワークショップを交えながら解説する。参加無料。要申込,定員30人。
https://mtame.jp/seminar/2018/0213

6月5・6日,パシフィコ横浜で「フォトネクスト2018」
 写真ビジネスの展示会「フォトネクスト2018」が6月5・6日にパシフィコ横浜で開かれる。
http://www.photonext.jp

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2018年1月号【特集:未来への印刷/『印刷雑誌』創刊100年】(好評販売中)
 『印刷雑誌』は創刊100年となる月刊誌ですが,日本の月刊誌で100年も続いているのは,実はそう多くはありません。それでも『新潮』(904年創刊,新潮社)『月刊福祉』(1909年創刊,全国社会福祉協議会),『週刊ダイヤモンド』(1913年に月刊として創刊,ダイヤモンド社)などがあるようです。
 『印刷雑誌』は技術専門誌として,数々の新しい技術を掲載したり,その印刷物を綴じ込んで業界に紹介してきました。これからも未来志向で,印刷の価値を築いていきます。

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週刊『印刷雑誌』9巻2号
2018年1月15日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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