週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 9巻7号 2018年2月19日
Japan Printer weekly Vol.9, no.7
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷からの拡がり

食品関係の展示会で印刷会社が活躍
 食品関係の複合展FOOD TABLE in JAPANが2月14〜16日,千葉・幕張メッセで開かれた。スーパーマーケット・トレードショーでは,共同印刷が各種マーケティングサービスを,レンゴーが店頭にそのまま陳列できる段ボール包材を,クラウン・パッケージが厚紙やマイクロフロートの食品パッケージを,精工が環境に配慮した食品用の軟包装材を,水上印刷が手書きPOPプラットフォーム「POP Catch」を紹介した。

大日本印刷,京都ならではの体験を提供
 大日本印刷はリーフ・パブリケーションズと共同で,京都ならではの体験を提供する観光サービス「京あそび〜ここでしか見られない“ほんもの”にふれる講座」の2018年春企画として,通常は公開されていない文化財や美術作品を鑑賞できるプログラムを行う。2月24日および3月3・4日は,宝蔵寺で伊藤若冲の「髑髏(どくろ)図」をはじめとする作品を学芸員の解説やトークショー,落語などとともに鑑賞する。3月11・12日は,商家・杉本家に代々伝わる御殿飾りの内裏雛を楽しめる。3月25・31日・4月1日は,大徳寺・聚光院で狩野永徳と父・松栄が手がけた国宝の障壁画群や庭園,茶室を見学する。4月20・21・22日は,石峰寺で伊藤若冲の「虎図」をはじめとする作品や墓所,本堂や裏山の五百羅漢像を観覧する。

共同印刷,地域の魅力を発信するサービスを紹介
 共同印刷は2月21〜23日,千葉の幕張メッセで開かれる「第1回 地方創生EXPO」に出展する。新潟県糸魚川市における地域ブランディングの取り組みや,魅力ある地域商材の海外展開を支援するマーケティングサービスの事例を紹介するほか,サイネージを活用して地域で生まれた商材を販売するサービスの実演も行う。

凸版印刷,次世代スマートバス停の実証実験
 凸版印刷は,みちのりホールディングス,会津乗合自動車,ナビタイムジャパン,KDDI,ウェザーニューズと共同で,「次世代スマートバス停」の実用化に向けた実証実験を会津若松市内で2月17日より行っている。このバス停は,電子ペーパーとLPWA(Low Power Wide Area,低消費電力で遠距離での通信を可能にする通信方式)とを利用することで,自然エネルギーによって駆動し,遠隔からの時刻表データ更新やバス停の接近情報を表示する。

大日本印刷,セルフ健康測定の実証実験
 大日本印刷はNTTドコモおよびスマートサービステクノロジーズと共同で,利用者自身が“セルフ健康測定”を行える「ヘルスキオスク端末」を開発した。利用者がIDカードで個人認証を行い,画面の案内に従いながら備え付けの各種センシングIoT機器や健康機器を自身で操作して測定できる。3社は2月14日から3月31日まで,大日本印刷の本社で社員を対象に,身長や体重,体脂肪率など9項目を測定する実証実験を行っている。

大日本印刷,スマートフォンで非接触IC決済が可能なサービス
 大日本印刷は2月13日,決済やポイント等のサービスをスマートフォンで一元管理するクラウド型の「DNPモバイルWalletサービス」に,代金等を預金口座から利用後すぐに引き落とす「デビット」を,即時に発行する機能を追加したと発表した。みずほ銀行のアプリに採用され,ジェーシービーの電子決済サービス「QUICPay+(クイックペイプラス)」との連携で,国内で初めて,スマートフォンで非接触IC決済が可能な「バーチャルデビット」の即時発行サービスを2018年春に始める。

凸版印刷,ECサイト構築から決済・発送までをサポート
 凸版印刷は2月15日,企業・団体向けのEC支援サービスを拡張し,商品発送やコール業務などのBPOサービスまでを一貫してサポートする「ec-lite+(イーシーライトプラス)」の提供を始めた。同サービスは申込数に応じた課金体系なため,小ロット商品でも低コストで利用できる。なお,小学館が同日に発売した漫画雑誌『月刊コロコロコミック』2018年3月号の応募者全員サービスに採用された。

大日本印刷,クレカの決済データをデジタルマーケティングに活用
 大日本印刷は2月15日,クレジットカード発行会社が保有する決済データに,生活者が利用した加盟店の業種・業態などの情報を自動で付与する「DNP 決済データへの加盟店情報付加サービス」の提供を始めた。同サービスにより,決済データから生活者のライフスタイルや行動特性などをより把握しやすくなり,デジタルマーケティングや各種印刷物の送付,加盟店のキャンペーンなどに活用できる。3月にクレディセゾンに導入される。

凸版印刷,サイバーセキュリティ対策の運用受託サービス
 凸版印刷は,企業が事業活動で取り扱う機密情報をサイバー攻撃から守るセキュリティ対策の運用受託サービスにおいて,TIS(株)と協業し3月よりサービス提供を始める。凸版印刷の情報セキュリティ管理体制や機密情報の取り扱いノウハウと,TISのグローバルな脅威対応サービスを活用する,サイバーセキュリティ運用サービスを提供する。また「PCI DSS」準拠支援コンサルティングからファシリティ整備,店頭即時発行システムの導入まで,クレジットカードの店頭即時発行が容易に導入できるトータルサービスを提供する。

凸版印刷,社会のデジタル変革に向けた新サービスの構築を推進
 凸版印刷は2月8日,米国のPlanetway Corporationと,エストニア国家インフラ技術を応用したセキュリティ性の高い情報連携基盤技術「avenue-cross」を活用し,社会のデジタル変革に向けた新サービスの展開に向け協業することで合意した。これにより,生活者情報の配信,健康・医療・介護データの活用,個人データの流通と活用,といったサービスの実現を図る。

■プロの世界

キヤノン,大容量インクに対応するインクジェットプリンタ発売
 キヤノンは2月22日,大容量タンクを搭載したインクジェットプリンタ「G3310」「G1310」の二機種を発売する。ブラック2本,シアン,マゼンタ,イエロー1本ずつのインクボトルを同梱。大容量インクボトル各色 1 本(別売り)で、ブラックは約6000ページ,カラーは約 7000ページの印刷が可能。オープン価格。

DICグラフィックス,色見本帳2製品発売
 DICグラフィックスは2月20日,色見本帳「DICカラーガイド」シリーズの関連製品「プロセスカラーノート第8版」を発売した。同製品は同社の色見本帳に収録されている1289色をCMYK値による近似色彩値とプロセス印刷における色彩再現例を示した色見本帳。5800円。
 また,DICカラーガイドの伝統色シリーズ「フランスの伝統色 第6版」を同日に発売する。ライフスタイルに根ざした色彩を321色収録し,ワインや食べ物に由来する独特の鮮やかなトーンが特徴。1万2800円。

EIZO,写真の色合わせソフトウェアがバージョンアップ
 EIZOは2月15日,写真愛好家向けの色合わせソフトウェア「Quick Color Match」の対応用紙にイルフォードとピクトリコの13種類を追加し,合計26種類の印刷用紙をサポートする新バージョン2.1の提供を始めた。対応プリンタにエプソンの「Colorio V-edition EP-50V」も追加した。同社Webサイトからダウンロードできる。

日本印刷産業連合会,プレッシャーへの対処方法を聞く
 日本印刷産業連合会は2月13日,東京・新富の日本印刷会館で「強いプレッシャーに負けないメンタルの仕組み」と題し,講演会を開いた。臨床心理士の羽田野健氏は,頭の作業はワーキングメモリで行い,処理できるのは一度に4〜5個のタスクまでと制約がある。不安が高まるとタスクが奪われ判断の質が低下する。プレッシャーの働きを理解し,思考と対処を仕組み化することが重要であると話した。

GC東京,マクドナルド業績回復の取り組みを聞く
 東京グラフィックコミュニケーションズ工業組合は2月9日,ホテル椿山荘で新春の集いを開いた。講演会も催し「マクドナルドの業績回復と原動力」と題し,日本マクドナルドの下平篤雄副社長が異物混入により苦境に立たされた同社のリカバリプランなどを話した。

ドキュメントサービスフォーラム,これからの企業経営を聞く
 富士ゼロックスのデジタル印刷機のユーザー会であるドキュメントサービスフォーラムは2月9日,横浜の同社で総会を開き,各研究会の活動予定などを策定した。青山学院大学の高橋文郎教授が「これからの社会の動向と企業経営」と題し講演した。

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リョービMHIグラフィックテクノロジー,付加価値を付ける内覧会
 リョービMHIグラフィックテクノロジー(RMGT)は2月6・7日,東京・王子の同社で内覧会を開いた。インキや湿し水,アルミ・フィルム・紙ベースのCTP,名刺カッターなどの協賛メーカーが出展した。またRMGTは菊四裁判オフセット単色機のほか,A全判オフセット4色機「RMGT 9」と四六全判オフセット5色機「RMGT 11」(両機ともLED-UV仕様)を実演した。

新機能性材料展など,技術動向を展示
 新機能性材料展,Printable Electronics,3次元表面加飾技術展,地球環境とエネルギーの調和展,Smart Energy Japan,電力・ガス新ビジネスEXPO,InterAqua,先端表面技術展,表面技術要素展,nano tech,3D Printingの複合展が2月14〜16日,東京ビッグサイトで開かれた。印刷からは,グラビア,フレキソ,スクリーンの各産業分野での資材,機材の動向を見ることができた。
 次回は2019年1月30日〜2月1日,同所で予定。

日本印刷技術協会,page2018「アライアンスNEXT」開催
 2月7〜9日,東京・池袋のサンシャインシティ・コンベンションセンターで印刷関連の展示会「page2018」が開かれ,来場者数は昨年(7万1910人)より減り,6万6200人だった。主催は日本印刷技術協会。161社が出展し,会期中には様々なテーマのセミナーが開かれた。2019年は2月6〜8日の開催を予定している。

富士フイルム,無処理CTPプレートでカーボンオフセット
 富士フイルムは4月1日から,オフセット印刷用刷版材料「完全無処理サーマルCTPプレート」を対象にカーボン・オフセットを実施する。これにより同製品は原材料調達から,製造,輸送,顧客先での使用,廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体で排出するCO2を,同社が開発途上国におけるCO2削減プロジェクトに出資して得られた排出権でCO2排出量を0とするカーボン・ゼロプレートを実現する。

キヤノンPP,社長に井崎氏
 キヤノンプロダクションプリンティングシステムズは2月13日,3月27日付で代表取締役社長に井崎孝氏が就任すると発表した。前社長の峯松憲二氏は顧問に。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

2月20・21日,東京でデジタルテクノロジーの展示会
 「IoT Japan 東京 2018」や「FACTORY 東京 2018」など6つの展示会で構成するデジタルテクノロジーの複合展が,2月20・21日に芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で開かれる。クラウドやセキュリティ,IoT,製造業のデジタル化,AI,働き方改革,に関し146社が展示や講演を行う。主催は日経BP社。入場料3000円(事前登録者と招待券持参者は無料)。
http://nkbp.jp/cdt

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2月22日,光文堂が松本で展示会
 光文堂は2月22日,長野の松本商工会議所で印刷機材の展示会「第4回KOBUNDOセレクションin松本2018」を開く。同社とともにコニカミノルタジャパンやグラフテック,グラフィックサポート,アコ・ブランズ・ジャパン,ASIAMIXが出展する。入場無料。
http://www.kobundo.co.jp/event/event_matsumoto2018_index.html

3月1〜4日,パシフィコ横浜でカメラや写真映像関連の展示会
 3月1〜4日,パシフィコ横浜でカメラや写真映像関連の展示会「CP+ CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW 2018」が開かれる。主催はカメラ映像機器工業会。入場料1500円。事前登録で無料。
http://www.cpplus.jp/

3月8日,日本出版学会が音楽と雑誌をテーマに研究会
 日本出版学会は3月8日,東京・水道橋の日本大学で研究会を開く。「ポピュラー音楽と雑誌——『中村とうよう 音楽評論家の時代』をめぐって」と題し,音楽評論家の田中勝則氏が戦後のポピュラー音楽受容と雑誌の関係性を話す。参加無料。要申込。問合せは,事務局へメール(info@shuppan.jp)。

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3月10日,東京工芸大学が色のシンポジウム
 東京工芸大学「色の国際科学芸術研究センター」は3月10日,中野の同大学でシンポジウムを開く。「“色”で明日を創る・未来を学ぶ・世界を繋ぐMOUGEIカラーサイエンス&アート」をテーマに,2つの講演と4つの発表,ポスター展示がある。参加無料。
https://www.color.t-kougei.ac.jp/events/events28_10.html

3月19日,紙のエレクトロニクス応用研究会が研究発表会
 紙のエレクトロニクス応用研究会は3月19日,東京・外神田のArts Chiyodaで技術研究発表会を開く。「印刷銅配線の実用化を目指した低温プラズマ焼結技術の開発」「印刷表現と導電インキとの可能性の考察」「紙を魅力的に用いたデザイン」をテーマに発表がある。参加費は一般2000円,会員無料。要申込,定員60人,3月14日締切。
http://www.paperelectronics.org/schedule.html

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5月9〜11日,東京ビッグサイトで「Japan IT Week 春」
 「Japan IT Week 春」が5月9〜11日,有明の東京ビッグサイトで開かれる。「通販ソリューション展」「店舗ITソリューション展」「ビッグデータ活用展」など13の展示会で構成。主催はリードエグジビションジャパン。
http://www.japan-it.jp/haru/

6月6〜8日,東京ビッグサイトで「電子機器トータルソリューション展」
 「電子機器トータルソリューション展2018」が6月6〜8日,有明の東京ビッグサイトで開かれる。「JPCA Show」「マイクロエレクトロニクスショー」「JISSO PROTEC」「有機デバイス総合展」「WIRE Japan Show」「Smart Sensing」の各展示会で構成。主催は日本電子回路工業会,エレクトロニクス実装学会,日本ロボット工業会。入場料1000円(招待券またはWebでの事前登録で無料)。
http://www.jpcashow.com/show2018/index.html

10月2〜5日,東京ビッグサイトで包装展
 「TOKYO PACK:東京国際包装展」が10月2〜5日,有明の東京ビッグサイトで開かれる。包装の資材や機械,包材加工機,食品機械,関連機器などが出展される。入場料1000円(招待券または事前登録で無料)。4月27日まで出展申込を受け付けている。
http://www.tokyo-pack.jp

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週刊『印刷雑誌』9巻7号
2018年2月19日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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