週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 9巻12号 2018年3月26日
Japan Printer weekly Vol.9, no.12
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷を楽しむ

共同印刷,横山大観「雲中富士」の複製画を発売
 共同印刷は3月22日,明治から昭和にかけて活躍した巨匠・横山大観の生誕150周年を記念して日本画「雲中富士 (うんちゅうふじ)」の複製画を150部制作し,販売を始めた。同作品は大観「富士」の原点ともいえる名作で,かつて越中立山の山頂から眺めた富士を題材に描かれたと言われている。複製は,版画用紙に独自の印刷技法およびシルクスクリーン手刷りで仕上げた。額縁付きで税抜15万円。

ブラザー,ドクターヘリのペーパークラフト素材を公開
 ブラザー販売は3月22日,印刷用無料ダウンロードコンテンツの配信サイト「プリふれ」上で,朝日航洋の監修による「ドクターヘリ」のペーパークラフト素材を公開した。実物の48分の1スケールで,操縦席やキャビン,エンジンなど細部まで再現。ジオラマと紙飛行機の素材もある。

アドビ,無料スキャンアプリがアップデート
 アドビシステムズは3月23日,無料スキャンアプリ「Adobe Scan」のアップデートを発表した。ほかのツールを使わずにスキャンデータの追加や削除,並び替えができるようになったほか,「Adobe Document Cloud」で保存したPDFデータにおいて,トリミングや画像補正などの作業をアプリ内でできるようになった。

凸版印刷,明治村で帝国ホテル旧本館VRを公開
 凸版印刷は,往時の帝国ホテル旧本館「ライト館」を再現したバーチャルリアリティ(VR)コンテンツを活用したオリジナル映像を製作した。3月17日より,愛知・字内山の博物館明治村で一般公開を始めた。同映像はライト館の外観やロビー,ダイニングルームなどを再現したVRコンテンツに,建築史家である明治村の中川武館長のインタビューなどを加えた。

図書印刷,製造に携わった絵本が受賞
 図書印刷は3月16日,全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催する「第23回 日本絵本賞」で,同社が製造に携わった3作品が受賞したと発表した。作品は,日本絵本賞を受賞した『ばけバケツ』(作:軽部武宏,発行:小峰書店)と,『ドームがたり』(作:アーサー・ビナード,画:スズキコージ,発行:玉川大学出版部),日本絵本賞読者賞(山田養蜂場賞)を受賞した『しんごうきピコリ』(作・絵:ザ・キャビンカンパニー,発行:あかね書房)。

大日本印刷,生活者が自分で口座開設とICキャッシュカード発行
 大日本印刷は西日本シティ銀行と共同で,「DNPカード即時発行サービス(KIOSK端末型)」を用いて,生活者自らが口座開設からICキャッシュカードの発行まで行うサービスを実現するための実証実験を行う。4〜6月に同銀行の3店舗で端末を設置し,マイナンバーカードまたは運転免許証から読み取った顔写真データと,端末に内蔵されたカメラで撮影した顔写真データを照合して本人確認を行う。この実証実験は,金融庁が2017年9月に設置した「FinTech実証実験ハブ」の支援案件として採用された。

大日本印刷,アニメイベントで「東京アニメセンター in DNPプラザ」を紹介
 大日本印刷は3月24・25日,有明の東京ビッグサイトで開かれたアニメイベント「AnimeJapan2018」に出展した。東京・市谷の同社で運用中の「東京アニメセンター in DNPプラザ」の出張所を設置し,企画展のアーカイブ展示やオリジナルグッズ販売のほか,クリエイター育成サービス「FUN'S PROJECT COLLEGE」の体験ゾーンなどを紹介した。

■プロの世界

FFGSグラフィックサプライ,ウエーブのロボット自動化機器を扱う
 ウエーブは汎用ロボットに独自開発のソフトウェアやロボットハンドを組み合わせた自動化システム「WAVE 15P-Series」を開発した。FFGSグラフィックサプライは本システムの国内販売を開始。3月20日,両社は本件に関し発表した。ウエーブは顧客の要望に合った特注品のロボットを開発していく。また,4月18・19日に大阪で開かれるJP2018・ICTと印刷展に富士フイルムグローバルグラフィックシステムズのブースで本ロボットシステムを出展する。

日本印刷技術協会,「工場マネージャー養成講座」開講
 日本印刷技術協会は5月12日〜2019年2月に全8回で,印刷会社の工場・各職場の管理者,リーダー,ISOの管理者,改善リーダーを対象に「工場マネージャー養成講座」を開講する。「利益を生み出す工場改善」をテーマに,工場経営という視点で管理者に求められる要素を体系的に学習する。会場は東京・中野富士見町の同協会および印刷工場。

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日本印刷技術協会,印刷会社の後継者・幹部育成のためのゼミ開講
 日本印刷技術協会は6月22日〜10月13日に全11日間で,印刷会社の後継者および幹部を対象に「印刷後継者・経営幹部ゼミナール」を開講する。「自社の目指す方向性を実現する戦略立案を持ち帰る」を重点テーマに自社の課題を実際に持ち寄り,ブランド策定や新ビジネス開発の演習などでブラッシュアップを図る。会場は東京の晴海グランドホテル。

電子出版制作・流通協議会,アワード創設
 電子出版制作・流通協議会は,電子出版に関わる制作と流通に関して企業等の優れた製品,サービス,業績,研究等について表彰する「電流協アワード」を創設した。同協会の会員会社から応募でき,エントリー対象は会員・非会員を問わない。

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 公共図書館における電子書籍貸出サービスを中心とした電子図書館サービスについて、現状と課題、将来展望を解説!『電子図書館・電子書籍貸出サービス 調査報告2017』
 出版デジタル機構 元会長の植村八潮氏(専修大学教授)が,現在の電子書籍ブームへの軌跡を10年以上にわたり追い続けた記録を一冊に集約。『電子出版の構図』
 本の歴史とICT技術の発展の双方を見つめ続けてきた著者が,「本」と印刷,そして情報化社会を生きる人間の今と未来を語る。『電子書籍は本の夢を見るか–本の未来と印刷の行方–』

紙のエレクトロニクス応用研究会,紙の応用事例を紹介
 紙のエレクトロニクス応用研究会は3月19日,東京・外神田のArts Chiyodaで技術研究発表会を行った。産業技術総合研究所の白川直樹氏は,印刷銅配線の実用化を目指した低温プラズマ焼結技術の開発について,PENフィルムや紙基板上に電子回路を作成し,部品実装を行った実例を紹介。凸版印刷の久保田秀明氏は,印刷表現と導電インキとの可能性の考察について,印刷による新表現の作品例を紹介。BULLETの小玉文氏は,紙を魅力的に用いたデザインについて,実例とともにそのアイデアやコンセプトを話した。

凸版印刷,生物多様性に配慮した事業所として評価
 凸版印刷は3月22日,同社の総合研究所が,生物多様性に配慮した施設を認証する「いきもの共生事業所認証」を取得したと発表した。埼玉・高野台南にある同研究所は,2013年に敷地内に水循環型ビオトープを造成し,水生や湿生の生物の生息空間を創出。ヘイケボタルの自生を図るとともに,近隣住民とのホタル観賞会や従業員の環境教育を行っている。2016年からは江戸川水域などからワレモコウやツリガネニンジンなどを移植・育成し,地域の希少植物の保全活動を推進している。

モリサワ,フォントサービスが「IAUDアウォード2017」で銀賞
 モリサワは3月15日,フォントサービスの「MORISAWA BIZ+」が国際ユニヴァーサルデザイン協議会が主催する「IAUDアウォード2017」で銀賞を受賞したと発表した。同サービスは,可読性に優れた「BIZ UDフォント」とビジネス文書作成に役立つMicrosoft Office用テンプレートを提供する。重要なコミュニケーション上の課題に,基本的なソリューションを提供した点が高く評価された。

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凸版印刷の藤田弘道・元会長が逝去
 凸版印刷の元会長である藤田弘道氏が3月13日,腎不全により逝去した。享年89歳。葬儀は近親者のみで行った。7月9日に内幸町の帝国ホテル東京でお別れの会が開かれる。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

4月1日〜5月15日,企業メセナ協議会がメセナ活動を募集
 企業メセナ協議会は4月1日〜5月15日,メセナ活動認定制度「This is MECENAT」の認定対象活動を募集する。企業の芸術・文化振興を通じた社会創造(メセナ)活動を表彰するもので,認定活動にはシンボルである「Mマーク」が発行され,各社・団体の媒体で使用できる。認定されると翌年の「メセナアワード」の選考対象にもなる。応募は無料で,認定活動1件につき手数料は3万円(会員は無料)。
https://mecenat-mark.org/docs/ThisisMECENAT2018_flyer_mecenat.pdf

4月4日,帆風が経営セミナー
 帆風は4月4日,東京・千代田区の学士会館で「美味しい,楽しい,感動があるから,お客様は来てくれる」をテーマにセミナーを行う。北海道・函館のファーストフードチェーン「ラッキーピエロ」の王一郎氏が,全国チェーンにも引けを取らない人気を誇るご当地バーガーを導いた理念と経営ノウハウを語る。参加無料。要申込,定員200人。
https://www.vanfu.co.jp/vf/seminar/195th

4月4〜28日,ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「TDC展」
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは4月4〜28日,「TDC 208」展を開く。東京タイプディレクターズクラブが主催する国際アニュアルコンペティション「東京TDC賞2018」の成果を紹介。グランプリをはじめ受賞10作品やノミネート作品など,タイポグラフィを軸にしたグラフィックデザインの優秀作品150点あまりを展示する。入場無料。日曜・祝日休館。4月6日に授賞式も行うほか,4月7日に東京・五反田の大日本印刷でフォーラム(事前予約制)も開く。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000725

4月6日〜5月18日・5月22日〜6月22日,竹尾でタイポグラフィ作品展
 日本タイポグラフィ協会とニューヨークタイプディレクターズクラブは,東京・神田錦町の竹尾見本帖本店で,4月6日〜5月18日に「日本タイポグラフィ年鑑2018作品展」を,5月22日〜6月22日に「第64回ニューヨークタイプディレクターズクラブ展」を開く。国内外の優れたタイポグラフィ作品およびグラフィックやパッケージ,エディトリアル・デザインの作品を紹介する。入場無料。土・日・祝日と5月21日は休館。5月11日にトークショーもある。要申込(4月20日締切)。
https://www.takeo.co.jp/exhibition/mihoncho/detail/20180406.html

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 音楽ジャケット制作エピソード徹底解剖!デザイナーがこだわり抜いた音楽パッケージのデザインクリエイティブと製造技術,それらに関わる人々のエピソードを豊富な写真とインタビューで紹介。『ミュージック・ジャケット・ストーリーズ-見て楽しむ特殊パッケージの世界-』

4月10日,「メディアの将来像を考える会」が研究会
 「メディアの将来像を考える会」は4月10日,東京の早稲田大学で例会を開く。東京新聞社会部記者の望月衣塑子氏が「何故,菅官房長官会見に臨み続けるのか〜安倍政権とメディア〜」と題し,さまざまな角度からいまの政治をめぐる問題を話す。参加費1000円。要申込。問合せは同会幹事団へ,メール(inagakitaro@aoni.waseda.jp)

4月11日,エックスライトが軟包装材の特色管理セミナー
 エックスライトは4月11日,東京・青海の同社で「パッケージ印刷 軟包装材の特色管理セミナー in 東京」を開く。基準色管理や白インキの管理法(隠ぺい力の測定方法),メタメリズムの測定方法などを解説する。参加無料。要申込,定員20人。
https://www.xrite.co.jp/news/pressnews/513-2018-04-11-pressnews.html

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週刊『印刷雑誌』9巻12号
2018年3月26日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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