週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 9巻13号 2018年4月2日
Japan Printer weekly Vol.9, no.13
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷からの拡がり

帆風,トランプ作成サービスにサイズを追加
 帆風は3月26日,画像やテンプレートを組み合わせて1個からオリジナルのトランプを作成するサービスにおいて,3種類のサイズを追加した。93×117mmの「デカトランプ」は1個5200円,148×195mmの「ドデカトランプ」は1個7300円,A4判の「超ドデカトランプ」は1個9700円。標準サイズは58×89mmで1個3700円。それぞれ10個以上の注文は単価が下がる。

ウエーブ,オンデマンド印刷商品4種が当日出荷に対応
 ウエーブは3月26日,同社が運営する印刷のネット通販「WAVE」において,マウスパッド,マグネットステッカー,タペストリー,刷り込み封筒のオンデマンド印刷で,当日出荷にも対応する「短納期プラン」を始めた。当日出荷の場合は午前10時までの完全データ入稿が必要。価格は例えば,マウスパッドがA5判,四角カット,片面カラー,1営業日以内発送の場合で10部9830円。

ugo,「エキテン」店舗会員へ印刷サービスを提供
 ugoは3月27日,デザインワン・ジャパンと連携した印刷の新サービスを始めると発表した。前者が運営する印刷通販サービス「スプリント」と,後者が運営する店舗検索サイト「エキテン」を連携し,両サイトにおいて,エキテンの店舗会員がチラシやダイレクトメールなどの印刷や発送,ポスティング,デザインなどを発注できる機能を提供する。

大日本印刷,清涼飲料の物流網を利用して書籍を配送
 大日本印刷とトゥ・ディファクトは3月29日,前者の清涼飲料事業関連会社の幸楽輸送と協力し,ハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」の通販ストアで注文された書籍の一部の配送に,清涼飲料の物流網の活用を始めた。対象となるのはMARUZEN&ジュンク堂書店札幌店から配送される書籍の一部で,同店が幸楽輸送の定期配送便の拠点の一つに加わることで,書籍を清涼飲料と混載して配送する。

フュージョン,マーケティング知識が学べるオンライン講座開始
 フュージョンは2016年11月より,世界標準のマーケティング知識が学べる「DMA公認ファンダメンタルマーケター資格講座(DCFM)」をWeb上で提供している。同社は3月13日,資格更新用モジュール「ファンダメンタルマーケター資格更新A」の提供を始めた。デジタル時代の統合マーケティング,カスタマージャーニーマッピング,モバイルフレンドリーWebデザインを学べる。修了テストに合格するとDCFMの資格有効期間が2年間延長される。資格認定とは関係なくマーケティング知識を学習したい人も受講できる。受講料は税抜6万円。

印刷博物館P&Pギャラリー,多様なデジタル印刷の事例を展示
 印刷博物館P&Pギャラリーは6月10日まで,「進化するデジタル印刷:オンデマンド出版からバリアブル印刷まで」展を開いている。デジタル印刷機を用いたパッケージや歴史的な資料の複製,拡大教科書やバリアブル印刷を活用した名入れ絵本,などさまざまな事例を見ることができる。また,会場内にキヤノンのデジタル印刷機,ホリゾンの無線綴じ機,三方断裁機を設置しており,4月21日,5月12日,6月9日には『北斎漫画』の印刷実演を行う。

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凸版印刷,北海道の日本遺産をVRで推定復元
 凸版印刷と北海道江差町は,北海道で初めて日本遺産に登録された同町の往時の街並みを楽しめるバーチャルリアリティ(VR)コンテンツ「江差の五月」を制作した。3月30日より,前者が提供している体験型VR観光スマートフォンアプリ「ストリートミュージアム」で公開を始めた。同町は,江戸時代後期には材木の積出港として,またニシン漁の盛地として隆盛を極めた。同アプリはGPSと連動しており,町内9ヵ所の史跡でVRコンテンツを表示する。

大日本印刷,LEDの光で真贋判定するリップマン型ホログラムを開発
 大日本印刷は3月30日,LEDの点光源を照射すると,表面に文字や絵柄などが浮かび上がり,真贋判定できるリップマン型ホログラムを開発したと発表した。ハンディタイプのLEDライトやスマートフォンなどに搭載されているLED光で判定ができ,顕微鏡や特殊フィルムなどが不要。

大日本印刷,プラスチック製長期保存容器が惣菜で採用
 大日本印刷が2017年に開発した,意匠性と酸素のバリア性を備え,電子レンジによる加熱やレトルト殺菌が可能なプラスチック製長期保存容器「DNPインモールドラベル容器 ビューベルカップ スクエアタイプ」が,3月27日にトーヨーコーポレーションが発売した惣菜の容器として採用された。採用したのは「お酒がススムおつまみ膳シリーズ」3商品。

凸版印刷,センサーで睡眠を解析する介護見守りシステム
 凸版印刷は4月,シート型生体センサーにより心拍・呼吸データなどを取得し,リアルタイムに睡眠状態を解析する見守りサービス「SensingWave(センシングウェーブ)介護見守りシステム」を介護業界向けに発売する。同センサーをベッドマットレスの下などに設置して生体信号を解析することで,覚醒や就寝,寝返りの有無など睡眠状態を把握できる。これにより介護対象者の就寝時間中に適切なタイミングで声掛けができたり,離床時などにはモバイル端末で通知を受けられるなどの活用が可能。

共同印刷,クレジットカードのセキュリティ基準に準拠
 共同印刷は3月26日,データ加工処理を専門に行う同社 川島ソリューションセンター(埼玉)が,クレジットカード業界のセキュリティ基準である「PCI DSS」への準拠を完了し,クレジットカード加盟店におけるカード情報の非保持化を支援するBPOサービスの受注を始めたと発表した。

■プロの世界

フォント・アライアンス・ネットワーク事務局,昭和書体パッケージ2種を発売
 フォントの販売支援・著作権管理活動を行う,ポータル・アンド・クリエイティブ内のフォント・アライアンス・ネットワーク事務局は3月23日,毛筆書体独特のかすれやにじみの再現が特徴の「昭和書体」を企画製品化し,「昭和書体スタンダードパック」と「昭和書体スーパーセレクトパック」を発売した。前者は昭和書体の基本とも言える書体をメインに,和文,欧文合わせて131書体を収録。後者は昭和書体の全45書体のラインナップである基本書体,デザイン書体,江戸文字,高解像度書体のそれぞれのカテゴリから好みの書体をセレクトして利用できる方式。どちらも1万円。

エプソン,インクジェット複合機2機種を発売
 エプソンは4月26日,A3判ノビ対応のインクジェット複合機「PX-M7110F」とプリンタ「PX-S7110」の2機種に,PS 互換言語対応モデルや保守セットモデルなどを加えた全 8モデルを発売する。連続印刷速度24ipm,耐久枚数60万ページの生産性と耐久性を図り,電力消費は前者で0.2kWhと省電力で環境負荷を低減している。またWi-Fi 5.0GHz(IEEE802.11a/ac/n)への対応や,IC カード認証印刷に対応する。5万9980〜44万4980円。

EIZO,カラーマネージメントモニターが印刷業界向けの認証取得
 EIZOは3月27日,同社のカラーマネージメントモニター「ColorEdge CG247X」が,印刷業界のモニター色校正のための認証規格「Soft Proofing Display & System Certification」を世界で初めて取得したと発表した。同規格は,印刷業界の色標準規格を策定する米国の非営利団体IDEAllianceによるもの。

リコーインダストリアルソリューションズ,機械の振動感知システム開発
 リコーインダストリアルソリューションズは3月29日,設備や機械が発する振動を見える化するセンシングシステムを発表した。センサーとデータ解析技術を組み合わせ,設備や機械の異常を検知するために必要なデータを抽出することが可能になった。製品の品質に影響する製造機械の異常振動や突発的な衝撃,健全性の確認など,今まで把握できなかった状態特性を即時に数値化して把握することができる。

プリンターメーカー5 社,「インクカートリッジ里帰り」が活動10周年
 プリンターメーカー5 社(ブラザー,キヤノン,デル,エプソン,日本HP)による,家庭用プリンターの使用済みインクカートリッジの共同回収活動「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」が,4月で活動開始から10周年を迎えた。当初,全国の主要な郵便局でスタートした回収活動は,その後,250以上の自治体の賛同を得られ,現在の回収拠点数は全国で6000ヶ所を超えた。回収した使用済みインクカートリッジは累計2400万個以上となる。

エプソン,医療機関の「印刷機器 費用・業務に関する」意識・実態調査
 エプソン販売は3月29日, CBコンサルティングと共同で行った医療機関の「印刷機器 費用・業務に関する」意識・実態調査の結果を発表した。コスト削減に対する意識が高まっている医療機関が79.6%,医療機関の55.3%が「印刷・消耗品コスト」の削減を具体的に進めている,プリンターに対する不満・課題として多いのは消耗品代(インク・トナー代)が最も多く56.3%と過半数を占めた。

モリサワ,「JP2018 ICTと印刷展」で多岐にわたるソリューション体験提供
 モリサワは4月18・19日,マイドームおおさかで開かれる「JP2018 ICTと印刷展」に出展する。フォントや組版,デジタル印刷技術からICTまで多岐にわたるソリューションを紹介し,“見る”“触れる”という体験を通して,新たなビジネスにつながる提案を行う。

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日本フォーム印刷工業連合会,ISO審査員から見た印刷業を聞く
 日本フォーム印刷工業連合会は3月27日,東京・新富の日本印刷会館で「印刷企業のマネジメントの課題」と題してISO審査員の藤木廣光氏,加藤眞氏が講演した。実際の審査の際の内部監査などの状況や,よく見られる傾向,事例について紹介した。

アドビとマイクロソフト,グローバルパートナーシップを中国へと拡大
 アドビは3月26日,マイクロソフトとの2016年9月に発表したグローバルなパートナーシップをさらに前進させることを,米国ラスベガスで開催した「Adobe Summit 2018」で発表した。アドビとマイクロソフトは,Adobe Experience ManagerとMicrosoft Azure,Adobe CampaignとMicrosoft Dynamics 365,Adobe AnalyticsとMicrosoft Power BIにおけるテクノロジーの新たなネイティブ統合を実現する。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

4月12日〜5月22日,Tooが全国6都市でAdobe製品セミナー
 Tooは,次の日程と場所で「2018 春の全国Adobeセミナー」を開く。4月12日,大阪・江戸堀の同社。4月26日,東京・虎ノ門のToo。5月15日,福岡・綱場町のキヤノンマーケティングジャパン。5月16日,名古屋のToo。5月21日,仙台のキヤノンマーケティングジャパン。5月22日,札幌のキヤノンマーケティングジャパン。東京では,とくに「ドキュメント制作」に焦点をあて,ワークフロー全体の作業環境改善を提案する。そのほかの5都市では,速度・品質・互換をキーワードに制作現場の効率が上がるさまざまな方法を紹介する。参加無料。事前予約制。
https://www.too.com/event/y2018/adobe_cc18/

4月13日,印刷技術懇談会がロボット見学ツアー
 印刷技術懇談会は4月13日,介護用支援ロボットのHALを開発・販売しているCYBERDYNE(茨城・研究学園)の見学会を開く。同ロボットや産業用ロボットを紹介する。参加費1000円。要申込。
http://info.morisawa.co.jp/kW02p0M00E003Ig1y10400C

4月16〜27日,日本印刷産業連合会が東京と大阪でJPCの受賞作品展
 日本印刷産業連合会は4月16日〜18日に東京・新富の日本印刷会館で,4月23〜27日に大阪・南船場の平和紙業で, ジャパンパッケージングコンペティション(JPC)展の受賞作の展示を行う。入場無料。
https://www.jfpi.or.jp/topics/detail/id=3421

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4月20日,日本画像学会が高精細スキャナーのセミナー
 日本画像学会は4月20日,大岡山の東京工業大学でセミナーを開く。「特殊イメージスキャナーの世界:ギガピクセルの大型イメージスキャナによる驚異の高解像度画像に触れてみよう」と題し,アイメジャーの一ノ瀬修一社長が話す。参加費は一般2000円,会員1000円。要申込,定員30人。
http://www.isj-imaging.org/event/imagingcafe/yokoku180420.html

4月26日,「コンバーティングの明日を考える会」がセミナー
 「コンバーティングの明日を考える会」は4月26日,東京のすみだリバーサイドホールでセミナーを開く。「サスティナブルな業界を目指して:包装の未来,安心,安全なパッケージを提供し続けるために」をテーマに,6件の講演がある。参加費5000円。要申込,4月21日締切,定員300人。
http://www.gcaj.or.jp/info/file/20180320.pdf

5月18日,非木材グリーン協会が植物生産のセミナー
 非木材グリーン協会は5月18日,東京・人形町の日本橋清心丹でセミナーを開く。「極限地での植物生産」をテーマに,同協会の飯山賢治副会長が話す。参加費は一般1000円,会員無料。要申込。
http://www.himokuzai.org/info/2018/03/29/第30回セミナー開催のご案内/

6月29日,日本印刷学会が新聞印刷の基礎講座
 日本印刷学会は6月29日,東京・新富の日本印刷会館で「新入社員・初心者のための新聞印刷技術の基礎知識講座」を開く。ハワイ報知でのデジタル印刷事例,新聞輪転機,色表現,CTP,ブランケットとゴムロール,インキ,用紙といったテーマで基礎知識と最新の情報を紹介する。参加費は一般1万5000円,会員・協賛会員1万円。要申込。
http://www.jspst.org/event/180629.html

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週刊『印刷雑誌』9巻13号
2018年4月2日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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