週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 9巻22号 2018年6月11日
Japan Printer weekly Vol.9, no.22
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷を利用する

図書印刷,低部数領域でのワンストップサービス提供
 図書印刷は6月8日,出版市場やプロモーションメディア市場の業務拡大に向けて高速デジタル印刷機および加工設備を導入したと発表した。Web発注・生産システムを構築し,小ロット・短納期・バリアブル製造に対応した新たなサービスを始める。教育教材や専門書,コミックス,カタログ,マニュアルなどの製造を,短納期かつ適切な価格で提供する。

ウエーブ,うちわ印刷で最大12万部を当日出荷
 ウエーブは6月6日,同社が運営する印刷ネット通販「WAVE」において,新設備の導入により「うちわ印刷」の生産力を向上し,四角うちわ,円形うちわは最大12万部まで当日出荷できるようにした。また,1営業日以内の出荷プランは18万部まで,2営業日以内の出荷プランは20万部まで対応する。

北辰,塗り壁シート出力サービスが店舗受取に対応
 北辰は6月4日,写真や絵の画像をコミュニケーションアプリLineで送付して注文できる塗り壁シート(フレスコグラフィックスペーパー)出力サービス「HOKUSHIN」において,大阪・京町堀の店舗「A&C GALLERY」で決済や受取りができるようにした。

■印刷からの拡がり

共同印刷,デジタルサイネージの活用ソリューションを紹介
 共同印刷は6月13〜15日,千葉の幕張メッセで開かれる「デジタルサイネージ ジャパン2018」展に出展する。ECサイトへの誘導や,店に置ききれない大型商品を扱う店舗で省スペース化に役立つソリューション,インバウンドに対応した多言語サービスなどを紹介する。

大日本印刷,2つのパノラマ写真で360度のパノラマVR映像を作成
 大日本印刷は6月5日,2地点から撮影したパノラマ写真(静止画)だけで,高品位な360度のパノラマ バーチャルリアリティ(VR)映像を作成できる技術を開発したと発表した。同技術を使うと,撮影画像から作成した従来の360度パノラマVRで発生する画像の重なりや歪みを抑制し,場面の移動を鮮明でスムーズに表現できる。

大日本印刷,リアルタイムデータ統合ソリューションの導入支援
 大日本印刷は6月4日,Tealium Japanが提供するリアルタイムデータ統合ソリューション「Tealium Universal Data Hub」の導入・活用を支援するサービスを始めた。第一弾として山形銀行での導入を支援。同銀行は同ソリューションによりWebサイトで顧客のニーズを即時に取得・解析し,一人ひとりに合ったメッセージや通知の出し分けを最適なタイミングで行う。

凸版印刷,自然光再現照明を販売
 凸版印刷は6月,自然光を再現するLED照明システム「CoeLux Exp Sky(コエルクス・エクスペリエンス・スカイ)」の販売を始める。同製品はイタリアのベンチャー企業CoeLux s.r.l.が開発した, LED照明とナノ粒子プラスチックシートを組み合わせて太陽の光と青い空を再現する屋内照明設備。

凸版印刷,通信規格ZETAの普及にアライアンス立ち上げ
 凸版印刷は6月5日,アイティアクセス,QTnet,テクサーと共同で,低消費電力でメッシュネットワークを構築可能な次世代LPWA(Low Power Wide Area)通信規格「ZETA(ゼタ)」の普及を目的とし「ZETAアライアンス」を立ち上げたと発表した。

■新製品発売

キヤノンMJ,インクジェット印刷対応ICカードを発売
 キヤノンマーケティングジャパンは7月上旬,「インクジェット対応ICカード FeliCa Lite-S版」を発売する。インクジェット方式のカードプリンタ「CX-G6400」「同G2400」に対応し,後者で出力した場合,速度はカラー片面分速50枚,インクコストは1枚約2円。オープン価格。

京セラ,カラーA4プリンタと複合機を発売
 京セラドキュメントソリューションズジャパンは6月中旬より,カラーA4判プリンタ「ECOSYS P7240cdnシリーズ」2機種と,カラーA4判複合機「ECOSYS M6635cidn」を順次発売する。出力速度はカラー・モノクロともに,プリンタは毎分40枚と30枚,複合機は35枚。30万枚までトナー交換のみで使える耐久性や,A4判用紙1枚あたりカラー7.0円,モノクロ1.0円の低ランニングコストなどが特長。

コニカミノルタ,用紙対応強化のデジタル印刷機発売
 コニカミノルタは6月14日,出力速度の向上,調整の自動化,用紙対応力を強化したデジタル印刷機「AccurioPress  C3080」と「同C3080P」「同C3070」を発売した。 同C3080,C3080Pは従来機の画質はそのままで,出力速度をA4判で毎分81ページと14%向上,A3判では毎分45ページと18%へと向上した。また,厚紙対応力も向上し紙厚216g/m2まで速度を落とさず印刷できる。さらに給紙オプションの組み合わせによる最大1万5390枚の大容量給紙にも対応する。720〜820万円。

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エックスライト,濃度計を発売
 エックスライトは6月1日,濃度計「eXact Basic」を発売した。CMYK,濃度,ドットゲインを測定するほか,基準色と比較した合否判定,トラッピング,コントラスト,トレンド表示,印刷曲線表示などの機能がある。フレキソフィルム専用の「XP」モデルもある。

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン,画像処理ソリューションに自動化機能追加
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは6月5日,媒体の制作工程で発生する大量の画像解析,補正,加工,変換,品質チェックを自動化するサーバーソリューション「Claro」の機能強化を発表した。これにより,画像処理時に自動でマスキングする範囲を検知し,処理を実行できるようになり,加工作業を大幅に削減できる。

■プロの世界

共同印刷,画像処理システムにAIを導入
 共同印刷は6月4日,モアレを抑制して高品質なまんが電子書籍画像を生成する「eComicScreen」の機能を,AI技術により向上させた「eComicScreen+(イーコミック スクリーン プラス)」を開発したと発表した。技術者が長年にわたり培ってきた画像処理技巧をAIに学習・蓄積させることで,スクリーントーンの抽出精度を向上し,スクリーントーンの認識モレやムラを改善し自然な仕上がりを図る。画像の処理速度も上がった。

凸版印刷,コンクリートに加飾デザイン
 凸版印刷は,コンクリートの硬化を遅らせる特殊インキを印刷し,意匠性の高い多様なデザインを付与できるコンクリート用加飾工程紙「べトンフィット」を開発した。同製品をコンクリート型枠の底に敷き,生コンクリートを流し込んで固めたあと水洗いすることで,特殊インキを使用したデザイン部分はコンクリートの内面が露出して絵柄を発現させる。コンクリート製品の製造工場やゼネコン,デベロッパー向けに6月5日に発売した。

小森コーポレーション,銀行券用印刷機が国際通貨協会最優秀技術賞
 小森コーポレーションは6月5日,同社の銀行券印刷用コンビネーションマルチプロセス番号コーター印刷機「CURRENCY NV32」が国際通貨協会の最優秀技術賞を受賞したと発表した。同賞は銀行券印刷業界に大きな影響を及ぼすと予測される技術開発に対して贈られる。

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 厳しい景気動向の中で,突発事故,突発修理などによる利益損失をなくし,安定した生産と利益を創造するためには?『印刷現場の予防保全』
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キーポイントインテリジェンス,大判プリントの会議
 キーポイントインテリジェンスは6月7日,東京コンファレンスセンター・品川で「サプライ(消耗品)市場コンファレンス」を開いた。マーケティング戦略立案のために見逃すことのできないキー・トレンドと今後の市場成長動向予測について,調査報告を元に話した。

中小印刷産業振興議員連盟,知財の取り扱いや適正価格の実現を報告
 中小印刷産業振興議員連盟は6月6日,自由民主党本部で総会を開いた。中曽根弘文会長(参議院議員)は,知的財産権の適切な取り扱いや適正価格の実現など,産業発展や問題解決のためにしっかりと対応していくと話した。

大日本印刷,村上春樹氏のラジオ番組に協賛
 大日本印刷は,8月5日よりJFN系列全国38局ネットが放送する,作家の村上春樹氏がパーソナリティをつとめるラジオ番組「村上RADIO 〜RUN&SONGS〜」に,スポンサーとして協賛すると発表した。同番組は,同氏の作家生活に欠かせないという音楽と走ることをテーマに構成され,選曲も同氏が行う。

北越紀州製紙,7月に社名変更
 北越紀州製紙は7月,「北越コーポレーション株式会社」に社名を変更する。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

6月13〜15日,幕張メッセで「デジタルサイネージ ジャパン2018」
 デジタルスクリーンメディア産業の展示会「デジタルサイネージ ジャパン2018」が6月13〜15日,千葉の幕張メッセで開かれる。同展内で企画「ライブエンターテイメントジャパン」もある。主催は同展実行委員会。入場料5000円(事前登録で無料)。
http://www.f2ff.jp/dsj/

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6月14日,エックスライトがパッケージ色管理セミナー
 エックスライトは6月14日,東京・青海の同社で「ブランドオーナーのためのパッケージの色管理セミナー in 東京」を開く。ブランド資産であるカラーをどのように指定・伝達すれば,より再現性が高まるのかに焦点を当てる。参加無料。要申込,定員20人。
https://www.xrite.co.jp/news/pressnews/532-2018-06-14-pressnews.html

7月5・6日,大阪で組込みとIoTの総合技術展
 「組込み総合技術展」と「IoT総合技術展」が7月5・6日,グランフロント大阪で開かれる。主催は組込みシステム技術協会。入場料1000円(招待状持参または事前登録で無料)。
http://www.jasa.or.jp/etwest/

11月28〜30日,ビッグサイトで「新聞製作技術展」
 「新聞製作技術展:JANPS 2018」が11月28〜30日,有明の東京ビッグサイトで開かれる。新聞社の各種業務を支える技術の展示・実演がある。主催は日本新聞協会。入場無料。
http://www.janps.jp

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 リアルメディアとして長きにわたりマスメディア・文化を支え続けている新聞は,一体どのように作られるのか。取材から記事入稿,印刷,後加工までをわかりやすく解説し,専門用語には解説を加えた。『新聞製作入門』

2019年1月30日〜2月1日,ビッグサイトでナノテクノロジー総合展
 「nano tech 2019 第18回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」が2019年1月30日〜2月1日,有明の東京ビッグサイトで開かれる。セルロースナノファイバやカーボンナノチューブといったナノ材料を中心に,分析・計測,加工の技術や製品が紹介される。主催は同展実行委員会。入場料3000円(Webの事前登録で無料)。
https://www.nanotechexpo.jp/main/

2019年2月13〜15日,幕張メッセでスーパーマーケットの展示会
 食品流通業界に最新情報を発信する展示会「スーパーマーケット・トレードショー」と「デリカテッセン・トレードショー」が,2019年2月13〜15日に千葉の幕張メッセで開かれる。2018年8月22日まで出展申込みを受け付けている。主催は新日本スーパーマーケット協会。入場料5000円(招待券持参または事前登録で無料)。
http://www.smts.jp

2019年4月3〜5日,ビッグサイトで「グラフィックデザインEXPO」
 広告・Web・パッケージなどの制作会社やデザイン会社が出展する「グラフィックデザインEXPO」が2019年4月3〜5日,有明の東京ビッグサイトで開かれる。コンテンツビジネス総合展 「コンテンツEXPO東京」内の展示会の一つ。主催はリードエグジビションジャパン。入場料は5000円(招待券持参で無料)。
http://www.gd-expo.jp

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週刊『印刷雑誌』9巻22号
2018年6月11日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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