週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 9巻23号 2018年6月18日
Japan Printer weekly Vol.9, no.23
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷を楽しむ

「造本装幀コンクール」入賞作品発表
 日本印刷産業連合会と日本書籍出版協会は6月8日,「造本装幀コンクール」の入賞作品を発表した。部門全体で325点の応募があり,22作品が受賞した。文部科学大臣賞は『池内晶子 | Akiko Ikeuchi』(装幀:小池俊起,印刷:サンエムカラー,製本:篠原紙工,発行:gallery21yo-j)。経済産業大臣賞は『村上善男--玄々とした精神の深みに』(装幀:西野嘉章・山本浩貴,印刷:秋田活版印刷,製本:篠原紙工,発行:玄風舎)。

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 幕末明治の初期洋装本から現代のベストセラーまで,装丁家兼製本マニアの著者が,日本の近代製本史を文献と実物資料の両面から丹念に探る。『製本探索』
 原弘から杉浦康平,横尾忠則,菊地信義,そして原研哉まで,日本を代表する31人のグラフィックデザイナー各氏のブックデザインを,58作品,68点のカラー図版とともに紹介。『デザイナーと装丁』

SO-KEN,ギミック印刷のグッズに特化したオンラインショップ
 SO-KENは6月8日,ギミック印刷によるグッズ製作に特化したオンラインショップ「オ・モ・ロ」を開設した。太陽光で絵が変化するTシャツのオリジナル製作ができるほか,さまざまなグッズを展開する。

コンテンツワークス,地域学習プロジェクトの写真作品公開
 コンテンツワークスは6月12日,地域学習プロジェクト「ジモトジマンコレクション」で全国の高校生が地元の魅力を写真付きパンフレットにした作品を特設Webサイトで公開した。15校・16作品が紹介されている。

イエスリフォーム,月額定額制のデザインサービス
 Webサイト制作会社のイエスリフォームは6月12,月額定額制のデザインサービス「あなたの会社のデザイン部」を発表した。月額定額制で,Webサイト制作・更新,パンプレット・チラシ制作,ロゴ制作,手書きデータのデータ資料化,冊子デザインなどを,その都度の打ち合わせ追加費用なしで1案件ごとに依頼できる。

■印刷からの拡がり

大日本印刷,文化放送のラジオ番組とタイアップしてイラスト募集
 大日本印刷は6月4日,同社が行っている,日本のコンテンツの魅力をネットワークメディアやリアルな場などで国内外に発信し,クリエイターやコンテンツホルダーとファンをつなぐサービスと,文化放送が運営するインターネットラジオの生ワイド番組を連携し,番組内の新コーナーを始めたと発表した。番組内でお題となる台詞を発表し,オリジナルキャラクターのイラストをリスナーから募集する。翌週以降に応募されたイラストから,その日の最優秀作品を決定し,選ばれたイラストはWebサイトに掲載される。

共同印刷,販促ソリュ―ションの低コストプラン提供開始
 共同印刷は7月,オムニチャネル対応の販売・販促ソリュ―ション「MY SHOPPING CONCIERGE」の基本機能を手軽に導入できる「スタータープラン」の提供を始める。このソリューションは,実店舗に設置するタッチパネル型のデジタルサイネージとスマートフォン用アプリが連動し“新しい顧客接点”を創出する。同プランは,導入企業の既存システムを大幅に改修せずにこのソリューションの基本機能を利用できる,低コストなプラン。

凸版印刷,IoT建材で未来の家
 凸版印刷は6月11日,従来提供する建装材に,各種センサーなどIoT機器を組み合わせた新製品の開発を始めたと発表した。生活の中に建装材を通じてIoT機器がさりげなく溶け込み,居住者の健康管理や見守りなどをサポートする未来の生活空間の実現を目指す。第一弾として,NTTドコモ,横浜市,and factoryが推進する「未来の家プロジェクト」の取り組みの1つとして「IoTスマートホームを用いた生活モニタリング実証実験」に参画している。

大日本印刷,よりみちスポット情報アプリに「まち巡り」を案内する新機能を追加
 大日本印刷は6月14日,地域の“よりみちスポット”情報を提供するアプリの利用者が“まち巡り”企画の主催者等からチャット形式で発信されるメッセージを受信しながらまち巡りを楽しめる新機能を開発したと発表した。今回追加した新機能は,登録された「まち巡りコース」と位置情報を連動させて,その土地にまつわる情報をクイズなどで配信することで,利用者にまち巡りを一つの物語として体験してもらう。

大日本印刷,地域銀行の業務改革を支援するコンサルティングサービス
 大日本印刷は6月11日,働き方・業務改革に取り組む地域銀行向けに,業務分析から業務改革の計画を決め,実行まで一貫して行うサービスを始めたと発表した。同サービスでは,預金・融資・為替分野において業務を「見える化」し,本業とそれ以外に分けて整理する。各業務の必要性と最適化を見極め,より本業に力を注ぎ,その付加価値や生産性を高めることで収益性の改善を進められるよう業務設計し直し,実行計画を決める。

■プロの世界

アドビ,バウハウスの伝説的な巨匠による失われたタイポグラフィを再現
 アドビは6月11日,バウハウスの未完成書体を再現したデジタルフォントを提供すると発表した。伝説的なバウハウス・デザイン学校から,およそ100年前のタイポグラフィのスケッチや未発表の手紙の断面など未完成なかたちで遺された5つのフォントが発見された。タイプフェイスデザイナーのエリック・シュピーカーマン氏との協業により,デジタルフォントを順次公開する。
 このプロジェクトを記念し,アドビは5つのお題で構成される新フォント活用コンテストを開催する。6月12日〜7月9日「ロゴデザイン」,7月10日〜7月30日「ポスターデザイン」,7月1日〜8月20日「名刺デザイン」,8月21日〜9月10日「ウェブページデザイン」,9月11日〜10月1日「バウハウス風ブランドアイデンティティデザイン」。

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 和文を中心に文字,書体に焦点をあて,書籍や雑誌をはじめとした印刷媒体や,さらにデジタル機器の表示までの文字の基本,デザインへの応用までを多数の図版を使ってオールカラーで解説。『印刷技術基本ポイント 文字・書体編』
 組版とページ割りの基本知識をカラー図版とわかりやすい説明でまとめた,初歩的な知識がすぐに身につく基本テキスト。『印刷技術 基本ポイント組版・ページネーション編』

日本印刷産業連合会,技能五輪の日本代表選手の選考会
 「第45回技能五輪国際大会」が2019年8月にロシア・カザンで開かれる。日本印刷産業連合会は7月13日まで,印刷職種(オフセット印刷)の日本代表選手候補者の応募を受け付ける。7月4日に応募説明会がある(6月28日申込締切)。8月3日に第一次選考会,10月22〜24日に最終選考会を経て,11月初旬に代表選手候補者が発表される。

キンコーズ,「販促EXPO」でワンストップサービスを紹介
 キンコーズ・ジャパンは7月4〜6日,有明の東京ビッグサイトで開かれる「販促EXPO」に出展する。子会社のインターリンクと共同で,オンデマンドソリューションサービスと大判インクジェットプリントサービスを結集させ,販促企画の立案から制作・施工,運営,効果測定までをワンストップで提供するソリューションを紹介する。

ミマキエンジニアリング,耐候性保証のインクの搭載を開始
 ミマキエンジニアリングは7月,UV硬化インクジェットプリンタ「UCJV300-160」および「UCJV300-75/107/130」に対して,3M社と協力して開発したUVインク「LUS-200」の搭載を始める。同インクは3M社が推奨する方法で施工することで,最長6年間の長期屋外耐候性保証が受けられるプログラムが適応される。また,UV硬化後でも200%伸びる柔軟性があり,車両ラッピングなど曲面施工が必要なものにも対応する。

環境保護印刷推進協議会,6月27日に総会と勉強会
 環境保護印刷推進協議会は6月27日,東京・神田小川町の明治大学紫紺館で総会と勉強会を開く。勉強会は,「企業にとって“自然保護”,“生物多様性保全”の推進とは」と題し,日本自然保護協会の道家哲平氏と大野正人氏が講演する。

紙のエレクトロニクス応用研究会,紙の応用事例を紹介
 紙のエレクトロニクス応用研究会は6月13日,東京・外神田のArts Chiyodaで技術研究発表会を行った。東京大学大学院の斉藤一哉特任講師は,自然の中の折りたたみ構造物と折り紙の工学応用を中心とした折りたたみの科学について最近の動向について解説。廣済堂の軽部洋希氏は,ブラックライトを照射することで色彩豊かなビジュアルが浮かび上がる「ルミナスパレット」について活用事例を紹介。サンコーの有園悦克社長は,クリエーター専用のシェアオフィス「co-lab墨田亀沢」で生まれた,印刷職人とクリエーターの協業による新しいアイディアや製品について紹介した。

小森コーポレーション,内覧会でデジタル機などをアピール
 小森コーポレーションは6月14・15日,同社のつくばプラントで内覧会を開いた。小森善信執行役員は,デジタルを利用した自動化は知性を活かすための手段の一つと捉え製品開発を行っていると話した。またPreIGASとして,7月下旬に開催されるIGASへの出展機器の展示,3ジョブをノンストップで行う実演などを行った。

キヤノン,デジタル印刷システムで製品マニュアル自動化生産
 キヤノンマーケティングジャパンとキヤノンプロダクションプリンティングシステムズのデジタル印刷システムが,キヤノンメディカルシステムズが2019年初頭より順次運用を始めるデジタル医療機器用製品マニュアル自動化生産システムで稼働する。この生産システムは,医療機器用製品マニュアルのデータの作成から在版データ管理を行う生産管理システムと,本文印刷用と表紙印刷用のデジタル印刷機2台,自動くるみ製本システムが連携したデジタルオートメーションシステムで構成される。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

7月8日まで,大日本印刷がアニメ「おそ松さん」の物販イベント
 大日本印刷は7月8日まで,市谷の東京アニメセンター in DNPプラザで企画展「“おそ松さん”物販イベント 松野商店 \手塚おさ松さんグッズもあるよ/」を開いている。赤塚不二夫の漫画「おそ松くん」を原作としたTVアニメ「おそ松さん」と,手塚治虫の生誕90周年のコラボ「手塚おさ松さん」の商品をはじめとしたグッズを販売する。主人公の6つ子の部屋の再現などもある。入場無料。火曜休館。
https://animecenter.jp/plan/09_osomatsusan.html

8月26日締切,日本印刷産業連合会がエッセイ・作文コンテスト募集
 日本印刷産業連合会は8月26日まで,「第2回“印刷と私”エッセイ・作文コンテスト」の作品を募集している。大切な本や,心に残っているポスター,印刷の思い出など,印刷にまつわるエッセイ・作文を広く一般から募る。審査委員長は放送作家・脚本家の小山薫堂氏。入賞作品は同コンテスト受賞作品集として発行される。
https://www.jfpi.or.jp/greenprinting/contest

6月21・22日,モトヤが秋葉原で販促と印刷のフェア
 モトヤは6月21・22日,秋葉原クロスフィールド アキバ・スクエアで「販促・MOTOYA COLLABORATION FAIR東京2018」を開く。“販促・体感”をテーマに,印刷会社やメーカーなどが出展する。有料・無料のセミナーもある。入場無料。
http://www.motoya.co.jp/news/tokyocollabo2018.html

6月22日,印刷技術懇談会が東京工芸大学で例会
 印刷技術懇談会は6月22日,中野坂上の東京工芸大学で例会を開く。「IGAS2018」の小森コーポレーションの出展の見どころを紹介する。参加費1000円。要事前予約。
http://qq3q.biz/KBsp

6月22・26日,日本HPが東京と大阪で経営セミナー
 日本HPは6月22日に大阪のブリーゼプラザで,26日に東京の秋葉原UDXシアターで,「HPイノベーション経営セミナー」を開く。日本郵便による基調講演「デジタル一辺倒に待った!デジタルネイティブにアナログが効く時代の最適なコミュニケーション」のほか,商業印刷業界の専門家による講演やパネルディスカッションなどがある。
https://h41268.www4.hp.com/live/index.aspx?qid=9744

6月23日,名古屋で写真用品の展示会
 写真用品の展示会「PAV2018名古屋」が6月23日,専門学校名古屋ビジュアルアーツで開かれる。北辰はインクジェットメディアを展示しファインアート・プリント体験会を行う。入場無料。
http://www.pav-jp.com/posts/4208264

7月10日,電子出版制作・流通協議会がAI活用のセミナー
 電子出版制作・流通協議会は7月10日,半蔵門のJCIIビルで「出版におけるAI活用の現状とAIがもたらす未来」をテーマにセミナーを開く。参加費は一般5000円,会員3000円,学生1500円。要事前予約。定員70人。
https://aebs.or.jp/seminar20180710.html

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 本の歴史とICT技術の発展の双方を見つめ続けてきた著者が,「本」と印刷,そして情報化社会を生きる人間の今と未来を語る。『電子書籍は本の夢を見るか–本の未来と印刷の行方–』
 出版デジタル機構 元会長の植村八潮氏(専修大学教授)が,現在の電子書籍ブームへの軌跡を10年以上にわたり追い続けた記録を一冊に集約。『電子出版の構図』

7月11〜13日,ウイル・コーポレーションが神保町で内覧会
 ウイル・コーポレーションは7月11〜13日,東京・神保町のプレシーズタワーで内覧会「TOKYO GALLERY EXHIBITION」を開く。大量集客のためのチラシやDM,レスポンス率を引き上げる仕掛DM,コストパフォーマンス向上のための顧客データ分析などの実例を紹介する。また,グループ会社のさまざまなノベルティグッズや書籍,デジタル印刷機を活用した事例の展示も予定している。入場無料。
http://go.wellco-corp.com/e/229802/tge-2018-html/3rnhm/71107850

7月19日,シーエムシー・リサーチが「紙材料科学の基礎」セミナー
 シーエムシー・リサーチは7月19日,東京のちよだプラットフォームスクエアでセミナーを開く。「紙材料科学の基礎」をテーマに,京都大学の山内龍男氏が話す。受講料は一般5万円,メルマガ登録者4万5000円,教員・学生1万5000円。要申込。
http://cmcre.com/archives/34045/

7月20日,「IAUD国際デザイン賞」の応募説明会
 国際ユニヴァーサルデザイン協議会は7月20日,東京・赤坂のインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで「IAUD国際デザイン賞(IAUDアウォード)2018 説明会」を開く。ユニバーサルデザイン社会の実現に向けて,顕著な活動の実践や提案を行っている団体・個人に授与される同賞の応募説明のほか,「持続可能な開発目標(仮)」をテーマにセミナーもある。参加無料。要申込,定員100人。問合せは事務局へ,メール(info@iaud.net)。

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 障がい者を含めた多くの人が視覚的に情報を理解できるメディア・ユニバーサルデザインという視点。その現状調査や企業・団体の取り組み,技法,適応例をオールカラーで解説。『メディア・ユニバーサルデザイン』

8月3・24日,加工技術研究会が「コンバーティングテクノロジーセミナー」
 加工技術研究会は8月3日に東京・神田のフォーラムミカサエコで,24日に大阪科学技術センターで,「コンバーティングテクノロジーセミナー」を開く。「レオロジーとぬれ性」「添加剤の機能と効果」と,材料系からのアプローチで,コーティングの理解を深化していく。参加費は一般3万5000円,会員3万円。要事前予約。定員70人。
http://www.ctiweb.co.jp/seminar/cpr2018/

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 一口に工場管理と言っても,材料や機械の管理から,空調,音,照明,有害物質廃棄・除去,動線など人に関わるものまで,多くを考えなくてはなりません。今月号はエネルギーに対する提案,ロボット化,カーボンフットプリントについて取り上げました。
 印刷物は,形あるものですので,工場がなくては生産できません。印刷物づくりの脇役のような動向の紹介かもしれませんが,本特集が印刷物生産のお役に立てば幸いです。

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週刊『印刷雑誌』9巻23号
2018年6月18日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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