週刊『印刷雑誌』


週刊『印刷雑誌』 9巻24号 2018年6月25日
Japan Printer weekly Vol.9, no.24
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(税抜1400円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

■印刷からの拡がり

凸版印刷,国宝土偶のVR作品を製作
 凸版印刷は東京国立博物館と共同で,縄文時代の土偶の美をテーマに,国宝指定の土偶5体の造形的な美しさに注目したバーチャルリアリティ(VR)作品「DOGU 美のはじまり」を製作した。7月4日より,同博物館の「TNM&TOPPANミュージアムシアター」で公開する。高精細デジタル撮影や立体形状計測によって得たデジタルデータを活用し,土偶特有の表面の細かな文様や,実物では見ることが難しい部分の造形も再現。同社のライティングやカメラワークなどのノウハウを活用し,土偶の独創的な造形を際立たせることで,バーチャル空間上に土偶の美を表現した。

凸版印刷,VR作品のリクエスト投票
 凸版印刷は東京国立博物館と共同で7月22日まで,同博物館の「TNM&TOPPANミュージアムシアター」で10月3日〜12月23日に上演するバーチャルリアリティ(VR)作品のリクエスト投票を行っている。候補作品は,「洛中洛外にぎわい探訪 舟木本屏風を歩く」「東博のミイラ デジタル解剖室へようこそ!」「日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺・八橋蒔絵螺鈿硯箱」「江戸城の天守」。同シアター前の投票所とWebサイトで投票できる。

凸版印刷,環境発電技術で駆動する電子ペーパー開発
 凸版印刷は6月19日,環境発電(エネルギーハーベスティング)技術で駆動する電子ペーパーを開発し,無線通信規格「EnOcean」に対応した電源レスのIoT機器に表示することに成功したと発表した。同製品は既存のデータ通信インフラを活かしたシステム連携が可能で,微弱な電力でも表示の切り替えができる。なめらかな表示が可能なセグメント型電子ペーパーを採用しており,一度表示された内容は次に書き換えるまで電源なしで常時表示を保持する。

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■プロの世界

SCREEN,8ページサイズCTP発表
 SCREENグラフィックソリューションズは,1時間当たり最大32版の生産性がある8ページサイズのサーマルCTP装置「PlateRite 8600N?シリーズ」を7月から販売すると発表した。ファイバーレーザーダイオードヘッドを採用し,独自のクランプ技術やオートバランス機構により,露光の高速化と安定品質を図れる。ベースモデルの仕様を最小化し,アップグレードが可能。

日本写真印刷,動画配信マーケティングのキャンペーン
 日本写真印刷コミュニケーションズはAOSモバイルと共同で7月15日まで,ショートメッセージサービス(SMS)を使って企業からの動画配信を行うサービス「パーソナライズド動画×SMS」をお得に導入できるキャンペーンを行っている。パーソナライズド&セグメント動画の制作・配信サービス「OneDouga(ワンドウガ)」とSMS配信システム「AOS SMS」を契約すると,導入費用やSMS配信本数1000通分の費用を割り引く。先着5社まで。

VPJ,Webコンテンツ制作・配信ソリューション発売
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは6月21日,Webファーストでのコンテンツ配信やInDesign記事のWeb展開などデジタルメディアに向けた最適なコンテンツ配信を行うソリューション「Enterprise/オーロラ」を発売した。InDesignとHTML5の双方に変換可能な「ニュートラルコンテンツ」をWebブラウザ上で制作・編集する機能が実装されている。紙媒体・デジタルコンテンツのテンプレートへの紐付け設定を行うことで,簡単に紙面ファイル・Webコンテンツを生成・配信する。

キーエンス,IJプリンタ用の強接着MEKフリーインク発売
 キーエンスは6月5日,インクジェットプリンタ向けでメチルエチルケトン(MEK)を含まない「強接着MEKフリーインク」を発売した。従来のMEKフリーインクではフィルムや容器への付着力が劣る傾向だったのを改善した。

共同印刷,機能性フィルムや材料を出展
 共同印刷は6月27〜29日,有明の東京ビッグサイトで開かれる展示会「インターフェックス ジャパン」や「ドリンク ジャパン」に出展する。吸湿・吸着や酸素吸収,帯電防止などの機能があるフィルムや材料,フレキシブルコンテナーや液体・粘体用小袋を紹介する。

大日本印刷,液体紙容器用キャップが「木下賞」
 大日本印刷は6月20日,「DNPキャップ・中栓同時開栓注出口(液体紙容器用)」が日本包装技術協会が主催する「木下賞」(新規創出部門)を受賞したと発表した。同製品は従来のプルリングに代わる中栓を,キャップを開ける動作と同時に開栓できる注出口になっている。中栓の開けにくさや液ハネ,中栓ゴミなど,注出口の課題を解決したことが評価された。

凸版印刷,デジタル印刷のパッケージが「木下賞」
 凸版印刷は6月19日,ロッテおよび日本HPと制作した,ロッテ20周年記念デザインパッケージ「キシリトールガム<Xミント>」が,日本包装技術協会が主催する「木下賞」(新規創出部門)を受賞したと発表した。同パッケージは,多種多様な才能を持つ20歳代の若者たち20組がデザインしたベースデザインをランダムに組み合わせ,200万種以上のパッケージデザインをデジタル印刷した。軟包装における新たなマーケティング手法の確立と技術革新性が評価された。

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 POD(Print OnDemand)は入念に仕組み作りを工夫することでオフセットでは難しい印刷物や,消費者への効果を作り出すことができる。その特長を活かすための機能や基本原理を解説した入門書。印刷会社以外の総務の方にもわかるようにやさしく解説。『印刷技術基本ポイント POD編』

フュージョン,本社機能を移転
 フュージョンは5月21日,本社機能を移転した。新住所は,〒060-0004札幌市中央区北4条西4-1 伊藤ビル4階,電話011-271-8055。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

9月20日締切,「技術経営・イノベーション賞」募集
 「科学技術と経済の会」は9月20日まで,「技術経営・イノベーション賞」の応募を受け付けている。経済発展,社会変革,競争力向上,福祉向上,SDGsへの貢献などを飛躍的に実現するイノベーション(変革を起こした新事業)で,事業化され投資や雇用を生み出しつつある優れたとりくみを表彰する。受賞者には賞金20万円と記念盾が贈られる。
http://ur0.work/KGsD

6月26・27日,札幌でデジタルテクノロジーの専門展示会
 日経BP社は6月26・27日,札幌コンベンションセンターで「クラウド」「IoT」「働き方改革」「セキュリティ」「ビジネスAI」に関する複合展を開く。入場料3000円(事前登録者は無料)。
http://nkbp.jp/cdspr

7月4日,大日本印刷が大阪でインテリアデザインのセミナー
 大日本印刷は7月4日に大阪市中央公会堂で,世界のインテリアデザインのトレンドを多面的に発信するセミナー「GLOBAL INTERIOR SEMINAR 2018」を開く。海外展示会の視察報告や,商空間デザインをライフスタイルの視点から読み解く講演などがある。参加無料。事前予約制。
http://www.dnp.co.jp/seminar/180704sm/

7月6日,日本画像学会が容器をテーマに勉強会
 日本画像学会は7月6日,田町の東京工業大学で勉強会を開く。東洋製罐の山田幸司氏が「包装容器のお話〜容器はどうやって作られているのか〜」と題し,飲料缶やPETボトルの種類や製造方法,金属缶に用いられている印刷技術や加飾方法を紹介する。参加費は一般2000円,会員・学生1000円。要申込,定員30人。
http://www.isj-imaging.org/event/imagingcafe/yokoku180706.html

7月6日,日報ビジネスがパッケージデザインの研究会
 日報ビジネスは7月6日,大阪・南本町の同社で研究会を開く。パッケージデザイナーの三原美奈子氏が,アメリカのパッケージデザイン事情を分析。ワークショップもある。参加費3000円。要申込,定員10人。問合せは,電話06-6262-2402。

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 音楽ジャケット制作エピソード徹底解剖!デザイナーがこだわり抜いた音楽パッケージのデザインクリエイティブと製造技術,それらに関わる人々のエピソードを豊富な写真とインタビューで紹介。『ミュージック・ジャケット・ストーリーズ-見て楽しむ特殊パッケージの世界-』

7月10日,「メディアの将来像を考える会」がブロックチェーンのセミナー
 「メディアの将来像を考える会」は7月10日,東京の早稲田大学でセミナーを開く。コンテンツジャパンの堀鉄彦社長が「ブロックチェーンはニュースメディアにどのような影響を与えるか」と題して話す。参加費1000円。要申込。問合せは同会幹事団へ,メール(inagakitaro@aoni.waseda.jp)。

9月8〜24日,金沢工業大学が上野で「[世界を変えた書物]展」
 金沢工業大学は9月8〜24日,東京の「上野の森美術館」で,「[世界を変えた書物]展」を開く。同大学が蒐集している,西暦1445年頃とされるグーテンベルクによる活版印刷術発明後に出版された科学技術に関する初版本の中から,コペルニクスやガリレイ,ニュートン,アインシュタイン,ダーウィンなど,世界を一変させた発見や科学技術に関する初版本約130冊を展示する。入場無料。
http://www.kanazawa-it.ac.jp/shomotu/

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 日本の印刷術伝来から,江戸時代に浮世絵など華麗な美術作品として色摺り印刷物が花開くまでの道程を,政治や宗教,出版文化など社会的背景とともに技術的側面からも考察した印刷・出版文化史。『江戸前期上方色摺史の研究〜グローバルな進化の過程の下で〜』
 天正遣欧少年使節の従者として活版印刷術を西洋に学び,初めて日本に伝えたにもかかわらず,歴史から葬り去られた日本最初の活版印刷人コンスタンチノ・ドラードの物語。『活版印刷人ドラードの生涯 リスボン→長崎 天正遣欧使節の活版印刷』(オンデマンド新装版)

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 印刷産業はシュリンクしているとは言われますが,元気ある中小の印刷会社はさまざまな企画・営業・技術などを開発・運営・推進しています。そのごく一部を本誌5月号で紹介させていただきましたが,キリがないというくらい印刷会社は試行錯誤してビジネスを展開しています。今回は自動化・色管理・環境対応・展示会などの切り口から差別化戦略を見ていきます。

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週刊『印刷雑誌』9巻24号
2018年6月25日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

 

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